才能溢れるスーパー最強ぼっちちゃん!!! 作:やみーさん
──あ、私音楽の才能ないんだ。
そう気付いたのはいつからだろう。
必死に練習した曲が一月たっても弾けなかったとき? 勇気を出してネットにギターを弾いてる動画をあげたらコメントどころか2回再生で終わったとき? 頑張って動画をあげ続けても、10再生がやっとだと分かったとき?
始まりはいつだかは知らない。始めはぼっちの私が輝けるなにかを探して、人気者になりたくて手を出した。
無理だった。手が痛くて、リズムも取れなくて、手の動きが掴めなくて。
日々の練習に嫌気が差して別の物に少し手を出してみた。プログラミングとか、ブログとか、イラストとか小説とか──ぼっちの私でも出来て、皆に見せたら褒められると思ったことを手当たり次第にやってみた。
おかしいな、って思うのはすぐだった。やけにスムーズに出来るようになった。結果が出た。
プログラミングはコンペで優勝出来る程に上達してた。ブログは月間1万PVが付いていた。初めて投稿したイラストはいいねが1000いった。小説は、小さな賞だけど引っかかっていた。
──何もなかったのはギターだけだった。
投稿しても投稿しても見てくれる人はいなかった。練習しても動画で見たみたいに弾けるようにならなかった。
だけど、なによりもどうしようもなかったのが、私はギターが、音楽が大好きになってしまっていたことだった。
芽が出なくてもギターを弾いた。動画をあげた。ブログの収益とプログラミングの依頼でお金はあったから、いろんな本を買ってギターの勉強をした。毎日毎日人気のバンドの曲を聞いた。
練習した。来る日も来る日も練習してた。
無駄なのは分かってた。ふたりにも、『お姉ちゃんうるさーい……』って言われていたし……。両親が、他の物で実績をあげていることを知っていたからなにも言わなかったのだけは救いだった。
そして、ある日動画に1つだけコメントが付いた。
『大好きです!』
それが最後の一押しになった。ある意味、なってしまった。
嬉しくて嬉しくて毎日コメントを見返したし、これまで以上に練習もいっぱいした。ある程度やることを削った。
お金が入るのだけ続けた。ブログとか、プログラミングとかそこらへんだ。イラストは時間の割に収益が低かったから止めた。
そして、そんな生活を続けて何年か……。私は公園のブランコで揺られていた。ギターは『あー、まぁ……普通?』って言われるのではというくらいには弾けるようになっていた。……多分。
「……上手くなりたいなぁ」
『人気者になりたい』という思いは、『ギターで人気者になりたい』に変わっていた。
ギターを見て話し掛けてくれる人と友達になりたい。そういう話をしてみたい。普通くらいには弾けるはずだから、あわよくば演奏を聴いて褒めて欲しい。
そんな思いに揺られながら、ブランコと戯れていると──、
「あっ……──ギターーー!!!!!」
──そして突然響いたその声が、私の。後藤ひとりの人生を変える大きなターニングポイントだった。
音楽以外の才能が上限突破してて、ギターと音楽が大大大好きな、だけどやっぱりコミュ障のぼっちちゃん概念です。
続くかは不明。