……親父との合流前の思わぬものを見つけた。
「侵入者……!!」
「おっと最悪のケースだったなジーザス…」
「ジーザス……何を言っている……!?」
左腕が量産型ARMSに変形して襲いかかる少年。
……最終エピソードに出てくる量産型適合者がここにいるとは。
いやエグリゴリのお膝元に最新鋭がいてもおかしくないわな。
遭遇する前にグリーンが涼をワープさせてイベントスキップしただろう、原作では。
……ジーザスの最後の教え子が量産型の適合者で洗脳されていたとは。
技術はあれど老獪さは足りない……いやこの年でこれほどなら末おそろしいがな。
「カシム・イブラヒム」
「なぜ俺の名を!?」
「カダス共和国で外交官の息子であったがテロで両親を失い孤児に。
ジーザスのところの孤児院件学校で勉強を学んでおり…… タリク・アッサードと同じく戦闘技術は学んでいた」
「タリク……ジーザス……そんなものは知らない……」
「そりゃエグリゴリは記憶操作なんてお手のものだろ?
どうせ『お前は選ばれし優れた者だ、旧人類は粛清しろ』とか下らないこと言われてんだろ?
大事にした仲間や家族を殺して偉いねーとか言われて胸を張る人生なら死んだほうがマシだと思うがな」
「俺は選ばれし」
「はいドーン!」
大ぶりになった攻撃をそのまま返して壁に激突させる。
そのまま頭に指を突っ込む。
……ふむ、脳にチップの類はないか。
「あががが……!!」
本能的にARMSで俺を攻撃してきた。
回避は容易いが『触診の後の施術』は途中で終わったか。
「次は保護者引っ張ってくるからな、Ciao!」
俺は煙玉を叩きつけてからの空間転移で去っていく。
……ああ、気が重いわ、ジーザスへの報告は。
・
・
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涼達の歩く通路は、パイプや機材がむき出しの無骨な雰囲気から一変した。
どこかの屋敷の通路でも歩いてるかのような雰囲気に変わるが…その先から一行は共振反応を感じる。
キース・グリーンかキース・バイオレット…どちらかがその扉の向こうで待ち受けている…
バイオレットが相手となるとすると、隼人は急に腰が引ける有り様だが、恵は覚悟を決めその扉を開けると…
目の前には、見渡す限りの大自然が広がっていた…皆はその光景に呆気に取られる。
入ってきた扉まで消えているが、これはテレパシーによる幻影ではなく間違いなく実際に映っている光景だという。
その足元には、アリスの作った青いバラ"ブルーウィッシュ"がきれいに咲き誇っている。
「おかしい…あまりに不自然だ!!
日差しの強さは真夏なのに、春の花と秋の花が一緒に咲いている…
それに枯れた草が一本も見当たらないなんて…
こんな光景、地球上にあるわけがない!!」
「みんな…だまされないで。
これは実像じゃないわ…これは立体映像(ホログラム)…
この私の目<クイーン・オブ・ハート>をもってしても、やっと判別ができるぐらいの…」
足元の感覚は、確かに先ほどと変わらない床の上だが、踏んだ草が倒れたところまで再現する高精度のホログラムにアルも驚く。
そこに声をかける一人の人物…この場所で彼らを待ち受けるキース・バイオレットであった。
バイオレットは木陰のテーブルで彼らをマッド・ティー・パーティーに招待する…
「………キース・バイオレット…これは一体なんの真似!?
この立体映像(ホログラム)はあなたが用意させたものでしょ?
こんな幻想の世界を私達に見せて、何をたくらんでいるの!?
これもあなたが主催の、マッド・ティー・パーティーの演出だとでも?」
「ここは"アリス"の世界………
見てわからないの!?
これは巨大コンピュータ"アリス"のヴィジョンなのよ。
一歩も外の世界を見ることなく死んだ"アリス"という少女が夢想し続けていた外の世界…
ここには争いもなく、死もない…平穏で生命に満ちた理想郷(アルカディア)…
でも…ここは、とても悲しい場所…
私達人類にとっては…
ここにはヒトがいないの…ヒトが滅ぶことでしか生まれない、"完璧な世界"(パーフェクトワールド)なのよ…
悲しいことだと思わなくて…?
