イベント < アルトリアちゃんのはじめてのせいはいせんそう>
余裕を持って優雅鍛錬!
遠坂時臣はサーヴァント召喚に成功した。
中華風の衣服を纏う小柄な老人。
その気配は只者ではない。
「サーヴァント、ランサー李書文。
神秘なぞ縁のないただの老人だが……。
よろしく頼むぞ、マスター」
「召喚に成功したぞおおお!本場中国から本人の使い古した六合大槍を手に入れた甲斐があったぞ!」
「おめでとうございます、我が師よ」
「私は聖杯戦争に勝利『した』」
狂わんばかりに喜ぶ師弟。
その様子に嗜める書文。
「戦わぬ内に戦いに勝利したという慢心ぶりは感心せぬな。
聖杯戦争とやらに参戦するのだ、喜ぶならば聖杯を手に入れてからではないのか?」
「いえ、ランサー……いえ書文先生!
私共の目標は『聖杯』をとることではございませぬ!
故に聖杯をとっても勝利したとは言えぬのです」
「ほう、では勝利条件とはなんだ?」
「聖杯はアインツベルンの研究の成果。
専門外の我らがとっても根源の到達に行けるかは難しいでしょう。
そもそも既に三度失敗している時点で欠陥がある可能性も高い。
この聖杯戦争の儀式はアインツベルンとの義理や時計塔とのコネに利用する方に専心したほうが損はないのです」
「成程、餅は餅屋というからな。
だが……お主らは何を研究しているのだ?」
書文は周りを見渡す。
新しい木人があり、その隣は壊したばかりの木人が片付けられている。
他にも鉄粉の袋が台の上に鎮座させられている。
書文は同門や洪家拳等で行われる鉄砂掌だと気がついた。
「手の重さ」とか「手足に功夫をつける」のに行うが、体の負担が大きい荒業で早逝するなり、手が変形する者もいるほどだ。他にも武具が壁に立てかけられており、聖杯の知識に植えられた魔術師の工房とはほど遠くむしろ自分のような武術家の道場であった。
そして異様な光景が奥にあった。
岩が鎮座しているが、球体になるように削られていたり、石像が作りかけの状態で鎮座している。
他にもマルタ……げふん、丸太が仏像として削られていたり、宝石の原石が複数転がっていてカッティングされたものもあるが、彫刻の道具なそ一切ない。
掛け軸があり達筆で『余裕を持って優雅鍛錬』と書かれている……恐らく家訓だろう。
「これは……お恥ずかしい、武術、そして魔術の鍛錬によるものです」
遠坂時臣は恥ずかしそうにしながら説明する。
よく見ると二人ともかなりの武功を積んでおり、生前の血気逸った時期ならば勝負を挑んだだろうと思うほどだと気がついた。
遠坂家は、初代は遠坂永人といい、遠坂家は元々隠れキリシタンの家系で魔術とは関係無関係だったが、とある人物に弟子入りして武術によって根源を目指す家系だった。
書文は人体は宇宙の縮図であり、武術は宇宙の法則を体現するとかつて師が語った事があったのを思いだし、出鱈目な考えではなくむしろ武術家としては理解しやすい考えである。
エリザ粒子よりは皆納得してくれるだろう、特に体育会系は。
200年前、遠坂永人がマキリとアインツベルンの勧誘により、聖杯降臨に協力することになった。
師匠の系譜は宝石翁『キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ』。
第二魔法(並行世界の証明と運用)の使い手で弟子に発狂もしくは死に至る危険のある課題をもたらすことで有名だ。
永人は人柄はいいが筋が悪いと宝石翁に言われる程度であったが、宝石剣の設計図を渡され再現しろという課題を渡されたが破滅しなかったので逆に注目を浴びてはいた。
魔術師は基本的に歴史を積み上げたものが有利だ。そして魔術師の研究は基本的に予算がかかる金食い虫である、
科学ならば特許などで金儲けできるが魔術師は秘匿して神秘というパイを独り占めにしなければ損をする生き物。
力のある歴史ある魔術師は元々金持ちで余程の無能をしなければ勝手に金が入るものだ。
達坂家は新興でそこそこの資産家(原作では資産運用など下手くその極みの言峰のせいで金欠になった哀れな凛がいるが)だが、宝石を使う魔術師故に金欠は必然。
妻子を養う為、研究資金の為に資金も確保のために労働に時間を割けば研究など遠のく。
