時間を大幅に飛ばしますが、炭治郎を鬼退治の旅に出発させます
それと中盤に上弦の鬼のあの人を出します
朝、鳥達の鳴き声で目が覚めた・・・
炭治郎
「う~ん・・・おはようございます・・・」
彦十郎
「外に井戸が有るから、顔を洗ってくると良い」
炭治郎
「分かりました」
パシャパシャ
炭治郎
「冷た!!もう冬だもんな・・・早く帰って炭作らないとなぁ」
彦十郎
「朝餉の用意が出来ているから食べなさい」
炭治郎
「いただきます」
彦十郎
「それで、何か聞きたい事は有るか?」
炭治郎
「沢山ありますよ。鬼の事とか、秋月流剣術の事とか」
彦十郎
「細かい事は省略するが、秋月流剣術の起源は戦国時代の前半の時代だ」
「当時、鬼は既に存在していた。鬼の存在は公にはなっておらず、人が食べられて居なくなる事は神隠しだと思われていた」
「だが、当時一人の剣士が鬼の始祖を追っていた・・・継国縁壱と言う始まりの呼吸を使う日の呼吸の使い手だ」
「縁壱は、あと一歩の所まで鬼の始祖を追い詰めたが・・・実の兄が鬼になり縁壱の前に現れた」
「そのせいで、鬼の始祖は上手く逃げて今の時代まで生き残っているんだ」
「秋月流剣術の使い手は、その当時・・・町で小さい道場を開いていた秋月三左衛門というお侍さんだ」
「三左衛門は、一度見た技を自分のモノにできる特異な才能を持っていた・・・その才能を生かし、自分の流派を作り出した」
「だが、その秋月流には技が1つしか無かった・・・その事に悩んでいる時、三左衛門は縁壱と出会った」
「縁壱は、その日泊まれる場所を探していた・・・たまたま見つけた道場を訪ねると、三左衛門が自分の流派の技を編み出そうとしている所だった」
「三左衛門の見事な太刀筋を見た縁壱は、興味が湧き・・・三左衛門と縁壱は心を許せる唯一の友になった」
「それから暫く時が経ち・・・縁壱は、三左衛門の技の開発に協力する事になった・・・」
「縁壱は、自分の呼吸剣術を三左衛門に見せた・・・一度見た三左衛門は、縁壱の剣技を全て模倣する事に成功した」
「だが、問題は日の呼吸が使えなかった・・・三左衛門には、呼吸剣術の才能が無かったのだ」
「その事を知った三左衛門は、日の呼吸の剣技と他の流派の剣技を繋ぎ合わせて新しい型を作る事を思いついた」
「思い立ったが吉日が性分の三左衛門は、諸国の剣術道場で教えを乞う事を決意し・・・長い旅に出た」
「三左衛門を見送った縁壱は、鬼の始祖を追う旅に出た・・・途中、炭焼き小屋の竈門家の家に暫くお世話になっていたそうだ」
炭治郎
「・・・炭焼き小屋の竈門家って俺の家だと思います。俺の名前が竈門炭治郎と言うので」
彦十郎
「竈門家の末裔・・・お主の家には昔から代々伝わっているものは何か無いか?」
炭治郎
「ヒノカミ神楽とこの耳飾りが代々受け継がれています。この耳飾りと神楽だけは絶やさず受け継いで行って欲しい・・・ヒノカミ様との約束だと父さんから聞いています」
彦十郎
「・・・これは運命かもしれんな・・・炭治郎と言ったな。今からお主の家に行くぞ」
「少し調べたい事が有る」
炭治郎
「?分かりました」
炭治郎
「ココがウチの炭焼き小屋です」
彦十郎
「秋月流派の当主に代々伝わる文献に書かれている家に似ている・・・」
炭治郎
「そんな文献が有るんですか?」
彦十郎
「秋月家に代々受け継がれているモノじゃ。ワシの真名は、秋月彦十郎・・・第9代秋月家の正式な当主じゃ。今まで日の呼吸は使い手が居らず衰退してしまったと思っておったが・・・この出会いは歴史を変える出会いじゃ」
炭治郎
「彦十郎さん、どうかしましたか?
