闇より出でし英雄   作:火取閃光

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オリジナルキャラ登場



少年の行方

 ハートレスになって多分3年。正確な日数は分からないが、心を求めて文字通り世界を渡り歩いた。なんか自分は、ハートレスの中でも弱いらしい。

 

 最初は本能のまま襲い掛かり、吹っ飛ばされて、消えて、蘇り、吹っ飛ばされてを繰り返した。この身体特有なのか今でも、心を求める衝動はあるが昔ほどでは無い。

 

 と言うか僕達ピュアブラッドのハートレスは、基本的に知能が低いらしい。その為、僕の様に偶に人助けをするハートレスは居ないらしい。

 

 とまぁ、そんなこんなでハートレス生? を行なっていたある日、僕達の天敵に出会った。

 

 彼の持つ馬鹿でかい鍵の形をした武器:キーブレードを見た瞬間、一瞬にして理性が飛んだ。

 

 アレは天敵。

 

 アレは倒さなくてはならない。

 

 本能に支配されるまま、鍵使いである彼に襲い掛かり返り討ちにあった。そして、僕はその場で人の姿に戻った。そう。その場で、だ。

 

 本来ハートレスは、キーブレードによって倒されれば魂が解放されて、ハートレスに堕ちた場所で復活を遂げるらしい。キーブレードマスターである彼:ユーシスが言うにはそれが普通らしい。

 

 しかし、ハートレスから解放される際に持ち主の肉体が近くにあれば、例外的にその場で蘇る事が過去にあったそうだ。

 

「と言うか緑谷くん、ハートレスになって理性を保っているだけ異常だからね? 本来と言うか……ハートレスを超える闇の力を持っているならまだ納得が出来る。

 

 でも、緑谷くんは強大な闇の力どころか、君からは光の輝きが感じられる。いや、闇の力も感じる、か……? これは……」

 

「あ、あのー?」

 

「っ!? あぁ、いや、すまない。色々ビックリする事だらけで、考えに耽ってしまった」

 

「それで、ユーシスさん、僕は……?」

 

「あぁ、その事なんだけど……どうやら君は、何らかの影響で肉体が変質してハートレスになっていた、みたいだ……。仮説の領域であるけど、そうとしか考えられない。身に覚えは無いかい?」

 

「肉体が、変質っ……?」

 

 何となく覚えがあった。3年前、目の前のハートレスと握手した時、僕の身体はハートレスになったのだ。

 

 多分、本当ならこのタイミングで、肉体が消滅しなければならなかったのだろう。しかし、そうならなかったが、それが異常だと指摘する人も当時は居なかった。

 

「そうだ。通常、ハートレスになると肉体が消滅して、魂が闇の力に染まり、心を追い求めるハートレスと言う存在が生まれる、と考えられるが……本当の所はイマイチ分からないんだ。

 

 更に心の強い持ち主がハートレス化すると、稀に消滅する筈の肉体が消滅せず、ノーバディと言う意思を持つ別の存在になるらしい。

 

 そして、ノーバディがいる場合は、ハートレスとノーバディの2つを倒さない限り元の姿には戻れない事は確かだ」

 

「でも、僕の身体は、そのノーバディにはなっていない……?」

 

「そうだ。普通なら、それだけ強い心の持ち主である緑谷くんの身体は、ノーバディになってもおかしく無い。

 

 それなのにノーバディ化せず、ハートレス化してから復活を遂げている。本来、ハートレスからの解放は死を意味するからね。

 

 復活している時点で、君の肉体がノーバディ化していないのは、何らかの影響を受けていたとしか考えられないんだ」

 

「そう言われても……。僕は無個性ですし……」

 

 死を意味すると言われて少しドキッとした。しかし、ハートレス化していた影響か、直ぐに落ち着きを取り戻し質問する。

 

「ちょっと待って。無個性?」

 

「え? あ、はい。僕の故郷……と言うか僕の出身世界? では、個性と言う超常能力が当たり前の様にある世界、でした……。

 

 その世界で、僕は無個性と呼ばれる能力を持たずに生まれた障害者です。一応、これがきっかけでハートレスになりました……」

 

