今回は隼人視線中心のお話。
―おまえが神宮隼人だな―
―まったく…まさかこんなガキとはよ …どうもやりにくいぜ―
―しかし、こいつの左腕を持っていけば、オレ達は組織の英雄だ!!―
―ははは、それもそうだ―
そういって、エグリゴリの下っ端の男は、懐からナイフを取り出した。
俺の<騎士>が語りかけてくる。
【力が欲しいか!?】
―なーに、おとなしくしてりゃあ命まではとりゃしねーよ―
―少し痛いけど我慢してね、隼人ちゃん―
【力が欲しいのなら… くれてやる!!】
にじり寄る男達を前に、俺の左腕が騎士<ナイト>を展開させ―
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昔の夢から覚めた俺は起き上がる。
そこはまるで道場のような場所だ……
そしておっさんが朝食に用意した日本食を見て驚く……おいおい、日本にいるのか、俺は!?ー
まさか、と俺は思わず叫び飛び上がって外を確認すると…ちゃんとアメリカのニューヨークだった。
……黒人の居住区……ブラックハーレムのようだ。
おっさんが飯を食いながら話しかけてくる。
「足のほうは大分良くなったみたいだな
さすがARMS!!対した治癒力を持っている」
このオッサン……ARMSを知っている!?
「何もんだよオッサン!?」
「言っただろう!?
単身赴任中の日本のサラリーマンだって…」
糞……はぐらかしやがって!!
「うそつけ、どこのサラリーマンがブラックハーレムでこんな暮らしを…!?
それにな… どうしてオレの名やARMSの事まで知ってるんだ!?
答えなきゃ腕ずくでも聞き出すぞ!!」
俺が凄んでも涼しい顔でオッサンは味噌汁をすすりながら言う。
「そうかい、だったらやってみるがいい。
ただ…昨日の有り様じゃ到底無理だと思うがね…」
「後でほえづらかくなよ、おっさん!!」
俺が飛びかかるが、オッサンは座ったまま箸であしらってそのまま俺は投げ飛ばされた……!!
くそ、化け物かよ!?
「…居合の世界では"心剣一如"という言葉があるが…
君の場合、まさしくその正反対だな。
いや…心と体どころが、心のなかまでもバラバラのようだ」
「………オレのじじいと同じ事を言いやがって…
どういう事なんだよ、それは!?」
オッサンが答えようとした時、部屋に入ってくるやつがいた。
急須に湯呑み……日本茶の香りがする。
持ってきた奴は俺の知っている奴だった。
「先生、お茶を用意しま……おやぁどうしたのかなぁ隼人くーん?(ニチャァ……)」
「テメー……始!なんでここにいるんだ!?」
俺の兄弟子の『始』……兄貴風吹かせて俺を揶揄ってばかりいた。
俺は一度も勝てなかった……。
しまいには目隠しの舐めプで煽ってきやがる……俺の攻撃が掠りもしない。
俺が<騎士>を起動してエグリゴリの奴を倒した後……今度こそ勝てると思ったらあっさり俺は負けた。
「素人がヤットウもってはしゃいでいても使いこなせないなら勝てないぜ。
敵を知り己を知れば百戦危うからず……てね。
自分をよーく見つめることさ、十三先生が口を酸っぱくして言っているのを思い出しな」
ジジイと似たような事を言う……!
だがいつの間にか来なくなった……ジジイ曰く『大目録を渡したわい、皆伝を渡そうとしたらまだまだと断られたわい』と言っていたが……。
偶に手紙がくるが……
<隼人、俺はロシアのハバロフスクにいる。
……地球温暖化のせいか雪が溶けているようだ、お前も体調には気をつけろよ
(マダガスカルでシーラカンスを釣ってピースサインをする始の写真つき)>
<フランスのセーヌ川に来た……。
水質が悪化している……このままでは地球が危ないかもしれない。
(ガンジス川を眺める始の写真)>*1
俺をおちょくってばかりだ!!
始に突っかかろうとしたがオッサンが話しかけてくる。
「ふふふ、その答えが知りたいかい!?
ならば今はゆっくり飯を食う事だな。
人間、エネルギーを取らないと本来の力は出せやしないぞ」
「そうだぞ、好き嫌いせず食べなさい。
都庁ビルより大きく育てよ」
「できるか!!(腹の音)
……チィ、食えばいいんだろ!食えば!!」
久しぶりの和食は美味かった……!!
