子供鯖が集まっている。
ノウムカルデア内で演奏会を行なっているのだ。
アマデウスが下ネタ満載な『俺の尻を舐めろ』(無駄に技術が高く綺麗なメロディー)を熱唱してアタランテにネックハンギングツリーをされたり、サリエリ先生が一時的に正気になって子供達に歌を教えたり(サリエリ先生の幕間より)したりと色々だ。
リヨと立花は顔を出すことにした。
「セイヴァーが前は源博雅の姿で笛を吹いていたけど」
「うん、酒呑童子が酒の肴にして聞いてたし正しく逸話の通りの笛の腕前だったね。
……その後は何故かポップな曲を流していたけど」
「は、ははは(笙を使ってブルアカのUnwelcome Schoolを演奏したんだよな……呼延灼ちゃん達がトンチキしていたタイミングで演奏しだして…)」
案の定セイヴァーが演奏していた。
但し……祐天上人の霊基だった。
ただ、僧侶の格好をしていない。
ビジュアル系のロックバンド風の格好(ご丁寧にウィッグをつけてる)で、ノッブ(水着)と黒髭でバンドをしている。
「皆、今日も来てくれてセンキュー!
ペペロンチーノに聞かせたかったこの一曲『ROCK ON RORGY』」
「イエーイ!」
「イエーイ!小一郎……なんでワシが一向宗の坊主とセッションしているとはおかしいんじゃが!じゃが!」
「是非もないよね!」
「しょうがないでござるよ、バッタモン殿は場合によっては敵味方に分かれた自分自身と殴り合う事もあったでござるし」
セイヴァーの気合いの入った熱唱。
子供達がもりあがっているが……立花が違和感を感じた。
「コレって日本語?」
「和製ROCKはいっぱいあるし……」
「Hanshin! tigers!」
「「六甲おろしだああああ!」」
ロック調にしているが間違いなく阪神タイガース応援歌『六甲おろし』だった。
藤丸兄妹はなぜ六甲おろしをビジュアルバンド風に歌っているのか疑問だったが皆に受けていたので黙認した……下ネタじゃないしね。
ピーコックニキこと寺生まれのK.Kにその元ネタをリヨは聞くことになるのは別の話で……。
「おやマスターにセカンドマスター。
メンタルケアの音楽ならダビデにやってもらうといい……王様の精神安定に聞かせたい逸話的にバッチリです」
「ダビデはドクターと喧嘩している。
……岸波先輩(女)にマギマリの声をサンプリングさせてダビデ、アマデウス、マギマリで『俺の尻を舐めろ』の三重唱を聴かせて…」
「なにやってんだ岸波ぃ……」
立花の話を聞いて目頭を抑えるバッタモンことセイヴァー。
「データは男の方の岸波先輩が削除して、女の岸波先輩はエミヤがお説教しているそうです」
「アマデウスとダビデは今頃エリちゃんのコンサートに強制参加させられているだろうね」
「悪は滅んだ」
「そういえばさ、晴明さんと道満と一緒にやっていたんだよね昔」
「まぁそうですが」
「興味があるな、どういう化学反応が起こるのか……」
リヨからの話題を振られて答えるセイヴァー。
立花も興味津々のようだ……生前はリンボのようにはっちゃけていないが……。
因みに源博雅はアーチャーである。
音を飛ばすから……いいのか、それで。
エクストラアタックが楽器の演奏による音波攻撃だったりする。
「いっぱいあるが手頃な奴を話すか。
正倉院……知っているよな?」
「天皇家の宝をしまっている!奈良にある」
「しまったままだと保管したヤツが損なうので定期的に内部を掃除して中身を虫干ししているのだが。
天竺……ぶっちゃけインドの楽器が一人でになって困ったから晴明に問題解決依頼されたんだわ。
で、俺も楽器演奏家の専門だから俺も呼ばれた。
そしてどのツラさげて呼ばれもせずにくる道満……いや、まあ蔵の中身は興味が出て当然だろうし、楽器に取り憑いた怪異を式神にしたかったのはわかるがな」
平安でまともだったほうの道満を見ているが、二人はいつものリンボの「ンンン」な感じを想像してしまう。
「正倉院に向かっている最中に一曲頼まれて笛吹いたら強盗も寄ってきた」
「うわー」
「晴明さんが暗示で追い返したり道満が呪殺した?」
「俺が葉二(はふたつ)で撲殺したがな!」
「はふたつ?」
「朱雀門の鬼が面白い事しないと喰うぞと言われたんで必死に演奏したらくれた笛だな」
「笛で殴るなああ!!」
「傾いておるのー」
「手頃な殴りやすい鈍器なら使うでござるな」
常識的ツッコミを入れるリヨ、傾奇上等なノッブ、リアリスト的な黒髭と三者三様のレスポンスがきた。
「マスター、なんかよくわからんもので作られた笛で丈夫だから護身用にも演奏用にも兼任できる優れものぞ?
