天本キネマ館に戻り三人で話す事になった。
今度はハーブティーを振る舞う志村。
特定の飲み物に肩入れをしない主義なのか、棚にはコーヒーメーカーやティーセット、
茶道の道具と並んでいる。
滝はハーブティーを飲み、一言いった。
「これは美味い」
「ラベンダー、レモンバーム、パッションフラワー、タイムをブレンドした。
分量は研究中だがこの様子なら好評のようだ」
精神安定を目的とした組み合わせのハーブティーを飲んでから、
志村は話始める。
「単刀直入に言おう。
俺はこの世界の人間じゃない……。
仮面ライダーの修行を行う風来坊さ」
「へぇー修行中の仮面ライダーねぇ」
「あの創生王はおそらく、平行世界の創生王だろう。
この世界の創生王は死にかけた末に南が倒したしな。
証拠というわけじゃないが…」
志村はスマートフォンとiPadを出す。
まだバッグサイズの携帯電話しかない時代にはありえないものだ。
未来に実現するであろうテクノロジーに驚く二人であったが、
志村の言葉を信じることにした。
「ゾンビのビルゲニアをこさえるだけじゃない。
この世界の裏に存在するクライシス帝国という高度な技術・軍事力を持つ存在を
単騎で滅ぼしたらしい。
そんな奴が嫌がらせの為に子供を改造してゴルゴム三神官を復活させようとしている。
異世界の事は異世界人の俺が対処する。
南と滝が子供達を守ってくれ」
「俺も行きます!」
「その震えた手でか?」
「南?」
滝は、南の手を見つめた。
あの時、自分の知っている南ならば突っ込んで行ったはずだと。
だが、秋月信彦……いや世紀王シャドームーンの死闘が南の心を砕いた。
同じ日に生まれた半身のような親友…。
____ゴルゴムの決戦時______
「ブラックサン、最後の勝負だ。今度こそ地獄へ送ってやる! あ、うう……」
度重なるダメージで足をつくシャドームーン。
「信彦、もう勝負はついたんだ、人間の心を取り戻してくれ」
「黙れ! 俺は貴様が憎い、必ず、貴様を倒して見せる!」
シャドーキックの体勢に入るシャドームーン。
悲痛な叫びを上げる仮面ライダーBLACK。
「信彦……よせ!
その身体でシャドーキックを使うのは無理だ!」
満身創痍のシャドームーンは、死をものともせずに跳躍する。
「やめろ!!」
「シャドーキック!!」
「とわぁあ!
信彦ぉおおお!!」
南光太郎……仮面ライダーBLACKは奪っていたサタンサーベルでシャドームーンを斬った。
着地後、身体を回転しながら倒れるシャドームーン。
「信彦ぉおお!」
「サタンサーベルを……それがないと心細くて地獄へもいけん……
頼む…頼む…!」
仮面ライダーBLACKは、サタンサーベルをシャドームーンに渡す。
シャドームーンは切先を仮面ライダーBLACKに向けるが……
しばし互いに見つめ合い……
結局、シャドームーンはサタンサーベルを持ったまま、背中をべったりと床につけて仰向けになる。
「駄目だ、もう力が入らない。
ブラックサン、俺は死ぬ。だが、勝ったのだと思うな、お前は一生苦しむことになるんだ。
親友を、この信彦を抹殺したんだからな。一生、後悔して生きていくんだ。はっはっはっ、はぁーっはっはっはっ……」
「……」
「俺こそ、次期創世王だ!」
時は現在に戻り……。
この呪詛は未だ南光太郎の心を蝕んでいた。
また戦う事で何かを失うのではないのか?
自分の行き着く果てが創生王なのではないのか?
迷いが歩みを止めてしまった。
ゴルゴム止めるのは僕の使命なのに……
「使命や義務だけで戦うのは辛いぞ」
志村は、ポツリと言った。
責めるわけでもなく優しい声で。
「世界はいつだって苦しみや悲しみ、悪意に満ちている。
だから逃げてもいい、立ち止まってもいい、
時の流れは残酷だが心の傷を癒してくれる」
「志村……」
「たった一人しかいないならともかく今は俺がいる。
いつか立ち上がればいい。
立ち上がる時間は俺が稼ぐからな。
本当に立ち上がれる時まで力をとっておけ」
志村は立ち上がる。
滝が聞く。
「どこに?」
「あの創生王が指向性のテレパスを送ってきた。
売られた喧嘩を買いに行く」
次の話は?
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スパロボ!
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ヒロアカ!
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ネギま!
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ゼロ魔!
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ライダー!
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ジョジョ!