サンサーラ同盟掲示板   作:Dadaga

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privyet (プリヴェット)!
あ、これはロシア語でこんにちは(親や親しい人へのフランクな感じで)です。



宇宙刑事ギャバン・アーマイゼVS飛翔騎士『刃狼』 その3

「まぁ……すでに番犬所でホラーが暴れている報告は来ているが……ウルバ!」

『あいにく、ホラーの匂いは希薄だ』

 

 

ドローンが飛んでくる。

ドローンの中枢に魔導輪はついている……彼はウルバ。

虫(トンボ)の身で魔導輪を自力で持つのは困難故に、相棒の魔戒法師や弟子の魔戒騎士見習いに魔導輪や魔導火を持たせるのが通例だが、天才魔界法師『源外』がドローンに魔導火、魔導輪、ついで素体ホラーなら射殺できる特製銃弾を完備した特注品を鍋八郎に渡されている(なお動力源は鍋八郎の生命力で1ヶ月に1日命を渡すだけで稼働し続ける!)。

 

 

『行方不明……いや叩き潰してから喰われた被害者は皆長身だ。

 あと楓が情報収集していたが、『privyet (プリヴェット)』という声が聞こえたそうだ』

「楓?」

「相棒の魔界法師でカブトムシ(メス)だ。

 privyet (プリヴェット)……ロシア語か?ウルバ」

『知らぬ。

 ニンゲンの言葉は多過ぎる、私には日本語と英語と新旧両方の魔界語で沢山だ。

 被害の場所もまちまちで解らぬ』

「見せてみろ」

 

 

脳筋な魔戒騎士陣営だったのをみかねて有本が助け舟をだす。

データを吟味して有本が結論を出した。

 

 

「エモルギアとホラーが結びつくなら犯人が判明した」

「マジか、さすが有本さん!で、誰なんだ?」

 

 

怜慈が感心しながら有本に聞いてくる。

 

 

「ああ、恐らくズヴェズダ・デェイダラヴィッチ

 凶悪な武闘派宇宙マフィア『ヴェリカーン』*1のボスだ。

 奴なら宇宙船を本拠地にしているからな場所を特定が難しいのも無理もない」

「有本様、なぜ容易に特定できましたので?」

「まずエモルギアを取引出来るほどの犯罪組織は末端は多いが、大きな取引に隠蔽工作ができるのは限られた大組織だ。

 決め手は失踪事件前後の『privyet (プリヴェット)』だ。

 デェイダラヴィッチの口癖として銀河警察内で知られている」

「ヴェリカーンは巨人さんですよね?そのボスさんはどんな巨人さんですか?」

「……いや、ズヴェズダ・デェイダラヴィッチはホモサピエンス型の男性だが身長は150センチで小柄なんだ」

 

 

 

 

ここで時計の針を巻き戻す。

宇宙マフィア『ヴェリカーン』のボスであるズヴェズダ・デェイダラヴィッチは小柄だが……異常な筋組織で常人の数倍の筋力を持ち、地球圏内で有数の犯罪組織をたった一代で作り上げる手腕の持ち主であった。

だが、彼には自身の身長へのコンプレックスを持っていた。

高身長の新参の部下がズヴェズダを見下ろす形になった。

 

 

「お前……」

「はっ」

「私を見下している、ではない。

 故にprivyet (プリヴェット)する」

 

 

そう言って自分が購入した彫像(成人男性並の大きさ)を片手で持ち上げ、高身長の部下へ振り下ろす。

何度も、何度も……頭蓋や骨が砕け、肉が潰れて全長がズヴェズダ並になってようやく殴打を止める。

振り下ろし続けた彼の顔に一切の感情が見えなかった。

鉄火場でも顔色ひとつ変えない彼には彼にしか理解できないルール(狂気)があるらしい。

母体がロシアンマフィアなので挨拶がロシア語でされるのは多いのだが……

 

 

「privyet (プリヴェット)、パハーン(ボス)

「ジャガッタ、お前は……敬意が足りない、privyet (プリヴェット)ではない。

 故にする」

 

