サンサーラ同盟掲示板   作:Dadaga

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聖騎士の兄 第12話(HUNTER×HUNTER)

俺達は二百階に到達した。

兄貴は天空闘技場の再挑戦はしていなかったが、何を思ったのか再エントリーして俺たちに合わせる形で200階に到達した。

ゴン達はもう少しで自力で精孔を開けかかっていたが……いや俺に比べれば爆速で早いんだが。

兎に角、間に合わなかったので俺がオーラを当てて起こした。

ゴン達は死なない為に必死でオーラを留める『纏』を自得した。

二百階以降はファイトマネーがない名誉だけが報酬……もう少し学費を貯めておきたかった…!!

二百階は、念を知らないで踏み込む奴は、ここの連中から死んでも良いくらいの念の攻撃で無理矢理に精孔をこじ開け『洗礼』をしてくる。

それで死ぬか、生き延びても五体に障害が残るダメージを受けるらしい。

それで生き残って勝ち星を取ろうとするハイエナが寄ってきた。

ゴンが挑発にのって即座に試合を組もうとしやがった!

 

 

「はい、バカぁー!!」

「ぶふぅうううう!」

 

 

兄貴は米神に青筋立てている。

口を酸っぱくして警告したのにも関わらずゴンがやらかしたからな……呪霊錠で制限していても並の念使いより莫大なオーラを出しながらキレる兄貴に俺以外がビビりまくった。

 

 

「そっかー、そんなに遊びたいならお兄さんと遊ぼうか?

 なんなら運営にお願いして一対三のハンディキャップマッチにしようか、うん?」

「「「け、結構です」」」

 

 

まぁ交渉(と言う名の脅し)でゴン達の試合に猶予が出来た。

ああ、勿論ウィングさんは怒ったよゴンを。

 

 

「本来なら『念』の修行も禁じたいところですが……次の試合までの時間は有限です。

 その分厳しく指導します!

 私の指導に反するなら破門にしますからね!

 ……彼が私の分まで叱った分に免じてこれで許しますが」

 

 

ゴンの顔がパンパンになっている。

兄貴が張り手で顔中をボコボコにした。

 

 

「こ、これは凄い」

「正面は血豆が9箇所、右側青タンが9箇所、左側が黄色い膿が9箇所……ルーミックキューブみたいに揃ってやがる。

 ここまで意識してダメージを与えるのは親父達でも出来ないな……いや、その前に殺しているし」

「本来ならトドメに合掌捻りなんだが」

 

 

クラピカが驚愕して、キルアは兄貴のこういう意味のわからない事や戦闘以外の事では器用なのを感心している。

ゴンも甘んじて受けていたが……ああ、俺が念で修復したけどよ。

兄貴は直ぐに試合を組んで初勝利した。

その翌日……

 

 

「転校生を紹介するぞ!

 今日から一緒に勉強するカストロ君だ」

「ど、どうも……」

 

 

兄貴の対戦相手のカストロという長髪のイケメンだ。

なんでも、以前ヒソカ(天空闘技場に在籍している)と戦って敗北した時に『念』を覚えて独学で研鑽したらしい。

自信満々でヒソカにリベンジしようとしたらしい。

だが、兄貴はそれを知って先回りして試合を組んで鼻っ柱を叩き折った……確かに才能は『あった』がそのまま戦ったら惨殺されるのは必至だったな。

 

 

「今日は、カストロ君と俺の感想戦を行いまーす!パチパチパチパチ!」

「押忍!よろしくお願いするっす。

 正直、お兄さんとはレベルが違いすぎるっす」

「ズシ、彼は世界のバグ、真似をしてはいけない存在です」

「酷いよ、ウイング先生!」

 

 

兄貴は、カストロ戦の録画を再生する。

 

『天空競技場でこの短期間に7連勝!

 勢いに乗っているカストロだああああ!』

『対するは、200階の新人にして今年度新人ハンター、『安心快適ハンター』、ギルリバス・パラディナイトだあああ!』

 

 

天空競技場のアナウンスが響き渡る。

カストロはそれには応えずに構えるが、兄貴は両手を挙げて手を振った後にカメラを見つけてダブルピースをする。

カストロは呆れながらも話しかけてくる。

 

 

「キミがヒソカへ無謀な戦いをすると聞いてね。

 老婆心ならぬ老爺心で邪魔させてもらうよ。

 あんな……変態で、強敵と戦って勝って殺す事を恋愛と同じように考えている度し難い殺人鬼とはいえ知人……一応友人……でいいのか?まあヒソカが無駄な殺生を控えさせたいんでね」

