「む……ここは今の私の工房に似せている」
「『黒幕』は、今までの聖杯戦争の記録を持っているだけじゃない……並行世界まで網羅してる。
ここは並行世界の聖杯戦争を再現しているようだ」
「なんかボロボロだな、テロでも起きたみたいだ」
「あ(察し)」
ケイネスの言葉に解説を加えるマーリン。
ボロボロになった瓦礫になったホテルを見て感想をいうウェイバーに何が起こったのかを察知したアルトリア。
「並行世界の僕がやったんだろう。
ホテルのフロアを工房にしているならマトモに攻略するより外部から爆破すれば手間が省ける」
「私の工房になんという…… 結界二十四層、魔力炉三機、猟犬代わりの悪霊、魍魎数十体、無数のトラップ、廊下は一部異界化した私の苦労が!魔力炉三機は霊基アルビオンから発掘された貴重品だぞ!
いや、ここは私のじゃないが」
「だから俺が言ったじゃないか、決闘じゃなく戦争だってな」
「簡単に城を落とす手段があるなら余もそうするな」
切嗣が機械的に真相を語り、ケイネスは憤慨する、
アーラシュはそれを宥め、イスカンダルは切嗣を肯定する。
イスカンダルはゴルディアスの結び目の解法を『剣できれば早いよな!』と両断して解決した合理的な戦術家であった、
「この悪霊(レンポ)、怒りと悔恨にみちているんだぁよ。
同じ仕打ちをされたらもっと荒れるんだぁよ」
「ならばマスターの作戦どおりいくかのう!」
「自分で立ててあれだけど、本当にいいのかよ!?」
「なんかいける気がします!マスターならノリノリでやりそうです!」
ロウヒはここの階層の主……並行世界のケイネスやケイネスのパートナーであるディルムッド、そして仕掛けられていた悪霊・魍魎の無念が実体化していると看破した。
イスカンダルはウェイバーの作戦を実行せんとウズウズしている、
発案者は半信半疑だが、シャルロットは旧マスター(藤丸立花)ならノリノリでしそうだと思っている。
実際、トンチキイベントなら間違いなくやるし、某家老デミサーヴァントは法螺貝吹いて盛り上げるだろう。
アルトリアの直感的にこの流れに乗るのが良いと判断した。
全員、『装備』を用意した。
「皆の者、ベンチを持ったな,行くぞぉおおおお!」
「「「「おおおう!!」」」」
イスカンダルの号令に叫ぶ八極拳チームとアーラシュ。
全員が持っているのは個人で座る木のベンチである。
カンフー映画で使われる俗名『カンフーベンチ』である。
鈍器代わりにマスター、サーヴァントが武装してるのだ。
ウェイバーはヤケクソでラジカセにスイッチをいれる。
香港映画の主題歌が流れる……プロジェクトAかスパルタンXかポリスストーリーか酔拳2か燃えろドラゴンかは読者の好きなBGMで再現してほしい。
「そうれ!」
「効果音は任せて!」
「飛んで跳ねるのはワシの流儀ではないがな」
マーリンが魍魎悪霊の姿をカンフー服を着た香港マフィアの姿に幻術で変更する。
アイリスフィールが殴ったり、物に当たる効果音を魔術で脚色する。
書文は八極拳で容赦なくぶちのめすが、生前見ていた京劇や映画を参考に大袈裟に動いている。
ウェイバーの作戦は単純である『魔術師同士の殺し合い』という筋書きをガン無視して戦うのだ。
カンフーベンチと香港映画っぽい服装をしている一団(カンフー服はマスターと書文だけ)をみて魔術師の戦いと思うなら眼科に行くことを薦めるだろう。
「ハィイイ!」
「フン!」
時臣と綺礼も負けずに八極拳で大立ち回りをする。
綺礼は魔術回路を持っていない分武術の練功を積んでおり、質実剛健な技で粉砕する。
時臣は、八極拳をベースにしているが、他の流派の拳法も学んでおり、翻子拳の矢継ぎ早に打ち出す突きを好んでおり、相手に何もさせないまま制圧していく。
「……並行世界の私に、それに付き従うサーヴァントか」
『◽️◽️◽️◽️◽️!!』
「僕に向かってきているな」
並行世界のケイネスの怨念はハメ殺した切嗣(この世界ではやっていない)へターゲットに襲いかかる。
そこに立ちはだかるのは……
「生憎、やらせるわけにはいかん!
その無念……私が受け止めよう!
『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』……前回は敗れなかったが今回は我が絶招を持って打ち破らん!」
遠坂時臣が妄念ケイネスの行手を阻む。
胸元に『剣型の宝石』のペンダントをつけて決闘の構えを行っている。
妄念ケイネスは、時臣に決闘を挑まれたのを見てターゲットを変える。
『聖杯に呪いあれ!その願望に災いあれ! いつか地獄の釜に落ちながら、このディルムッドの怒りを思い出せ!! 』
『なんか私の睨んでいる……オッパイを拗らせたマスターのせいですね,わかります」
並行世界で煮湯を飲まされた切嗣・アルトリアに憎悪の呪詛を飛ばすディルムッドであった。
アルトリアは溜息をついて返答する。
「行け、マーリン」
「酷いな,アルトリア……か弱い魔術師を戦わせようとするなんて」
「サー・ワイなら『死んでこい、マーリン』というに違いないので。
私の剣の師で幻術や逃げ足もあるから殺しても死なないので最適解です」
アルトリアはヤクザキックでマーリンを突き出す。
マーリンは酷いというが実際に腕が立つ上に半分シャドウサーヴァント化している理性がキレかけたディルムッド相手なら最適解ではあった。
だが……
「ワシがいこう。
奴の二槍流とワシの六合大槍、一つ技比べといこうか。
弟子が出張るのだ、師であるワシが出るのが筋というものだ」
「アサシン!!」
颯爽と飛び出したのは書文であった。
本懐である英霊達、それも槍の比べ合いにテンションを上げている。
ランサーVSランサーという聖杯戦争で滅多に見ない同クラスの対決が始まろうとしている!
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
-
ピーコックニキ
-
エンマニンジャ
-
野良勇者
-
史上最強の大工
-
Zさん