こちらトレセン学園前派出所   作:swr

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年末年始、年度末が近づき仕事の忙しさが爆発。
更新が遅くなってごめんなさい…。



年始になれば暇ができるといったな!あれは嘘じゃ。
うわぁぁぁぁぁ(ノД`)・゜・。


CASE1”視線”
突撃!あわてんぼうのウマ娘!?


「「「おはようございまーす」」」

「おはようございます!」

 

 朝。やはり朝はすがすがしい気持ちになる。トレセン学園から多くの生徒が朝練のランニングに出かけていくのを見送りつつ、周囲を見渡す。まだ朝早い時間のため、周囲に人はまばらでありかつ大半は顔見知りになりつつある今日この頃。

 

 あ、あそこで早歩きウォーキングをしているのは近所の商店街の肉屋のおばちゃ…ごほん、姐さんだ。もともとはすごいスタイルのいいぼんきゅぼんな人だったらしいが、ボンボコボンに片足を突っ込んでいるから毎朝有酸素運動をしているのだとか。あ、おはようございます。今日もいい天気ですね。え、今度新作のメンチカツが出る?非番の日に行きます。また揚げたてお願いしますね!あ、遠目で走っている姿を拝見しましたが、少し重心が右に寄ている気がしまして…。このままだと偏っている方の足に負担が偏って痛めてしまうので。整体か整骨院でも行って骨盤調整とかおすすめですよ。少々お高いですけど。

 

 お、バットを背負ってランニングをしているのは近所の女子中学野球少女だ。前に素振りをしている所を見たときはシャープなレベルスイングが特徴的だったのを覚えている。あ、おはようございます。今度の日曜日に練習試合ですか。あ~その日は休日の担当なので…見回りのタイミングが合えば覗きに行きますね。前に拝見させていただいたときは変化球にも見事に対応されていたのを見て、成長を感じました、これからも頑張ってくださいね。

 

 おはようございまーす。八百屋さん、珍しいですねこんな時間に。ええ、朝の健康にいいとおもって?ええ、その気持ちだけならば全然いいのですが、肉屋の奥さんはあなたの視線に気が付いているので時間ずらされてますよ。もちろん私も気が付いているので…。え、奥様には黙っていてほしい?朝の楽しみ?はぁ、あなたの奥様もとっくに気が付かれてますので早く帰って弁明の成功率を上げられることをお勧めします。はい!ダッシュ!

 

…………

……

 

 「そろそろ7時半か」

 左腕につけた腕時計(Uma-SHOCK)をちらりと見て、軽く片足立ちをして足をプラプラ。そろそろ日々の仕事の一部である見回りランタイムのお時間です。トレセン学園の理事長室へご挨拶に伺ってから数日たちました。隊長にズタボロのバチボコのベンボロピエンに再矯正された私は何日か動けなくなるほどの筋肉痛が襲ってきましたが代わりに有給消化の権利を得て何とか回復。鬼が宿るってああいうことを言うんでsアッゴメンナサイセナカニサムケ。

 …フゥ。精神的にもつらかったけど、ウマ娘として一つ上のステージに上れた気はする。今はもう終わったことだからいいが、模造刀には見えない薙刀を当たらないギリギリで振るう隊長が私の背中の上に乗ったままプランクを2分×限界まで、その後、椅子を背負い隊長がそこに座り数を数える限り続くスクワット、エトセトラ…。

 

 …普通のウマ娘がやることではないのでは?

 

 「よし、そろそろ始めますか」

 とりあえず無線機を取りに戻って、今日の見回りルートを確認して、部屋にいるのは今日は隊長だから、どこを回るか報告してから…ヨシ!

 「今日も頑張ろう!」

 派出所の入り口の扉を開け一歩踏み出し、後ろ手に扉を閉めて。

 「すっすみませぇーん!おまわりさぁん!」

 む、声をかけられた気がする。その方向を向くと、トレセン学園のジャージを着た体格の良い鹿毛のウマ娘がこちらに向かって…向かって…全力疾走している?!

