葦名の薬師 幻想に還る   作:ηn

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大分遅くなりました プロット無しの見切り発車してるからですね
よくない
せめて一ヶ月に一回くらいは出したい(願望)




迎えとこれから

 

 

「本当に?」

「ええ、本当よ。」

それを聞き改めて観るが注意深く見てもとても霊には見えない。

「正直見てもわからないんだけど。」

「あら、あなた幽々子のこと忘れちゃったのかしら?最近会ったばっかだっていうのに。」

「あっちはなんていうか、特有の雰囲気があるじゃない。」

「それでも彼女は亡霊よ。紛れもなく。」

それを言われた彼女は何のことか全くわからなかった。

自分が死んだ気がすることは覚えていてもそれ以外のことが全て曖昧な今霊だそうじゃないだ言われてもまるで実感がない。そんなことを思っているとゆかりと呼ばれている人物がこちらを向き、

「本人も自覚がないようだし、私が見せてあげるわ。あなた、コチラに来なさい。」

すこし怖いが、自分でもよくわからない今は彼女に頼るしかないと思った。

「先に謝っておくわ。驚くだろうから。」

 

そう言われた直後いつのまにか彼女が握っていた短刀で刺され、あの時のように血がどくどくと流れていく……

 

かに思われたが

「痛みが………ない..」

「ね、言ったでしょ。」

その言い方に少し顔を青くした霊夢が

「ゆかり……ちゃんとそういうのは言って欲しいんだけど…」

その言葉を聞いても悪びれもせず

「次から気をつけるようにするわ〜」

と変わらぬ様子だった。

「えーと、エマさんは大丈夫?」

「はい…………」

そうは言ったものの改めて突きつけられた事実を受け入れるのは難しかった。

(死んで..霊になった?……たしかに刺されたけど……)

「これでわかったでしょ?あなたは本来こちらにいないはずのモノ。

魂はあるべきところに還らねばならない。

それを忘れ、現世に留まっている状況は世界から外れた行為。異常よ。」

そんなことを言われてもあるべきところに行く方法は知らないため俯くことしか出来なかった。

「八雲紫、言い過ぎではないですか?いくら道理を説いたとしても覚えていないことは覚えていないのですから。それに彼女は何も悪いことをしていません。」

今まで黙っていた射命丸が言った。まだ会っていくらも経っていないがエマのことを気に入っているのもあって庇ってくれたのだ。

「たしかに言い過ぎかもしれないけどそこの彼女からはほんの少しだけ嫌な気配がするのよ。」

「嫌な気配?」

「そう、嫌な気配。だから私が閻魔を呼んできてあげるわ。特別よ。」

そう言って八雲紫は消えてしまった。

「相変わらずですね…」

「紫が言ってた嫌な気配って何かしら?私はわからないんだけど。」

「私もですね。何なんでしょうね。」

「えーと、エマさん?とりあえずあいつが帰って来るまでうちでまってる?」

俯いたままだったが微かに頷いたのがわかった。

「とりあえず今日のところは私も帰りますね。明日また来ます!」

「もう来なくていいわよ。」

「エマさんのことは気になるのでしばらくはきますよ。それでは!」

そうして一瞬のうちに飛んでいってしまった。

「射命丸殿は早いですね…」

「エマさん大丈夫なの?」

「大丈夫ではないですがずっとこうしていたら霊夢殿にも迷惑だと思いまして……」

「まあ境内に人がずっと立ってたら怖いかも知れないわね。とりあえず上がったらどう?」

「そうさせてもらいます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

          ー深夜ー

 

 

夜。日が出ている時と違い、人ならざるモノが支配する世界。

いつの時代であろうとも夜は存在し、人が恐れ続けるものである。

そんな夜の境内に一人の人間が縁側に腰掛けていた。

ここの家主である巫女は寝てしまい、自分も寝ようか(霊が寝るというのもおかしなことだが)と横になってみたが眠気が一向に来ないので諦めて縁側にて朝を待とうと思ったのだ。

(長い間一人になるのは久しぶり…なのかしら..)

確証はないがそんな気がした。

(どうにかして記憶を取り戻す方法は…)

そんなことを思いながら月を眺めているとふと、浮かび上がってきた。無口な彼はいつも仏像に向かっていた。曰く、記憶と向かい合い、己を高めるのだと言う。

そういえば□□もそんなことをしていた気がする。

(記憶と向かい合う。自分をよく知るということかしら…)

生憎、仏像はないが月が出ている。その月光は何かに似ていた。

(月を見れば……なにか…)

 

 

 

 

 

 

         ー翌日ー

 

 

 

「閻魔に話をつけてきたわ。2、3日後に来るらしいわよ。」

「意外と早かったわね。」

「用も済んだし帰らせてもらうわ。じゃあね霊夢。」

そう言うとまた何処かへと消えていった

「まあ、そういうことだから後2、3日よろしくね。」

「よろしくお願いします。霊夢さん。」

「呼び方変えたの?」

「短いとはいえこちらの方がいいと思いまして。」

「ふーん。」

 

こうして短いながら神社での生活が始まった。

射命丸は最初の日以外は来なかった。急用が入ったらしい。とても名残惜しそうにしていたのが印象に残った。

そうして思いのほかやることは少なくあっという間に3日間は過ぎていった。

たった3日間であったがエマは充実感を感じていた。

あまりしがらみに囚われない日々は□□□□を思い起こさせたのだ。

 

 

 

     ー三日後ー

 