彦十郎
「炭治郎・・・お主達竈門家は鬼の始祖に狙われている可能性が有る・・・鬼の始祖、鬼舞辻無惨は・・・日の呼吸を異常に恐れている」
「もし、日の呼吸の使い手が居たと知れば真っ先に殺しに来る筈じゃ」
炭治郎
「殺しに来るってそんな⁉」
彦十郎
「この文献には、鬼殺隊という組織の事も書いてある・・・縁壱を追放した禄でも無い組織とデカデカと書かれているがな」
「この文献には、日の呼吸は鬼舞辻無惨に唯一致命傷を与えられる事が出来る呼吸剣術とも書いてある」
「炭治郎・・・お主には秋月流を正式に継承してもらいたい」
「日の呼吸と秋月流剣術は、最終的に2つが合わさる事で真の秋月流剣術が完成する。開祖の三左衛門が成し得なかった偉業を炭治郎に引き継いでもらいたいんじゃ」
炭治郎
「なんだか壮大すぎて頭が一杯一杯で・・・」
彦十郎
「決めるのは今でなくて良い・・・じゃが、猶予はそこまでは無いじゃろう・・・早めに決めて貰えるかの」
炭治郎
「分かりました」
禰豆子
「お母さん、お兄ちゃん帰って来たよ~」
葵枝
「あらあら・・・お夕飯の用意をしないと」
炭治郎
「母さん、禰豆子、ただいま。今日はお世話になった彦十郎を連れて来たんだ」
「お礼にお持て成ししたいから、夕飯の準備は俺がやるよ」
葵枝
「ならお願いするわね。彦十郎さん、息子がお世話になりました」
彦十郎
「当然のことをしただけですので。コチラにご主人はいらっしゃいますか?」
葵枝
「炭十郎さんなら縁側に居ますよ。お茶を淹れますので上がってください」
彦十郎
「お邪魔します」
葵枝
「炭十郎さん、お客様ですよ」
炭十郎
「こんな山奥にお客人とは珍しいね」
彦十郎
「お初にお目にかかります。私は、秋月彦十郎と申します」
「本日は、竈門家に伝わるヒノカミ神楽の事でお聞きしたい事が有ります」
炭十郎
「何か重要な事のようですね。ココは寒いので中に入りましょう」
葵枝
「お茶をどうぞ」
彦十郎
「ありがたく頂きます」
炭十郎
「それで、ヒノカミ神楽の事で聞きたい事が有ると言っていましたね」
彦十郎
「はい。この文献をご覧ください」
「この部分に、炭売りの竈門家に日の呼吸を託したと書かれています」
「この日の呼吸は、ヒノカミ神楽として竈門家に受け継がれてきた可能性が有ります。もし宜しければ実際にヒノカミ神楽を見せていただくことは出来ませんか?」
炭十郎
「ヒノカミ神楽をですか・・・明日の日没後に山の神々に無病息災を祈りながらヒノカミ神楽を奉納します。その時で宜しければ構いませんよ」
彦十郎
「ありがとうございます」
葵枝
「でも、何故ヒノカミ神楽をご覧になりたいのですか?」
彦十郎は、炭治郎に話したことを炭十郎と葵枝に話した・・・
炭十郎
「ヒノカミ様にそのような事が有ったとは・・・」
葵枝
「その秋月流の剣術を炭治郎が継承すると如何なるんですか?」
彦十郎
「詳細な事は分かりません。ですが、日の呼吸の使い手が秋月流の剣術を使うと、どのような強敵が現れようとも無類の強さをもたらすと伝わっています」
炭十郎
「私は、出来れば炭治郎には危険な橋を渡る人生を選ばせたくないと考えています。ですが、炭治郎自身が剣の道を選ぶのなら止めません」
葵枝
「炭治郎は、いつも家族の事を考えて自分のやりたい事やワガママを言わない子です・・・もし炭治郎が自分の意志で選ぶのなら私も止めません」
彦十郎
「お2人のお気持ちは良く分かりました。今晩、炭治郎にもう一度聞いてみましょう」
「その時に断られても私は何も言いません。炭治郎の人生ですから」
炭治郎
「夕ご飯が出来たよ。今日は、炊き込みご飯と山菜鍋にしたよ」
炭十郎
「では、頂くとしよう。彦十郎さん、今日は泊まっていってください」
彦十郎
「では、お言葉に甘えて」
その日の夜・・・
彦十郎
「炭治郎、気持ちは決まったか?」
炭治郎
「彦十郎さん・・・俺は今の生活を捨てるつもりはありません。でも、日の呼吸の剣士が使う秋月流剣術の本当の技がどんなモノなのか気になっています」
「なので、少しだけ学んでみたいです」
炭十郎
「炭治郎、お前の人生はお前だけのモノだ。後悔の無いように生きなさい」
葵枝
「私達はいつも炭治郎の事を応援していますからね」
炭治郎
「父さん、母さん・・・ありがとう」
「それじゃあ夜も遅いし、明日の炭を作らないと」
彦十郎
「鍛錬の説明は明日教えるとしよう」
???