宝具になっているし」
胸を張るセイヴァー。
再臨状況で葉二、玄象(羅生門から探し出した琵琶の名器)が使う宝具が変わるしバフのかかり方も違ったりする。
「……鬼と戦えたんじゃ?そんなことやれるなら」
「抵抗できなくもないが戦闘できない従者やらパンピーいたからな。
そいつら逃す意味でもがんばったんだが、空気読まずに逃げねえバカがいて……鬼が気に入って帰ったからいいが。
で、道満に聞かれたんだよ。
『晴明や拙僧が呪い殺せば済むのに何故わざわざ代わりに殺めなさった?』
ってな」
セイヴァーは、過去を思い出すように遠くを眺めて言った。
「俺が晴明や道満が呪い殺しているのを余人に見られてただでさえ陰陽師は畏怖されているのをバケモノのように見られるのが我慢できないから殺した。
そもそも現代日本でカツアゲされた時の怒りもあって撲殺したが。
それを聞いた道満が鳩が豆鉄砲喰らったような顔してて愉快だったな」
「でも笛で殴るのは…」
「晴明に最初調べせたんだが……呪いとか変な機能はないか。
結果はめっちゃ硬くて丈夫でいい音色が出るだけの笛だったわ。
人や鬼とか獣を殴った痕跡があったから、気に食わない奴を殴り殺したり折檻していたのは前の所有者がやったから俺がやって何ら問題ない」
セイヴァーは、その時言った言葉を聞いた晴明は大笑いしていたのを思い出す。
そして、コレをきっかけに自分の家に道満が酒を持って遊びにくるようになったことも。
「楽器には大昔の楽器の持ち主の霊が取り憑いていて、
蔵出しした際に生前の初恋の人と生き写しの女性を見つけて昂って騒いだんだがね」
「おー恋だ、ラブだ!」
「霊から話を聞いて穏便に騒ぐのをやめて欲しかったから女連れきてからもう一度説得しようとしたら
『抱かせろ!』と初恋拗らせた発言をしたわけだ」
「そうやって現実を知らないまま死ねて幸せだったか不幸なのか……」
黒髭の女性への闇が深い……。
それを皆気を使ってスルーする。
「断ったら女攫おうとしたんで……」
「晴明がビシっときめた!?」
「いや、目の前に黒いのが飛び込んできたので葉二で薙ぎ払ったらドタマかち割って成敗してしまった」
「陰陽師の意味ねえ!?」
「いや、晴明が楽器を傷つけずに悪霊……名前はカンダタだったな。
まぁパンツマンを引き剥がして、道満が式神にしたわけさ。
うん、楽器を傷つけないで悪霊を引き剥がして、処分するのに必須だったわけだ!
説得用の女性を俺一人じゃ守りきれんしな」
平安の陰陽師のロマン溢れる話を期待していたが別のものをお出しされたが藤丸兄妹は面白い話を聞けたのだった。
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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Zさん