闇より出でし英雄   作:火取閃光

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鍵が導く心のままに

「……マスター、お別れを告げに参りました」

 

 僕の目の前にあるのは、四年間お世話になったマスター・ユーシスの墓だ。彼は、三年前にマスター・ゼアノートによって殺された。

 

 僕は、今でも自分の無力さに強い後悔の念を抱いていた。

 

 何故なら、マスターが死んだのは、ゼアノートから僕を逃す為だ。

 

 僕がゼアノートに狙われたのは、僕の特異性によるものが大きい。

 

 僕の個性は、マスターが仮説で言ったハートレス化に適応する個性だと思われていた。しかし、それは修業を経て行くうちに誤りだと気が付いた。

 

 僕の本当の個性は、自身の内に宿る異能力へ適応する個性だ。

 

 これは、まだハッキリと断定出来た訳ではないが、恐らくは個性を与えられた場合、拒絶反応無しに受け入れて適応する可能性がある。

 

 そして同時に、マスターが初めて言った超特殊な条件下において発動する個性で、異能力を受け入れない限り気が付かない個性でもあった。

 

 ゼアノートは、何処で知り得たのか不明だが僕の個性に目を付けた。

 

 僕は、マスターからキーブレードを継承した事によって、闇に堕ちる事なく闇の力を使用出来る稀有な存在になった。

 

 それが成長と共に僕の力として、キーブレードに現れた。

 

 "許されし罪禍,,と"託された希望,,

 

 僕の個性と相まって、常時二本のキーブレードを保持することが出来るようになっていた。

 

 許されし罪禍と言うキーブレードは、闇の力を具現化した様な武器で、僕がハートレスとして人々を襲った過去の象徴とも呼べる物だ。

 

 託された希望と言うキーブレードは、光の力を具現化した様な武器で、死んでしまったマスターのキーブレードに触れた事で託された未来の象徴とも呼べるものだ。

 

 通常、闇の力と光の力は表裏一体の力だ。

 

 光の力が強ければ、闇の力は弱まり、闇の力が強ければ、光の力は弱まる。そう言う力の関係がある。

 

 しかし、そんな力関係を覆す存在が現れた。

 

 それが、緑谷出久と言う存在だった。

 

 ゼアノートの目には、僕と言う存在はある種のχブレードに最も近い存在だと映った。

 

 全てのキーブレードの元になった伝説のχブレード。ゼアノートは、それを手に入れる為に用意周到で計画を練ってきた。

 

 そんな時に現れたのが、光と闇を共存させる僕と言う特異性。もしも、計画が失敗した時の保険としては、僕と言う存在があまりにも魅力的に映ったそうだ。

 

 そして、ゼアノートは僕を襲い、マスターが時間を稼いでくれた。

 

「マスター……貴方の仇・ゼアノートは、僕達が倒しました。先日、僕やソラ、ドナルド、グーフィを始め、貴方の兄弟弟子であったテラやアクア、ヴェントゥス達の協力があって、敵討が出来ました。

 

 まあ、ゼアノートは、マスター・エラクゥスと一緒に仲直りしたみたいで、笑顔で成仏していきましたよ。マスターも安心して下さい」

 

 あの日、人生の理不尽に絶望して、自暴自棄になりハートレスとなって世界を出てから、凡そ十年が経過した。

 

 キーブレードマスターの弟子になってから、生傷が絶えない日々が続いたが、マスターとの日々は充実した毎日だった。

 

 だからこそ、マスターを失った時は怒りで我を忘れてしまった。そして、ゼアノートへの復讐のために強くなる途中で、ソラやリク達に出会った。

 

 彼等の真剣にぶつかり合い、その果てに心を触れ合った。そして、共に旅をしてかけがいの無い仲間達と出会えた。その点においてだけは、マスター・ゼアノートにも感謝している。

 

 そして、今日、僕はこの世界から旅立つ決意を決めた。

 

「イズク。もう良いのか?」

 

「うん。リク、カイリ、待っていてくれてありがとう」

 

「ううん。お師匠様とのお別れだもん。もしかしたら、もう帰って来れないかもしれないしね……」

 

「ありがとう。でも、良いんだ。いつまでも、ウジウジしていたら、天国に居るマスターから蹴りが飛んで来そうだしね!」

 

「フッ。そうか」

 

「マスターは、見た目以上に喧嘩っ早いからね」

 

「分かった。俺も蹴られたく無いから、早く行こうか」

 

「そうだね。それにしても、僕の出身世界が虚構の世界にあって、行方不明のソラもそっちに居るなんて……。不思議な縁だな……」

 

「ああ、そうだな。だが、手掛かりの無かった俺達には有り難かった」

 

「でも、本当にごめんなさい……」

 

「謝らないで。本来、虚構の世界とこっちの世界は表裏一体。干渉できない筈同士の世界を干渉させる為に、虚構の世界出身の僕が扉を開く。

 

 そして、ソラを回収してからこっちの世界で君達が、虚構の世界で僕が同時に鍵を閉める事で世界のバランスを元に戻す。

 

 元々、僕は虚構の世界にある数多の異世界出身なんだ。別れは悲しいけど、僕はもう一人なんかじゃ無い。そうだろ? 二人とも」

 

「っ!? あぁっ!」

 

「勿論だよっ!」

 

「なら、良いよ。それにほら昔から言うじゃん。鍵が導く心のままにって。キーブレードを持っているんだ。なら、僕達は何処かでまた出会えるよ」

 

「そうね……」

 

「そうだな……」

 

「なら、湿っぽい話は終わりっ! ほら、ソラを助けに行こうっ!!」

 

 




多分、と言うか予定では
5話完結にしたい…

たがら、次の話しで完結に出来ればな…
あまり長くても読者もダルくなるから
短くコンパクトにまとめて
誰かが勝手に書いてくれる三次創作に賭けるよ。

あぁ…キングダムハーツの創作、もっと読みたい…
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