 「ちょっ!?」

 「たったったすけぇ!あひぃぁっ?!」

 かなりのスピード!そして何にもないはずの綺麗な歩道でお決まりのような転倒芸、そこから繰り出される力強い捨て身タックル!!ターゲットは私!!!受け止めろわたすぃー!

 「「ひゃーーー!!??」」

 

――――――――――――

―――――

―—

 

「もぅしわけありませんでしたぁ…」

 

 場所は派出所の中にある休憩所。お互いの額に絆創膏をペタリして一息ついたところ。なお、見回りはリオ先輩にお願いしました。(後日ケーキおごらなきゃですね)

 

「で、あー・・・」

 

 目のまえで椅子に座りべそべそしている、とてもいろいろと豊満なウマ娘の方へ視線を向ける。彼女は私の視線や言葉に対して敏感に反応を示しているので、かなり臆病な性格なのかな。そう思った私は、暖かくて甘いココアをその子に渡した。こういう子は慌てて飲んで、熱いとやけどしたりするから冷えたミルクを入れて温度調節をしておく。猫舌の友人からの知恵だ。受け取ってポカンとしているウマ娘に対して、

 

「ほら、のんでのんで話はそれから」

「は、はぁ…、んんぅ、甘うまですぅ~」

 

 二人してココアを飲みまったりする。目の前の子は飲む前と今では表情が全く違うので、いい感じにリラックスできてきているようだ。そのままコップの半分くらい飲んでから話題を切り出す。

 

「さて」

「は、はぃぃ」

「とりあえず、自己紹介からね。私はハヤカゼリード、このトレセン学園前派出所の一番下っ端。一応トレセン学園のOGでもあるんだ。ハヤカゼさんとかリード先輩とか好きによんで」

「だ、大先輩だったのですねぇ、そうとも知らず先ほどは大変なご無礼を・・・」

「いいっていいって。で、あなたは?」

「はぇ?」

「お名前」

「あ、あぁ!そういえばまだでしたぁ!メイショウドトウ、トレセン学園中等部ですぅ!」

「メイショウドトウさんね…中等部…と」

 

 自分の机の引き出しから、束になっている記録シートから一枚取り出してバインダーにセット。相談者の欄にメイショウドトウ、中等部と記載。効率だけ考えるのなら直接PCに打ち込んでしまった方が良いが、警察官は、特に派出所のようなところでは相手に安心感を与えるためにも親身に向き合った方が結果として早く効率が良いのだ。それにしても中等部か…ふーん、最近の子は発育がry

 

「それで、何かから逃げてくるように駆け込んできていたけれど、何かあったの?」

「ふぇ、それが、ですねぇ、えっと」

「ゆっくりでいいよ」

 

 メイショウドトウ…ドトウちゃんは、あうあう言いながらもすこしずつ話始めてくれる。

 

「あの、あのあのあの、最近どこからかよく視線を感じることが多くて…」

「視線、うーーんと、それは四六時中?」

「えっとえっと、トレセン学園のOBのハヤカゼさんならわかるかもですが、練習用のトラックで走っている時とか、朝のジョギングで外周を走っている時とか、この前はえっと、花壇の手入れをお手伝いをしていた時もしまして…」

「なるほど、見られ方はわかる?ジーッとみられている感じか、チラチラ見られてるとか」

「えとえと、結構ジーッとみられている気がします。でも…」

「でも?」

「周りを見渡して、でも私のことをジーッとみている人はいつもいなくてぇ…」

「ふむふむ、どこからみられているか誰から見られているかはわからない、と。ところで、お友達や先生、教官とかにこのことを相談したりは?」

「友達…、あ、いつも一緒にいることが多いオペラオーさんとか、アヤベさんとか、トップロードさんとか、あと同室のシャカールさんとかよく合う友人にはほとんど話しているんですけど、解決まではいかなくってぇ」

「なるほどね、大体話はわかりました。で、話は変わるんだけれど」

「ほぇ?」

 

 そういって私は、今私たちがいる派出所の入り口のほう、つまりはドトウちゃんの後ろに向けてに顔を向ける。それにつられて振り向くドトウちゃん。そこには鬼の形相をした二人のウマ娘が!

