「マスター、コーラ…ってスミス先輩!!
それにおっちゃんさん!」
「邪魔しているよ」
「おお、春日のボンか。
この店はええ雰囲気やなー」
「(おい、ジムがいますよ)」
「(それにりっぱなお髭だねえ、ウチのとこにもいたよ長老・古老の類)」
春日、キム、趙が入ってきた。
スジモンやら権田原組長やらロボミチオやガチャピン、ムックで慣れてしまった春日はジム顔のおっちゃんに普通に応対しているが、キムと趙はちょっと驚いている。(※一応おっちゃんはこの世界の認識阻害魔法覚えて使用している……魔法は使えるので)
「ナンバや足立は今日は来ないのかい?」
「ナンバ先生は弟さんの勉強を見てやってる(※弟くんは前世を思い出していないようだ……)」
足立さんは剣道部の助っ人に行っている」
弟思いのナンバであった……前世では弟の為なら春日と敵対する道を選ぶほどだったほどに。
足立は剣道、柔道の助っ人頼まれることが多い。(※元警官だからね、当然強い)
「今日は相談事をされて……スミス先輩がいれば千人力だぜ!」
「春日先輩の頼みなら断れませんな(※年齢では今生ではスミスが年上でも同盟加盟順では春日が先輩だったりするので互いに先輩呼びをする)
それで、誰の相談を?」
「それはもうすぐこの店に来るんだけど…」
「こんにちはー」
噂をすれば影をさす。
おっとりとした声と共にsurvivorに入ってきたのはロングヘアーの大和撫子の女子中学生だった。
近衞木乃香……麻帆良学園の学園長にして関東魔法協会の長の孫娘である。
同時に関東魔法協会と敵対している関東呪術協会の長の娘でもある。
さらにいうと潜在能力なら東洋屈指の魔力量を持っているし、近衛家を遡ればやんごとなき血筋でもあるのだが、家の方針で魔法関係は一才関わっていない一般人である。
(※ある意味もっとヤバいのがスミスなんだけどね……八割はスミス自体のせいだけど二割は自分の所為だけど。
その二割でもそっち関連は白目剥くんじゃないかな?
草薙剣を持っているのを見られたら間違いなく揉めるし)
「いらっしゃい、ご注文は」
「明智さん、こんにちは(※面識があるようだ……春日君と一緒の時にでもあったのかな?)
一番さん、何かおすすめはあるん?」
「冷麺がマスターこだわりの品だからおすすめなんだけどな……。
でも夕飯は寮でたべるだろうし、未成年には酒は出せないしな…」
「マスター、モクテルはいけそうですか?」
「ああ、アルコールが飲めない奴向けにメニューはあるぞ」
スミスが助け船を出す。
柏木はカクテルも作れるようだ。
「マスター、そちらのお嬢さんにピンクモクテルを。
春日君達も好きなのを頼むといい」
「(この時代に作(ザク)や彗(シャア)は無いしのう…)
ワシはダイキリを一杯、オリーブ盛り合わせをもらおうかのう」
(※ガンダムファンに話題の日本酒なんだけど商品化するにはもう少し先なんだよね……でもこのおじいちゃんザクはともかくシャアは……)
スミスの言葉を受けて柏木がピンクモクテルを作成し始める。
それを他所にマイペースに注文するおっちゃん。
因みにエヴァンジェリンは木乃香に絡まれると面倒だし、正体がバレたら面倒なので無言でダイキリをちびりちびりと飲んでいる。茶々丸にはもう自由行動でいいよと勝手口から逃がしている。
今頃、猫に餌をやっている事だろう。
「スミス先輩……ありがとうございます!」
「ありがとうございます…でもいいですか?」
「可愛い後輩(先輩)の友人だ、これくらいはさせてもらおう」
スミスの奢り発言で恐縮する一番と木乃香。
その辺は堂々とした態度を取る趙とキムと対照的であった。
未成年ではカクテルなど縁のないものであったが、ノンアルコールカクテルとはいえ、強面のハードボイルドなマスターが見事な手際で出される一品に目を輝かす木乃香。
その味も甘酸っぱくフルーティーで木乃香も美味しく楽しめた。
他の面々も注文しモクテルを楽しんだ。
「私達の分まですいません、探し物があれば言ってください。
コミジュルはその手のことが得意ですので」
「ボク達まで奢ってくれて悪いねぇ。
今度ボクのウチに来た時、中華をご馳走するよ」
「楽しみにしている……(春といっしょにいけるといいな)。
ジン・アンド・オレンジを二つと明智君を一丁」
「僕は商品じゃないけど」
スミスの注文に青筋が浮かぶ明智。
それに対して涼しい顔でスミスは返す。
「蓮とイチャイチャしていたらしいじゃないか。
こっちも相手をしてもらってもバチは当たるまい?」
「相手をしてやれ明智」
「……仕方ないですね」
「仲が悪いん?」
「とんでもない仲良しだよ」
首を傾げる木乃香に対して満面の笑みで返すスミス。
さらに不機嫌ケージを増す明智。
仲良しという言葉に表情が曇る木乃香。