「博麗の巫女はいるかい?」

突然そんな声が境内に響く。

そちらを見ると赤髪で短くまとめた大きな女性が立っていた。

それだけでも特徴的だが担いでいる大きな鎌も相まって不思議な雰囲気を持っており、ただの人ではないことがわかる。

初めて会った時から人ではない存在が普通にきていたので彼女もそういった類いだろうと思い、声をかける。

「申し訳ありませんが今霊夢さんは外出しておりますので、時間があるのであればこちらで少し待っていただけると助かります。」

「あーそうなのかい。まああたいの用はアンタにあるから居なくてもそこまで問題がないんだよね。」

「……もしや貴方が八雲殿が言っていた閻魔さまなのですか…?」

「残念だけどあたいはただの死神さ。四季様..いや閻魔様はちょいと忙しくてね。代わりにアンタの迎えにきたんだけど……」

そこで急に歯切れが悪くなり、黙ってしまう。

「どうかしましたか?」

「いやーただの亡霊かと思ったんだけどねえ……うーん…」

そう言ってまた黙ってしまう。その理由を問おうかと思ったところに霊夢が帰宅する。

「ただいまーってアンタ誰?閻魔?」

「あたいは死神だよ。そこの霊の迎えにきたんだけどねえ…ちょっと私の一存で決められないなあ。困った困った。」

「紫も言ってたけどやっぱなんかあるのね。と言ってもよくわからないのよねー エマさんもわからないって言ってたし。」

「自覚なしか…はあ考えても埒が開かないし、すまないね二人とも。

悪いけど後追加で2、3日待っててくれないかい?これは四季様じゃないと判断できない事だから。」

その答えに少し霊夢は訝しんだがすぐに

「わかったわ。でもできるなら早くして欲しいわね。」

「ありがとう。そっちも大丈夫かい?」

とこちらに問いかけてきた。

「霊夢さんが大丈夫と言っているので大丈夫です。」

「わかった。それじゃあ出来る限り早く来るつもりだからまた待っててくれ。」

そう言って赤髪の死神はそそくさといってしまった。

その後ろ姿を眺めながら霊夢が

「思ってたよりも深刻な事なのかしら……」

と呟いていた。

 

 

 

 

    ー翌日ー

 

 

思ってたより早く死神は来た。今回は彼女だけでなく翡翠のような翠色の髪をした変わった帽子を被る女性も一緒であった。

彼女達が鳥居をくぐると真っ直ぐにエマと霊夢のもとへとやってきて

「貴方が件の亡霊ですね。私はここで裁判長をやっている四季映姫・ヤマザナドゥと申します。」

そう彼女 四季映姫 が名乗るとエマを下から上へじっくり見た後に

「なるほど。小町の言っていた通りですね。さて、単刀直入に言いますが貴方を今裁判に掛けることは出来ません。正確に言えば無理矢理執行することも可能ですがそれはしません。理由は貴方の中に怨嗟の炎が混ざっているのと貴方自身にまだ心残りがあるから です。

まず一つ目、これはどうしようもありません。今後の貴方の行動次第でどうにかなる可能性はあるのかもしれませんが貴方のようになった存在はほとんどいませんのでわかりません。

そして二つ目ですが心残り。貴方は覚えてないであろう事だと思いますがそれはただ忘れているだけな事。己の奥底に眠っているはずです。私は貴方が自力でそれを思い出せることを信じたいです。

思い出せなければあなたは永遠ににこちらに囚われることになりかねません。時間をかけても思い出せないのであれば三途の川へ来ると良いでしょう。

その時は判決を下しますがそれでは罪を知らぬままで終わるでしょう。

それに下手をしたら………いえ、それでは意味がない。なので今回の措置を取らせていただきました。長くなってしまいましたが私が言いたいのは以上です。博麗の巫女にも言いたいことがそれなりにありますが今回は時間がないのでまた今度としましょう。小町!行きますよ!」

「はい!ただいま!」

そうして会話というよりは一方的に捲し立てられたといってもいい閻魔との会合は終わった。

「閻魔もイヤミなやつね。あれは関わらなくても面倒そうだから最悪だわ。」

と心底嫌そうな顔をしていた。

そしてエマは己のためにもここで世話になっている霊夢のためにも頑張ろうと決意を新たにした。

こうしてすぐに終わるかと思われた幻想郷での生活は始まった。

 

 

 

 

 

鳥居を抜けて少ししたところで死神が閻魔に尋ねる。

「四季様ー本当にあれを連れてかなくて良かったんですか?」

「さっき言ったように今連れていっても自覚がないからダメなのよ。小町。貴方も長く死神をやっているからわかるでしょう?それにあそこまでまで不安定だとこちらに来た時に崩れてしまってもおかしくありません。貴方も末端とはいえ是非曲直庁の一員なのだからもう少し、そう勉強をしなさい。隙間の時間に少しずつでもやれば変わるのよ。大体あなたは…………」

(また長くなりそうだなあ……)

「……ですから、小町?聞いていますか?」

 

 

 

 

 

 

 




2、3日の間に魔理沙を登場させようかと迷ったんですが個人的にこまえーきに会ってからそういうのを始めたいなと思ったので出てきませんでした。おそらく魔法の実験とかにハマってたんでしょう。
あとこの作品は永夜抄花映塚の間くらいから始まっています。
なのでこまえーきとは初対面です。
射命丸は花映塚初だと思いますが文花帖で出てるのでノーカウントな事象だと思ってます。
二次だから許して
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