「というわけで、精霊を解放しにいきます!
まずジンが封印されてる風の塔へ行きましょう」
「まてまて、恩人よ。
まずは説明が必要であろう……風と火の部族の争いの真相を」
「もう大体わかるでしょうに」
後々の為に風と炎の部族に恩を売ることに決めた.
パーンとディードリットの出会いが生まれるか怪しくなるだろうが……
「<風の精霊王ジンよ!俺の声が聞こえるか!?>」*4
『<我を解放せし小さき者よ、何用だ?>」
「<古き盟約は盟約者が亡くなり、盟約を解除する言葉が失われた。
精霊の性質上契約の破棄はできないのは知っている。
故に……俺が新たな盟約を結びたい!!>」
『<承知した……ならば風の精霊界へ赴き、我の試練を受けるがいい>』
そして俺は死地の中にいる!
『<さあ、試練に打ち勝って新たな盟約を結ぶがいい!>』
「グエエエエエエエ!」
圧倒的なプレッシャーだ!
……二度コールゴッドしているお陰で魂がひび割れるんじゃないかというダメージの経験に比べれば楽ではあるがな。
とはいえ死にかけであるのは代わりない。
走馬灯は巡るなぁー。
前世で、ブラックなマルチまがいな商売に巻き込まれたり、宗教に勧誘するクソ上司に振り回されて辞めた後にも痴漢の冤罪をかける奴もいるわ、レイプされた報復(なお犯った奴は俺ではない全く関係ない別人で誤認襲撃)等等、そして今生でもカスどものせいで故郷を捨てる羽目に……!!
ろくな人生じゃねえ……!!
なんかジンが楽しそうに精霊界に音をかき鳴らしているが……俺は不自由を強いられてるんだぞ!
1489:ケツモチの女神
ねえ、大丈夫!?
体消えかけてる!!
1490:仮面風来坊
大丈夫だ
1491:名無しの転生者
なぜそう言えるん?
1492:仮面風来坊
目が死んでいない……怒りで煮えたぎっている。
精霊界の音が変わり始めている。
1493:ぬ
……あ、ロードス世界にあるまじきエレキギターの音が。
1494:アウトロー(笑)
ああ、野良勇者が絶叫したああああ!?
1495:名無しの転生者
デスメタル歌い出したよ……。
1496:パープルボンガロ
いやぁ以前カーラ・ミッチャムの精神世界に入ったけど負けず劣らず激しいわ。
あっちは絶望しかないけどこっちはまだ建設的だからマシだけど。
1497:名無しの転生者
SATUGAIせよ!
1498:名無しの転生者
根岸くんが混ざっているよ……
「見事だ」
「そいつはどーも。
音楽の趣味が古臭いんでこっちの流儀でやったぞ」
「魔神の断末魔のような恐ろしげな音楽だったが……まぁいい。
汝は試練を乗り越え、新たな盟約者となった」
「では、この後イフリートを解放するから、『精霊力を元に戻して大地と水の精霊力を解放せよ』」
「承知した、何もするなということだな。
我が名は『イルク』
盟約に背かない限り我の力をかりることが出来る……以前より楽に我を召喚できるようになる」*1
「次はイフリートの説得と、風と炎の部族の前でアサードの盟約が終わった事と真実を話す時に呼ぶ」
……俺は精霊界を出て、砂塵の塔の頂上に戻った。
「どんなもんよ」
「フン」
「流石恩人!」
「ロードスで上位精霊を呼び出せる人間が何人いるか……」
ベルドは、当然だと言わんばかりの仏頂面。
アッシュやウォートみたいな普通に褒めてはくれないが力量を認めている感が強いな。
「賢者ナロモブ、ご無事でしたか!」
「賢者はいらない!
ジンを味方にしたからイフリートも言うこと聞くだろう」
「私は何もせず、あなたに苦労しかかけていない……」
「適所適材よ、若の仕事はその後よ!」
で、休憩してから炎の神殿へ向かった。
守護者の質は砂塵の塔と同じなので問題はない。
イフリートに圧迫面接を仕掛けたら諦めて盟約を結んだ……名前はアグニドだそうだ。
魔法の武具はなかったが、対炎のアミュレットが五人分あったのは大きい!
火龍シューティングスターぶっ殺す算段がつくってもんよ!
