なかなか更新されないときは、仕事がしんどい時期かあたらしいゲーム買ってたりする時です。
月日は流れ、春。トレセン学園も例にもれず、別れの季節がやってきた。
卒業式を終え、正門近くの桜並木を背景に後輩のチームの子たちと別れの挨拶をしている。よく並走をしていた短距離やマイルの子たちは特にかわいがっていたのもあってか、皆泣いているし私ももらい泣きしてしまった。その後、いろいろあって制服のボタンが飛ぶように無くなってしまったのは毎年の恒例ではあったが。
お別れ会もそろそろお開きといったところで、次期部長の子には、私が代々先輩から受け継いできた一冊のノートを渡す。
ノートには、いままでチームに所属してきた先輩方の戦績と後輩へ託す想いを綴った大事な物。なお、最初の方のページには元部長とトレーナーがくっついたことへの言及がすごいため私は受け継がれし呪物と呼んでいる。(同窓会を開くとみんなで顔真っ赤にしながら黒歴史を笑いあうのだ。ちなみに去年は現役部長である私が幹事をした。卒業後の人が担当となるはずなのだが、気がつくと私が担当になっていた。解せぬ)
呪物と言いながら怨念?こもったノートを手渡されひきつった顔になる次期部長だが、数ページぱらぱらとめくった後に顔つきが変わった。うん、君もそういう顔ができるようになったなら安心して次を任せられる。
ちなみに私が書いたのは、『無事之名バ』。レース生涯怪我無し、事故無し、病気無しの三拍子そろっていた私が唯一語れる話。まぁ生来の頑強な体と規則正しい生活が功を奏した結果だ。
せっかく同じチームにいた仲間たちだから、最後まで走り抜けてほしいという想い、あきらめずに前を向いてほしいという想いから書いた。少し気恥しいが、口頭でみんなに伝える。これと言った結果を残せていない先輩だけれど、部長としてみんなを引っ張っていけたかわからないけれど、前を向いて走ることだけは止めなかった。それだけは胸を張って言える、と。
その後、トレーナーもやってきてみんなで記念撮影をして解散となった。みんなが送り出してくれているのを背に感じながら正門前の桜並木をゆっくりと歩きだす。
思えば、中等部の頭から寮に入ってかなり長い年月をこのトレセン学園で過ごしてきた。
ほぼ毎日トレーニングと短期バイトをこなしながら生活をしていて、本当にあっという間だった。今日から寮は使えない。おおきな荷物の大半は後輩たちへあげたためショルダーバック一つだけ。
今からやることは就職先へ前もって挨拶に行って、就職先の寮へ来週から入るまでカプセルホテルとかで出費を控えつつ漫画喫茶とかで過ごして、あ、お世話になったバイト先の担当者とかへ電話でもいいから挨拶しなきゃ。あ、お墓掃除とお参りもしよう、お花屋さんによってそれからそれから。
そんなことを考えながら、これから始まる新生活へ不安と期待を胸に正門を抜ける。一度だけ立ち止まって振り返り、軽く頭を下げてすぐに元の方向へ歩き始める。私の、新しい夢を胸に抱いて。前を向いて歩きだすんだ。
そういえば、同期で同室だったあの子は尻尾の病気でいなくなってしまったけれど、どこに行ったのだろうか。噂では理事長の秘書見習いをやっているとか聞いたけれど。きっと儲かっているだろうし、もし再会したら美味しい御飯おごってもらわなきゃ。
―――――――――とある部屋にて――――――――――
「復帰!君が無事戻って来てくれてうれしい限りだ!」
「お騒がせしました。病気の方も無事収まりました」
「疑問!ウマ娘であることは隠すのか?」
「はい。このように日頃から帽子を被っておこうかと。尻尾がないと外部の方にいらぬ誤解を与えかねません。もう、うまく走れるわけではありませんから」
「承認!君の意思を尊重する。帽子姿も似合っているぞ」
「ありがとうございます。これからはビシバシ行きますよ!」
「感謝!・・・ほどほどによろしくたのむ」
「はい、とりあえず新しく計画が立っているあの施設についてですが」
「そ、そ、そ、それは昨今の情勢上必要なのだ~」
「予算」
「うう~」
「でも、そうですね。一つ意見を聞いていただければ予算繰りをうまく回して通してもいいですよ」
「本当か!私の承認が必要なだけの件ならすぐ動けるぞ!」
「わかりました、提案内容なのですが・・・」
・・・
「許可!!確かに早急な対応が必要だ!だが、先方はいい顔をするだろうか」
「むしろ乗り気でした。実績、経験を積むには最善かつ最適だろう、と」
「安堵!では早速始動しよう。トレセン学園ひいては生徒たちのため、これから忙しくなるぞ!」
「はい」
とある部屋、いったいどこの理事長室なんだ( ゚Д゚)
呪物()ノート迷言集
◎『恋はダービー』
○とか言っている小娘がいますが、どれだけ配慮してやったことか。
▽ねー。約3年ほどずーーーーっとうじうじうじうじして正直うざかったから無理やりトレーナー室に閉じ込めてやった我々に一生感謝しろ。
○『前をゆずってもバ群に飲まれるな』
◎アンタ差しでよく垂れてきた逃げ先行に飲まれてたね。
▽かといって大外回って突き抜けるほどの末脚はなかったもんね。これ現実。
▽『勝ちに貴賎なし』
◎うちらの中で一番連対率高いけど、斜行も何度かあったね。
○ルール違反はダメだけど、勝ちにこだわる姿は尊敬できるわ。
以下、各年度のウマ娘の気持ちがこもった一言が続きます。