「そうか、なるほど……。緑谷くん、確認するよ? 君の世界では、個性と呼ばれる能力を持った人々は、どれだけ居たのかな?」

 

「えーっと……確か、人口の8割以上だったと思います。僕の様な無個性は少数派で、居たとしても大半が高齢者だったと思います……。それ、がっ……?」

 

「いや、それを聞いて確信した。仮説になるが、君は個性を持ってい」

 

「嘘だっ!!」

 

 僕はユーシスの言葉を遮って大声で叫ぶ。

 

 ユーシスの言葉は今更信じられるものでもなかった。

 

「いや、すまない……。浅慮だった」

 

「っ!? ……いえ、僕の方こそ、大声を上げて、すみません……」

 

「あぁ、君が謝る事はないよ。取り敢えず納得するかは別として、私の仮説を聞いて欲しい。良いかい?」

 

「っ!? はい……」

 

 深呼吸する。

 

 本当は聞きたくない話だけど、自分の身に起きた事が何であったのか、仮説でも興味があった。

 

「私の仮説は、君に個性があると言う事だ。正直、私は個性学者では無いから、何の根拠も無い予想程度のものだ。

 

 しかし、それであれば納得出来る事がある。さっきも言ったが、ハートレス化すれば肉体が消滅するか、肉体がノーバディになるかの二つしか無い。

 

 確かにハートレスは謎が多い存在だ。特にピュアブラッドともなれば尚の事だ。しかし、それでも過去にそれ等以外の事例は無かった。

 

 君が特別な人間、或いは特殊な生まれをしていて、普通とは違うって言うなら話は別だけどね?」

 

「は、はい……僕は、無個性ってだけで、あとは普通、だと思います……」

 

「うん。私も君だけが特例だとは考えていない。そうなれば、君の世界全体での特殊性が影響していると考えている」

 

「それが、個性……ですか……?」

 

「そうだ。時に君は、私の事をどう見える?」

 

「えっ? 僕と同じ人間、ですよね……?」

 

 ユーシスは、長身で筋肉質な青年だ。多分20歳前後だと思われる。赤い短髪の男性で、右手には青いディスクシリンダーの様な大きな鍵を所持している。

 

「正解であって不正解でもあるよ」

 

「? どう言う事っ……?」

 

 キョトンと首を傾げている僕を見て、彼は苦笑しながら説明を続けた。

 

「それは簡単さ。私の出身世界には、個性と言う超常能力は無いって事さ。だから、例え見た目が似ていても、身体構造が似ていても、あくまで似ている人種って事さ。

 

 まぁ、ホモサピエンスAとホモサピエンスBくらいの差だと思ってもらえれば、何となく理解出来ると思うよ。

 

 この世界……と言うか全ての異世界に住む全ての人は、何処かしらで何か違う人種なんだ。つまり、みんなホモサピエンスに見えてもAだったり、Eだったり若干違う。

 

 しかし、例えそうだったとしてもハートレス化した時に起こる現象は、さっき言った二つに分かられるんだ」

 

「つまり、僕の世界が例外的に特殊では無い限り、どちらかの現象しか起きない、と……?」

 

「その通り。しかし、君は現に三つ目の現象を引き起こした。つまり、何らかの原因が無ければ、おかしいんだ。そして、それが」

 

「個性……?」

 

「その通り。それも、周囲や本人ですら死んでも気が付く事が出来無い、超特殊な条件下でしか発動出来ない個性だとしたら?」

 

「まさか……」

 

 あり得ないと断言出来れば良かったが、個性は通常4歳までに発現する事が多い。そして、多いと言うだけで過去に特殊な条件下で発現した事もあった。

 

 例えばパワー系個性なら、あまりにも超パワーで使えば身体が壊れかねない為、無意識に身体が壊れない年齢まで発現しなかった事である。

 

「正直、個性と言う能力を聞いた時、私は君の世界ではそう言う進化を遂げた人類なんだと思ったよ。

 

 緑谷くん、個性と言う能力は、身体能力や体質って認識で良いんだよね?」

 

