サンサーラ同盟掲示板   作:Dadaga

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「あれは伊予 こちらは備後 春の風」 武田物外


バッタモンとじんるいあく 幕間 げんこつ和尚

じんるいあく「あの近藤さんを投げたんだよね?」

バッタモン「慶応元年のころだ。

      史実では慶応三年の11月末に死ぬ予定で死ぬ準備をしていた時期だ。

      托鉢中の俺を平隊士が新撰組の稽古場でうざ絡みされてな。

      何もしていないのに理不尽な仕打ちを受けそうだったので皆、地球と仲良くなってもらった。

      で、近藤さんがやってきたから隊士どもが泣きついて、俺を制裁する流れになったんだ。

      幸い怖い奴らはいないから、近藤さんの差し出した木刀を投げ返して素手で手招きしたんだ」

立花「怒ったんじゃない?」

バッタモン「一端の剣士ならそりゃね。

      頭が少し血が登ってから、舌刀を振るったわけだ」

じんるいあく「なんて言ったの?l

バッタモン「新撰組組が第一次長州征伐が終わって西本願寺の集会所に引っ越していたんだよ、その時」

立花「……山南さんや芹沢の事で揺さぶった?」

 

 

沖田から始まった新撰組関係のイベントをこなした立花は察しがついてしまった。

バッタモンこと物外和尚が近藤と対決するまでの新撰組の大雑把な出来事を列挙する。*1

 

 

文久3年(1863年)

文久3年2月8日 浪士組が江戸を出発。

文久3年8月18日 八月十八日の政変。御所の警備に出動。

文久3年9月13日 田中伊織が暗殺される。

文久3年9月18日 芹沢鴨、平山五郎が内部抗争で粛清され、平間重助脱走(異説あり)。

文久3年9月25日 隊名を新選組と改める。

文久3年9月26日 御倉伊勢武、荒木田左馬之助、楠小十郎が長州藩の間者として粛清される。

文久3年10月 岩城升屋事件。大坂の呉服商、岩城升屋に押し入った不逞浪士を撃退。

 

文久4年、元治元年(1864年)

元治元年6月5日 池田屋事件。奥沢栄助戦死、安藤早太郎、新田革左衛門らが負傷し、1か月後に死亡。

元治元年6月10日 明保野亭事件。池田屋事件の残党を捕縛。

元治元年7月19日 禁門の変。反乱を起こした長州藩士の鎮圧に出動。

元治元年8月ごろ 近藤勇の態度に遺憾を感じた永倉新八、斎藤一、原田左之助、島田魁、尾関政一郎、葛山武八郎が会津藩主・松平容保に非行五ヶ条を提出。

元治元年10月27日 伊東甲子太郎らが新選組に入隊。

 

元治2年、慶応元年(1865年)

元治2年1月8日 ぜんざい屋事件。土佐勤王党の残党による大坂城乗っ取り計画を阻止。

元治2年2月23日 山南敬助切腹。

元治2年3月10日 西本願寺へ屯所を移す。

慶応元年9月1日 松原忠司死亡。

 

 

 

 

 

人理の請負人であったバッタモンこと物外は、南禅寺の塔頭に滞在して日々、京の町を托鉢して歩いていた。

たまたま通りかかった新撰組の道場の外、景気のよい竹刀の音に釣られて、何の気もなく武者窓からのぞいていた。

 

 

「(活気があるな……俺はまだまだ動けるつもりだが、もうすぐくたばるからな……)」

 

 

ふとそれを見た若い隊員が、物外へ声をかける。

 

「御老僧は、のぞくくらいだから剣術は好きか」

「若いのが元気にやっていい見せ物じゃわ」

 「そんなら道場へはいってきて、立ち会って見たらどうだ」

 「そうだのう。関東方のお手並み拝見も結構だが、拙僧は托鉢でいそがしい。

  それにくたばりかけのジジイが戦って何が面白いか」

 「いそがしいったって、そうやってのぞいているではないか」

 「まあ、そう言わずに一ちょうかかって来てみい。歳はとっても頑丈そうな御老人だ。骨っぷしの堅そうなところ二、三手の心得はあるにちがいない」

 「迷惑じゃ」

 「いいじゃないか。拙者たちもひまつぶしにこうやっている。決して手荒なことはしないから」

 「(お前らをしばきあげて沖田か土方あたり来たら死期が今日になるだろうが)

  忙しいというたはずじゃ、くどい」

 「いそがしい、いそがしいは、町人どもの言うことだ。いいから来い!?

