おはようございます、青鹿毛ウマ娘のハヤカゼリードです!朝の外回りを終え派出所に戻ってきた私は、現在外回りの報告書作成をしている。と言っても昨今はノートPCの普及から一人一台ずつ配布されているのが一般的であり、私も配付のノートPCを用いて仕事をしている。
(えーと、本日の天気は晴れ、時刻は午前6時半からえーっと7時15分ごろで、不審者やけが人等は無し。ただ報道関係者と思われる人が何人か見受けられたため、担当者と思われる方に念のためあいさつ(声がけ)をしました。結果として、ローカルテレビの天気予報に使用する朝ロケとのこと。トレセン学園側へ許可申請及び認可を得ていない場合は、学園生を映さないよう注意喚起をした。っとそれから…)
ブラインドタッチができない私は、画面とキーボードを交互に見ながらゆっくりカタカタ打ち込む。お天気お姉さんがいなかったなぁとかお姉さん自体はきっと放送局の緑の部屋にいるんだろうなぁとか考えながら。
「おぅリード、報告書の作成?」
「あ、リオ先輩おはようございます」
「おはー」
私に声をかけてくれたすこしダウナーな雰囲気をまとった尾花栗毛の低身長ウマ娘は、チャリオットシチ―先輩。実はトレセン学園時代の一個上の世代で同じチームにいました。リオ先輩は警視庁…つまりは東京都の警察官である。(私は警察庁所属であるが)その辺どうなっているのかは下っ端の私が知る由もないので。ただ、リオ先輩には恐ろしいほどお世話になったし、特におしゃれ方面で壊滅的にセンスがなかった私が人並みになれたのはこの人のおかげで…。なぜ昔の私は英字が書いてあるTシャツが無条件でカッコいいと思っていたのかコレガワカラナイ。
「ローカルテレビの人いたんだ」
「リオ先輩も見かけたことありました?」
「まぁねー、出演したこともあるから知り合いかも。今度連絡入れてみよ」
「さすが、元トレセンのリトル・エンジェル様」
「それだすなよ~ぉ」頭ぐりぐり
「きゃ~」
リオ先輩は容姿が抜群にいいのと低身長のため、カワイイ系やゴスロリ系のファッション誌によくモデルとして出ていた。また、CMにもちょこちょこ出ていたことからローカルテレビにも付き合いがあるそうで。
「あれ、でも前にリオ先輩がめっちゃ毒はいてたのもそこだった気が」
「思い出させる悪い後輩の口はこれかぁ!」
「あびゃあごへんなさい!」
リオ先輩は、歯に衣着せぬ発言でちょくちょくテレビ界隈を騒がせていたこともあったことは記憶に新しい…。OG会でもそのあたりのことでフルスロットルだった。まぁ大体はきれいすぎる容姿への嫉妬だったり情欲だったりでまぁろくでもないことへの苛立ちが大半だからはいはいって言ってお酒を注ぐのが正解なのだ。
「はいはいリオちゃんリーちゃん、一応仕事中ですからね。メッ」
「「はい」」
「リオちゃんは報告書できたら供覧初めて、リーちゃんも別箇所とは言え同じく外回りだったのだから報告書を忘れずに」
「了解です」「あ、銀さん今の隊長の真似ちょっとはいってる?」
「あら、気が付きましたー?」
おふざけしていた私とリオ先輩をたしなめてくれたのは、葦毛のウマ娘であるシルバーゼファー先輩。シルバーって名前があるから銀さん(ちゃん)って先輩後輩問わず呼ばれている。銀さんは高身長かつぼんきゅぼんのすごい体形で大人の魅力あふれる方。あこがれちゃいます。地方トレセン学園の出でそれなりに成績を残していたみたい。ただ、地方の中でもかなり田舎の出らしく、マイペースな方なので…ちょこちょこせかしたり背中を押したり時間を教えたりしないと外回りから帰ってこなかったり…。
「報告書できましたので順番に回しますね」
「はいよーみしてー」
リオ先輩の間延びした声が聞こえたその時、ガラッと派出所の入り口扉が開いた。
「おはよう」
「「「おはようございます」」」
「外回り担当は今日の分の報告書はもうできているか」
「リーちゃんのは現在供覧中、リオちゃんは作成中です~。はいこれお茶です~」
「そうか、確認しよう。うむ、銀の入れる茶はうまいな」
「いえいえ~」
