お路「祐天上人……とと様が累という女の怨霊を成仏させた累ヶ淵の説話『死霊解脱物語聞書』を基に曲亭馬琴の読本『新累解脱物語』を書き上げていましたけど……」
馬琴「ホォ~、祐天上人かい。とんでもねえ法力持ち主らしいが……話を聞くと弥勒様のような事をするじゃねえの。
他にも笛の名手と名高い源博雅やら甲賀忍者の祖の甲賀三郎に、太閤秀吉の弟でもあったとは……現実は小説よりも奇とはよく言ったもんだ」
太公望「いやぁ噂は常々……『自分はバッタモンなんです』と嘯いていますが、仙道の究極をやってのけた時点で教主ヤレるレベルなんですけどねぇ。
姜子牙「ホンモノオーラはヤバいね。自分がモノマネ芸人みたいな気分のなるわ。
テクニックは凄いからな、真似できん。
基本、科学合理思考なんだよ自分は。
高度な魔術を通そうとすれば祐天の姿になって阿弥陀に縋っていますよ。
阿弥陀は様々な仏の師匠だから弟子のやれる事全部やれます!という英雄王の蔵というか実質レジライ的なごり押しで魔術というか法力を通すので」
ストームボーダーに人類の請負人の工房がある。
マイルームとは別に設けてあるのはマシュとレオナルド(とソロモン)除けば最古参のサーヴァント故か……。
今の彼は救世主の『セイヴァー』が真の姿であるが以前の霊基も使用可能だ。
今は姜子牙の姿で礼装を作成している。
マスターだけでなくカルデア職員向けの礼装を他の有志を募ってしばしば設計製造を行っている。
(原作以上に生き残った職員が多いため)
「師匠、客人です」
「ンンン、道満が参りましたぞ博雅殿」
「今日も師匠に会いに来ましたねー」
武吉の後で飲み交わす為の酒を持ってくるリンボもとい道満。
生前もしばしば博雅か晴明の屋敷の酒を持って遊びにくる。
バッタモンは溜息ついて博雅の姿へ姿を変える。
弟子2号が酒やお茶のお供にドーナツを出してくる。
「ンンン、甘露甘露」
「シンプルにプレーンシュガーもいいがフレーバーをストロベリーで攻めるか……」
博雅と道満は甘党である(藤丸立花はわからない アニメ22話で道満は食堂で推定餡蜜に舌鼓を打っていたりする)。
ちなみにバッタモン視点の晴明と道満の関係は……宇宙忍者ゴームズと悪魔博士的な関係である。
そして博雅と晴明、博雅と道満の関係は岸部露伴と浩一君のような関係と言える(ジョナサンばりのフィジカルをしている浩一君だが)。
「道満さん、彼方での師匠の話を聞かせてください!」
「そうですな〜アレは木彫り職人が仏が鬼を踏みつけにした像から鬼が居なくなったのを聞きつけた時のことでございます…l」
武吉やガレスをはじめとする弟子達がコヤツに対してフレンドリーに接する。
まぁ知人……いや友人ではあったからな晴明共々。
道満は、弟子達には愉快な陰陽法師でいるから良いが、一線超えたらなぎこさん召喚するか、葉二でぶん殴るので一定の抑止力になる。
今話しているのは妖怪の一種『天邪鬼』だ。精巧さと使っているのが霊木だったせいで動き出したんだが聖杯だって足が生える世界だから何らおかしくない。
人の心を読んでタチの悪いイタズラをするんだが二人のトップクラスの陰陽師相手には相手が悪すぎた。
道満があわよくば式神にしようかと思ったが雑魚だったので木彫り人形の仏に踏まれる定位置にもどしたんだが……。
「いざ!いざ!飛騨の山奥へ参る!!
(中略)
是なるはまさに!驚天動地!!」
「「おおー!」」
あまりに道満があのハイテンションで弁士みたいな講談をしやがる。
童心に戻った弟子ズにはウケがいい。
生前は基本穏やかだったんだ……偶にウチで作ったアルコール度高いヤツで酔いが回って機嫌がいいとリンボ化したが……今は基本常時酔っ払いみたいなもんだからやらかすなら酒瓶や葉二で雑にぶん殴るのが正解だが。
今日はこのままダラダラ過ごすのだろうと思ったその矢先、ドアが開く。
「ワイ兄お客さんだよー」
「もう一人の丞相殿!」
芋なジャージを着た芋……妹王が黄飛虎を連れてきた。
円卓の前では普通の格好をするんだよコイツ。
兄貴分の俺の前では特にダラける……ケイだと小言言われるから取り繕うとするが失敗するのが五割だが。
「開国武成王殿がここにくるとは珍しい……何のご用で?」
「家族と触れ合えるようにしていただいた礼をするのがまだだったんでな!