「夜分遅くに申し訳ありません。お遍路の旅をしているのですが、出来れば一晩泊めて頂けませんか?」
炭十郎
「こんな山奥にお遍路の旅人が来る事は無いはずだが・・・」
彦十郎
「この気配・・・人ではないな。炭治郎、家族を皆連れて奥の座敷に隠れていなさい」
炭治郎
「は、はい!」
彦十郎
「申し訳ありませんが、お客人用の部屋が有りません。何処か他所を当たってください」
???
「そうですか・・・なら、目的を果たさせてもらおう」
扉の向こうから腕のようなモノが侵入してきた・・・
彦十郎
「やはり人ではないか!!秋月流・・・守式参の型・・・旋風」
彦十郎は、守りの型の技を繰り出して腕のようなモノを細切れにした・・・
???
「腕が焼けるように痛むだと⁉日の呼吸ではないのに何故だ⁉」
彦十郎
「秋月流・・・特式壱の型・・・龍の舞」
???
「この技は・・・忌々しい日の呼吸に似ている!!」
「日の呼吸を使い手はこの世から消し去ってやる!!」
彦十郎
「流石は鬼の始祖・・・鬼舞辻無惨だな。日の呼吸の剣技を組み込んだ技だけでは致命傷は与えられんか」
「だが、日の呼吸の適性が無くても鬼舞辻に一矢報いる為の型がある・・・秋月流・・・特式陸の型・・・鳳凰演舞!」
鬼舞辻
「この焼けるような痛みは忌々しい縁壱と同じ⁉」
彦十郎
「少しは効いたようだな。もう一太刀貰っておけ!」
「秋月流・・・特式捌の型・・・天翔ける龍の咢!」
鬼舞辻
「グァアア!!このままでは体がダメージに耐えられん!!」
「鳴女!今すぐに扉を繋げろ!!」
べベンッ!!
鬼舞辻
「覚えておけ・・・必ず日の呼吸の使い手はこの世から一人残らず消してやる!」
鬼舞辻無惨は、後ろに現れた襖に逃げるように入っていった・・・
彦十郎
「鬼舞辻が弱っている状態で助かった。本調子の鬼舞辻だったらワシ一人では対処できなかったな」
「もう出て来ても大丈夫だ」
炭治郎
「今のが鬼の始祖ですか?」
彦十郎
「平安時代ごろから生きていると言われている鬼舞辻無惨だ。無作為に鬼を生み出し、人々を苦しめる元凶でもある」
炭十郎
「今のがヒノカミ様が最後まで倒せなかった鬼・・・」
彦十郎
「この場所が知られてしまった以上、ココに居続けるのは危険だ。ひとまず秋月家の屋敷まで案内する」
「そこで今後の事を話し合おう」
葵枝
「子供達も連れて行かないと・・・」
彦十郎
「子供が歩いて行くのは少し離れた場所にある故、迎えを来させよう」
彦十郎は指笛を吹いた・・・
ピュイ~!!
指笛を吹くと、ハヤブサが飛んで来た・・・
炭治郎
「ハヤブサですか?」
彦十郎
「秋月家の離れた場所から連絡を取る時の伝令手段だ。伝書鳩よりも早く連絡が取れる・・・これで1日も有れば迎えが来る筈だ」
ハヤブサは、大きな翼を羽ばたかせて飛んでいった・・・
炭十郎
「では、急いで荷造りをしよう」
炭治郎
「代々住み続けた家を離れるなんて考えてなかったな・・・」
葵枝
「今は命を大切にしましょう。鬼を退治したらまた戻ってこられるわ」
炭治郎
「・・・そうだね。禰豆子や六太達を守らないと」
彦十郎
「鬼舞辻無惨には、相当なダメージを与えただろうから当分は襲ってはこないだろう。それに太陽が昇ってる間は鬼は活動できない」
「今日は、藤の花の香を焚いておこう。本家から早く迎えが来てくれることを祈ろう」
その頃、秋月家の本家では・・・
???
「父上からの大至急の伝令か・・・これは早急に対応しなければ!」
「急いで馬車の用意を!!秋月家がずっと探していた希望が見つかったぞ!!」
次の日・・・
???
