「ファラリスよ、生贄をお受け取りください!」
「(チベスナ顔)」
いよいよ最終盤面となった……俺はやるべきことを行おう。
石の王国奪還より三週間後……。
最も深き迷宮の攻略の会議が始まる。
ナシェルやマイセン王が最初に語ってから作戦は俺が語る。
「では最初にやることは、魔神王を誘き寄せて殺します」
俺の開口一番でざわつく。
ヴェノンのアロンド王子が噛み付いてくるが無視して説明開始する。
「魔神将は魔神王が頑張って召喚ガチャしなければもういないでしょうな。
鏡像魔神はダイヤモンド・アイで見破れますので、はい。
上級・下級魔神が集団で襲いかかったり、迷宮の罠が脅威ですが……最大の脅威は魔神王です。
アレがいる限り魔神の統率が効いて組織的な攻撃をしてきます。
究極的に言えばいくら魔神を殺しても魔神王一体だけでロードス滅ぼせます。
逆に言えば奴を倒せば消化試合とも言えます、ハハハハハハ。
疲れた状態で迷宮の最下層で戦うより、こっちでお膳立てした場所で万全の状態で倒す方が安全というもの」
「賢者殿、呼び出せる算段があるのか?」
「はい、マイセン王。
白龍山脈のブラムドが護っていた真実の鏡……これで最も深き迷宮の最下層を覗けば魔神王は必ず感知します。
そして目障りな覗き魔を殺しにきますぞ、ハハハハハハ。
決戦の地は平原で行います。
参戦する人員は烏合の衆では死ぬだけですので人員を指定します。
マイセン王と竜王マイセン。
若……ナシェル王子とワールウィンド。
迷宮内では龍の出番はないですが外で戦うなら別でしょう?」
騎士連合のメンツベルドかファーン並がいれば別だが、そこまではいない。
騎士が参戦しないとメンツが立たないなら最強の竜騎士マイセンのみを厳選した。
「百の勇者より、ベルド、ファーン、フレーベ、(カノンの自由騎士)、アッシュ……重要な任務として魔神王の持っている魂砕きをなんとしても奪い、叩きつける仕事をしてもらいます。
魔法攻撃は効かないものとして戦士の援護をしてもらいます。
荒野の賢者のウォート先生と賢者の学院の俊英バグバードくんが援護をします。
回復要因でフラウス、ニース、ルシーダ、ショーデル君。
(カノンの自由騎士の友人のマイリー神官)は戦いの歌を歌って貰います。
ワタクシも悪巧みしますが……復活が不完全な魔神王には効いてもあっちを殺し切れるかは別ですし……あの戦いを除いていれば警戒して対策とったり、真っ先にワタクシを殺しにきますな、ハハハハハハ。
万の軍勢を動かすのはウォート先生の方が専門ですが、『猛獣』の駆除ならワタクシの方が専門ですので安心してください、ハハハハハハ」
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<最も深き迷宮>
魔神王は玉座に座り虚空を眺めている。
全ての魔神を集めても魔神王の方が強い……彼女にして見ればロードスの侵略は遊びである。
依代の影響で依代が懸想していた『ナシェル』という美しい青年への執着があった。
依代は彼に犯されたかった……血の繋がらない兄弟であればできたのに、と。
実際に血が繋がらないからこそ自由になったわけだが。
故に魔神王は、ナシェルを捕え存分に抱き、そして喰らう事を誓っていた。
「………!?」
不遜にも自分覗く無礼者がいた。
殺しに行かせる魔神将は皆、無能にも討ち死にしている。
ここは自分の手で始末せねば……。
魔神王は『扉』を作り、無礼者を始末に向かった.
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俺が真実の鏡で魔神王覗けば、即座に感知して空間が歪んでいく。
門が生まれ、黒い髪の薄い衣を纏った少女の姿をした魔神王が現れた。
今回ばかりは仮面の道化師ではない猟師としてしての俺の姿で迎え撃つ。
「ご機嫌、お兄様」
「下手な芝居はやめるんだな、ライデンの場末の酒場でも失格だ」
「私はリィーナでもあるわ」
「ドッペルゲンガーは喰らった人間の人格の影響を受けるのは『聖者』や『ジュローム』で把握済みだ。
『人の声真似をするだけの、言葉の通じない猛獣』と話す時間はないんだ」
だが、戦士に補助魔法で援護する時間をくれてありがたいがな。
「ベルド様、ご武運を!」
「私の仕事の半分は終わったようだ」
バグナード君やウォート先生が魔晶石を大盤振る舞いして補助魔法をかけまくる。
どうでもいいがベルドに心酔するのは運命なのか、バグナード君?
「来るぞ、マイセン』
「ロードスの命運はこの一戦にあり!」
『我の吐息では奴は焼き尽くせまい……精々『役割』を果たせ、人間」
「ああ、頼むぞワールウィンド」
空には竜騎士が二人、竜が二体。
「ファリスよ照覧あれ!」
「魔神王の力……試せてもらおうか?」
「エールの盟約……果たさせてもらう!」
地にはヴァリスの三種の国宝を纏ったファーン、大剣を構えるベルドの旦那、フル装備のフレーベの親方。
俺がテガソードを取り出した瞬間に、魔神王はエネルギーボルトをテガソードにぶち当てて弾き飛ばす。
更に、俺目掛けて剣を振り上げながら接近してくる!
