創世王と見るホロライブラバーズ.blacksun 作:雫お嬢様
もう一度観たいんですの♡
倒れているブラックサンが、シャドームーンに踏みつけられる。
光さえも超えた速度で繰り出されるシャドームーンの脚技は的確にブラックサンの頭部と心臓を打ち抜き、余波で地盤が割れ、大地震が発生し、星の核にまで衝撃を届かせた。
しかし、ブラックサンは仮面の奥でニヤリと笑う。
「足癖が悪いな」
「!!」
シャドームーンが振り上げた脚にブラックサンのパンチが炸裂、衝撃に耐えられず脚が爆散する。
瞬時に脚を再生させたシャドームーンだが、ブラックサンにとってはあまりに大きな隙だった。渾身の拳を腹部に受けて吹き飛ぶシャドームーン。数百メートルもの距離を飛ばされ、彼がぶつかった建造物が木っ端微塵に砕け散った。
体勢を整えるブラックサンに向けて、瓦礫の山の中から【サタンサーベル】の紅い斬撃が放たれる。即座に上半身を後ろに反らして回避。彼の背後にあった建物や森・山が横一文字に切断され倒壊した。
驚異的な身体能力でブラックサンの元に舞い戻ったシャドームーンは呆れるように肩をすくめた。
「相変わらず乱暴だね、君は」
「分かりやすくて良いだろう?力だ!力が無ければ何も出来ないからな」
「何かを壊すことも、何かを守ることも……そうだね?」
「分かってるじゃないか」
「でも僕としては、もっとスマートな方が好みかな」
お互いに笑い合う。
次の瞬間、シャドームーンの強烈な突きが放たれる。何万回もの刺突が物理法則を無視してあらゆる角度から瞬時にブラックサンに迫り、彼はそれらを的確に叩き落とす。勿論反撃も忘れない。指を伸ばし、或いは折り曲げて振るい斬撃の嵐をお見舞いする。ブラックサンの肉体は度重なる鍛錬によって既に全身が文字通りの凶器と化しているのだ。
武器を持つ分リーチに余裕があるシャドームーンはしかし、徐に自ら【サタンサーベル】を投げ捨てた。
「このままじゃ千日手だね。これで最後にしようか」
「望むところだ」
そして、2人は力を解放する。
朱と翠の絶大な闘気が2人の身体から吹きだし、戦場を、都市を、国を、世界を覆い尽くす。そして、その極限まで膨れ上がったエネルギーが【世紀王サンドライバー】と【世紀王ムーンドライバー】に吸収されていく。
2人は同時に地を蹴り、相手に向かって跳び蹴りを放つ。必殺技――文字通り、相手を必ず殺す技を。
「【ライダーキック】!!!」
「【シャドーキック】……!」
2つの技は正面から衝突。そして、戦場となっていた都市は地図上から消え去った。
■
「「あー、楽しかった!」」
「「「『楽しかった』じゃないだろ!!!!」」」
ホロライブ学園、多目的教室にて。
晄太郎と信彦はクラスメイトや知り合いの生徒達から怒られていた。
「うう……皆が俺を虐める……怖いよ!信彦ォ!」
「よしよし……大丈夫だよ、晄太郎」
「『怖い』はこっちの台詞なんですけど?????????」
「そうわよ(便乗)」
ろくな説明もなく、晄太郎と信彦が戦うと聞きつけやって来た生徒達(内1人教師)の表情は怒り1:悲しみ3:恐怖6で彩られていた。
「せ、説明をっ!要求するのです……!」
「しょうがねぇなぁ(悟空)」
凄惨な闘いを見てしまったるしあが、涙目で震えながら晄太郎に縋り付く。
それを見た晄太郎は、この闘いに至った経緯を説明し始めた……
■
前回の『創世王と見るホロライブラバーズ.blacksun』!!
