新宮隼人、十三、アル、キャロルの班は過酷であった。
レッドキャップスに襲われた市民を助ける為に隼人がARMを起動して飛び出し、恐れられた。
市民は隼人達を追いかけるのでそのまま囮になった、
隼人達に襲いかかる市民……いや『扇動者』が顔を見合わせ酒瓶を隼人に投げつける。
「ざまーみろバケモノ!」
「息子の仇だ!このままで済むと思うなよ!」
「お前らが生きていたら、これからも人が死ぬだろうが!」
「おい、こいつら捕らえて公開処刑してやろうぜ!」
市民に手を出せない隼人達は絶体絶命であった。
だがその狂気を止める銃声がなる。
兜光一刑事が一喝する。
「まったく……なんてぇザマだよ、ガキ共シャンとしろ!
てめえらもてめえらだ。
よってたかってじーさんやガキを殺そうなんて恥ずかしくねえのかよ!?」
市民から今更警察が出てくるな!よ
と言われて兜は自分の警察手帳を投げ捨てる。
「…フン、オマワリが気に入られねーってんならこんなもんいつでも捨ててやるぜ。
オレの名は兜光一だ!
オマワリなんて肩書きじゃねえ!!
俺は世界でたったひとりの兜光一として行動しているんだ!」
兜は、市民に一人一人に投げかける。
「おい!てめえの名前はなんて言うんだ?」
「え!?た、田中純一郎だ……l
「じゃあそっちのあんたは?」
「市原武則だが…それがどうした?」
「あんたは?あんたは?そっちのおめえはどうなんだ?
てめーらは一人一人がしっかり自分の名前も持って自分の人生の舵を握ってんだろーが…。
だったら一般市民なんて顔の見えない名前を自分で呼ぶんじゃねえ」
以前の話でもしたが……
群衆心理の主な特徴は三つ上がる。
一つは無責任性と匿名性、「自分一人がやらなくても誰かがやる」「大勢の中の一人だからバレない」という意識から、個人の責任感が希薄になる。
二つ目は被暗示性と感染、周囲の熱狂や恐怖がウイルスのように伝染し、冷静な判断ができなくなる。
三つ目は極端な行動、感情が単純化され、個人での行動時には見られない過激な行動(パニックや暴動など)に走りやすくなる。
スナーク狩はこれを利用したものだが、兜刑事は匿名性を奪い、冷静さを取り戻させている。
「よく考えてみやがれ。
さんざん追い回したこいつらがお前らのひとりでも殺したか?
こいつらが自ら攻撃をしかけたことはないはずだ!」
さらに兜は問いかける。
「明日の朝、この街が開放されたとして、
おまえらの手にナニが残るか考えてみろ!!
脅されて じーさんやガキ共をぶっ殺して
血まみれになった手だ!!
おまえらは家に帰ってその手で自分の子を抱き上げる気か?
立派なことをしたって自慢するのか?」
市民達は、隼人達への敵意は霧散した。
更に兜は、最初は率先して動いていたが今は後ろに下がった扇動者の存在も暴き、レッドキャップス達が兜に銃を向けた瞬間に、レッドキャップスの腕に手錠がかけられる。
「え?」
「確保ぉ!」
私服警官が市民の中に混ざり、レッドキャップスへ不意打ちを仕掛ける。
警棒で殴り手錠をかけ、締め技で気絶させる。
兜の手腕を渋々とアル達が認める程だった。
だが、レッドキャップスが増援を呼んで装甲車もやってくる。
「いけよ、ガキども。
ここは俺たちが引き受けた」
「市民の避難誘導を急げ!」
「パトカーを集中させろ!」
「機動隊の装備を持ってきた!」
藍空市の警察官達がレッドキャップスに立ち向かう。
兜は隼人達を逃そうとするがアルが思わず叫ぶ。
「おい、相手は軍隊だぞ無茶だ!」
「オレ達は警察なんだ!!
警察っていうのは、この街の市民の安全を守らなきゃならねー義務があるんだよ!!」
「……死ぬなよ、おっさん」
兜の決意が固いと知って隼人はそのまま離脱していった。
同僚の警官が大きな荷物を持ってくる。
「兜……『コレ』、本気で使うのか?」
「怪しいけど使うしかねーだろ!」
藍空市警に差出人不明のメールがここ数日送られていた。
それは藍空市を封鎖して行う大規模テロへの警告と、テロリストの能力・特徴まで書かれていた。
あまりの荒唐無稽の内容に初めは一笑したがいざ、ガウス・ゴールも犯行声明を聞いてタレコミは本気であったと把握した。
更に今日の朝に違法改造されたペイントガンと速乾性の極めて強力な硬化材の入った弾頭が多数置かれていたのだ、『テロ鎮圧にお使いください』というメッセージカード付きで!
