ニャルラトホテプ
館帝永<追いかける過去>
「ペルソナぁ!」
「いい練度だ……間違いなく一流だ、周防達也や天野舞耶と比べての遜色ない資質だ……。
だが、ペルソナチェンジ、リリム」
ラブがペルソナで氷結魔法<ブフダイン>を放つ。
だが、館はニヤニヤしながら余裕で対応する。
王冠を被った無貌の顔に触手を生やした邪神・ニャルラトホテプから悪魔の翼を生やした美少女である夜魔・リリムへとペルソナが変わる。
「夜魔であるアルカナ・月のリリムは破魔属性以外の魔法を吸収する。
(※この世界では悪魔のアルカナだったがな……生憎異世界産だ)」
「ペルソナが変わった……!?」
「ああ、この世界ではワイルドという強力なペルソナ使いしか複数運用できないらしいね。
まぁ俺はそうじゃない……おっと!」
ラブは魔法攻撃が効かないと判断すると、拳銃を取り出し発射する。
総弾数十発のグロック26を連射された館は転がりながら回避する。
脇腹に被弾して赤いマガツヒ(マグネタイト)を流す。
「良いねえ、思い切りがいい。
今まで収集して来たムシケラとは大違いだ。
ではこれはどうだ?
ペルソナチェンジ、エイシュト。
喰っていいぞ」
『お前は何が嫌いだ?』< 悪しき果実の貪り>
リリスから翼を生やし、仮面を被った鉤爪の女に変わった。
エイシェト・ゼヌニム…… ユダヤの伝承に登場する、姦淫を司るサッキュバスで、「4人のデーモンの女王(カディシュトゥ)」の一人。
エイシュトの爪がラブに迫る。
辛くも直撃は避けるが、左手に裂傷を受ける。
館は、エイシュトの攻撃が成功すると、先程のダメージが修復される。
「治った」
「化け物……!!」
「俺は人類の人類の悪の化身……そう生まれ育ったのはお前達のせいだ。
認知しろとは言わんがね、ハハハ。
人類を全て救うか、全てを殺すつもりでかからないと……負けちゃうぜ?」
絶望が始まる。
ペルソナをラブに見せつけるように変えていきながら一思いに倒さずに嬲っている。
だが、ラブは諦めない。
「どうした、桐条達が助けに来るとでも期待したか?
お前のお目当てのkiller9はジャパンでバカンス中だ」
「トレヴァーを死に追いやったのも……笑う男を作ったのも……」
「もちろん、俺の仕業だ」
「なら、諦めるつもりはないわ!
物語を結びましょう」
『これで幕引きだ!」<喝破・ランダマイザ・ラスタキャンディ・コンセントレイト・4のつぎ>
無防備な館に向かってラブは最後の切り札を出す.
精神を集中させて魔法の同時起動を行う。
自身の強化と相手の弱体化をしながら必殺の一撃を放とうとする。
アナンシの固有技である『4のつぎ』……当たれば確かに館に致命的なダメージを出せたかもしれない。
「スキルハック」<アクティブスキルを剥奪→ 『4の次』を選択>
『馬鹿な…!!』<スキル『4のつぎ』を剥奪された。次のターンまで使用不能>
「そうら、自分の技で吹っ飛べ」<『4のつぎ』>
「アアアア!」
呪殺の一撃が館のニャルラトホテプから放たれた。
耐性があったおかげで即死は免れたが大ダメージを受けた。
「素晴らしい……短期間でここまでペルソナを練り上げるとは!
笑う男をばら撒いた甲斐がありましたよ!!