……我が妻と妹に説教されたんだよ『ここまで骨を折っていただいた恩人に礼を言わないのは何事だ!と」
「カルデアのミッションやら、救世主ミッション(勝手に召喚されて行方不明になる)が多いから……」
黄飛虎……封神演義の登場人物である。
もともと、殷に仕える武門の名家一族だったが、紂王の堕落による不満がたまっていたところへ、
妲己の策略により、現当主で殷の最高軍事責任者であった鎮国武成王・黄飛虎の妻賈氏と妹黄氏が自殺に追いこまれるという事件が起こる。
ソレにより周へ亡命し、周の武将として殷と戦った。
殷に就職していたとある仙道に斬殺され封神台に魂が封じられ、地獄を掌管する「東岳泰山天斉仁聖大帝」となった。
東岳泰山天斉仁聖大帝とは、日本では泰山府君の名で呼ばれ陰陽道の主祭神でもあり、安倍晴明が陰陽道で利用している。
仏家では、閻魔王の侍者として人の善悪行為を記録するとも、地獄の一王……なのだが公式で紅閻魔と絡みは少ない。
そんな彼はサーヴァントとして召喚されるが、彼のスキルに黄家の絆(B)がある。
黄飛虎本人を含め、そのほとんどが紂王・妲己との決戦に臨むことは能わなかったが、その無念を託されたが如く、サーヴァントとしての黄飛虎は長男・黄天化をはじめとした黄一族と接続された状態で現界している。
一族の力を借り受けて使うことができるが戦闘時に一時的に息子達と共に戦えるが……バレンタインの時に息子達がマスターにお返しをする際は飛虎が戦闘態勢をマスターの近くでやるというシュールな光景を見せた。
黄一族の全ての霊基を得ているので妻も妹もいるのだが……まず出られない。
「ワイにい、どうしたの?なんか大変な体質みたいだけど」
「俺がどうこうしたわけじゃないが……俺が音頭を取って有識者集めて何とかしたんだ」
ワルキューレ三姉妹が三人で一体のサーヴァントで現界している例がある(夏だとツーマンセル×3)。
故に彼女達の協力を得た(シグルド→ブリュンヒルデ→三姉妹のラインで説得)。
スカサハ=スカディにマスター込みで説得して霊基の研究、制御の協力を得た。
他にも霊基の調整をした際に健康がないかチェックするアスクレピオス、仙術専門家本物太公望を招いた。
一番貢献したヤツは……下総や平安でやりたい放題し、カリオストロを盛大にオモチャにした挙句、『博雅殿ぉ!貴方の友・道満が共に人理を救うべく参上いたしましたぞぉ!』とどのツラ下げてやってきた道満がノウハウと経験があるのでこのプロジェクトのMVPだったりする。
なお、バッタモンは召喚直後に葉二でドノツラフレンズの顔面に叩き込んだし、プロジェクトでふざけないようになぎこさんをみかんを装備した状態で監視させたが。
その甲斐あってスキル黄家の絆(A+)に進化した(改造したとも言う)。
出力が上がっただけでなく、戦闘をしないのであれば家族を呼んで触れ合える様になった。
妻と感動の再会をした際にシグルド・ブリュンヒルデペアは後方先輩面で頷いていたが。
「まぁ女衆の機嫌は取らないと大変だからな……」
「ささ、飛虎殿もどうぞ」
道満が率先して酒を注ぐ。
しばし雑談をするが飛虎が質問してきた。
「人理の請負人として多くの人生を送ったそうだが、どんな人生が?」
「劇で急病人が出た時の代役みたいなものですよ」
比較的凡将の話をしようとするが道満がまぜっ返す。
「博雅殿、ご冗談はよしましょう!
ロンドンでの魔術王への企みを竹槍一閃!