原作時臣は天才ではないが優秀だったので不動産などで余裕はあった。
この世界の時臣はうっかり常識を置いてきしてしまい、ある結論に至った。
『しなければならない事、やりたい事、できる事を一本化すればいいんじゃない!?』
始祖が武術で根源に至る発想をした為、時臣は武術を習っており、弟子である言峰綺礼の父親である璃正から八極拳を学んでいた。
時臣は訓練の一環で素手で彫刻をすることを初めた。
五体を強化して木や石、宝石を削っていく。
炎が必要な工作は炎で用いた、
五体は鍛えられ、魔術の練度も上がった。
自身の五体で削ったせいか、宝石の魔力のノリも良くなった。
自分の作った作品が評価され高額で売却されていき原作以上の経済状況になった。
家も工房(という名の道場)以外は改築して電化製品整えて妻に楽をさせた。
武術家は時代の流れで変遷していくのを理解している為、魔術師だから電化製品を使わないという魔術師の思考から乖離していた。
また、武術は実践も必要だと判断して言峰家伝手で死徒狩りを行なって武功と少ないが報奨金を得た。
近所で人々を襲う蟲に怪物が出没しており、自主的に綺礼と共に退治していた。
マキリの風評を貶める野良の魔術師の仕業に違いないと時臣は考えており、いつか黒幕を見つけ拳を叩き込むと誓っていた(痛恨のうっかりである)。
「今回の聖杯戦争の目的は、書文先生への弟子入り願いたいと」
「我ら八極拳士にとって望外の望みです」
「聖杯戦争へはどう関わる?」
「何故失敗したかの調査と、無辜の民に火の粉がかからぬようには戦いたいと思います。
武侠として見過ごせません」
とうとう魔術師の看板をゴミ箱にダンクシュートしてやがる。
「武術家として強敵との戦いがお望みと思われますので我らも師弟として共に戦うつもりであります!!」
書文は無言だ。
武術家として慕われ、弟子入りを願う殊勝な心がけは嬉しいし、強敵との戦いは望んでいる。
だが……
「(思っていた魔術師とは違うな……)良いだろう、我が八極拳を学ぶというなら弟子入りを許可しよう。
その代わり、聖杯戦争でワシの戦いに付き合ってもらおう」
「「ありがとうございます、老師!!」」
<時臣・綺礼チーム改め、李氏八極拳チームが結成!!>
「老師、私の弟子の綺礼も参加者で同盟を組んでいますが…」
「望みはあるようなのですが」
「ワシに聖杯に望みなどないからな、其奴に渡せば良かろう」
「では老師ありがたく」
「どこにおるのだ?」
「私と弟子の妻子の面倒を見ております。
流石に聖杯戦争となれば一旦遠ざけますが……」
頭魔術師とかよく倫理観がない奴に言いますが、この世界のトッキーは頭武術家です。
蟲ジジイの魂喰いをナチュラルに妨害してました。
それとなくジジイが苦言を言うけど「コレはマキリを貶める魔術師の策略!」と言われました。
最初はしらばっくれてマキリ潰す謀略と思いましたがガチだと気がついてできるだけ目立たないようにしたので原作より被害者が減りました。
間藤家のメイドも行方不明になれば「武侠として見過ごせない!』と頭武術家が活動しそうなのでメイドモグモグすらできなくなったので栄養失調状態のジジイでした。
あと刃牙の烈さんがやっている打岩はリアルではそんな訓練はない……はずです。
鉄砂掌ですらわりと危険なのに岩を削る勢いで殴れば身体壊れますんで。
代行者や頭武術家魔術師ならちょうど良い訓練でしょうが。
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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ピーコックニキ
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エンマニンジャ
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野良勇者
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史上最強の大工
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Zさん