「なんだよ、『綾小路デビッド歌磨』って!!?
明らかに偽名じゃねえか!」
「そうだがよ、軍事用の車両相手に警察の銃で破壊するより硬化材をタイヤにぶち込んで転がした方が確実だ。
あとタレコミで再生能力があって警察の拳銃じゃ気休めにもならねー。
じゃあ固めて動けなくした方がマシだ」
対策をしてレッドキャップスに迎え撃つ警察組織。
レッドキャップスの想定以上に善戦する。
だが、徐々に傷つき倒れる警察官達。
そこに救いの手があった!
「……!!」
「さっきも借りを返すわよ!」
ゴーグルをかけた寡黙なナイフマンと、モリモリマッチョのオネエ系の変態がレッドキャップス達を横殴りする。
涼達に一時的に協力している『XーARMY」の千里眼のキクロプスと不死身のヴォルフである。
超振動ナイフで銃ごと腕を両断されたり、怪力を活かして腕が大蛇のようにレッドキャップスの首を締め上げて制圧する。
さらに……
「ひれ伏せ!」
金髪の背広をして胸元に大きめで悪趣味な黄金のロザリオをつけた青年が指を鳴らすと勢いよくレッドキャップスが吹き飛ぶ。
更に起きあがろうとするレッドキャップスであったが、四肢を見えない手でもがれていった。
金髪の青年……『魔王』クリフは流れる汗を拭う。
「この力なら……キース・レッドにも」
「……(フルフル)」
「ダメよ、クリフ。
『仮面の君』から素敵な贈り物をもらって嬉しいのはわかるけど、このイケタマ(イケてる魂の略)を守るように言われたでしょ?」
「……わかっているさ」
「なんだ、アンタら!?
まぁ助太刀はありがてーけどよ!l
「ARMS使い……高槻涼に味方しているものだ。
お前らが危ないから手助けしてやれとな」
『XーARMY』のトリオで陽動(あわよくばキースやガウスに借りを返そうと考えていた)で動いていたが、仮面の男に再会していた。
クリフに黄金のロザリオを渡してきた。
「これは?」
「特殊なマテリアル(オリハルコン)を使った精神波の増幅器だ。
お前の念動力を強化できる。
あとは鈍器としても有用だ。
……お前の妹にも色違いを渡す予定だ。
あの先に通りで警察組織が暴徒化した市民を鎮静化に成功した。
だが、レッドキャップスが気に食わないようで手勢を差し向けているから対処を頼む」
そう言って仮面の男が消えたのだ。
恩きせがましいのが気に食わなかったクリフであったが、レッドキャップスの排除の為と割り切って向かうことにした。
……ヴォルフは何故か仮面の男をイケメンと決めつけ『仮面の君』と崇拝(一目惚れ?)していたが。
『XーARMY』と協力して兜達は勝利した。
決定打になったのは、更なる援軍であった。
ブレーメンの部隊がレッドキャップスの部隊を追撃してトドメになった。
兜は、警察関係者は重症者が出たものの、生きて勝利を掴めたことを安堵しながらタバコに火をつけた。
そんな彼に声をかけてくる者がいた。
東洋系のクールな雰囲気の美女が兜に質問を投げかけてきた。
「貴方達は、なぜそこまで戦うの?
装備の差が歴然で、『XーARMY』や私たちが来なければ全滅していたわよ」
「…なあお嬢さんよ。軍隊と警察の違いがわかるかい!?
軍隊は、敵軍に降伏してもいいんだ、そのための国際条約まである。
だがな、警察は違うぜ。警察は決して犯罪者に降伏しちゃいけないのさ!」
兜の自分なりの警察のあり方・信念があった。
例え弱くとも、その信念は間違いなく邪悪なスナーク狩の包囲網に亀裂を作ったのだ。
スナーク狩りで扇動された市民は兜刑事に止められてよかったな。
バッタモンは適切に対応するだろうけど。
生倉さん(昼行燈)なら普通に手足を斬って見せしめにして止める。
スミスなら放水車で攻撃するか催涙ガスかけながら警棒でぶん殴るまでいく。
魔神博士?いやだなーやめてください18禁ですよ!?