……瓦礫の十字架に磔にされた涼。
目を覚ました涼の前には"黒いアリス"の姿があった…
「………なんだ…ここは!?」
「目を覚ましてしまったのね、ごめんなさい。
あなたを目覚めさせて、辛い思いをさせるつもりはなかったわ。
さあ、もう一度眠りなさい、そして…
まどろみの中、私と一緒にここで暮らすの…永久に…永遠に…
この惑星のすべてを破壊し尽くすまで…」
「だめだ!!そんなこと… !?」
"黒いアリス"の言葉に抵抗しようとする涼。
しかし、涼を縛る鎖が突如強烈に涼を締め付けていく。
「無駄よ…その十字架と鎖は、あなた自身が生み出した憎しみそのもの…
壊すことなどできやしない…
私は…この暗闇の中、ずっと独りぼっちだった…
覚えてる? かつてジャバウォックの魂の奥底で、あなたは私を見つけてくれた…
あの時は嬉しかったわ もし、あなたが私と一緒にいてくれるのなら…」
"黒いアリス"がそういうと、闇の中からカツミがその姿を現す…
「涼…いつまでも…いつまでも一緒だから…」
偽りのカツミの言葉に…涼は、自らを縛る鎖を脱出しようと更に力を込める。
「涼…なぜ…!? なぜ出てこうとするの!?」
「どうして?カツミと一緒にいたくないの?」
「どうしてだって? カツミは…………
オレの知っているカツミは…
決してそんなオレを望んだりしないからだ!!」
遂には、涼はその鎖を無理矢理に引きちぎった!!
「涼…どうして!?
どうしてあたしと一緒にいてくれないの?」
「おまえはカツミじゃない ただの…幻影だ!
オレの知ってるカツミは、人類の滅亡を考えるほど複雑な奴じゃねえよ」
鎖から解放された涼だが、偽りのカツミは邪悪な笑みを見せ、その姿が別のものに変わっていく。
そして、その姿が涼と同じものに変わり、周りの風景が鐙沢村の燃えた光景に変わる。
「オレは………
おまえを殺すために生まれた!
愚かな奴だ…永久に鎖に繋がれていれば、死なずにすんだものを…
オレは…おまえ自身だ!!」
涼に変化した何者かが、涼に一撃を叩き込む!
「フフフ…それは幻影なんかじゃなくてよ。
そこにいるのは本当の貴方… 貴方自身が生み出した、憎悪の化身よ!!」
「おまえは、オレに勝てはしない… なぜなら…………
ジャバウォックはおまえじゃなく… オレとともに在るからだ!!」
その言葉が示すとおり、涼の『憎悪』がジャバウォックへの変形を始める…!!
その頃武士たちは、黒い森の中心地にある黒いアリスへの入り口へとたどり着いた。
その入り口は、まるで活火山のごとき煙の瘴気を放ち、さながら黄泉の国の入り口、地獄の一丁目である。
厄介なところに閉じ込められたものだが、あの中に涼がいるなら飛び込むしかないが…
白いアリスは暗い表情で隼人達に謝罪していく。
「………ごめんなさい……
私が…あの日、人類への憎悪なんて抱かなかったらこんなことには…
みなさんをひどい運命に巻き込んで…
外の世界の人達に迷惑をかけて…みんな…私のせい…」
「ああ…まったく迷惑な話だ。
でもなぁ、これだけは言える! もしオレがおまえ(アリス)と同じ目にあったら…
人類を憎みまくって速攻でぶっ潰す自身があるぜ!!
だいたい、悪いのはろくでもねー計画を思いついた、キース・ホワイトの野郎の方だ!!
だいたいなぁー、人間って、都合よく自分の心をどうにか出来るもんじゃねーだろ?」
(…隼人君が言うと説得力あるなぁ)
隼人は、バッサリと迷惑だが同じ立場なら自分も同じような事をすると言い放つ。
武士は説得力あるなぁ……と思っていたり。
なお、YAMAはノーコメントだ、実際文明滅ぼしたんで。
「あたし達は、もともとARMS計画がなければ、生まれなかった人間よ。
自分の存在そのものを裁くことなんて出来やしないわ あなただってそうよ、"アリス"…
大事なのは過去がどうだったかじゃなくて…未来をどうするか、じゃないかしら?」
アリスの肩をつかみ、恵は寄り添っていた。
アリスは恵の腕に手を添えて、涙を浮かべる…
(アザゼル…わかりますか? これが…"人間"です
外宇宙から来たあなたが惹かれた"人間の心"です…)
白兎の案内で、一行は黄泉の穴、"黒いアリス"の玉座へと向かう…
その頃、ジャバウォックに変化した涼の憎悪…その圧倒的な力に涼もなす術がなかった。
そしてジャバウォックの一撃が涼の腹に突き刺さる!!
【これが…現実だ…カツミはオレが殺した…みんなも…
オレは…オレが憎い!!