他のサーヴァントが倒れる中でまんまと一杯くわせたではありませぬか!!」
「ええ!!?ビックマウスのモードレッドがボコボコにされたって聞いたのに!」
「なんと!あの哪吒殿を彷彿させる荒ぶる猛将ですらなす術なく倒されるとは……」
飛虎は驚く…モードレッドとは模擬戦をして実力を知っているだけに。
仮にも息子相手に酷い言いようであるアホトリア。
ガレスが遠慮がちに言った。
「でも特異点の修正が追いつかないレベルの改変は不味かったですよね…」
「リバプール本願寺!拙僧は思わず昂りました!!」
「……言うな。
今まで何度もテコ入れ失敗したからどうせ元の木阿弥になると踏んでジャックの打倒とか霧の被害軽減で派手にやったんだが……」
博雅の目が泳ぐ。
修正不能なレベルの改変が出てしまいロマニやダヴィンチちゃんに怒られてしまった。
(ローマコロシアムチャンピオン、グレートササキの比じゃないレベル)。
サーワイとしてブリテンの土壌改変やら源博雅、豊臣秀長、祐天、武田物外……様々なテコ入れをした。
日本贔屓なのは前世が日本人だからね。
特に武田物外の時は医療や衛生はしっかり長州の勤王志士に警告していた。
特に工業をするなら鉱山を掘るから鉱夫の身体を蝕み、鉱山の水は毒に満ちているので遊水池を作って軽減しないと民が死ぬぞと警告はした。
(本当は海軍陸軍の派閥争いやら、総帥権問題とかテコ入れしたいが蘭学者じゃないのにソレ言っても説得力ないので諦めた)
結果は史実通り足尾銅山鉱毒事件が起こり、田中正造が直訴した。
某特異点でバッタモンは八つ当たりで
『寅次郎(松蔭)、お前の弟子達は口を酸っぱくしていったことを何一つ活かせないボンクラじゃねえか!』
と生前顔を合わせたやつに向かって火の玉ストレートを放ったのは別の話。
「博雅殿、皆が望むのは心揺さぶる歴史の影の話ですぞ!!」
「言ったな、マスターにすら言わない封印指定の話をしてやる。
聞かせたらやばいヤツはいないし皆、俺と一緒に地獄に落ちてもらうぞ」
「師匠、お供します(宝具で知識共有しているんで知ってますけど)」
「武吉くんガンギマリ…」
「ここまで来たら怖いもの見たさがあるな」
「ンンン!」
バッタモンはお茶から酒に飲み物を変えて一気に呷る。
「通常じゃ出てこないサーヴァントがいる。
救世主・セイヴァーね」
「師匠がなったんですよね、ゲーティア倒して」
ガレスがギロリと睨む。
アホトリアもまた聞きだったが詳細聞いたら「そりゃあ怒る、私だって怒る」と同意しているので助けない。
「ゴータマシッダールタことブッダは通常でないんだが、例外がある。
戦った事あるが……カルデアに来て働けと言うべきか、輪廻の輪から外れたはずなのに何で座があるんだという疑問もあるしな……。
まぁいい。
で、もう一人に仕えていたんだ……いや弟子だった」
「あの……まさか…ナザレの……」
「うむ、大工の倅」
ジョニデ似と令和ジャパンでお馴染みのあの聖⭐︎お兄さんの片割れである。
「まぁ別に美しくもないし南斗六聖拳も使えないが『妖星』の宿命を持ったユダとして生まれたわけだ」
「妖星?」
「『裏切り』の宿命さ。
その聖人の教え(テクスチャー)は世界を覆い、彼を刺した槍は……サーヴァントの宝具になればあらゆる護りを貫く物へなった。
その教えを完成するには裏切りを受け、ゴルゴダの坂を登り、荊の冠を被せられ、罵声を浴びながら人類の原罪を引っ被って死ぬ必要がある。
そして処刑の三日後に復活して『完聖』する。
……まぁ俺としては気に入らなかった」
「それはどうしてなのですか、丞相殿?」
「皆の代わりに罪を背負いました、皆が反省し善き世の中になりましたとかじゃないんだ。
それで反省するどころか更に罪を重ねるのは『解っている』からな。
ソレで死ぬことはないだろうってね」
「それでは『完聖』しないと世界が定まらず剪定される危険があったのでは?」
リンボとして暗躍していたのでその手の知識があった故の指摘だ。
ソレに頷いて答える博雅。
「なら騙せばいい。
最後の処刑を騙せ、世界を騙せ。
俺は金で兵士を買収して細工をした。
大衆を騙せる様魔術の一つも仕込んでな。
仮死状態にする薬で刺されたように見せかけて意識が無くなった聖人は処刑されたと皆が認識した。
仮死状態が三日後に切れたあとは急いで聖人の弟子の家に運んで飲み食いさせたのが真相だ」
「でも良いことじゃないんですか?」
ガレスは驚いたが『地獄』とは程遠い。
博雅は嗤い、姿を変える……裏切り者の姿に。
「死人があるきつづけるのは悪いだろう?