「ヒソカを友人……キミは正気か?」

「それはそう。

 ……だが生まれながら念能力者で、赤ん坊の頃から忌み子扱いで養父母に義弟以外には腫れ物扱いでね。

 色眼鏡無しで殺意(好意)をぶつけるヒソカですら有り難いんだよ……」

「す、すまん」

 

 

兄貴の闇を触れて思わず謝ってしまうカストロ。

だが笑って許す兄貴はそのまま話す。

 

 

「俺は武道はセンスがないが……念はまぁそれなりに自信はあって『最強の素人』を自負しているぜ。

 虎咬拳という奴をいっちょ教授してくれ。

 代わりに『念』を教えてやろう」

「……良いだろう、ヒソカの前の前哨戦だ」

『試合開始ぃいいいい!』

 

 

兄貴が大ぶりのパンチを振るう。

それを難なく捌くカストロ。

兄貴は一本調子だが絶え間なく振るう。

カストロの腕が痣が所々に出てくる。

 

 

「(単調すぎる素人のパンチだ……だが、力もパワーも段違いすぎる!)

 ここだ!」

 

 

虎が獲物を牙で食いちぎるように上下の連撃を兄貴の右肩と胸部に見舞う。

大きく仰反る兄貴は服が破れる。

 

 

「クリーンヒット!1ポイント!!」

『カストロ選手、強烈な一撃ぃい!!次で決まるか!?』

 

 

闘技場で歓声が熱く沸く。

だが、それに反してカストロの心は冷えていく。

 

 

「(馬鹿な……あの様子、全然効いていない!?

 まるで巨大なゴム毬を叩いたような感触だった……)」*1

「ガオー」

 

 

兄貴はそのまま突進し、カストロに殴られながらも接近してアイアンクローのように掴む。

そしてそのまま力任せに床に叩きつける!

 

 

「がは……!」

「クリティカルヒット!二点!」

「おおっと!ギルリバス選手の痛烈なアイアンクローからの怪力を活かしたパワープレイだぁああ!」

 

 

兄貴はその気になれば追撃できたが敢えて行わない。

カストロが急いで立ち上がる。

 

 

「確かに武術の才能はないが、圧倒的な暴力だ。

 だが、私の武術で立ち向かう」

「いや、無理だよ……『キミは自分の武を信じきれなかった』」

「ぬかせええええ!」

 

 

カストロの反撃が始まる。

徐々に慣れてきた兄貴は少しずつガードできるようになってきた。

だが……攻撃を防御したつもりだった兄貴は、死角から痛烈な虎爪を喰らう。

 

 

「クリーンヒット!」

『ここで同点だぁああああ!」*2

 

 

カストロの攻撃に怯まずそのまま攻撃する兄貴。

ガードの上からでも叩き続け、カストロのダメージが蓄積する。

兄貴が拳を握り、ハンマーの要領で鉄槌(振り下ろし)をカストロに攻撃する。

ガードの上を叩きつけたと思いきや、すり抜ける……カストロは兄貴の死角から虎咬拳で頭部を攻撃しようとする!

兄貴は振り下ろした拳をそのまま身体を回転させてラリアットを行う……カストロの死角から来ることを初めからわかっているように。

カストロは予想外の攻撃をカウンターとして受けて弾き飛ばされる。

 

 

「クリーンヒット!」

『ここでギルリバス選手の豪快な反撃だああ!2-3とシーソーゲームの様相を見せてきたぞおお!』

「大掛かりな手品だが……ヒソカ相手に手品勝負しても負けるぞ、そんな『分身』では」

「見破っていたか」

『おおっとカストロ選手が二人ぃ!?双子かぁあああああ!!」

 

 

カストロは、分身(ダブル)を見せつけて語り出す。*3

カストロは分身と一緒に攻撃するコンビネーションを『虎咬真拳』と称して兄貴に襲いかかる。

だが、兄貴は溜息をつきながら足を振りかぶって蹴りを行う。

 

 

「獅子の衝撃ぃ!」

 

 

兄貴は単なる素振りなく、床を思い切り蹴っていた。

瓦礫が散弾の様にカストロに向かって飛んでいく。

どちらが本物でもお構い無しってやつだ。

慌てて回避するカストロだったが……

 

 

「床手裏剣の術!」

 

 