 

「ひ、ひぇぁ~?!」ガシャーン

 

ドトウちゃん、そんな漫才のように転がらなくてもいいのよ?

 

――――――――――――

―――――

―—

 

「ご迷惑をおかけしました」「迷惑かけた」

「あははは、気になくていいんだって。そういった相談に乗ることが一番の仕事なんだからさ」

 

 私に対して頭を下げていたのは、真面目でクールな印象のウマ娘アドマイヤベガと、高身長かつギザ歯で強気な印象のウマ娘エアシャカールとのこと。先ほど

 

「まったく、こいつは。最近変な視線を感じるからって、トレーニングとかに付き合ってるのによォ、急にフルスロットルで走りだされちゃ止めるに止められねぇっつの」グリグリ

「まったくよ、少しは私たちに事を信用してくれてもいいんじゃないかしら」ブニブニ

「はひぃぇ、返す言葉もございまふぇん」

 

二人ともドトウちゃんと仲がいいことが伝わってくる、結構遠慮なしに頭をグリグリほっぺをブニブニしてるし…というよりどちらも面倒見がいい感じなのかな。ドトウちゃんはここまで私が見ただけでもおっちょこちょいであわてんぼうなトラブルメーカーだとなんとなくわかるし。あ、そういえばまだ解決はしていないから経過観察っと記録シートへまとめる。

 

「一応連絡先を聞いておいてもいいかな。電話番号、メール、LANEでもいいよ」

「あ。はいぃお願いしますぅ」

「構いません。一応電話番号とLANEをお教えします」

「俺はLANEでお願いするぜ。思っていたより話しやすいし、なんかあったときに相談するかもしれないしな」

 

 3人と連絡先を交換する。一応仕事用の配付スマホである旨伝える。まぁ一応支給品だから、24時間いつでも緊急対応が必要な時に取れるようにするためであって喜べないのだけれど。

 

「ふふ、仲がいいようでなにより。さて、友人が来てくれたから今日のところはこれにて解散ってことでいいかな?」

「あ、はぃい!ご迷惑をおかけしましたぁ!」

「あらためて、ご迷惑をおかけしました。次は無いように首輪でもつけようかしら」

「なんだかんだドトウはパワーあるからあぶねぇぞ。GPS発信機でも取り付けておくか、ドトウのスマホに位置情報アプリでも入れておいた方がましだぜ、と。んじゃ次がないように気を付けるわ、リードさん」

「はい、気を付けて…時間も気を付けてね」

「ふぇ?」「え?」「あ?」

 

三者三様で時間を確認する。時刻は8時15分。

 

「やっべぇ!おい、早く寮戻って着替えんぞ!」

「ふぇぇーーー!ま、まってくださーい!」

「もしもしカレンさん?急で申し訳ないのだけれど…」

 

ばたばたと慌てて駆け出していく。3人の背中を見守りつつ見えなくなったあたりで、自分の机に視線を戻し手元のバインダーを見直す。今回の相談について整理する。

 

1 ドトウちゃんが何者かの視線を感じている。

2 トレセン学園の内部、または周辺で視線をよく感じる。

3 見られている気はするのだが、誰に見られているのかわからない。

4 友人にも悩みは共有していて、お互いに気を付けているが進展はない。

 

(ふむ…、とりあえず派出所内での共有が先かな。話を聞いている限り、あんまり目立ちたくはないだろうから方向性があやふやなまま学園に共有してしまうと、最悪犯人がいなくなってほとぼりが冷めたころに再度…なんてこともあるだろうし)

 

派出所所属のウマ娘の中で賢さが低めな自分がうんうん悩んでいても、これと言って進展がないことは明確。頭の中を整理することも兼ねて、ひとまず報告書をPCに打ち込む作業を始めることにしたのであった。




かなり長い期間が開いてしまいもしわけなさと共に残業時間が変わらない日々に…ポイズン。
もし見てくれている方がいるのであれば、ゆっくり見ていてくれれば。
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