死んだふりがバレれば今度こそ処刑される。
故に弟子や信者に一服持って幻覚か現実かわからん状態にした。
敵も味方も世界を欺く俺は正しく『プリテンダー』の霊基を持つに相応しい。
我が師にはローマも手の届かない地へ移動する必要があった。
ブリタニアまで移動し、更にローマの勢力下から離れた……最終的に大西洋を超えたが」
そう、ジョジョの奇妙な冒険7部『スティールボールラン』と同じく北アメリカ大陸に渡った。
半ローマの人間、ソレもローマ勢力にいられない人間は探せばいる。
それらを集めての船旅だった。
コロンブスと違って聖人の奇跡で食料やワインは無限に錬成できるし天候も思うがまま。
船員は皆、聖人に心酔し神の教えに帰依した。
反乱を起こさずに大陸についた。
当然、ネイティブ・アメリカン……昔はコロンブスが新大陸を確認した際にインディアンと呼称した現地民に遭遇した。
友好的な関係を築いていった。
エクソダスをしたコミニティは『神の教え』を授けようとした。
ユダは、ソレを止めた。
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—— 神の子の使命も教えも既に置いてきた以上、貴方は救世主ではないただの大工の倅だ。
神の教えを思うのは勝手だが、広がるべきじゃない。
それに……彼らは神の教え無しでも上手くやっていっている。
あっちの大陸の連中と違ってな。
この『大地の教え』に従って生きている彼らはソドムとゴモラの住人にはならない。
——大地の教えか……
——それに……アンタや弟子達はカネの管理ができない生活をしているのをどうにかこうにか苦労して工面したのは私だ。
ユダヤの王になる道や、十字架にかけられないようにズルく立ち回る道を提案したのに信仰に従う道を選んで皆に苦労をさせた。
一度くらいは献策をうけてくれませんかね?
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「こうして流民はその大地の民と交流して根を張った。
神の教えは胸に秘めつつも大地に教えを尊重して。
その血筋は長い年月をかけて広がった……」
「ちょっと待ってください、結婚して子供ができたんですか!?」
「俺は独り身で最期は他のやつが獣に襲われたのを庇って死んだが、ソレ以外は普通に現地の人間と結婚して子孫ができたぞ。
ロンギヌスの槍が残っていれば、虐殺された現地民の血液と一緒にDNA鑑定すればバレるだろうが不幸中の幸いだがロンギヌスは失われたからね!!」
新たな神の教えをもたらした者は、その信仰を胸に秘めたまま天寿を全うした。
その地に生きる者達を尊重して。
そして1000以上経過し、その教えに敬虔だったコロンブスが新大陸を発見する。
そして聖人の子孫を奴隷にして虐げ売り飛ばす。
大航海時代が始まり、西方からの入植が進む。
神の名の元に、神の子の子孫を根絶やしにしていく……現代に生き残った血筋は果たしてあるのかわからない。
本来神の子は大衆から十字架をかけられて死ぬ筈だったのを生き延びたが、その子孫は大衆の子孫に滅ぼされる結果になった。
そしてソレを知る事ができるのは当事者以外は一部の千里眼の持ち主のみ。
「平行世界を含めた全ての未来」を見るギルガメッシュはこの悲喜劇を見て笑うだろう、そして人理の請負人に幾許か興味を持つだろう。
「現在の全て」を見るマーリンは、どこまで見ているかは未知数だ(他の千里眼仲間経由でみるかもしれない)。
「過去と未来」を見るソロモンならば真相を知るだろうが……何かに怒ったり悲しむ自由すらないソロモンには意味はない。
だが……ソロモンを介して観測したソロモンの悪魔は別だ。
人類の愚かしさに更なる怒りを露わにするだろう。
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「というわけさ」
皆が絶句する。
皆が知らない歴史の真実の重さに。
「コロンブスにこの真実は武士の情けで叩き込むまいと思うので、皆言うなよ」
「それは押すなよ、押すなよ?ということですな?」
「ぶち転がすぞ道満」
ガレスは理解できた。
聖人系のサーヴァントに距離を置いてしまう師匠の訳が。
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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ピーコックニキ
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エンマニンジャ
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野良勇者
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史上最強の大工
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Zさん