 

目上の存在にprivyet (プリヴェット)はマナー違反のようで、ズヴェズダは挨拶をした部下の肩を掴んでそのまま足の骨、背骨をブチ折られながら折り畳んだ。

このように謎の基準でプリヴェット(粛清)していくので敵も味方もズヴェズダに恐れ慄いている。

何時不機嫌そうな表情のズヴェズダだったがこの夜は機嫌が良かった。

 

 

「エモルギア、素晴らしい……『スゲーゾ』!」

 

 

エモルギアを起動すると小柄だったズヴェズダは集団の中で一番大きい男より巨大化する。

スゲーゾ……『比較』の力があり、嫉妬する心で相手より優れたものより上回るように自己強化する機能があるようだ。

 

 

「深淵なる暗黒の力……非常にprivyet (プリヴェット)だ。

 これで私はよりprivyet (プリヴェット)になり、世界をprivyet (プリヴェット)で満たすことができる」

「「「「おめでとうございます、パハーン(でもprivyet ってなんなんだ?)」」」」

 

 

ズヴェズダはエモルギアを机に上に置く。

エモルギアの横にはホルマリンが満たされたガラスケースがあった……ズヴェズダのコレクションの一つで『Пенис Распутина』と書かれている。

他にも巨人症の骨など置かれており、口には出さないが自身の身長のコンプレックスを抱いている。

なお、それをズヴェズダへ口にした者は皆privyet (プリヴェット)される。

比類なき嫉妬心、そして巨人のモニュメントか巨大な人間の遺骸がゲートになり、魔界よりホラーが現れ一瞬でズヴェズダめがけて寄生する。

 

 

「………」

「どうしました、パハーン?」

「出かけてくるprivyet (プリヴェット)しに」

 

 

並の人間であればホラーに規制された瞬間に人格がホラーに塗りつぶされてその場で人間のヴィッフェ大会になるのだが……。

ズヴェズダの狂気は並外れていた。

長期的に安全かつ快適な『食事』を楽しむならば部下を食うより利用した方がいい……ホラーにして仲間にすれば裏切らないが食事の競合が起きることを考えればホラー化も避けようとズヴェズダは判断した。

……夜の街に高身長の美女が一人で仕事を終えたのだろう、夜道を歩いている。

 

 

「privyet (プリヴェット)」

「え?」

「お前はprivyet (プリヴェット)ではない、故にprivyet (プリヴェット)する『スゲーゾ』!」

 

 

エモルギアを起動して、ズヴェズダは巨人化し、そのまま足で美女を踏み潰す。

女性は呆気なく挽肉になった……。

ズヴェズダはそれを満足げに頷きながら大きく息を吸うと、肉も血も全てズヴェズダの口の中に吸い込まれ、ズヴェズダはそれを大きく咀嚼し、飲み干した。

 

 

「……実に privyet (プリヴェット)だった。

 彼女もprivyet (プリヴェット)になり、privyet (プリヴェット)であっただろう」

 

 

そう言ってズヴェズダは本拠地である宇宙船に戻って行った。

連続失踪(殺人)事件の始まりであった。ー

 

*1
ロシア語で巨人。神話的な大男や体格の大きい人




いやぁ、牙狼のような豪華なゲストもないし、ギャバンの闇麻呂やルルギエみたいに濃縮カルピスじゃないので……せっかくアギト超能力大戦で井上キメてきたのに……薄味だなぁ。



ギャバン・インフィニティの先週の悪党はルルギエ(ルルイエ)で、銀河結社バイ・アクベ(バイアクヘー)とクトゥルフモチーフっぽいらしいので…。



ズヴェズダ・デェイダラヴィッチ……ズヴェズダ=星。デェイダラヴィッチ…でいだらゔぃっち……ダイダラボッチ=巨人。つまり星の巨人がモチーフ。なお小柄。
Пенис Распутина……Google翻訳で見てね!多分言峰神父も同じ大きさかなぁと勝手に思っています。

昼行灯の次に鑑定屋の世界に行くコテハンは……

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