サンサーラ同盟掲示板   作:Dadaga

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木枯らし新宿伝 第18話(ロマサガ2)

<ソーモン>

 

「ソーモンを制圧するぞ!」

 

 

ヴィクトールの号令で戦闘が始まる。

運河要塞から派遣されたモンスター達を制圧していく帝国兵。

 

 

「今なら……(水鳥の羽ばたくように……!)

 水鳥剣!!」

 

 

ヴィクトールが技を閃き纏めて両断していく。

テレーズはヴィクトールに殺到する影達をアローレインで纏めて射抜く。

 

 

「お見事です、ヴィクトール様!」

「お前もなテレーズ。

 ここは……ライトボール!」

 

 

モンスター達の顔面に光球をぶつけて盲目にする。

その隙に一般帝国兵がトドメを刺していく。

レオンの経験を継承して猪武者だったヴィクトールは一歩引いた目線で戦えるようになっていた。

 

 

「(ジェラールはうまくやっているだろうか……?

 クジンシー殿がいれば問題ないだろうが……)」

 

 

原作と違いクジンシーのような強者(七英雄の中でもいちばんの小物だととしても)がいない為、圧倒的優勢を保っている。

ソーモン奪還は時間の問題であろう。

 

 

 

 

 

「全く、ジェラール様は勉学だけしてればいいものを……」

 

 

案の定、ジェラールに対して軽んじるヘクター。

声には出さないがアンドロマケーも同じ気持ちだろう。

 

 

「ジェラール様、私やクジンシー様がついてます!

 どのような状況でも対応できると思います」

 

 

エメラルドにとってはジェラールは術法師として弟子だから好意的か。

今回のゴブリンの巣の総大将はジェラールだ。

ジェラールはまず開口一番に……

 

 

「クジンシー殿、貴方が一番隊を率いた経験があります。

 ゴブリンは烏合の衆ですが、統率する個体がいると厄介になるので挟み撃ちにならない程度に敵を排除しながら統率者を倒してから掃討戦に移りたいと思いますが問題点はないでしょうか?

 この方針で詰めていきたいのですが…。」

「ええ、数は多いが埋め尽くすほどじゃないのは『アレ』が確認していやすし、その方針で良いと思いやす。

 陣形は……」

 

 

            エメラルド

 

ヘクター  アンドロマケー  ジェラール

 

            クジンシー

 

 

「こんなふうに、ヘクターさんが敵陣をこじ開け、アンドロマケーさんがそれに続く形でいきやす。

 馴染み深いインペリアルクロスの陣形の少しばかり改良した『インペリアルアロー』とでも名付けやしょうか、これでゴブリンキングを制圧しやす。

 速度重視でヘクターさんに敵のヘイトが向きやすが……」

「それくらいやってやる」

 

 

アッシが紙に陣形を書いたのをヘクター達は同意した。

ジェラール殿下も本格的な戦闘作戦は3回目だがおちついていやす。

 

 

「ああ、ジェラール皇子、ウォッチマンの巣ではアッシの術法をうまく活用していただいだたそうで……」

「お陰で助かりました」

「小剣をお使いなさっているようでござんすが……アッシのお古でござんすが使ってくだせぇ」

「これは……金属じゃない、牙を削った……」

「水竜の牙を削ったやつでござんす。

 火の術法をおぼえているなら……うってつけでございやす。

 その運用方は……」

 

 

ジェラール皇子に『術具』である水竜の剣をわたしやした……生憎、古代人でもあまり普及しなかった概念でござんすが、皇子さんには使えるとふんでいやす。

早速進行を開始した。

5体のゴブリンは見張りについている……正確には一匹が見張っていて残りは飯を食っているようだ。

いずれバレるにしても静かに始末して奥に進んでいきたい。

適当な見張りをしているゴブリンにアッシが弓を放って絶命させる。

見張りの死体を見つけて狼狽するゴブリンにロングスピアで刺し殺すヘクターとアンドロマケー。

一番遠くで、仲間の最期を見て後退して増援を呼び込むつもりだろうが……

 

 

「がひゅ」

「ギィ!?」

 

 

エメラルドのウィンドカッターがゴブリンの首を刎ね飛ばす。

最後の一匹は水弾が喉元に命中しもがきながら絶命する。

 

 

「お見事ですジェラール様」

「アッシの剣、見事に使いこなしやした」

 

 

ジェラール皇子は、水の術具で『ウォーターガン』を発動させやした。

術具は、その武器の心得があれば相反する属性の術を行使可能にする……武器の技能を術レベルに上乗せできやす。

小剣はスピードタイプの武器で先制攻撃をしやすくなる上に、術法を本来行使したタイミングでは盾や武器の防御はできやせんが術技で使う場合は、武器による防御が可能になりやす。

厄介な術師は狙われる傾向にありやすが、生存率を高めやす。

 

 

「……」

 

 

ヘクターもジェラールの戦いぶりに評価を修正しつつあるようだ。

順調に制圧し続けていきやす。

ジェラール皇子の術の運用は適切で、静かに殺す時はウォーターガン、密集している時に使用して足がらめで誰か一人転べば連鎖的に転ばせ、仕留めきれない場合はライトボールで目眩ししてヘクター達の被弾を抑えやした。

死体が増えて隠密の限界を悟った時は食糧庫や、自分の進む道と反対側にファイアーボールを投げ込んで騒ぎを起こして混乱させやした。

アッシの指示ではなく皇子が適切に判断しておこないやした。

ヘクターとアンドロマケーが態度を改めて皇子に話しかける。

 

 

「ジェラール皇子、非礼をお詫びします」

「軽んじた態度で接したことを恥いるばかりです」

「構わない、私も驚いているのだ」

「(クジンシー様はここまで見越して指導していたの……?)」

 

 

その後もゴブリンキングを発見し問題なく討伐した。

ジェラール皇子の武功を重ね、フリーファイターから認められるレベルになったにはめでたい。

政治畑になるとしても武官から舐められて軋轢が生まれない程度に戦に通じていた方がいいからな。

アバロンに帰還するとヴィクトール王子がソーモン奪還に成功し、完全に北バレンヌをバレンヌ帝国の勢力下にした。

……まぁ南バレンヌの進行を開始するにはソーモンの復興をしないといけないから時間がかかるが……

ああ、嫌だ……南バレンヌには首を突っ込みたくない……

 

 

 

<一年後、南バレンヌ地方>

 

 

「糞!だから嫌だったんだ!!」

「wwwww」

 

 

ヴァンパイアレディが爆笑している。

……そりゃそうだろう。

竜の穴の入り口に竜の穴初代師範『ババ』の石像があった、これはいい。

俺の名前は出すなと言い含めたから格闘の祖クジンシー像はなかった……なかったが、『格闘の始祖 ポンス』という名のアッシを筋肉盛った感じの石像が力道山の写真のポーズで鎮座しているんだよ!

竜の穴の門下がアッシと像を見比べてやがる……!!くそ、ババァ!殴りたいが奴は短命種だから既に死んでいる!!

 

 

「……だから行きたくなかった……」

 

 

 

 

 

 




クジンシーの名前出すなよ!と言ったから別名で出す(肖像権なんてないよ……)。
なお名前の由来は19世紀末、フランスやヨーロッパでプロレス(キャッチ・レスリング)が人気を博し、最初のプロレス世界王者は1898年のポール・ポンスとされることから。

昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……

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