兄貴は床を剥がしてフリスビーのように横投げする。

更に回避していくカストロだったが、兄貴が追撃する。

更に床を引っぺがした兄貴が高々とジャンプしながら床を蹴り砕く。

 

 

「散弾流星脚!!」

「おおっと、ギルリバス選手の豪快な攻撃だあああ!まるで爆撃機のようだ!」

 

 

瓦礫が流星の様に降り注ぐ。

あまりの衝撃で粉塵が舞っていてしばらく観客や審判は見えていないが、煙が晴れると…

 

 

「なんと!カストロ選手の顔や手足が痣だらけだああああ!」*4

 

 

兄貴が手加減した念弾でカストロを痛ぶった。

カストロへ『念』の戦いを指導していたわけだ……まだ差がわかっていないけどなこの段階では。

 

 

「まだだ!」

「もうだめじゃない?

 分身は服が綺麗なままだから素人でも判別可能だよ。

 それに……」

『もう一人のカストロ選手が消えたァアア!』

「高度すぎてダメージが溜まって分身が維持できない……いけないなぁ。

 ダメージを受けて使えなくなる切り札は。

 死にかけでも維持できないとそのままジリ貧だ。

 独学でなく念の専門家を探して学ぶべきだった」*5

 

 

兄貴は更に切り込む。

 

 

「『念』での戦闘ってのは心の勝負なんだよね。

 どんなに格上だろうが初めから負けるつもりではダメ、勝つつもりでないと」

「私だって勝つために戦っている!ヒソカの雪辱を晴らすために!」

「戦いにビビっておる分際で?」

「何!?」

「ダブルで分身を先行させて自分は安全な死角でからしか攻撃していないだろ?

 恐れている証拠だ……危険にわざわざ嵌るのはバカだが危険から逃げていては勝利はない。

 『切り結ぶ 太刀の下こそ 地獄なれ 踏み込みいれば ここは極楽』って言葉があってね。

 剣術(主に一刀流など)に伝わる有名な歌・教えだ。

 地獄ってのは敵と太刀を交え、間合いを詰めて切り結ぶ瞬間は、常に命の危険と隣り合わせの恐怖や緊張状態(地獄)であることを指している。

 極楽は恐れを捨てて一歩前に踏み込み、無我の境地に至れば、そこには迷いのない晴れやかな境地(極楽)があるという教えだな。

 お前さんはただ逃げているだけだ。

 ヒソカに翻弄されて念を覚醒する程の一撃を喰らったトラウマだろうが……」

「……違う」

「いいや、違わない。

 本当の武術家ならばそんな小手先の手品に逃げない。

 勝てる勝てないじゃない、自分の武術にただひたすら向き合い、鍛え続ける。

 相手が何しようが自分の武を叩きつける……それを知っている武術家はそんなプライドにしがみついている人種だったからな。

 故人曰く『敵を知り己を知れば百戦危うからず』って言うがよ、ヒソカの事も念の事も碌に知らない、自分の恐れにも向き合わない。

 それでヒソカに勝つだと?思い上がるんじゃねえ!」

 

 

兄貴は、一瞬でカストロとの間合いをつめてボディブローをお見舞いし、そのまま両手を組んで殴る技、所謂『ダブルスレッジハンマー』を叩き込んでカストロの意識を奪った。

 

 

「決まったぁあああああ!ギルリバス選手の力強いファイトで強敵カストロ選手を打倒しました!

 なんという大物ルーキーでしょう!

 次のファイトが楽しみです?」

 

 

 

 

 

「カストロ君が反省してくれて良かった。

 このままヒソカに戦いに行ったら犬死にだからね」

「このまま折れて引退しかねかったような」

「クラピカくんそれはそれでマシだと思うよ?

 まぁ能力の作り直しは基本できない。

 強化系で一本でいけば数年でヒソカぶっ殺せたと思うけどなー。

 まぁウダウダいうより基礎を積んでいくと同時に自分を見つめ直すこと、そしてダブルをどう生かすかだな。

 フェイントで部分だけだすとか、本体が殴りと同時に指だけ具現化して目潰しするだでも効果的じゃない?自分なら殴りながらオーラ具現化して目にも攻撃できるけど」

「うわぁ……っす」

 

 

ズシがドン引きしている。

必死になった応用運用が兄貴にとっては小手先でできるのが……いや基礎技術の修練とオーラ量あってのことだが。

でも新規の『発』が開発できないカストロにとって兄貴はいいお手本になるな、兄貴も『発』の開発はできない……『改良の余地はあるが』。

 

 

「あと、これを読んだり遊んだりするといい」

「これは……ジョジョの奇妙な冒険?」

 

 

兄貴が何処からともなく調達する謎の漫画シリーズかよ!