ペルソナ・ニャルラトホテプにはこういう使い方ができるんですよ。
まぁ完全にペルソナを奪うには倒して無力化する必要があるんですよ、この世界に人間にたいしては」
「あああああ!!!」
ペルソナの技を奪われ、即座に銃撃を行うラブ。
その攻撃を両手をあげて受ける館。
「名残惜しいが、そろそろお終いだ。
ペルソナチェンジ、アモン」
『さぁご覧あれ 天より落つる憤怒の炎を!!』<メギドフレイム>
梟のような貌と翼を持ち、2本の腕と蛇の下半身を持つアモンにペルソナを変える。
主神アメン・ラーと同一視され、強欲の悪魔マモンから転化したとも言われる。
グリモワール『ゴエティア』によれば、40個軍団の悪魔を配下に置く序列7番の大いなる侯爵であるとされる存在だ。
アモンの繰り出す天空から落とされる炎……メギドフレイムは全てを焼き尽くさんとラブへ降り注いだ。
炎が消えた後には全身を焼かれたラブが倒れていた。
「……これでも生き延びるとは……。
まぁその仮面、いただきます」
館は、ラブの頭に手をかざす。
空中にペルソナのカードが生まれる。
アナンシの姿が描かれているを館は確認すると頷く。
「いいいいいやあああああああああああああっっっったああああああああ!!」
クリスマスプレゼントを貰った幼児のように飛び跳ねて喜ぶ館。
ラブは、呻き声を漏らしている。
「……その健闘に免じて弄ばないでおこう。
まぁ数ヶ月後に人類は滅びるし誤差だよ、誤差!
アバヨ!」
どこぞの悪魔召喚士のような捨て台詞を言って去っていく…。
ラブ・ウィルコックスは、通報を受けて病院に運ばれた。
生命の危機は脱したが、意識を取り戻したのは数ヶ月後であった……。
<タルタロス跡地>
最深部にニュクスの封印が施されている。
封印の門の前には二人のワイルドの像が封印を守るように安置されている。
「……こんなもんだな」
一人の男がタロットカードらしきものを弄ぶ。
小柄で小太りだが愛嬌がある顔立ちだ。
睫毛も長く眉が太く意思の強そうだ……だが邪悪で全てを嘲笑う、形容し難い邪悪さに満ちていた。
館帝永……ニャルラトホテプのアバターである。
よく見るとアルカナの示すタロットカードのようで何かが違う……その絵柄も独特であった。
「これでゲームを始められる……」
カードは様々で、怪物だったり、天使だったり、人型の異形だったり様々だ。
笑う男という脅威を撒くことで多くの人間をペルソナ使いへ覚醒させた。
そして優秀なペルソナを奪い、自分好みに改造したのだ。
そしてアナンシのカードを弄ぶと…… 目元に濃い影が差した陰鬱な表情の背広の壮年へと変わる。
名前が< Anansi>から< Howard Phillips Lovecraft>へと変わる。
恐ろしい神話を生み出した神話の主。
ニャルラトホテプが持つに相応しいペルソナであった。
「ゲームをしよう。
あんな機械仕掛けの玩具<子供騙し>ではない……本当の死と絶望を。
恐怖劇を始めよう……」
予約した大作のゲームに電撃を入れるかのような高揚感が館に満たされる。
思わず笑みが溢れる。
一番のお気に入りに向かって語っていく。
TARGET ex-12 「スーミスくん、あーそーぼー♩」
はい、今回で外伝が終了です。
次回から最終章のなります。
ダメだな、この程度じゃ読者の絶望感が少ない……!!
某ジュピロ先生ばりに恐怖させたいのに……!!
善良な小市民の私ではできない!皆へファンサービスができない!!
もっとラスボスを盛りたかった……!!
まぁ後書きとしては、killer7であった事件をペルソナ世界で混ぜ込んだ感じですね。
ハンサムマンとか割と好きだった。
ウルメイダはストレガの大先輩になったり……。
館こと今回のニャルラトホテプのアバターですが……スミスへの嫌がらせです。
成長したペルソナ3の面々ですが、これにペルソナ4の面々や怪盗団も加わります。
スミス君はどんな未来を掴むのか……。
では絶望の未来へレディーゴー!!
鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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ピーコックニキ
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エンマニンジャ
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昼行灯の死神
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野良勇者
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史上最強の大工
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Zさん