「そ、その筈、です……」

 

「やっぱり、そうか……」

 

「で、でもっ……!? その仮説には根拠が不十分過ぎますっ……!!」

 

「そうだろうね。仮説なんてそんなものさ。だけど、現状そうとしか説明出来ないのもまた事実だよ。

 

 現状の情報から名前を付けるとしたら……ハートレス化に適応出来る個性って感じかな? まぁ、ハートレスに成らなければ一生分からない能力だね」

 

「……」

 

 実際に、ハートレスになってから初めて分かった自身の異常。

 

 僕は、ユーシスの意見を否定出来る根拠が見当たらなかった。

 

「それで、君はどうしたい?」

 

「えっ?」

 

 不意に顔を覗き込まれた僕は、彼と目があった。

 

 彼の目は、何と言うか僕個人を見てくれる目だった。僕が無個性とか、障害者とか関係無く、一個人を対等に見る目をしていた。

 

「君には個性があった。なら、もうこんな所に居る意味は無いだろ? 故郷にはきっと君の帰りを待つ人達がいると思う。ご両親とかね。

 

 君が故郷に帰りたいと言うなら、私が協力しよう。何とかして、君を故郷へ送って行くさ」

 

「……僕は、僕は……償いがしたい」

 

 これが悩みに悩んで出た結論だ。

 

「償い?」

 

「僕は、ハートレスになって多くの人達を襲ってきました……。結果的に誰一人としてハートレスに出来なかったけど、襲った事実は変わりありません。

 

 だから、ユーシスさん、僕に償う機会を下さい! お願いします!」

 

「ハートレスになってしまった者は、心を求めて人を襲ってしまうものだ……。だから、君が罪の意識に囚われる事はないよ」

 

「それでもっ! 僕は、僕自身を許せないんですっ……!! お願いします!」

 

 これでも、かつてはヒーローを目指していた身だ。

 

 いろいろな事が起こり、自暴自棄になっていたからと言って、それが人を襲って良い理屈にはならない。

 

 もしかしたら、故郷で待つ両親に会うのが怖いのかも知れない。3年も行方を知らせずに、暴れ回った。そんな僕を見捨てているかもしれない。

 

 両親は決してそんな人達では無い、と分かっていても頭のどこかでそう言う未来を想像した。

 

「……分かったよ。今日から君は私の弟子だ。君が、自分を許せる時が来るまで面倒を見よう。よろしく頼む、出久」

 

「っ!? はいっ!!」

 

 僕はユーシスの弟子として、自身の罪を償う旅に出た。




取り敢えず
・復讐→敵ルート(BAD END)
・罪滅ぼし→英雄ルート(GOOD END) と考えて
タイトル
闇(ハートレス)より出でし英雄(ヒーロー)から
GOOD ENDルートを選びました

正直迷った
正直、復讐ルートも読みたい…

あ、あと
ヒロアカif次元として
主人公:出久が無個性じゃなかったとすれば
原作というある種の黄金率から逃れられると思った…
だってそうすれば原作崩壊、まっしぐらだしね

更に個人的には無個性なんて存在せず
オールマイトは、自身が持つ個性のデメリットを消す個性
みたいな意味不明個性の持ち主だと思っている

根拠は無い
ただの妄想
でも、そうじゃなきゃOFAが強過ぎだし
歴代の個性が使えるとしても、デメリットほとんど無しの描写が気になってしょうがない…

個性所持者の寿命問題も
詳しくは知らないからアレだけど…
複数所持が許容量を超えるなら
一つも持てなかった或いは
一つの個性すら許容出来なかった無個性が、
複数個性を容量越えずに所持するのはどうなん? って思った

確かにOFAは一つの個性で複数種類の能力かも知れない
もしオールマイトが無個性だと仮定すると
出久だけが複数種類使える事が説明出来ない

個性=エネルギーなら
オールマイトが引き継いだ時のエネルギー量

出久が引き継いだ時のエネルギー量に差は無い筈…

もしも、二人にそれぞれ意味不明個性が有れば
話は違っていたと思った

まあ、ただの根拠の無い妄想
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