タームの生態と対策について
・はじめに
近年、突如として出現した巨大なアリの魔物『ターム』。
市民、奴隷階級の短命種の多くが犠牲になっている。
我々の生存圏の確保のため早急なる分析並びに対策が必要と判断している。
・生態について
一般のありと同じく女王蟻(以下クイーンと呼称)が存在し、クイーンが膨大な数の卵を産んでいる。
複数の階級のアリが存在し役割分担をしており、産まれたてで個体として完成しており、我々が戦闘に耐えうるまで育つには最速でも15年から18年と考えると消耗戦で極めて不利と断言できる。
食事は肉食で魔物・人間いずれも可食で巣内で食糧庫の部屋に肉団子が置かれている。
また、タームには通常の卵からの孵化だけでなく、人間に卵を植え付け寄生し、一定の時期になると一斉に寄生主の内部から食い破って出てくる習性がある。
なお寄生するのは魔物や動物には行わず二足歩行の人類や亜人のモールやネレイド、イーリスなどが対象で特に長命種である我々に多く行う傾向がある。繁殖のためならば大型の獣か魔物が望ましいはずなのに長命種を狙うのが疑問である。ちなみに寄生を防ぐならば四六時中水中にいるか、モールに伝わる虫下しの法が有用である(後述)。
・各階級について
マンターム……働きアリ相当。穴を掘り進めたり巣を作るのが役割で戦闘力は低めだが新米兵士では単独では不覚をとりかねない。
スコップを手にしている。
弱点は大剣、体術、水術、地術。
タームソルジャー……兵隊アリ相当。剣と槍を駆使する。
棍棒、体術、水術、地術が弱点。
タームバトラー……クイーンの親衛隊。武装はしておらず体術や土術のストーンシャワーを使用する。
弱点は大剣、体術、水術、地術
エンシェントターム……タームの中の最上級種。紫の体で、死の雨*1を降らす。
強力な踏みつけを行い、全身鎧を着た兵士でも仕留められるほど。*2
大剣、体術、水術、地術が弱点だが状態異常の大半に耐性あり。
クイーン……長い胴体を持った女王アリで髑髏の杖を持っている。
更に成長して人型女性に羽根を生やしたような身体が脱皮するように胴体についた形になり、現在では虫型から脱皮して人間型になり飛行能力を得ている。
合金でできた全身鎧すら粉砕するキック、術法で膨大な土砂で生き埋め*3にし、膨大な熱量で焼き尽くす*4。
・対策法
<中略>
タームバトラーまではスタン攻撃で足止めするのが有効だが羽根で浮遊しているので槍の足払いなどでは無効なので注意。逆に浮遊しているので弓術の落鳳破が有効。
エンシェントタームは初手に死の雨を降らせる習性があるので、冥術の耐性か水術の耐性のある防具で防ぐかセルフバーニングや炎の壁などで無効化するしかない。先制攻撃で一撃で倒せればいいが生命力が高いので推奨できない。
クイーンに遭遇したものはほぼ確実に死んでいるので完全な対策法はない……杖を熱量に変換する技は炎の壁で防げると予測でき、打撃攻撃は防御より回避を選ぶべきでダメージを即座に回復するようにするのが前提になるだろう。
・備考
異常気象と共にタームの増殖が増えている。
また長命種の人口並びに同化の法の施行回数が多い者の割合が高まってピークに達してから異常気象やタームの発生・増殖が始まっている。
この相関関係は偶然ではないと推察される。
(中略)
・参考文献
人口統計白書(◽️◽️年版)、気象庁気象データ(◽️◽️年版)、術法大全(魔導アカデミー)、研究論文『ターム寄生の被害の実態』(モガス著)、異種族交流見聞録(イトォーケン著)、小隊対応マニュアル(ウォーカーチ著)
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「これでよし」
センセイに添削されながら匿名で論文を纏め学術アカデミーに提出した。
あとダメ元でサグザー(技術局)宛にも出しておいた。
原本も持っておこう。
まだまだアッシは弱い……タームバトラーまではデスレインで即死させられる。
だが、エンシェントタームは不意打ちなら問題なく倒せるが、サシでやったら生きるか死ぬかの丁半博打になっちまう……!!*5
骨系の魔物から削り出して弓(吸魂の弓)は完成したが……ライフスティールまでは開眼できたがソウルスティールができなかった……!!ソウルスティールならエンシェントタームにサシで確実に勝てるのだが。
倒したエンシェントワームの素材から太陽の手甲*6を開発する事ができた。あと風の術具になる羽を探しているんだが……これさえ手に入れば手札が増えるのだが……。
俺は集合場所に向かう……ワームとの戦いに志願したからな。
「そこのお兄さん、兵隊志願者?」
「アイル!」
双子の男女がアッシに声をかけてきた……男の方はアッシに警戒しているようだが当然か。
雨の中でも動けるように和式(ヤウダ式と言うべきか……ヤウダはまだ影も形もないが)の編み笠に着物、背中に禍々しい弓矢を背負い、腰にドスを差しているアッシの格好は周りから浮いていた。
「……ああ。最下等民で野山で狩りをして生きていやしたが、アリが多くなって獲物が消えてな。
弓の腕を生かして兵隊で飯を食おうと思っているしだいでさぁ」
「ふーん、変わった格好だね!私はアイル。
こっちは双子の兄のジウンノテ」
「……どうも」
二人の両親は、邪悪なる神官のご機嫌を損ねたらしく失脚してしまいその煽りで職場から追われたらしい。
本来なら神殿警備員だったらしい。
アイル嬢は人懐っこいが、ジウンノテは少し擦れた感じだな。
……願わくば死なないで欲しいもんだ。
参考文献のイトケンさん以外は山手線が元ネタです。
昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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ピーコックニキ
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エンマニンジャ
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野良勇者
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史上最強の大工
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Zさん