そこまで深い絶望を、ヒトが抱くことができるということが…
私は…これまでずっと破滅に至る運命を避けようとしてきた
あなたたちと殺し合う運命を変えようと、答えを探し続けてきた…」
「だから、オレ達もここまで来た!!"アリス"を破壊し、運命を変えるために…」
「もう手遅れよ… キース・ブラックの目論見は、高槻涼…
あなたが"アリス"のもとに到達した瞬間に、赤木カツミをあなたの目の前で殺すこと!
これまでで最大級の憎悪と絶望に身を焼かれ…
ジャバウォックを発動させるあなたを"アリス"に取り込んで、その破滅の力を解放する!!
その運命を回避する方法はたった一つ…"ジャバウォック"のコアをあなたからえぐりだし、それを破壊すること!!」
バイオレットの言葉に、激昂する隼人はテーブルを拳で叩きつける。
「ふざけんな!!
たしかにオレと武士のARMSには、ジャバウォックの破壊を目的とするプログラムが与えられていた!!
オレ達が…どんな思いでそいつと戦ってきたか… あんたにわかるか!?」
「………………わかるわ…信じてくれないでしょうね…死んだレッドもシルバーも…
そしてグリーンもブラックも… 私にとっては家族!愛していた…
だから、仲間同士で殺しあえとか、自分で命を絶てなんてもう言わない…
この私の"力"で高槻涼…あなたを消滅させる!!
さんざん答えをさがし続けたあげくの結論が…シルバー兄さんと同じ"戦い"だったなんて皮肉なこと…
こんなまずいお茶ははじめて…」
吐き捨てるようなバイオレットの言葉とともに、突如周りの風景が第二次大戦の戦争時の光景に変わっていく……。
「ここであなた達を待ち、"アリス"の精神世界をみせた理由はただ一つ…
ごめんなさい………………
そう言いたかったから…」
いつの間にかバイオレットもその場から消えてしまっていた。
恵がこの世界の実像を探ろうとするが…
背後から現れたバイオレットが、電撃で恵を昏倒させていく。
恵は気絶はしているものの、生命に別状はない。
「卑怯なようだけど、最初にリーダーの"目"を潰させてもらったわ。
"バロールの魔眼"に飲み込まれたあなた達にはもう勝機はない!!」
「やめろ、バイオレット!!あんたとは戦いたくない!!」
「………もう…どちらかが死ぬまで誰にも止められない…
遠慮はしないわ、ジャバウォック!!我がARMS三月兎<マーチ・ヘア>が、あなたを世界から消滅させる!!」
バイオレットの衣服が破け、彼女のARMSもその真の姿を現す…!!
恵を倒され、目を潰された以上バイオレットがどこにいるのかまるでわからない目隠しをした状態も同然であった。
バイオレットと戦う、となって隼人も頭を抱えるがこうなっては覚悟を決めるしかない。
だが戦争光景の立体映像は、爆発の映像も混ざり視界すらままならない。
共振を頼りにバイオレットを探そうにも、四方八方から共振を感じる…
「どうなってんだ!?あらゆる方向にヤツがいるみてーだ!!」
「くっそー、これじゃどうにもならんぜよ!!」
その背後に静かに立つのは、水晶細工の人形のような姿のキース・バイオレット…三月兎<マーチ・ヘア>。
【"力"が…"力"が欲しいか!?】
「………ええ…欲しいわ、ジャバウォック…彼を消滅させる"力"が… 私は欲しい!!
この"バロールの魔眼" の中、あなた達はどうすることもできない…
なぜなら、あなた達の見ているその世界…全ては私の"武器"そのもの!!」
バイオレットが手をかざすと、その空間が歪み…突如放たれたレーザーが涼の体を容赦なく貫く。
一体バイオレットのARMSとはどんな能力で攻撃をしているのか、その正体をいまだに掴めなかったが、その答えに辿り着く。
「……………バイオレットは"バロールの魔眼"と言っていたな。
ケルト神話の死の神バロール…その眼にみつめられた者は"死"あるのみ…
そうか、わかったぞ!!三月兎<マーチ・ヘア>の能力の正体が!!
なぜ共振波が四方八方から来るのか!?
なにがこの立体映像を生み出しているのか!?
なぜ最初にハートの女王<クイーン・オブ・ハート>を持つ久留間を狙ったのか!?
"光"だ!!三月兎<マーチ・ヘア>がコントロールしているのは、"光"そのものだ!!
気をつけろ!!この部屋全体が三月兎<マーチ・ヘア>の結界だ!!