アイツには悪いが、
支配の王笏は廃棄一択だが溶岩の中でも無事な可能性もあるので『確実かつ有効な処分方法』でさせて貰う!
で、風の部族の集落に戻る。
「おお、ナシェル殿と賢者殿!」
「砂塵の塔と炎の神殿を確認してきました。
幸い、魔神が侵入した様子はありませんでした。
そして封印された風と炎の精霊を解放し、真実を知りました。
裏切り者は誰もいなかったのです」
ナシェルが、古代魔術師が精霊を封印して、互いが裏切ったように見せかけたという真実を話した。
俄かに信じがたい様子だったので手っ取り早く俺がジンを召喚して証言してもらったがな。
「そうだったのですか……我々は無意味な殺し合いをしてしまったのですね……」
「長老、私は炎の部族にも真実を告げに行きます。
遺恨は残っていますが……土と水の精霊達もやがてこの地に戻ってきます。
どちらかが勝つのではない、どちらもより良い未来を手にしていける為の道筋を我々は用意できる」
ドワーフのフレーべとウォートと俺の監修した新型の井戸づくりの設計図。
風と炎の部族が一つになり内乱が消えて徐々に緑化していく事でこの地が新たな市場になる……俺達がライデンの商人に売り込んで投資させる。最終目標は大陸へ取引を行うようにする。
砂漠の戦士をライデンの隊商の護衛やら魔神討伐など人材派遣すれば金になる。
もう少し未来の話だが、火龍シューティングスターを殺して奴の狩場を開拓地にすれば飯の心配はなくなる。
「選択肢は二つ。
『互いに遺恨を飲み込んで飢えの心配がない未来』か『大義名分もない恨みだけで殺し合う勝者のいない未来』か。
俺たちは前者なら協力できるがな」
「……少し時間をいただきたい」
.
.
.
2100:野良勇者
遺恨はあるが、精霊の解放者という俺が置物になり、ナシェルがカリスマで惹きつけ、ウォートが理詰めで説明し、感情論で文句を言う輩はベルドがシメて炎の部族を説得することに決めたようだ。
というか、風の部族の兵隊を引き連れて炎の部族の元にいっておるがな!
2101:名無しの転生者
ごめんカシュー、君とパーン達の業績をナシェル君がいただいていく!
2102:満足団副団長
風と炎の部族を一つにしてフレイム国を作り、ナシェルの地盤にするつもりだろう?
2103:名無しの転生者
え!?じゃあナシェルが王様になるの?
2104:バッタモン
ハイランドに行くし、竜騎士になってワールウインドをゲットして貰うから王にはならない。
だが、『風と炎の部族が王に望んでいるのを断る』のを大々的に喧伝する。
2105:名無しの転生者
???
黙ってハイランドにいけばいいんじゃないの?
2106:IS世界のロボット工学者
カーラが居ないから魔神王打倒後にロードス統一を目指せる。
その為の布石だよ。
2107:バッタモン
原作で百の勇者の軍団が空中分解の危機になったのはカーラが魔神復活の真相を言ったからだ。
なら逆にこの時点で真実を話す。
2108:アウトロー(笑)
えええええ!?
2109:バッタモン
部族が一つになってフレイムという国を建国する。
暫定で部族の有力者が合議制でいく。
ナシェル達は名誉顧問とか相談役という立場にする。
ナシェルが国王になるのを断りながら『父と妹が魔神に入れ替わった!併合されたとはいえかつてのスカードの王子として討ち取る責任がある!』的な事を演説する。ライデンでそれを盛大に吹聴する。
なぜ魔神が出現したのか真相を『複数』発表する。
2110:名無しの転生者
複数ってなにさ!?