「朝早く申し訳ありません。彦十郎様からのご依頼で竈門家の皆様をお迎えに来ました」
彦十郎
「迎えはお主が来たのか・・・三郎太」
三郎太
「先代のご当主様とはいえ彦十郎様の急ぎの要件です。執事の私が対応するのが望ましいと慎吾様が」
彦十郎
「ワシの倅はしっかりと当主をやっているようじゃな。感心感心」
三郎太
「積もる話は後ほど。今は竈門家の皆さんをお連れしましょう」
彦十郎
「それもそうじゃな。炭治郎、皆を連れてきなさい」
炭治郎
「分かりました」
竈門家のみんなは、初めて見る馬車に驚いていたが割とスグに慣れたらしい
彦十郎
「屋敷までは半日ほどで着くじゃろう。それまで退屈かもしれんが我慢してくれ」
秋月家の屋敷
慎吾
「竈門家の皆さん、お待ちしていました。私は、秋月家10代目当主の秋月慎吾と申します」
「長旅でお疲れでしょうから、今日はお休みください」
「それと、竈門炭治郎様は宜しければ私に着いて来てください」
炭治郎
「分かりました」
秋月家の道場
慎吾
「竈門炭治郎様・・・今からお見せする文献は日の呼吸にまつわるモノと秋月家に伝わる剣術の技を全て記した文献になります」
「この文献を読んでみてください」
炭治郎
「拝見します」
炭治郎は、文献を幾つか読んでいく・・・
炭治郎
「・・・やっぱりヒノカミ神楽は、日の呼吸と同じだと思います。全ての剣術の型が書いてあるの図を見ると、全てヒノカミ神楽の舞いと同じ動きが書いてあります」
慎吾
「やはりそうでしたか・・・秋月流剣術には今現在40程の技の型が存在します」
炭治郎
「40ですか⁉」
慎吾
「ですが、全ての型を使える剣士は存在しません。皆、体つきや骨格が違います」
「そこで、炭治郎様に合った秋月流の剣技を選定しお教えします。もし可能であれば自分だけの型を作っても構いません」
「秋月流は、様々な剣の流派の技を取り込み、独自に発展させてきた歴史が有ります」
「勿論日の呼吸も例外ではありません。なので最初に日の呼吸を技を完全に習得して頂こうと思います」
「炭十郎様は、ヒノカミ神楽を1日以上舞い続ける事が出来ると文に書いてありました。炭十郎様の動きと呼吸を見て、正しい呼吸と正しい体の動かし方を覚えましょう」
炭治郎
「よろしくお願いします!」
この日から、炭治郎を一人前の剣士にする鍛錬が始まった・・・
鍛錬開始から数か月後・・・
炭十郎
「炭治郎がヒノカミ神楽を舞い始めて一日が経ったのを見ると正しい呼吸と動きを覚えられたようだ」
炭治郎
「1日以上舞い続けても疲れないんだよ。これが正しいヒノカミ神楽の呼吸なんだね」
慎吾
「日の呼吸は使いこなせる様になったようですね。では、これからは秋月流をお教えします」
「少々手厳しくなりますが、頑張りましょう。秋月流を習得したら僕と父上から炭治郎さんにお渡ししたいモノが有りますのでお楽しみに」
炭治郎
「・・・お手柔らかにお願いします」
それから更に半年後・・・
慎吾
「ついに特式の居合まで習得出来ましたね・・・おめでとうございます」
炭治郎
「ありがとうございます!」
彦十郎
「遂に習得できたようだな。炭治郎、お前さんは秋月一門の末席に名を連ねる事になる」
「秋月一門の剣士は、御国直属の鬼討伐部隊[討鬼伝]に所属する事になる。所属する剣士は、極力堅気の人々に迷惑が掛からない様に隠密行動が必要になってくる」
「そこら辺の心構えは追々説明するとして・・・これはワシと慎吾からの餞別だ」
炭治郎
「刀ですか?」
慎吾
「僕からの餞別は、この大業物と言われる隠れ里に住む名工が鍛えた名刀・・・天羽々斬です」
「もう一つは、継国縁壱さんが使っていた日輪刀・・・鬼を倒すために作られた刀です」
炭治郎
「何でヒノカミ様が使っていたカタナを俺に?」
慎吾
「日の呼吸を使う炭治郎さんに使ってもらった方が縁壱さんも喜んでくれると思いますよ」
「それに、縁壱さんの最期を看取ったのは初代当主の三左衛門様ですから。縁壱さんの悲願である鬼舞辻無惨を倒すために使ってください」
炭治郎
「・・・分かりました。必ず鬼舞辻無惨を倒してみせます」
彦十郎
「ワシからは隊服と羽織りだ。背中には日の呼吸の日輪と竈門家の家紋を入れてある」
「それと、秋月家との連絡用のハヤブサを一羽送ろう。名前は好きに付けると良い」
炭治郎
「名前・・・白いハヤブサだから雪丸にしよう」
雪丸
「キュ~」
彦十郎
「明日、天皇陛下の元に行って正式な任命式を行う。くれぐれも粗相のないようにな」
炭治郎
「て、天皇陛下⁉」
慎吾
「討鬼伝は、御国直属の鬼討伐部隊ですからね。警察より身分は高いですよ」
「陛下は優しい方ですからあまり緊張しなくて大丈夫ですよ」
炭治郎
「緊張するなって言う方が無理ですよ⁉」
彦十郎