バイオレットが散布した大量のナノマシンが埋めつくされているはずだ!!
ナノマシンの一つ一つがまるで光ファイバーのように光を屈折させて、この立体映像を作り上げているんだ!
そして…それは任意の場所から光をレンズのように収束…
エネルギーを増幅させ、位相を揃え…レーザー光線と化す!!
結界から脱出しない限り、レーザーから逃れることは不可能だ!!」
天才少年アルのそのその言葉通り、レーザーの雨が涼と隼人二人を貫いていく。
「ご名答よ、天才少年君!しかし…それがわかったところで、あなた達にはなす術はない…
なぜなら…………あなた達はこの部屋に飛び込んだときから…私の体内にいるも同然なんだから…」
バロールの魔眼で受けた傷は深く、生命の危機に瀕した涼のジャバウォックが強制発動を始めるが…
「高槻涼…私は、あなたを気に入ってたわ
だから…これ以上は苦しめない。
次の一撃で… コアを破壊してあげる!!」
バロールの魔眼のレーザー攻撃が、涼を貫こうとする。
しかし、それを隼人がかばい、涼がレーザーから貫かれるのを遮った。
「へ…へへ…そうはいかねーんだよ オレは約束してんだ…
何もかもこいつ一人に背負わせたりしねーってな オレは…あんたとは戦いたくなかった…
女、子供に手を出すのはオレの主義に反するからな。*1
味方だったらいいよなっていつも思ってた…。
だがよ…もうそうも言ってられねえ!!
オレの親友(ダチ)をぶっ殺させるわけにゃいかねーんだよ!!」
隼人もついに戦う決意を固め、騎士<ナイト>を完全解放する。
「高槻がどれだけ苦しんで、耐えて、ここまでたどり着いたか…
一緒に戦ってきたオレ達は良く知っている… だから…こいつをあんたに殺させるわけにはいかねえ…
いくら、あんた(バイオレット)であろうと容赦しねぇぞ!いくぜ!!」
うっすらと見える三月兎<マーチ・ヘア>に槍を突くが回避され、その身体が再び背景に溶けていく。
視覚からの感知は極めて困難ぇあった。
(騎士<ナイト>…オリジナルARMSの中では、ジャバウォックと並んで戦闘に特化して進化した個体…
その存在目的は… 覚醒したジャバウォックに対するカウンターだったはず…
その騎士<ナイト>が今、ジャバウォックを護るために、私の前に立ちはだかっている…
人の意思は、こうまでたやすく歯車をくるわすのか…!?
しかし…私にためらいは許されない あくまで私の前に立つならば…バロールの魔眼で討ち倒すのみ!!)
騎士<ナイト>にも、あらゆる場所から高速で放たれるバロールの魔眼を回避できず、肩にそのレーザー攻撃を受けながら反撃せんと動く。
そうするうちに目の前の光景がまたも変化を始めていた。
(この結界の中、あなた達の目の前に映されるものは、みな私の記憶の断片…
最初にみせたあの理想郷は、"アリス"から受け継いだ記憶だけど…
今あなた達が目にしているのは…私自身の記憶―――
私がこの身で知りこの身で知りこの身で学んだ人類の歴史…愚考の記憶…
記憶達が…その記憶達が常に私に問いかけ続けている…
私の選択は、正しいのか否か…!?
答えは後の歴史が決めてくれる!!
四方八方から放たれるレーザー攻撃に騎士<ナイト>のダメージが蓄積し片足をつく。
その姿を心配した涼が駆けつけようとするのを、隼人の叫びが止める。
「てめーはなぁ、いちいち人のことばっか気にかけてんじゃねーや!!
少しは自分の身を守ることを考えやがれ!!
もし、てめーがジャバウォックになってみろ!!
オレと騎士<ナイト>は迷わずてめーに攻撃目標を変えてやるぜ!!」
返す刀で槍玉お涼から騎士へと変える隼人。
バイオレットの三日月兎に手も足も出ない騎士の動きはもどかしかったようだ。
「…しかし、騎士<ナイト>!!てめーは少しトロいんだよ!!
オレにてめーの全感覚をよこせ!!目も、耳も、皮膚も!!