面白いけどネットには検索しても出ない謎の作品群なんだよな、幽☆遊☆白書とか。

兄貴はふざけている様に見えるが考えて動いているからな、カストロにとって必要な何かが書かれているのだろう……。

*1
ウイング「ズシ、練をしながらそのままオーラを目に集中させて」

ズシ「押忍!

   ……これは!?お兄さんの肩や胸にオーラが集まっている!?」

兄貴「念はパンピーには見えない。

   でもオーラを隠して普通の念使いも視認できなくする『隠』って技能だ。

   牽制の一撃と見せかけてオーラをバチクソに込めて必殺の一撃にしたり、『発』を叩き込んだりとかするわけだ。

   で、ズシくんは目にオーラを集めて『隠』を見破るのが『凝』って技能だ。

   怪しいと思ったら即座に『凝』!が合言葉だ……因みに俺は少しオーラを込めれば凝になるんで一日中維持はできるが」

キルア「まじでオーラがあるのかよ、見えねぇ…」

レオリオ「まだ練すらできないから仕方がないぜ。あと兄貴のようなオーラモンスターを真似て少し目を凝らせば『凝』になると思うなよ」

兄貴「あと、攻撃と防御とオーラを振り分けて近接戦で攻防を繰り広げるのが『流』って応用高等技能だ。

   これ無しで旅団の蜘蛛をぶっ殺せると思わない事だ」

ウィング「貴方のように着弾点に一瞬だけ防御を集中して弾き返す真似はネテロ会長でもできませんよ……」

兄貴「マクロ@のピンポイントバリアーを真似ました、はい」

*2
兄貴「『凝』が出来ないとここでわからん殺しを受けまーす」

ゴン「うーんなんで当たったのかな?ギル(兄貴の愛称)は慣れてガードできていたのに」

キルア「わかんねー……あのタイミングなら防げたはずなのによー」

レオリオ「まとも直撃しているように見えて完璧にオーラで弾き返す……正確に言うと、柔らかい多層のオーラを具現化して衝撃を逃がしている」

ウィング「高度な技能……これで『発』ではないとは」

兄貴「発を開発できなくてもオーラ量とオーラ操作技術を磨けばこんなもんよ」

*3
兄貴「はい、バカァー!

念の発は切り札。

バレたらマズい奴は秘匿して徹底的に初見殺しでいくべし。

もしくは汎用性高めてバレても問題ない発ならいいけど、ヒソカみたいに」

ゴン「知っているの?」

兄貴「試合見たし、ヒソカと感想語った時に推論言って当たっていたから教えてくれたぞ。

   知ったからこそ迷いが出る手札だよ、アイツのは。

   ここで得意気に語る時点でアホです。

   いくら映像とか出回って秘匿が困難になっても武術で秘伝とか言って隠す理由を武術家のカストロ君は知らないはずがないでしょ?」

カストロ「う……返す言葉もない」

*4
ウィング「彼は遠くからシャドウボクシングをしているように見えますが、殴るついでに『隠』をした念弾を放出しています」

兄貴「はい、『凝』が必須な理由ですねー。

   放出系のパワー溢れる攻撃だったらカストロ君を射殺できるし、操作系ならカストロ君に何かつけて操作系の条件を満たせば詰みです。

   念での戦いのセオリーを知らないとカモネギになりますよー」

*5
ウィング「カストロ君は強化系でしょうね。

 ダブルみたいな具現化系の系統は向いていないでしょうね。

 それでもここまでできたのは才能あってのことでしょうが……」

兄貴「ヒソカなら『キミの敗因はメモリのムダ使い♦︎ ムダな努力、ご苦労様❤︎』とか煽り散らかすよ」




聖騎士の兄の本名を公開。
当初は意地でも名前を出さないで終わらせようかと思ったけど天空競技場のアナウンスあるしなぁ……というわけで公開しました。
名前の由来ギャラクトロンを作り出した人工頭脳『ギルバリス』のアナグラム。
ギルリバスみたいな腐った結論は出さないので安心してほしい。

少なくとも、母親が妊娠したタイミングでロキシアの諜報セクションが襲いかかった報復で核で脅したスミス君よりは穏当だよ!(※スミス君は脅しただけでモスクワ消滅は免れたので……)


獅子の衝撃、散弾流星脚とか知っておる読者はおるかー!?
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