「今日は明日に備えて早めに休んでおくようにな」
炭治郎
「気が重いなぁ・・・」
次の日・・・・
任命式の会場
炭治郎
「緊張する・・・」
慎吾
「陛下が来ますから、姿勢を正してくださいね」
天皇陛下
「お主が新しく討鬼伝に配属される剣士かな?」
炭治郎
「お初にお目にかかります!!竈門炭治郎と言います!」
天皇陛下
「今日からお主は、私の子供も同然の存在だ。くれぐれも命を捨てるような真似はしないでもらいたい」
炭治郎
「分かりました!」
天皇陛下
「この腕章は討鬼伝の剣士だと証明するモノだからくれぐれも無くさない様に。危険な任務があるかもしれないが必ず家族の元に帰って来なさい」
「私との約束事として覚えておいてくださいね」
炭治郎
「はい!」
天皇陛下
「では、炭治郎・・・武運を祈っていますよ」
炭治郎
「では、鬼退治の旅に行ってきます」
炭十郎
「体には気をつけるんだぞ」
葵枝
「変なモノは食べちゃダメよ?」
禰豆子
「お兄ちゃん、女の人には気をつけてね。男を騙す悪い人が居るみたいだから」
炭治郎
「それじゃあ行ってきます!」
旅の道中・・・
炭治郎
「雪丸、どっちに行ったら良いともう?」
雪丸
「キュイキュイ」
炭治郎
「北の方角だね。鬼は居るのかな」
雪丸
「この先の村で女性が短期間で何人も失踪しているらしい」
炭治郎
「・・・雪丸って喋れるの⁉」
雪丸
「喋れる方が都合が良いからな」
炭治郎
「お願いだから、人前では喋らないでくれよ」
雪丸
「当主にもそう教育されている。心配するな」
炭治郎
「その村まで案内してくれる?」
雪丸
「この道を真っ直ぐだ」
山間の村・・・
炭治郎
「・・・なんだか人の気配がしないな・・・まるで廃村だ」
雪丸
「鬼の存在は、世間にはほとんど知られていない。それ故に神隠しとして恐れられているんだ」
「現に攫われた女性の身に着けていた髪飾り等の装飾品すら見つかっていないんだ。何処か遠い場所に攫われたか、その場で喰らいつくされたか・・・」
炭治郎
「その場で人を食べるのは血が流れるから事件と疑われる可能性が高いから、何処かに攫っているんだろうな」
「せめて匂いを辿れれば・・・」
雪丸
「少し空からこの村の様子を見てくる。炭治郎は、少しでも手がかりを探しておいてくれ」
炭治郎
「分かった。やってみるよ」
雪丸は、炭治郎の肩から飛び立っていった・・・
炭治郎
「手掛かりを探すって言ってもなぁ・・・誰も歩いてないから聞き込みも出来ないよ・・・何だ、この張り紙」
「何々・・・万世極楽教に入信して幸せになりましょう?胡散臭い広告だな・・・入信者は女性のみ」
「教祖様の言う通りにすれば必ず幸せになれます・・・今なら入信料は頂きません」
「試しにこの万世極楽教の総本山に行ってみるか・・・何か女性だけしか入信出来ないのも怪しいし」
炭治郎
「ココが総本山か・・・雪丸が戻ってくるまで待ってるかな」
俺が少し待っていると・・・雪丸が戻って来た
雪丸
「炭治郎、この村では万世極楽教が信仰されているが・・・教祖が人間ではない噂があるそうだ」
「村から女性を何人も総本山に連れて行ったそうだが、誰も帰って来ていないらしい」
炭治郎
「その教祖が怪しいけど、生憎総本山の中には入れなさそうだし・・・夜まで待ってみるか」
その頃、近くの長屋街で一人の女剣士が歩いていた・・・
???
「今日は、綺麗な月が出てるわね・・・こんな日はしのぶ達と一緒にお月見でもしたかったんだけどな・・・」
???
「そこの綺麗なお嬢さん♪こんな夜更けに何処に行くのかな?」
???
「その目の数字・・・まさか十二鬼月⁉」
童磨
「へぇ~、十二鬼月の事を知ってるんだね。それにその隊服は鬼殺隊の子だね」
「僕って可愛くて、綺麗な子を食べるのが大好きなんだ♪君も僕が食べて救ってあげるよ♪」
カナエ
「生憎アナタみたいな人に食べられるつもりは無いわ!!鬼殺隊、花柱・胡蝶カナエ参る!」
炭治郎
「誰も出てこない・・・今日は無駄足だったのかな」
雪丸
「鬼は毎日活動する訳じゃないからな。決まった日だけ活動する鬼も居れば、毎日人を食べている鬼も居る」
「無駄足にならない様に、俺達も偵察や情報収集をしているんだが如何せん鬼は数が多くて困る」
炭治郎
「御国直属の部隊でも、後手に回る事も有るんだね」
雪丸
「秋月流の剣士の数も限られてくる。全国彼方此方を担当できる訳じゃない」
「可能な限り、元凶を早く倒したいモノだ」
炭治郎
「鬼舞辻無惨・・・ワカメみたい髪型してたけど、おちょくったら出て来るんじゃない?」
雪丸
「その可能性は今度検証してみよう」
炭治郎
「今日は宿に戻ろうか。また明日、作戦を考えよう」
雪丸
「俺も他のハヤブサ達と情報を共有させておこう」
カァ~!カァ~!