このままじゃ奴(バイオレット)の居場所もつかめやしねえ!!オレの好きに戦わせやがれ!!」
【な…何だと!? 本気か!?それは我が受けている破壊の痛みを、人間である貴様が直に味わうということなのだぞ!!】
「うるせー、ぐちゃぐちゃ言うな!!てめーの鎧に護られてちゃ、奴を追い詰めることなんか、できねーんだよ!!」
【………………わからぬ…我にはわからぬ…そんな行動はプログラムにはない!!
我に与えられているのは破壊を回避するために、ジャバウォックを破壊するプログラム…
なぜ汝はジャバウォックを護ろうとする!?】
騎士の顔と騎士の胴体にある隼人の顔が互いに顔を合わせながら言い合いが始まる。
「うるせー!!なにがプログラムだ!!
あいにくと人間って奴は、自分の運命は自分で決めるようにできてんだ!!
てめーもオレに移植されたのが不運だと思いな!!
さあ、とっととてめーの体をオレによこせ!!
てめえにプログラムじゃできねぇ"人間"の戦い方ってヤツを見せてやる!!」
騎士<ナイト>の感覚を隼人が直に受けると聞いて、誰もが驚愕していた。*2
…だが、バロールの魔眼にその身体を貫かれ、悲鳴を上げながらごろごろ悶える騎士<ナイト>
【やめろ!!このままだと人が耐えられる苦痛の限界を超えてしまう!!
早く意志を我に戻せ!!
恐ろしくはないのか?】
「へっ…苦痛なんか怖くねーや。
怖えのはオレがこの苦痛に屈することだけ…
高槻はな…ジャバウォックを制して、これに耐えてきたんだ…
あいつにできて、このオレにできねーわけねーだろ!?
じゃなきゃ、最悪の時、あいつの命を絶って救ってやるなんて約束…おこがましくて口に出せるか!!」
バロールの魔眼で体隼人は中を貫かれ、傷跡から煙を出しながらも、槍を支えにして立ち上がる…
一方ユーゴーは、バイオレットからのこぼれた感情がこの空間を満たしていることに気がつく。
ユーゴーが感じ取れたのは、バイオレットの『悲しみ』…
彼女もまた、泣きながら戦っているのを感じ取った。
騎士は困惑している……だが、それは決してマイナスな要因ばかりではなかった。
【わからぬ…我にはわからぬ!!
こんな戦い方、我のプログラムにはない…あまりに非論理的だ…
だが…このみなぎる"力"はなんだ!?
これが………"人間"というものか!?】
バロールの魔眼に幾度も貫かれながら、水の心が三月兎<マーチ・ヘア>……いや、バイオレットの意を感じ取った。
ミストルテインの槍が発動すると、その一振りがナノマシンの結界を切り裂いた!!
結界を破られ、ついに三月兎<マーチ・ヘア>のその姿を露わにするのだった。
「さあ、どうする!?てめえの結界破れちまったぜ。
三月兎<マーチ・ヘア>…もう逃げも隠れもさせやしねえ!!」
一瞬、三月兎<マーチ・ヘア>の結界の映像にそのキース・ブラックが映る。*3
だが、その光景はすぐに消えてしまう。
ナノマシンの結界を切り裂いたのは、"ARMS殺し"を持つミストルテインの槍。
だが大気を埋め尽くすナノマシンは、切り裂かれたその隙間をすぐにふさいでしまう。
そうはさせまいと、騎士<ナイト>はミストルテインの槍を振り回し、ナノマシンの結界を弾き飛ばす。
(なぜだ!!なぜ、私の邪魔をする!?
神宮隼人…"騎士"<ナイト>よ!!)
ついに難敵であったバロールの魔眼もほぼ剥ぎ取り、一気に三月兎<マーチ・ヘア>を追い込む機会をつかんだが、それにも拘らず放たれたレーザーが騎士<ナイト>の左腕を打ち抜く!!
アルは動揺するも原因を分析していった。
「馬鹿な!?立体映像が消えたのに…
そうか!!あいつは自分のボディーでレンズのように光を操り、風景の中に溶け込むことができるんだ!!
つまり、あいつ自身が…高性能な光学兵器!!
バロールの魔眼がなくとも、三月兎<マーチ・ヘア>の戦闘力は微塵も衰えない!!」
光線が騎士<ナイト>の右肩を打ち抜くが、隼人はその激痛に耐える。
更に隼人はバイオレットに意識を集中していき、そして…一滴の"水"と化した騎士…隼人<ナイト>が、そのレーザーを回避していく。
バイオレットは偶然だ、ともう一度レーザーを放つが、その軌道を完全に見切って見せていた。
「もう無駄だよ…見えるんだ…
てめーの放つ"殺気"がくっきりはっきりとよ!!