全てを…破壊し尽くしてやるんだ!!
だから…おまえはオレに殺されろ!!
それが… おまえに出来る罪ほろぼしだ!!】
ジャバウォックが涼の頭をつかみ、その頭を握りつぶそうとするが…突如その場に強烈な光に照らされる。
光と共に現れたのは、自らの精神を"アリス"の中へダイブさせたユーゴーだった。
「高槻君…約束しましたよね…
もし、あなたが"力"にのみ込まれたときは、あなたを殺してあげます、と…
この世界は精神体の世界… 私の精神エネルギーすべてを使えば…
高槻君… 私は貴方を…」
その言葉の途中に、突如空間が砕ける。
黄巾力士達が担いだ神輿『ソイヤウォーカー』に乗りながらやってきた金髪の長髪の美青年……魔王(セイタン)クリフ・ギルバートが駆けつけた!!
あまりの光景に涼も黒いアリスも呆然とした。
「ソイヤソイヤ!ソイヤソイヤ!」
「ユーゴー!助けに来たぞ!!」
「え……兄さん?
どうして?」
「兄妹だからこその繋がり*1を辿って仲間(備品ちゃん&YAMA)の協力でお前を追ってきた。
僕はジャバウォックに勝てなかった情けない兄だが……妹が死ににいくのを助けるくらいはできる!」
「兄さん……ありがとう」
「僕やヴォルフ達より先に死ぬことは許さないからね。
テレパシストじゃないが僕の力とオリハルコンの増幅器を利用すれば……!!」
ユーゴーとクリフは互いに顔を見合わせる。
二人……そしてソイヤウォーカーは精神の炎で燃え上がる。
ユーゴー達はそのままジャバウォックへ突撃して爆発する。
―私はテレパシスト… 私にしか出来ない戦いがあります…―
燃え上がるユーゴーとジャバウォックを前に、涼の叫びが響いた。
涼の脳裏に浮かぶのは、ユーゴーの言葉、自らの腕に貫かれるカツミ、ブラックの言葉と、カツミの血で濡れる自らの腕…
(じょ…冗談じゃねえ!!)
その時、涼の身体もまた強烈な光を放った!
(カツミもユーゴーもオレに命がけで教えてくれている…立ち止まってはいけないと…
これ以上、オレの心を利用させはしない!!
もう…誰も…死なせやしない!!)
光り輝く涼の拳がジャバウォックを吹き飛ばした!!
そして、鐙沢村の風景が黒く塗りつぶされ、瓦礫の十字架のもとに戻っていった。
粉々になったソイヤウォーカーの残骸の上で座り込んでいるユーゴーとクリフだった。
クリフは意識はあったがユーゴーの負担が大きかったのか意識がない。
涼の呼びかけでユーゴーも目を覚まし、安堵する涼とクリフ。
「ユーゴー…すまん…
君に救われたのは、これで何度目だろう…?」
「いいえ…私の力ではありません…
あなたの思いが"憎悪"を消し飛ばしたのです
高槻君… あなたには、まだやるべきことがあります
私がこの世界に来る時…一瞬でしたが、カツミさんの存在を感じました…」
ユーゴーがカツミの生存を示唆し、涼の精神への安定を図った。
「カツミさんは…この世界のどこかでまだ生きています!
居場所は…その子が知っているはず…」
「そんなことはない!! 赤木カツミは死んだのよ!あなたのせいで!!
さあ、憎みなさい!絶望しなさい!! あなた自身を!!」
「赤木カツミはARMS適合できる遺伝子でアリスに取り込まれたんだったな?
キース・ホワイトの例もあるから意識が残っている可能性は高い。
そもそも、わざわざ赤木カツミを取り込んでいるからな」
クリフが黒いアリスの言い逃れを看破していく。
涼は力強く語っていく。
「………オレは…二度と自分自身に絶望しない…!
それより…こんな悪夢は終わりにしよう、"アリス"…カツミ…返してくれ!」
「だめよ!!カツミは死んだの!!もういないの!!カツミは私のものなの!!」
黒いアリスがそうわめきながら、その姿が闇に消えていく…
「高槻君……行ってください。
私は強烈過ぎる精神内では自分の姿を保つだけでも精一杯です」
「行ってこい、高槻涼。
僕はジャバウォックに負けた狩りは返したからもう用はない。
ユーゴーは僕が送っていく」
「わかった… ユーゴー、ありがとう
オレ…奴ら(エグリゴリ)にずっと振り回されっぱなしで、君のこと、なにも知らなかった…
現実に戻ったら…
もっといろんなことを話したい…」
涼の言葉に微かな微笑を見せ、涼を見送るユーゴー。
「ええ…カツミさんを…現実を取り戻して…」
涼が黒いアリスを追っていく。
二人きりになってユーゴーがクリフへ言った。
「ありがとう、兄さん……」
「全く……妹を振るとは罪作りな奴だ」
「……しばらく眠ります……少し……力を使いすぎました……」
「ああ……ゆっくり休め。
……何があっても必ず起こしてやる……」
先に進む涼の前に、キースシリーズのARMS完全体たちが立ちはだかる…!