「ちわーッス!ホロライブ学園3年生大空スバール!」
「あ、こんにちは。スバル先輩」
「こんちは!信彦くん!丁度良かった。ちょっと手伝って欲しいことがあんだけど……」
「はい。何でしょう?」
「スバルのペンケースの中身を全部クレヨンに入れ替えてくれやがった悪戯兎をとっ捕まえる」
「オーケー。そういうことでしたら、お力になりましょう」
「最近退屈ぺこねぇ~~~」
「そうだなぁ。ぺこら先輩、何か面白い事無い?」
「う~~ん……あっそうぺこ(唐突)。ぺこーら達が組んで皆に悪戯を仕掛けるのはどうぺこ?」
「やりますねぇ!!」
「見つけたぞ!諸悪の根源!大空警察だ!大人しくしろー!!」
「ぺ~こぺこぺこぺこwwww今更気付いても遅いぺこ~♪ファッファッファッファwwww」
「おや。今回はそちら側なんだね、晄太郎」
「ああ。今日の俺は悪戯部隊隊長ぺこーら様の忠実なる
「なら、大空警察の新人警官である僕の敵だね」
「「えっ?」」
「ふふ……そういうことだ……」
「ならば、やることはひとつ」
「そう、闘いだッ!」
「「……えっ?」」
「俺の【空間操作】とお前の【時間操作】で創り上げた異空間【鏡次元】……ここで勝負だ」
「ここは現実世界と全く同じ構造だけど、あくまで虚像……ここで何が起きても、現実には一切の影響を及ぼさない」
「逆に言えば、ここではいくらでも暴れられるということだ」
「さあ、いくよ?ブラックサン」
「来い!シャドームーン!!」
■
「……と言うわけだ」
「「「……」」」
晄太郎と信彦の説明を聞いて、全員の視線が部屋の隅で縮こまるスバルとぺこらに集中する。
「あんたらのせいかよ!」
「あのさぁ……(呆れ)」
「いやぁ……そのぉ……」
「スバルは悪くなくね!?」
「責任の一端はあると思うわよ?」
案の定責められる2人。
ホロライブ学園で幾度も戦闘する機会があるとはいえ、それはあくまで模擬戦。指定されたバトルエリアにかけられた魔法によって致命傷は無効化される、晄太郎と信彦に言わせてみればただのお遊びだ。そして、この場に居る殆どの学生は命懸けの闘いを経験したことのない一般人。彼女達が恐怖するのも無理はない。
「とりあえず、ブラックサン様とシャドームーン様は当分の間学園内での戦闘は禁止!教師としての命令よ」
「「えぇ~~~」」
「文句を言わない!ちょこの言うことを聞きなさい!」
ちょこに厳重注意される2人。他の生徒達の心を守るために必要な処置だ。
ホロライブ学園には自らの戦闘能力に自信を持つ者が多い。2人の世紀王による本当の闘争はその彼らの自信を打ち砕き、心を折る可能性があった。ひとりの教師として、それは容認できなかったのだ。
結局、今回の騒動の原因となったスバルとぺこらを折檻してその日は解散となった。
「ねぇ、晄太郎……こおねとも
「今は放課後だし、ここは学園の外だよ?……良いよね?」
「「はい……」」
その後、火照った肉体を疼かせた2匹の獣を相手にする羽目になったが、それはまた別の話。
珈琲はブラック派
時間の流れを弄った【鏡次元】での鍛錬は毎日欠かさない。
最強の名は伊達ではないのだ。
珈琲は砂糖派
徒手空拳よりも剣術に重きを置く剣士。
あやめといろはを同時に相手してなお圧倒する技量を持つ。
ちょこ先
ちょこにとって彼らは大好きな英雄だが、同時に大事な生徒でもある。
どのような状況でも教師としてやるべき事を見失うことはない。
生徒達
自分達が井の中の蛙であることを強く自覚した。
ここから這い上がれるかは彼女達次第だ。
ケモノ2匹
世紀王の闘いを見て怪人としての闘争本能が疼く。
困った時はとりあえず本能のままに行動する事にしている。