「貴様が我を殺す術を持つのは承知済みよ!」
「ゴレンジャーハリケーンは撃たせてもらえないか」
「恩人はやらせねえ!」
「ロードスの為に、生命に変えても貴様を討つ!」
俺は、テガソード回収は諦めて後退していく。
アッシュと自由騎士が切り掛かって妨害しようとするが、剣で斬られても即座に再生していく魔神王。
魔神王は魂砕きを振るう。
当たった瞬間に精神力を削られる危険を知る故に慎重に避けていく。
その後も交代しながら攻撃するが有効打はない。
ファーンの法の剣で斬られた場合は再生は遅いがダメージにはなっていない。
偶に散発的に魔法攻撃して来るが事前準備している故にどうにかダメージを最小限に抑え、回復要員が回復していく。
魂砕きで斬られた人間がいないのは幸いだ……空中でダブルマイセンとナシェル・ワールウィンドが牽制しているし、俺が遠くに弾かれたテガソードを取りに行こうと動いて魔神王が俺に意識を割いていくように仕向けているから他のメンツへの攻撃の精度が格段に落ちているからだ。
「俺に熱い視線をむけるのは勝手だが、生憎、女神様に操を立てているんでね」
「あの手剣が無ければ貴様なぞ簡単に殺せる!」
「それはどうかな、サモン全開!」
俺はテガソードと反対方向に走りながら『サモン・ギアトリンガー』を唱える。
右手にギアトリンガー、左手のセンタイギアが召喚された。
「神器が一つだけとは限らないよ?」
「貴様……がぁ!?」
「そして切り札は俺だけじゃない」
魔神王の左目に矢が刺さり、苦悶の声をあげる魔神王。
傷が再生せず、肉が焼ける匂いがする。
鏃は禍々しい錆びた鉄の様なものだが……
「ファラリス様に生贄を捧げた甲斐がありましたな」
ショーデルが微笑みながら感嘆の声を上げる。
魔神の死体を生贄にして魔神殺しの鏃を欲したショーデルの祈りが届き魔神殺しの矢の精製に成功した……もっとも一本しか精製できず一番弓に自信があるルシーダに任せたが、見事に成功した。
まさかエルフにこう言う隠し球はあると想定していなかったからか魔神王は隙だらけだったしな。
思わぬ痛みに魔神王は残った右目で怒りと憎しみを込めて凝視しながら『死の雲』の呪文をルシーダにかけようとするが…。
「魔神王!」
「死をも……」
魔神王の頭上からナシェルが留め具を外しながらとワールウィンドから飛び降り、頭部に剣を突き刺す。
ただの魔法剣であればそのまま魔法を唱え、ルシーダと隣接するショーデルは死の雲で死んでいたかもしれない。
だが……なぜ石の王国奪還から三週間してからしたのか魔神王は考えもしなかっただろう。
魂砕きの姉妹剣であるソウルブレイカーの作成をしていた事を!
ロードス島戦記邪神降臨というゲームでかつてのベルドの部下のアシュラムが渡してくるシロモノだ……ゲームでは量産可能なのが怖い。
石の王国を奪還し、炉心を動かしフレーベとコークスに魔神の使った魔法剣を溶かしてミスリルを精錬して鍛え、エンシェントを刻み込んで完成した。
作成方法は、ホグワーツの暗黒皇帝陛下から聞いたのを伝えたがまさか一か月以内に剣にするとは……。
魔神殺しの剣で更に苦しむ魔神王は姿が変わり角や翼を生やす異形になった。
だが、ファーンが魂砕きを持った手首を法の剣で切り裂き、フレーベの親方のハルバードで魂砕きを叩き落とす。
ベルドは自分の大剣を手放し、魂砕きを手に取り、心臓目掛けて刺し貫く。
自由騎士は盾で左目に刺さった矢を更に押し込む。
魔神王の体は崩れていく……。
「終わりだ、魔神王……あと、契約してリィーナ姫を受け取ったかもしれんが差し押さえさせてもらう」
「ナロモブ、何を……?」
俺はコールゴッドをして、魔神王の崩れ行く身体に手を突っ込む。
手を引き抜くと、魂を……リィーナの魂をこの手に掴む。
魂を放し、マーファの元へ送り、コール・ゴッドを解除する。
(※「Don't Boo!ドンブラザーズ」BGM)
「……魔神王の依代になったリィーナ姫の魂を解放した。
ファリスの方に行くと厳しい裁きをしそうなのでマーファの方に送って魂を流転させてもらった」
「……感謝します、賢者ナロモブ」
「賢者はいらない。
ロードスの為とはいえ、妹を斬ったままだと後味が悪いからな……物語はめでたしめでたしで〆た方が吟遊詩人にはウケがいいだろ?」
「その為だけに命懸けの神降しをするのかよ、恩人……」
「これにて一件落着!」
「ナロモブ殿、魔神の残党の掃討が残っています!」
「あー嫌だ嫌だ、残業があるのを思い出したよ……両手両足が折れたので早退しまーす」
「リフレッシュでございます」
「ショーデルくぅうううん!?
弟子なら師匠を休ませろよ、アアアン!?」
ロードスの戦乱は終わろうとしている。
時はすぎ、歴史として綴られよう……
最終回
ドン39話 「そして ちんせつへ」
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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ピーコックニキ
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エンマニンジャ
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野良勇者
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史上最強の大工
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Zさん