紗栄子と変身したスミスが占い部の先輩に接触しにいくことになった。
「さっちゃーん、スマイルスマイル!
恋愛相談で占いしてもらう触れ込みなんだから!」
「あの……スミス、なんだよね?」
「この身体はスミスちゃんのだけど、全権を私に委任している状態だけどね」
スミスは認知存在『富山佳代』を被っている……それも現代の彼女でなく女子高生の彼女である。
女子高生時代は推定1990年代なので古い……のだが、未来ではファッションデザイナー・スタイリストでもあったのでスミスの知識も合わせてアップデートしているが。
「スミスちゃんは元々カエデちゃんを中に住まわせているからそういうプライベートを尊重するし、私やカエデちゃんの目から覗きはしないから」
道中で3-Aの女子の柿崎美砂、椎名桜子、釘宮円に会った。
自称3-Aのエロ番長と、3-B二台姉御の一角(もう一人はヨンヒ)は結構顔を合わせて話すのだ。
「お、さっちゃんじゃーん、そっちは?」
「富山佳代でーす!
普段は東京の方にいるんだけど、親戚の明智ちゃんが一人暮らしで両親に連絡しないから様子見てきてって頼まれて…」
基本アッパーな3-A女子に負けないアゲアゲなテンションで押し切った。
なお、女子中、女子高、女子大エリアで一見王子様な外見の明智は話題になっており、survivorに来店する女子は多くなったらしい。
明智はそれを上手く捌いているようだが。
チアリーダー三人組とそこそこ雑談してから別れて件の占い部の先輩の元に行った。
「いらっしゃい」
「木乃香ちゃんから紹介されて……その…」
「さっちゃんは彼氏いるんだけど、優しいけどKYで」
「KY?」
「あー、空気読めないってやつ。
それにアイツはまだ彼氏じゃないし」(KYは2006年から発生したギャル語なので未来の言葉)
「『まだ』の時点で脈アリアリっしょ?
で、さっちゃんの恋愛運とかイイ感じで占ってほしいみたいな?」
「占ってみましょう……ああ、これは酷い」
タロットカードを引いて思わず本音をこぼす占い部の先輩。
「相性は最高かもしれない……んだけど、くっつきそうでくっつかない。
それが10年……下手すると20年……」
「あちゃー……」
佳代は頭を抱える。
一番はかなりモテる……困っていたら全力で助ける気持ちのいい男だから。
だが、紗栄子とはすれ違いやらダサいペアルックをプレゼントしたりとストレートに上手くいかなかったのが前世の話。
今世も二の舞になる可能性は、高い。
「『なんとかする?』」
「……!」
紗栄子は占い部先輩のから妙な気配を感じた……悪魔の気配を。
やはり歓喜天に手を出しているのが確定だとわかった。
紗栄子は、そんな様子に気が付かないまま意地っ張りを発動した。
「べ、別にぃ?
あんな奴なんてどうってことないんですけど」
紗栄子は、顔を真っ赤にして部屋を出ていった。
「あーあ、意地張っちゃって。
時間取らせてゴメンね?
じゃあね-」
佳代も紗栄子の後を追って出て行った。
.
.
.
「というわけで、確定です。
歓喜天に手を出しているみたいです、中島君のお墨付きもある」
「……」
「おい、一番」
紗栄子の発言を聞いて白目を剥いてテーブルに突っ伏す一番。
紗栄子はそのまま直帰してスミスが報告した。
明智が声をかけるが反応しない、ただのしかばねのようだ。
「しばらく使い物になんないねぇ」
「いつものことではあるのですが」
「傷は深いぞ、ガッカリしろ」
趙とキムは遠巻きに一番を眺めているが、スミスは追い討ちをかけている。
「歓喜天の危険性解いても手放すとは考えづらいね。
向田の恋愛事情にも気軽に行使しようとする時点で力に依存している」
「でも悪事をしていない彼女に殴って言うこと聞かせるってのものねぇ……。
前世ならマフィアだから脅すってのはやれたけど今は気質で未成年だからねえ」
明智が状況を分析し、趙は強硬策は取れないことを示唆した。
スミスが助け舟を出す。
「まぁ穏便に無力化できるブツはあるよ……管理人に手配してもらえる。
問題は、彼女を無力化してゲームセットできればいいけど、歓喜天の力を行使しようとして妨害して無力化したばあい、歓喜天かその眷属がしくじった落とし前をつけにやってくる危険があってな…」
「そこは、力尽くでお帰りしてもらおうかな」
「メンツは調査で顔を出した紗栄子は除外してこの面子でいこうか」
明智とスミスで話を進めて結論を出した。
そこに、ジムヘッドの老人「おっちゃん」が手を挙げた。
「ワシもついていっていいかのう、傷心の春日のボンが心配じゃて」
「あなた一人で全部解決できるでしょうがね」
「それでは春日のボンが成長せんじゃろうに、保護者枠でついていく」
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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史上最強の大工
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Zさん