食後に三人で歩いているとオッサンや始に声をかけてくる。
黒人のオッサン「やぁ風(ウィンド)!来ていたのかい!!」
オッサン「ああ」
黒人のガキ「ウィンド、忍法教えて!」
黒人のアイス売り「二代目(ツヴァイ)!最近アイスのフレーバーについて行き詰まったんだが……」
始「抹茶とかいいんじゃないか?」
黒人の爺さん「おお、二代目(ツヴァイ)……腰をやってのう」
始「後でサクッと治療してやるから待ってな」
めっちゃ慕われている……
「おい、始」
「あー、ここでは二代目<ツヴァイ>で通っている」
「なんでそんな名前なんだよ?」
「自分探しの旅を兼ねて海外留学をしたりしたが……進路を決めてな。
先生のもとでインターンとかOJT的な奴をしている。
先生の後継者を目指しているから二代目<ツヴァイ>なんだ」
「オッサンが凄えのはわかったけどよ、何の仕事だよ……?」
「そりゃサラリーマンよ、鮮度が重要な商品(※情報とか機密なので嘘じゃない)を取り扱うに決まっている」
俺は始を問い詰めるがのらりくらりではぐらかされながら歩き続ける。
オッサンが小さなアパートまで連れてきた。
ママ・マリアと呼ばれるハーレム内でも最長老ぼ婆さんが住んでいるらしい。
仕事の件で話があるらしく、俺だけしばし待たされた。
外の景色を見ながら、涼達のことを考えていた。
(高槻…武士…恵…
みんな同じ町にいるはずなのに、えらく遠くに来た気がするぜ。
オレは…なにやってんだ…こんな所で…
あのコウ・カルナギに打ち勝つ力なんて見つけられるのか…)
オッサンと始が帰ってきた。
「隼人君…ママ・マリアが君と話がしたいそうだ…」
そう言われ、オッサン達と一緒に部屋に入る。
高齢で身体が小さくなっていて目も見えていないようだ。
ママ・マリアが横になったまま口を開く。
「あんたはえらく純粋な"火"だね
とても綺麗でまぶしい火だよ………
でもね…自分の火で自分を焼いて苦しんでいるね…
…あんたの中に一人の精霊の姿が見えるよ
………戦士の精霊だね…恐ろしく強い力を持っている…」
「(俺の騎士<ナイト>を感じているのか……?)」
「そしてあんたがその"力"に苦しんでいるのが、よぉくわかる…
その"力"はあんたの魂に刻まれた深い傷、深い呪いだ………
でもね…同時にそれはあんたにとってかけがえのない絆………
人生と戦う理由そのものだよ…
決して逃れようとしてはいけない…
もっとあがきなさい…
答えはきっとそこにあるから………」
心の中を見透かされたような気がする。
ユーゴーのような……でも似ているけど少し違う気がする。
俺はママ・マリアの話を聞いてアパートから出た。
始は背伸びしながら言った。
「じゃあ一旦別行動するわ」
「おい、どこいくんだよ?」
「ああ、別件でね。
知り合いを迎えに行くんだよ。
ママ・マリアに引き合わせるためにな」
「誰をだよ」
「ここから家出したやつの里帰り、かな」
で、俺はオッサンの道場に戻ったんだが……しばらくしてオッサンに突然連れられていった。
デカイ屋敷なんだが……物々しい警備をしている。
夜更けに俺達は屋敷を見下ろしているんだが……
オッサンの話では、シシリアマフィア、麻薬と銃で汚く稼ぐパリゾーニ・ファミリーの屋敷とか言っていた。
今夜ここで麻薬の取引会議が行われるらしい。
そりゃ厳重な警備体制で銃火器をそうびしているわけだ。
オッサンが張り切った様子で俺に話しかけてきた。
「さあ、行こう!!
ママ・マリアとの約束を果たすためにね!!」
「お…おい、おっさん…行くってどこへ…!?」
「決まってるだろ、マフィアをぶっつぶしにいくのさ!!」
「なにぃ―――!?」
なお有名な方向音痴キャラ響良牙のオマージュでこういう行為をしています。
なお始は方向音痴じゃないのでおちょくるだけ。
他にも親父呼びでなくワザと先生呼びにしたりする
一方の始
ジーザス「帰ってきたか……」
始「お帰りー。
ママ・マリアのところにいくぜ!」
ジーザス「それはいいんだが、パリゾーニ・ファミリーがハーレムにちょっかいをかけているんだろ?」
始「ああ、心配ない。
親父が動くから悩みの種は物理的に消えるね」
ジーザス「静かなる狼が……マジかよ」