だって侵略してくるんだもん。
科学でなんとかなる?
まぁ火力は上でも魔法使いが錬金するだけで簡単にインフラ破壊の大規模テロ起こせる時点でヤバい技術です。
そしてブリミルかその弟子の血筋でないとメイジの魔法が使えないとなると……
はい、エグリゴリみたくふたたびメイジを人体実験してクローン兵器つくるか、『地下水』みたいに外付けで魔法使える兵器開発とかはじめかねないのです。
故にハルキゲニアの人間社会を破壊するのが丸いなーとエンマニンジャは考えています。
連載を凍結したのはエンマニンジャは目的の薬を手に入れて後輩のサイト君を救助して部下にマチルダ(扶養家族つき)を地球に連れていけばエンディングだけどハルキゲニアは不幸が起こるのは間違いないので。
「お久しぶりです、パーカップ・ラムディ」
中国の拳法服を着た長髪の青年が少年を連れてパーカップの診療所訪ねてきた。
「朧か!拳法なぞせずにワシの医療を手伝えばよいのだ。
ワシに匹敵する医療技術を持っておるのに」
朧……スプリガンの一員で中国武術と気功の達人で本名ではなく通り名である。
「神の手」の持ち主であるパーカップラムディをして「人間が到達できるレベルの頂上にいる」とまで評されているが、スプリガンの本分である遺跡の保護や遺産の悪用防止よりも、自らの鍛錬・修行に重点を置いている危うい部分がある。
「生憎私は仙人になりたいのです。
その為に鍛え、強敵と戦いたいので……彼は?」
「うむ。ワシの助手兼弟子じゃな。
ティアの弟子でもある」
「ほう……」
「(うげぇ……)」
朧の剣呑な気配を感じてげんなりする始であったが、その空気を破った者がいる。
「なあ、アンタ。
あのヤブ医者の弟子かよ!?」
「『ドクター』と呼べ、優!」
「ええ、ドクターに弟子した高槻巌です、よろしくお願いします」
ヤブ医者呼ばわりする少年へ怒号を発するパーカップ。
それをどこ吹く風と受け流す少年に丁寧に応対する始。*1
「おう!よろしくな始。
俺は御神苗優だ。*2
でもなんか態度が硬いな…」
「ふむ……」
始は、しばらく考えて突然、手を忍者の印に結びはじめ……
「マジカルニンジャ・ハジメ君です!
ニンニン、ニャンニャン、キャット忍者てやんでい!」
猫のようなポージングに変化させる始。
パーカップは頭を抱えて呆れ出し、優は爆笑した。
「ところで、朧……何用で来た?」
「優の修行をしていますが今一つ進んでいなくて」
「悪かったな」
「それでいつもより激しい修行をするつもりなので……」
「怪我を治せと?」
「診療所の手伝いをしますよ、滞在中は」
パーカップは朧と優の滞在を認めた。
近々、優は最新兵器『AMスーツ』を受領するとの事で張り切って訓練しているが朧相手に全敗中との事。
「AMスーツを手に入れたら朧にだって」
「生憎ですが、そんな筋肉服をつけても私に勝てませんよ?」
「やってみなければわからないじゃねえかよ」
新兵器のAMスーツに対してウキウキの優に水を差す朧にくってかかかるが……。
「そりゃ用途を履き違えた時点で……」
「んだよ、どういう事だよ始?」
始の発言を聞いて聞いてくる優。
始も朧と同意見のようだ。
「重い機材を持ち上げたりの作業や戦車と喧嘩するには素晴らしい性能だし、霊能力者や魔術師でなくても幽霊退治できるのは有用だ。
だが人間をぶっ倒すのには余分だ。AMスーツはあらゆる攻撃に無敵じゃない。
高出力のビームで貫通するし、オリハルコンの刃物に切り裂かれるし……朧の気を込めた発勁でぶち抜きそうだ。
スーツに過信して回避を疎かになりそうだ……重装備だと五感で感じ取れる情報量が少なくなるから被弾率が高まるから裸一貫で殴りかかる方が勝率は高いよ?
朧は人外の戦闘力でも肉体強度は人類と同じだし」
「優より優秀ですね」
「なんだとー外野が野次しか飛ばしていないでやってみろよ!」
「そうですね、貴方の功夫を見たいですね」
「ヱ゛!?」
流れるように『朧 対 始』の模擬戦を組まれた。
当然だが始はごねる。
「師匠〜止めてくださいよー」
「すまんな、ああなったあいつは頑固で止められん」
「優、助太刀してくれー!二対一ならワンチャン……」
と優達の方を向いて話しながら自然な動きでクナイを視界から外れている朧に向けて投擲する。
その動きに優は戦慄した。
「(や、やべぇ……俺と会話していると見せかけて不意打ちかよ!
あの精度だったら俺でもヤベェ……朧には……)」
「私には通じませんよ」
朧は最小限の動きで回避していく。
「いい投擲です、隙が無い。
どこで習いました?」
「何、通信教育で忍術を少々……」
「なんだよ、通信教育の忍術って!ありえねー!」
優のツッコミを他所に攻防が始まる。
朧の動きは変幻自在で何外れた戦闘力の優ですら幻惑・翻弄される。
だが、始はその動きに惑わされずに朧の動きを先回りしてナイフを振るったり四肢を使った攻撃をしていく。
それに対し朧は危なげなく対処し牽制の攻撃を打ち合う。
永遠続くかと思いきや……
「先生、急患です!」
「……すいませんが不戦敗という事で」
「いえ、引き分けとしましょう。
若いのによくここまで技を磨き上げました」
「オヤジ殿にはまだまだ及ばないので自慢にならない」
急患が入ったので試合は中断となった。
ひと段落ついて夕食となった時に優が模擬戦の感想を言った。
「おいおい強ぇじゃねえか!」
「いやいや、結局俺の攻撃で捕まえきれなかった……霞を掴みにいくようだ」
「私の八卦掌独特の動きによって相手との間合いを外し、「虚」をついて実体をつかません。
それ故に『朧』呼ばれています。
ですが……貴方は、私を制しようとしました、八卦掌に対応して」
「水は方円の器に従う」
「……なんだそりゃ?」
始の突然の言葉に首を傾げる優。
それをやんわりと解説し始め朧。
「水は自らの意思を持たず環境(器)に順応するため、人も良い環境や友人に恵まれれば善く育ち、悪に染まれば悪人にもなるという人間の環境適応性を戒めや教訓として中国・唐時代の詩人である白居易(白楽天)の詩『与元九書』で語られていますよ、優」
「この場合は単純に相手に合わせて形を変えるってだけだがな。
グラスならグラスの形に、ヤカンに入ればヤカンに形に。
そんなふうに自由な心で柔軟に対応して戦いの支配権握る『水の心』……なんだが捕まえきれない時点で偉そうには言えないな。
全く、オヤジ殿のようにはいかない」
「始より強いのかよ、一体どんなオヤジなんだ?」
「何者にも実態を掴ませない『風(ウィンド)』であり、『静かなる狼』のような風格の持ち主……とでも言っておく」