炭治郎
「こんな夜中にまだカラスが飛んでる・・・珍しいな」
カラス
「緊急!緊急!花柱・胡蝶カナエが上弦の鬼と戦闘中!至急救援を求む!」
炭治郎
「ゲ⁉カラスも喋るの⁉」
雪丸
「あれは鬼殺隊の鎹カラスだな・・・相変わらず騒がしいな」
「だが喜べ炭治郎、目的の鬼の可能性が高いぞ」
炭治郎
「本当に⁉なら早く退治しよう!」
雪丸
「カラスが飛んで来た方角は・・・南西方向だな」
炭治郎
「こうしちゃいられない!!ひとっ走り行くよ!雪丸、案内よろしく!」
「秋月流移動術・・・剃!」
ピシュン!!
カナエ
「ハァ・・・ハァ・・・」
童磨
「意外と粘るねぇ・・・でもそろそろ限界じゃない?」
カナエ
「何を・・・花の呼吸 弐ノ型 御影・・・・ゴホッゴホッ!!」
童磨
「ようやく効いて来たみたいだね♪」
カナエ
「全集中の呼吸が・・・使えない・・・」
童磨
「僕の血気術・・・粉凍りを吸っちゃったんだよ♪目に見えない微細な氷が君の肺を凍らせちゃったんだ」
カナエ
「クッ・・・花の呼吸・・・ガハッ!!!」
童磨
「折角の綺麗な顔が血まみれじゃないか♪そろそろ楽になりなよ♪」
「カナエちゃん、バイバイ♪」
カナエ
「・・・しのぶ、アオイ、カナヲ、なほ、すみ、きよ・・・お姉ちゃん・・・帰れそうにないわ・・・ゴメンね」
カナエが涙を流して、童磨に切り裂かれそうになった時・・・
雪丸
「居たぞ!炭治郎!」
炭治郎
「秋月流・・・神速雷の型・・・雷切!!」
バシュン!
童磨
「あれ?カナエちゃんは何処に行っちゃったのかな?」
カナエ
「・・・アナタは?」
炭治郎
「危ない所でしたね。吐血しているんですか?」
カナエ
「アイツの氷の血気術を吸い込んで・・・肺が多分壊死してるわ」
炭治郎
「困ったなぁ・・・生憎俺には医術の知識が無いから応急処置が出来ないな。ん?肺が凍ってるなら融かせば良いのか!」
「今から俺の言う通りにして貰っても良いですか?」
カナエ
「何を?」
炭治郎
「まずは俺が先に呼吸を使いますから」
ゴォオオオ!!
炭治郎は、日の呼吸で息を可能な限り温めていく・・・そして手荷物に入っていた紙袋に自分の息を吐いて溜めていく
カナエ
「何・・・この呼吸の音は・・・」
炭治郎
「過呼吸の時の治療法と同じ要領で、ゆっくり息をしてくださいね。そうすれば今より呼吸は楽になる筈ですよ」
カナエ
「・・・分かったわ」
カナエは、渡された紙袋からゆっくりと呼吸していく・・・
カナエ
「何・・・信じられないくらいに肺が熱い・・・」
童磨
「カナエちゃん見つけたよ♪」
炭治郎
「お前がこの人をこんな目に遭わせたのか」
童磨
「僕は、カナエちゃんを救ってあげようとしたんだよ♪」
炭治郎
「救うね・・・人喰いの鬼風情がいっちょ前に偉そうに」
カナエ
「君が何の呼吸を使っているのか知らないけど、アイツの近くで全集中の呼吸を使っちゃダメ!!私と同じように肺をやられてしまうわ!」
炭治郎
「なるほど・・・種が分かれば対処は簡単だ。討鬼伝としての初仕事だ・・・頑張るぞ!」
童磨
「男は食べたくないんだよ。硬いし不味いし」
炭治郎
「無駄口叩いてる暇があるなら、避ける事に専念した方が良いよ・・・剃!」
「炎の型・・・居合・・・炎一閃!」
ズバンッ!