たった一人での勝ち目のない相手、絶望的な状況だ。
だがもう涼は折れることはない。
だが、その時何者かがARMS完全体をぶっとばす一団がいた。
駆けつけてくれた隼人と武士、そしてソイヤウォーカーだった。
「やれやれ、危ないところだったな、高槻!
こいつらの相手はオレ達にまかせろ!!
みんなでこの世界から脱出するんだ!!
こんな場所に来んのはもう二度とごめんだぜ!!」
その姿に黒いアリスも動揺を見せると、彼女の前に白いアリスが姿を見せる。
"アリス"の世界を壊し、全てを終わらせるために……
その時、涼の右腕にジャバウォックの強烈な反応が起こる!
憎悪でない涼の意志に呼応していく……。
【高槻 涼…我はかつて誓ったはずだ!!
我は汝とともに生き、汝とともに滅ぶと…
我は汝の中に棲まうことにより様々なものを知った…"人間"を知った…
あの誓いはプログラムではなく… 我自身の"意志"だ!!】
涼の腕が、ジャバウォックを発動させる!!
【高槻 涼、わかるか?汝が爪を振るうべき敵は誰なのか…
この世界を破壊するのはどうすればいいのか…
母よ…"アリス"よ… 我は貴方の"憎悪"と"絶望"から生み落とされたプログラムに過ぎなかった…
だが、今は違う!!
我が意志は我がものなり!!その意志が命じている!!
貴方を包む地獄を"破壊"せよと!】
ジャバウォックの爪の一閃でジャバウォックの言葉通り、アリスの世界を破壊していく!!
「……涼の"ARMS殺し"がこの世界そのものを引き裂いた…!?」
引き裂かれた空間から、カツミがその姿を現し、涼はカツミの元へ飛び込む!
黒いアリスがそれを止めようとするが、爪痕の影響で動けない。
そこに白いアリスがその肩をつかんでいく。
「な…なにをするの!?」
「テレパシストのユーゴーさんが戦い方を教えてくれた…
あなたの生命を消せるのは私の生命だけ…」
そして自らの命を燃やし…二人のアリスは激しく燃え上がる!!
「武士君…ありがとう…
ほんのわずかだったけど、私は外の世界を知ることができた…
どこまでも広がる青い空…頬にあたる風…世界って本当にきれい…
私はこの星が…あなた達が…大好き…!」
燃え上がりながら、建物から落ちる二人のアリス…
燃えながら消えていく恐怖で叫ぶ黒いアリス。
【いや…消えたくない!
助けて!!独りぼっちは…いや!!】
朽ちていく黒いアリスに、カツミが手を伸ばし…その手を掴むと…
現実の巨大ジャバウォックの激しい咆哮がニューヨークに響き渡る!!
「"アリス"ー!!」
「泣くんじゃない、武士…"アリス"は死んだわけじゃないんだからね。
僕達は"アリス"の子供…"アリス"はいつで君達とともにいる!!
だから、君達は精一杯生きてくれ…この…世界を…」
巨大ジャバウォックが塵となって消えていくと、白兎も光の中に消えていった。
「………どうなったんだ…!?
我々は… 助かったのか…!?」
朽ちていった巨大ジャバウォック……同時に青銅の巨人ヒポグリフは地面に沈んでいき、周りのソイヤウォーカー&黄巾力士ズも朽ちていき大地に還った。
そんな急展開に困惑するアメリカ政府であった。
「礼を言うぞ、高槻始……お前の弟と仲間達はやってくれた…
私の中の絶望と諦観までも…消してくれた…
あの4人の少年達は…運命<エグリゴリ>に勝った!!」
涙を流し、巌に礼をいうバイオレット。
始はそれを頷きながら遠くを『視ていた』。
遠方でキース・ホワイトはその場に座り込みながら、不敵な笑みを浮かべているのを……
「なんでだよ………?なんで、あんな馬鹿どものためにおまえが生命をかけるんだよ!?
なんで…あの時…帰ってくるって約束しなかった…!?
なんとか言ってくれ… ユーゴー…」
昏睡状態のままのユーゴーを抱えたアルは涙を流す……。
そして涼達とカツミも現実世界への帰還を果たす そこにブルーメンも彼らを迎えにやって来た。
犠牲は多かったが、エグリゴリに勝利することができた。
「………みんな…長い道のりだったね…帰りましょう…私達の世界へ…」
鬼武者のイージーモードはクリアーしたので今度はノーマルモードをクリアーしていく。
最後は鬼殺モードをクリアーが目標です。
始君がいるだけのこと原作通りの展開で申し訳ない。
高槻始の本編最後の相手は……
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毒親ことキース・ホワイト
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糞実父こと高槻崖