おまえ...たしかマリアばーさんに会ったことがあるって言ってたよな。
あのばーさん、おまえにそんな殺気立った人間でいろって教えたのか?」
隼人の言葉に、バイオレットの脳裏にママ・マリアの姿が浮かび…結界の映像にも彼女の姿が映る。
一瞬だがノイズで顔が見えない男の手を引かれてママ・マリアの元に連れて行かれる光景もあった。
―おまえがママ・マリアだな…
触れるだけで人間の心の奥まで読み取る"リーディング"能力を持つ女…
ハーレムの聖母と呼ばれるママ・マリア…
だったら、私の問いに答えてもらおう!!私は父も母もなく試験管の中で生まれた…
遺伝子を操作され子供を作る能力を持たない、ただ一代だけの生物…
私を作った人間達は、私には心や感情すら無いと言っていた…―
そう語り、ママ・マリアの元を訪れるバイオレット。
その手はARMS覚醒の試験の過程で血で濡れていた…。
―たしかに私に心があるのなら、人を殺せば胸が痛み、涙を流すはず…
私は今…ここに来る前に九人殺した…だが…涙は出ない…
答えろ!!私は"ヒト"なのか?
私は人生をプログラムだけに支配された、戦闘兵器じゃないのか?私は…
私はいったい…何なのだ!?―
バロールの魔眼によるレーザー攻撃が、隼人<ナイト>の髪を掠め…
隼人の蹴りの一撃が三月兎<マーチ・ヘア>の両腕を砕く!!
―私の盲いた目に見えている、傷ついて泣いている小さな女の子だけ…
ヒトは、生まれつきヒトなんじゃない… 自分で"ヒト"になってゆくものだよ…―
倒れた三月兎<マーチ・ヘア>に、隼人<ナイト>はミストルテインの槍を突きつける。
「よお、バイオレット…おまえ、オレ達にいつもこう言ってたよなあ…
人の足を止めるのは絶望ではなく"諦観"、人の足を進めるのは希望でなく"意志"だとな!!」
―ヒトは絶望するから足を止めるんじゃない。
絶望から這い出ることを"諦め"てしまったから足を止めるんだ。
ヒトは希望があるから前に進むんじゃない、希望を探そうという"意志"で前に進むんだ―
「オレ、この言葉の意味よくわかんねーけど、その意志で選んだのがこの闘いなのか!?
"諦め"ちまってんのはてめー自身の希望じゃねーのかよ!?」
血まみれの手を、ママ・マリアは優しく握り締めてくれた
血まみれの手に、バイオレットの涙が零れ落ちる…
一瞬だけ顔がノイズで隠れた青年から問いかけれられる光景が浮かぶ。*4
「………………私の…わたsの…負けだ…」
そこには少年時代のブラックの姿があった。
「……………すごい"力"だな…
まさか、これほどの発動を見せてくれるとは思わなかったよ
おめでとう、君は"ARMS"の移植に成功したばかりか…
僕達が使えるべき"彼女"(アリス)との共振にも成功した…
君は夢の中で聞いたはずだ…彼女の言葉を!!
彼女に選ばれた者だけが、僕達とともに歩む資格を持っている…」
【アナタハダレ!? ワタシハダレ!?】
「君は、キース・バイオレット…僕の妹だ、そして僕は…
キース・ブラック…君の兄にして…僕らの母たる"アリス"の意志を代行する者だ!!」
「……」
「碌でも無いことなんざぶん投げて昼寝する方が建設的だと思うがね」
「……計画は止められない。
私は家族を守る為に戦うわ」
「それがお前さんの決断なら尊重するがな。
本当に決断しているなら」
「もう決めているわ」
「流されて諦めているのを決断と言わないんじゃ無いか?
……まぁ今日は帰るけどよ。
次会う時までにもう一度考えておけよ」
この光景を同盟で視聴する場合。
バイオレットのARM解放&解除シーンをみて……
一般男性同盟員
( ゚∀゚)o彡゚
スミス(※なおヒヨコ状態でお嫁さんに捕まって世界一幸せなペットになる模様)
( ゚∀゚)o彡゚