童磨
「あれ?いつの間に。でも、切られてもスグに再生しちゃうんだよね♪」
「あれ?切られた腕が再生しない・・・何で⁉」
炭治郎
「日の呼吸を直接使わなくても、秋月流の技で攻撃すればある程度の再生阻害の効果はあるんだな」
「ヒノカミ神楽・・・輝輝恩光!」
童磨
「ギャアアア!!足が焼ける!!焼けるように痛い!!」
炭治郎
「鬼って案外弱いのかな」
童磨
「こんな事が有って良い筈無いよ⁉」
「血気術!結晶ノ御子!」
炭治郎
「分身を作り出す血気術・・・でも、本体の位置が分かってれば意味無いよね」
童磨
「どうやって僕の本体を見つけるんだい?」
炭治郎
「簡単さ。お前の匂いだよ」
「お前からは、腐った油と腐ったドブのような匂いがする」
「その匂いを辿れば・・・本体の場所なんて簡単に見つけられるんだよ!」
「秋月流・・・特式弐の型・・・神鎗(シンソウ)!」
炭治郎は、本体の童磨にカタナをやり投げの様に投げた・・・
童磨
「ガハッ!!」
炭治郎
「動きが止まれば、格好の的だよ!」
「ヒノカミ神楽・・・灼骨炎陽!」
童磨
「切られた場所が熱い⁉内側から太陽に焼かれてるみたいに痛い⁉」
雪丸
「炭治郎、もうじき日の出の時間だ。その前のその鬼を倒せ!倒せば御大将から報奨金がもらえるぞ!」
炭治郎
「お金は父さん達に渡すように言っておいてくれよ!」
「ヒノカミ神楽・・・炎舞!」
童磨
「ギャッ・・・・」
炭治郎の一太刀は、童磨の首をいとも簡単に切り飛ばした・・・
カナエ
「上弦の鬼をいとも簡単に倒すなんて・・・」
炭治郎
「初めての鬼退治は無事に完了っと・・・雪丸、鬼を倒したら報告書書くの?」
雪丸
「俺の方で報告するからそこら辺は心配するな」
炭治郎
「なら、報告よろしくね。さて、次の目的地はどっちの方向?」
雪丸
「鬼を倒したら、次の日は休みだ。御大将は、剣士に過度な激務はさせない主義の人だからな」
炭治郎
「そっか・・・ここって東京府だったよね」
雪丸
「中心地区からはかなり離れているがな」
炭治郎
「なら、浅草に行こう。一度行ってみたかったんだよね」
雪丸
「浅草に行くのは明日にしておけ。今日は用意しておいた宿に泊まらないと勿体ないぞ」
炭治郎
「それもそうだね。今日の朝御飯は何かな~」
「たけのこご飯出ないかな~。今の時期は春だし、山菜尽くしの料理だったらいいな」
雪丸
「討鬼伝御用達の宿だから楽しみにしておくと良い」
炭治郎
「分かった!それじゃあ戻るよ、雪丸。剃!」
カナエ
「ちょっと待って⁉」
「行っちゃった・・・お礼も言えてないんだけどなぁ」
???
「姉さん!!上弦の鬼と戦ってるって聞いて慌てて飛んで来たけど」
カナエ
「しのぶ・・・上弦の鬼なら、私を助けてくれた男の子がいとも簡単に倒しちゃったわ」
しのぶ
「ウソでしょ⁉鬼殺隊が100年以上遭遇する事も無く、倒した事も無い上弦の鬼をいとも簡単に・・・」
カナエ
「その子、鬼殺隊じゃないみたい。白い喋る鳥を連れてたけど・・・」
「御大将が如何とか言ってたのは聞こえたけど」
しのぶ
「とりあえず、今は姉さんの治療が先よ。蝶屋敷に戻りましょう」
カナエ
「えぇ・・・」
カラス
「カァ~!カァ~!上弦の鬼討伐!討伐!」
???
「上弦の鬼を討伐・・・鬼殺隊の快挙だね」
「上弦の鬼を倒したのは誰だい?」
カラス
「正体不明の剣士~!正体不明の剣士~!」
???
「その子の動きを追えるかい?」
カラス
「見失った~見失った~」
???