「(相談は桜咲のことか…)木乃香ちゃんの相談は、桜咲のことか?」
「ううん、ウチの部活のことなんやけど」
「部活っていうと占い研究会と図書館探検部だっけ?」
「占いのほうやけどね、今回の話は」
彼女の話をかい摘んで纏めると……
占い研究会の先輩がいて、成績やら人間関係やら様々な悩みで煮立っていた。
ただ、ある時からあらゆる問題が好転しだした。
もともとは引っ込み思案だったんが別人のように前向きになったそうな。
それで木乃香がどうしたかと尋ねてみたら……
「私にはすごい『おまじない』があるの」
彼女の傍に『互いに抱きついた象の顔をした人型の像』があった。
おまじないでうまく行っているならいい事だと思うけど……木乃香は嫌な予感がした。
でも相談できる相手がいない。
「明日菜はネギ君のことでカリカリしているから」
ルームメイトがいるが……問題は原作が開始して主人公がやってきて現在同居を開始したのだ。
未成年が異国に魔法使いの修行、これはいい(よくない)。
問題は日本で未成年が教師をするのだ、当然反発する。
さらに明日菜は初対面で『失恋の相がある』とぶっ込まれた……当人は善意のつもりだがノンデリである。
初日に原作主人公のネギ君は明日菜にバレている。
明智はエヴァから話を聞いて頭痛がした。
明智の場合は父親が母親と自分を捨てていき、母親は亡くなった……父親へ復讐する為、そして生き残るために必死に努力をした……やった所業は悪であったが。(※獅童に用済みで消される可能性は高かったがそれ以外にはほぼ完璧だった。パンケーキのミスが無ければ怪盗団を嵌めれただろう……まぁ一切想定していないとこからサプライズスミス理論で粉砕されたが)
ネギ少年の迂闊さに大いなる不安を感じた。
「俺……だと直接きけないな、女子中エリアだしな。
さっちゃんに頼んでそれとなく聞いてもらうぜ……木乃香ちゃんから直接聞くのはアレだろうし。
さっちゃんなら相談事は強いしな(※前世のチーママの経験がいきますね、流石年の功!)。
変な宗教に入っていないといいけどな」(※ ムナンチョヘペトナス教とかね!!」
「(メシアン死すべし、ガイア教徒は消毒だ!)」
春日の宗教という言葉でスミスが一瞬スイッチがはいった。
占い研究会の先輩の情報について一通り聞いて木乃香と別れた。
その後に明智が開口一番に言った。
「なんでも叶う?くだらないね」
明智の脳裏に浮かんだのはメメントスの最深部に安置された悪趣味な黄金の聖杯。
その認知の力は凄まじく、その加護を受けた獅童正義は絶頂にいた。
その悪行は誰も糾弾されず、それに対抗できる存在も悉く盤面から消えていた。
また、その聖杯を掠め取った丸喜拓人が誰も傷つかない世界を作らんとした。
実際、その認知の力で死んだ人間が殺されなかった事に出来たほどだ(※綻びはあったけどね)。
「イギリスの小説家 W・W・ジェイコブズの『猿の手』とか思い出しますね」
キムは最近読んだ本の事を言及した。
知っている読者もいるだろうがあらすじを説明しよう。
老夫婦が『猿の手のミイラ』を譲り受けた。
願いを3つ叶える魔力があるが、運命を曲げようとする者には災厄をもたらすという。
老夫婦は最初の願いは、家のローンを完済するほどのお金を望んだ。
それは翌日、願いは叶った……『息子が工場の事故で亡くなった保険金で』。
それを嘆き悲しむ老夫婦だったが、妻の方が無残な息子の死体を見て息子の蘇生を望んだ。
しばらくのち、夫妻は何者かが玄関をノックする音に気付く。
息子が戻ったと確信した妻は狂喜して迎え入れようとする。
その時、恐ろしい結果を予感した夫は、猿の手に3つ目で最後の願いをかけると、ノックは止んだ。
それと同時に開いた玄関の外には、誰の姿もなかった。
「上手い話には裏があるもんねー。
でも大体『自分うまくやれる』とか言って取り返しのつかないことをやらかすんだよねー」(※聞いているか、超鈴音?)
趙もそうそう上手い話はないと同調する。
古来より何でも願いを叶える願望機の話は絶えない。
ドラゴンボールのように比較的うまく使えた話はあるが、それでもその欲望が人類に牙を向いたケースもある。
神崎士郎のライダーバトル、聖杯戦争など他者を生贄にして願いを叶える話も円満にやれない場合が多い。
スミスは、沈黙を破る。
「まぁこのままだとその子は破滅するだろうね」
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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ピーコックニキ
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Zさん