  さあ、はいったはいった!」

 

 

数人の隊員が物外を道場の中に連れ込む。

物外は溜息をついた。

そして隊員が木刀を差し出してきたがガン無視して如意*2を出す。

物外は、不遷流柔術の開祖であるが、敢えて構えを取らずに両腕をだらりと下げて

 

 

「さぁ、おいで」

 

 

とやる気なさげに言い放つ。

隊員達の攻撃を悉く避けて額をぴしゃりと叩いていく。

 

 

「坊主と遊んでいないで京の見回りをまじめにやりな」

 

 

腹を立てた隊員達は、真剣を取り出して数人がかりで押し包んで物外を斬ろうと考え出したその時、

 

 

「やめなさい。君たちでは手に負える御仁ではない」

 

 

さきほどから見ていたらしい、近藤勇が出てきた。

最初は、あまり酷い行いをするなら隊員を叱るつもりであったが、逆に物外に遊ばれたのを見て、真剣を取り出したら間違いなく隊員が殺害されると見て出てきた。

近藤は、隊員が悪いのは承知しているが、逆恨みで襲われぬように物外と試合をして勝つ事で事態を収拾しようとした。

 

 

「御出家、なかなかの腕前と見えます。

 身どもがお相手いたします」

「お若いの、できますな。

 お名前は?」

「近藤勇でござる。だが、どうも、その如意棒はこまる。立ち会いは竹刀で願いたい」

「出家が竹刀では、のう」

「たってお願い申す。竹刀をもってもらいたい。それでないと試合の気分が出ません」

「こまるのう。拙僧はこのごろは竹刀をもったことがないので・・・。

 ではこれでいこうかのう」

 

 

物外が取り出したのは護身用と思われる鉄扇であった。

普通のものより大きく頑丈そうなもので、近藤は芹沢鴨の用いた鉄扇に似ていると思った。

正面に「尽忠報国之士芹沢鴨」と書かれていたらまさに瓜二つのものを見て、芹沢鴨を想起させてしまう。

物外は、それを気にせずいった。

 

 

「撃剣(竹刀)でなければなりませんかな?

 北辰一刀流はとんと知らぬもので」

 

 

北辰一刀流……千葉周作が開祖であり、清河八郎や山南圭介も習得している。

近藤は当てつけのように感じていた。

物外は、近藤にだけ聞こえる声で話しかける。

 

 

「いいのですか?」

「なにがです?」

「凡百の道場主であれば畳の上で往生できたでしょうが……

 次は……伊藤あたりですかのう?」

「………」

「お主は、人の上に立つには優しすぎた、途中で叱りつける事も止めることも出来ぬ」

 

 

物外は、托鉢用の木のお椀を二つ取り出して近藤の木刀を挟む。

そして動揺している近藤を力任せに足払いをかけて倒す。

隊員達が大声を出して仲間を呼ぶ前に、物外は一目散に道場から逃げ出したのだ。

 

 

 

 

「相手の負い目を利用してまんまとしてやったのさ……。

 だから近藤君を痛めつけるのは気が引けたのさ。

 近藤君は、巻き込んだ挙句、大勢が死んだのに後世に何も残せなかったと思って……自分を消し去りたいのは推測できた。

 俺も永い時を生きることを疲れて一度消えた身だ……どの面下げて顔をだせばいいのか、てね。

 元大殿もといノッブ救助に行ったのはそれが理由だな。

 セカンドマスターには助太刀しないですまなかった」

「ノッブの事も心配だったんだよね」

「まぁ、そんなところだ」

 

 

 

 

 

 

 

*1
詳細な日付は不明で元治元年以後と推測される。壬生時代か西本願寺時代かはっきりしないが自分は西本願寺時代としました

*2
僧侶が読経や法要のときに手に持つもので、柄の長い棒状の道具




じんるいあく「ボンバーについて一言」
バッタモン「アイツは傾奇者を気取るが、俺はエンシェント・カブキモノだぜ?」
じんるいあく「アウストラロピテクスの仲間と一緒に壁画描いたり、火を使ったりしているからか……」
バッタモン「生憎、あにじゃ(秀吉)のイミフな戯けぶりに比べれば理不尽でもないし……馬氏のクソな夫婦生活に比べれば……別に普通だよ、松永」


バッタモン「チビノブ隊長、団子でございます!
      あ、元大殿、いたんですか?」
ノッブ「ワシのの扱いが雑なんじゃが!?
    あとそっちのナマモノに対して敬語しとるんじゃ!?」
バッタモン「ほら、ニュー新撰組の古株だし(近藤君を立ち上がらせるヒーローだし)」


バッタモン「ついに出たな、誠の旗……新撰組の仲間が駆けつけてくれる召喚宝具!
      (原作アルトリアは円卓呼ぶ宝具があるらしいが、実際使ったら来ない可能性があるとか聞いたような)」
アホトリア「ワイ兄ーかまってー」
バッタモン「……」

昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……

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