今入り口を開けてやってきたのは、鹿毛のウマ娘であるミチカケル隊長。いかにも警察官と言える真面目な方だ。もともとは若くして警部にまでなっや超エリートだそうですが、あまりにも融通が利かないことや仕事に対してストイックすぎることから上司や同僚に嫌われていたとか。口下手で少々高圧的な雰囲気をまとっていて雷が落ちるととんでもなく怖いが、部下を大切にする昔気質な方なので私はとても信頼しています。
「…よし、全員少し話を聞いてくれ」
隊長の声を聴き、私含め3人が隊長の方へ体を向ける。おそらく先ほどまで隊長が出席していた会議についてだろうか。トレセン学園と警察の協議会というか。
「現在、我々トレセン学園前派出所の主な仕事内容としては、原則日中の時間内にトレセン学園を中心とした場所を主な範囲として見回りやトラブルへの対処を行うことが主な業務内容である…ん、リー、挙手したということは何か質問か?」
「隊長、それはここに勤め始める際の着任式で警視庁と府中警察署のそれぞれトップから直々に受けた内容と同じであってますでしょうか」
「…そうだ。特にトレセン学園生および関係者については、将来及び今現在進行形で国の宝でなる人材が多い。また合わせて悪意が押し寄せてきやすい場所でもある。だからこそ警察も積極的に協力をする」
隊長はまだ熱いはずのお茶をグビッと飲み干し続ける。
「っはぁ。で、ここからが会議で出た本題だ。海外のトレセン学園…こちらのトレセン学園と何かつながりがあるわけではないが、…殺人があったらしい」
「「っ!」」
「たいちょー質問。それの話の被害者と被疑者の関係はー?」
「どうやら被害者は外部の人間、被疑者はウマ娘の生徒とのことだ。ただ、その外部の人間がいわゆるパパラッチだったらしくてな」
「あー」
「その、被疑者のウマ娘とそのウマ娘のトレーナーは相思相愛だったそうだ。キスしたところを撮られて雑誌へ掲載され明るみになった。トレーナーはもちろんクビ。ただ、ウマ娘のほうが暴走。雑誌を掲載した編集部の担当や関係者を闇夜に紛れてガッツリ頭り飛ばして…すべて即死だそうだ」
「うわ…こわ…」
「色恋絡むと本当に怖いわ~」
「そういう事件があったため、カメラを持った者及び変にサングラスや帽子、マスクなどをして人相を隠している怪しい者がいた場合は積極的に声掛けを行うこと、また声掛けを行う前に無線を入れてから動くように。というのが会議で出た内容だ。学園内の警備員と連携していくことが今後増えるだろうから注意しておくこと。また生徒に絡む輩が増えることも考えられるから今まで以上に注意を願う。わかったか」
「「「了解!」」」
色恋沙汰が事件の主原因とはいえ、パパラッチが写真を抜かなければ、雑誌がその写真を採用しなければ、トレセン学園側と連携を取って事に当たっていれば、たらればになってしまうがそうは思わずにいられない。日本でこんなことがおこらないようにしなければ。あ、そういえば。
「隊長、私の報告書に記載もあるので後で確認いただきたいのですが…」
「ん?どれ、あぁビデオカメラということはテレビ関係者だろうが…、名刺は?」
「あっ!すみません忘れてました…」
「で、場所は」
「あ~大体12分13分くらいなので北東の方面かと」
「わかった、リオ!」
「あーい、ひとまずテレビ関係者に今連絡入れますね」
「お手数おかけします!」
「まったくだ。外回りで走ることに意識を傾けすぎだ、バ鹿者」
「はい…」
「だが、声をかけたのはよくやった。もし後ろめたい意識があるのならば場所を移すだろうし、初期対応は合格だ」
「は、はい!」
「次は声をかけるときに無線を入れるのを忘れるなよ」
隊長に頭を下げて席に戻る、隣ではリオ先輩が電話をかけているし、左前では銀さんが隊長のお茶のお替りを作っている。あ、私とリオ先輩のもある。私も仕事頑張らなきゃね!
警察庁と警視庁の違いを調べて初めて知りましてへぇーってなってました。東京以外では警察署といったところでも混乱が…。
とりあえず、
警察庁=国家公務員
警視庁=東京都の地方公務員
警察署=東京以外の道府県地方公務員
といった形で整理してます。