サンサーラ同盟掲示板   作:Dadaga

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今朝ランキングみたら、今作が二十九位に謎に上がっていてビビった。
お昼には百十三位くらいになったけど、それでも謎に上がっている…。


バッタモンとじんるいあく 幕間 ことばあそび

「明治の初の口語体文学を出した二葉亭四迷。

 そのペンネームの由来は『くたばってしまえ』というのを捩ったもんだ。

 それ値は関係ないが…こんな笑い話がある。

 鹿児島の農家が収穫をしている時、英国紳士にこう言われたんだ。

 「What time is it now?」(「掘った芋いじんな」)

 いやぁ空耳ですねー、でなんで俺がこんな話をしたかというと……」

 

 

 

 

「ハッハッハ、傑作じゃないか和尚!」

「趣味悪すぎですよ」

「はははは」

 

 

ストームボーダーの藤堂平助の部屋に立花と理代が入ると、

高杉晋作と武田物外和尚……もといバッタモンが3人で酒盛りをしていた。

 

 

「おや、マスターにセカンドマスター」

「宅飲み?でも珍しい組み合わせだね」

 

 

長州の高杉と物外、新撰組の藤堂というのは珍しいかもしれない。

今回、ぐだぐだイベントを終えて近藤勇、藤堂平助、原田左之助、勝海舟、河上彦斎が召喚された。

某スケベ物件の暴走で勝海舟リコール問題が発生したが無事に終結して各々の部屋でサーヴァントがくつろいでいるだろう。

藤堂の部屋は殺風景だったため、高杉がどこから調達したのか、豹柄の絨毯に鹿の剥製を勝手に設置し、物外は自作の掛け軸を飾り付けた。

酒はカルデア農業部が作ったものだ。*1

 

 

「物外和尚が、新入りの藤堂君に世話を焼こうとしていたみたいだから便乗したのさ」

「入居祝いに酒も差し入れしたんだが、晋作めが早速開けやがったので酒盛りをはじめたんだよ。

 幸い話のネタがあったんでな」

「ネタ?どんな話」

「なかなか傑作なんだよ、キミたちもこの酒を飲みながら聞くといい」

「「お酒は遠慮します」」

 

 

酒を断られると、肩をすくめながら酒を一気に飲む晋作であった。

物外が話し始める。

 

 

「自慢じゃないが俺は大体なんでもできる。

 アホみたいに時間があったんだ武術に学問、芸術に工作……練習して上達させていった。

 で、物外和尚としては俳句もやったし、柔術の一流派を築いたが書道もなかなかのもんだったぜ、天皇に献上したし」

「「それは凄い!」」

「で、孝明天皇をはじめとした攘夷派の連中が俺にこぞって書いてくれと注文の山よ。

 個人的には勝算もないのに外人切り掛かる攘夷は無理心中みたいなもんだからメッチャ嫌いだった。

 寅之助(吉田松蔭)は相手の技術パクってから攘夷するぜ!まずは密航して外国を調査だ!という方針だから嫌いじゃないが……まぁクレイジーだが」

「僕の先生だからね、当然だよ」

 

 

松蔭の話が出て胸を張る高杉。

 

 

「まぁ……お金になったけど…嫌でした、本当に嫌な仕事でした」

 

 

Zガンダムを作れと言われた富野由悠季並みに曇った表情を見せる物外。

皆殺しの富野…もといイデか発動するレベルの闇だった。

 

 

「これが物外和尚の作品さ。

 この書道の作品と、言葉が流行ったのさ」

 

 

高杉が指さしたのは藤堂の部屋にかけられた掛け軸で『烈炎攘夷加門暴威』と書かれていた。

 

 

「れつえんじょういかもんぼうい?」

「『烈火の如く攘夷の心を広く人々の門戸を広げ、集めて夷狄に暴威を示せ!』という意味だと僕たちは思っていたし、攘夷志士もこの言葉をモットーに攘夷運動をしたし、蘭学者や外国人を切りかかったもんだよ」

「……思って『いた」?」

「僕も最初はそう思っていたですけど……僕はこう見えてエゲレス語、今でいう英語や砲撃の勉強をしていたで……それで違和感を感じていたんです」

「英語、違和感……?」

 

 

『烈炎攘夷加門暴威』……『れつえんじょういかもんぼうい』………『Let’s enjoy Come on, boy(さぁ坊や、楽しもうぜ!)』

 

 

「「英語だああああああ!!!」」

 

 

立花と理代は同時に気がついて絶叫した。

 

 

「物外和尚は、それっぽい文言にしておいて実はエゲレスの言葉を混ぜたのさ。

 外国の技術や言葉は穢らわしい、攘夷だ!とほざいたヤツらにエゲレスの言葉の掛け軸をありがたがって、その言葉を言って切りかからせるという馬鹿馬鹿しい事をさせていたのさ!!いや僕もメリケン人のチャニング・ウィリアムズ(立教大学創設者)や、グイド・フルベッキから欧米の南北戦争や清国の内乱に関する世界情勢の最新情報を得てから上海へ行く準備をしていたけど結局死んでからも気が付かなかったよ。

 気がついていたらもっと早く笑い死んでいたかもしれないね!」

 

 

外国人嫌いの攘夷志士が|『烈炎攘夷加門暴威』《『Let’s enjoy Come on, boy(さぁ坊や、楽しもうぜ!)』》と言って切り掛かるのだ、これほどアホでガイキチな光景はないだろう。

 

 

「死んでも恥を積んでね!ということさ。

 敵を殺すのはいい。自国の味方を殺す真似をする奴らは馬鹿だよ。

 藤堂くんもこれをネタに酒の席で話すといいよ、ウケるよ。

 一昔前でいう『滑らない話』ってヤツ?知らんけど」

 

 

そう言って物外は酒を飲む。

藤堂は溜息をつき、高杉は笑う。

藤堂平助の滑らない話となるかどうかはともかく、マスター達との一時で絆が深まった気がする。

*1
カルデア農業部……某ランサー達やバッタモン、ガレス、佐々木小次郎等が結集した謎サークルで地味に規模が大きい。

因みに……勝海舟は落ち着いた書斎に、近藤はドラゴンが巻き付いた剣のキーホルダーや、指貫グローブやら厨二っぽいグッズが整理されて陳列された部屋になっており、原田はドラムが置かれていた。生前全裸で軍隊の太鼓を叩いた奇行の名残りだろうか?




物外和尚への印象

だーおか……会ったこともないし、縁がないわ!
彦斎……長州に縁深い坊主
近藤……自分の心を見透かした武術の達人。
    隊士の手前とはいえちょっかいをかけたのは悪かったがそれはそれとして再戦したい。
土方……近藤さんを投げた坊主に落とし前をつける!と当時は思っていた。
沖田……近藤さんを投げるなんて強いんですねー。
永倉……俺も物外和尚とやり合いたかった!
斉藤・原田……ああ、長州征伐で交渉した坊さんですよね。近藤さんも投げるし厄介な人だ
サンナン…… 不遷流柔術の開祖で、力士を軽々持ち上げる剛力の持ち主で詩歌や書道の達人と聞いていましたよ。

昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……

  • ピーコックニキ
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