2111:バッタモン
『ヴェノンに併合されそうになり、併合の暁にはナシェル王子が暗殺される事を知った余命いくばくもないブルーク王が魔神を解放した』
『野心を持ち狂ったブルークが娘を犠牲にして魔神を呼び出した』
『ヴェノン王の命令でブルーク王は娘を生贄にして魔神王復活の儀式をさせられた。
ヴェノン王はモスはおろか、ロードスを征服しようとした』
『ヴェノン王の王子がスカードの姫に懸想をしていたが振られたので父親にスカード王に「スカードを併合するか姫を魔神王の生贄に捧げて永遠に美しく自分の命令に無条件に従う最強のしもべに変えて献上せよ」と命じたがスカード王は、儀式に失敗して魔神王が自由になった』
スカードを併合するか、姫を魔神王の生贄に捧げて永遠に美しく、自分の命令に無条件に従う最強のしもべに変えて献上せよよと。
「一部の魔人が封印を抜け出し、スカード王を殺害し入れ替わった、
入れ替わった魔神は姫君を生贄にして魔神王を復活させた」
「ヴェノン王は抜け出した魔神と入れ替わっており、スカード王と姫君を生贄にして魔神を復活させた。
スカード併合を長く阻んだ石の王国を腹いせに滅ぼし、ロードス各国に通じる石の王国のトンネルを使ってロードス統一の侵略を開始した』
と複数噂を流す。
ナシェル王子へ『どれが本当なんですか?』と聞かれても『今はまだ語るべき時でない』とキメ顔で韜晦して貰う。
2112:名無しの転生者
ええ……?
そんなことせずにカーラが居ないから徹底的に情報統制すればいいんじゃ……?
2113:昼行灯の死神
ドッペルゲンガーがいる以上『ナシェルは魔神の子』とかネガキャンをするし、最悪な時に真実を投げ込むと最悪だ。
嘘じゃないから否定は困難だ。
で、先んじて真実を出してもヴェノンがナシェルを追求するだろう……元凶はヴェノンだという言い回しをすれば間違いなく足を引っ張る。
ゆえに『ナシェルが真実を公開する』のではなく、『真実を皆で選ぶ』ことで解決させる。
2114:魔神博士
コレが一番早いと思います。
2115:名無しの転生者
真実を皆で選ぶ……?
2116;バッタモン
有識者(バッタモン、昼行灯の死神、魔神博士)で相談して決めた作戦だがな。
頭ごなしに言えば反発して敵を作る。
だから、皆できょうは……協力して取り組んで敵がいない状態にする。
2117;名無しの転生者
怖い予感がするんだが…。
.
.
.
(※「Don't Boo!ドンブラザーズ」BGM)
俺が先頭に立って大声で叫ぶ。
「<盟約により召喚に応じよ、『イルク』、『イグニド』!!>」
俺の頭上にイフリートとジンが召喚される。
敵も味方も伝説の精霊が現れたのだ、当然驚く。
俺は、全員に聞こえるように叫ぶ。
「古き盟約は終わった!
二つを解きはなち、二つを蘇らせる!
解放されるものは風と炎、蘇るものは水と大地!!」
隣のナシェルが長きに渡った争いの発端、そして真実を語った。
動揺する炎の部族。
ナシェルは、結論を迫る。
「選べ!古き過ちを正し新たな未来を選ぶか、惰性で戦いを続けるか!!?」
ナシェルへ矢を放とうとする奴がいる……鑑定屋に聞いたら炎の部族の跳ねっ返りではなく、入れ替わったドッペルゲンガーのようだ。
俺がジンに風でそのまま矢を跳ね返し、イフリートで火ダルマにしてやる。
魔神の正体を表して死骸を晒す。
更に下級ドッペルゲンガー擬きの魔神が数体いるのでイフリートにピンポイントで焼いて貰う。
ナシェルが魔神の脅威を説いた。
遺恨を飲み込み、魔神へ立ち向かうならばこの地が栄える為の援助を行う事をナシェルが宣言する。
ウォートがウェザーコントロールで大雨を降らす。
アッシュが大声でサクラになってナシェルを盛り上げる。
二つの上位精霊と恵みの大雨という演出で炎の部族の心が堕ちた。
こうして二つの部族は統一し、『フレイム』という国家が誕生した。
出奔したスカードの王子ナシェルが精霊王を味方にして風と炎の砂漠の紛争を終わらせ、魔神を倒した知らせは自由都市ライデンから盛大には発信されたのだ。
じかーい、じかい。
自由都市ライデンにたどり着いたナシェル一行。
ナロモブとウォートの次の一手は……?
『お前も会員にならないか?』
ドン9話 『ライデンきんゆうどう』
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
-
ピーコックニキ
-
エンマニンジャ
-
野良勇者
-
史上最強の大工
-
Zさん