「出来れば、その剣士と会って話がしたいかな・・・」
次の日の朝・・・
炭治郎
「凄い豪華な朝ご飯・・・たけのこご飯に山菜のお浸しと焼き鮭と味噌汁迄ついて来るなんて・・・なんて素晴らしい朝ご飯なんだ」
雪丸
「浅草に行くなら、鬼の情報収集もしてみよう。人が多い場所ほど鬼は潜伏するからな」
炭治郎
「それは良いけど、当てが有るの?」
雪丸
「討鬼伝に協力してくれている善良な鬼の医者が居る。彼女に会って色々と聞いてみよう」
炭治郎
「良い鬼も居るんだね。ご馳走様でした」
「さて、目指せ浅草!雷おこしと浅草寺を目指して!」
雪丸
「観光の前に仕事だぞ」
鬼殺隊・・・蝶屋敷
カナエ
「あの子、炭治郎って呼ばれてたけど・・・また会えないかな」
しのぶ
「姉さん、出歩くなら何か羽織ってよ。春とはいえまだ寒いんだから」
カナエ
「ありがとう、しのぶ」
しのぶ
「また、助けてくれた男の子の事考えてたの?」
カナエ
「だってお礼も言えてないのよ!そういえば炭治郎君、浅草に行くって言ってたような」
しのぶ
「浅草・・・人が多すぎて探すのは難しいわね」
カナエ
「ねぇ・・・しのぶ」
しのぶ
「駄目よ」
カナエ
「まだ何も言ってないじゃない⁉」
しのぶ
「どうせ浅草に行きたいとか言うんでしょ」
「姉さんの主治医として許可できません」
カナエ
「ちょっとくらい良いじゃない」
しのぶ
「全集中の呼吸を使えないのに、鬼にでも遭遇したらどうするのよ!!」
カナエ
「だってぇ~」
しのぶ
「最低でも2週間は絶対安静にしていなさい」
カナエ
「2週間も~⁉」
しのぶ
「その炭治郎って子をカラスは見てないの?」
カナエ
「私のカラス、救援を呼びに行っていなかったんだもの。見てるはずないわ」
しのぶ
「仕方ないわね・・・誰か付き添いを一人付けるなら1日だけ特別に許可するわ」
カナエ
「誰か一人・・・悲鳴嶼さんは忙しいだろうし、槇寿郎さんは話しかけづらいし、宇随君は女たらしで論外だし・・・不死川君は正直付き合いが無いから論外・・・伊黒君は常に話しかけるなってオーラが出てるから無理ね」
「如何しましょう・・・マトモは人が柱に居ないわ」
しのぶ
「なかなか強力な面々だけど・・・正直頼りたくないわね」
カナエ
「しのぶ、一緒に来てくれない?」
しのぶ
「・・・それしか無さそうね。幸いアオイとなほ・すみ・きよが居てくれれば1日くらいは私が出掛けても大丈夫だと思うけど」
「問題はカナヲよ。あの子、自分で考えて行動できないから」
カナエ
「カナヲも連れて行こうかしら。何かキッカケでも有ればあの子を変わるかもしれないし」
しのぶ
「分かったわ。その前に柱合会議があるんじゃない?」
カナエ
「私、もう柱を引退するから関係ないわ」
しのぶ
「お館様には言ったの?」
カナエ
「カラスにお願いして手紙を届けて貰ったわ」
しのぶ
「上弦の鬼の情報共有は?」
カナエ
「それも手紙にしっかりと書いておいたわ」
しのぶ
「ある意味用意周到ね。私が声かけなかったら姉さん、コッソリ抜け出して浅草に行くつもりだったでしょ」
カナエ
「ええそうよ。でも未遂に終わったんだからもう良いじゃない」
しのぶ
「この姉は・・・」
「いい!今回だけ特別に許可するんだからね!私の言う事には必ず従う事!!これは絶対に守ってもらうからね!」
カナエ
「分かったわ」
しのぶ
「なら急いで準備して出発するわよ。ココから浅草まで半日は掛かるんだから」
カナエ
「お化粧していった方が良いかしら・・・」
しのぶ
「そんな時間は無いの!」
カナエ
「乙女の準備なのに~!!」
炭治郎
「ココが浅草か・・・先に、その協力してくれてる鬼のお医者さんに会いに行こうか」
雪丸
「場所はコッチだ。予め今の状況の伝えてあるが情報をキチンと共有させよう」
「何事も報告・連絡・相談だからな」
炭治郎
「なるほどね」
雪丸
「ココだ。基本的に夜しか医院が開いていないからそれまで何処かで食事でも済ませておけ」
炭治郎
「小腹が空いてきたからなぁ・・・屋台が出てるな。おじさん、山かけうどんとかき揚げうどんをお願いします」
おじさん
「あいよ!!お客さん随分若く見えるけど、家族で旅行かい?」
炭治郎
「まぁ、そんな感じです」
おじさん
「浅草は人の出入りが激しいから気を付けなよ。山かけうどんとかき揚げうどん!お待ちどうさん」
炭治郎
「いただきます!!」
ズルズルズル・・・・
「ご馳走様でした!!美味しかったです!」
おじさん
「毎度あり!お客さんの食べっぷりが気持ち良かったからコイツは土産に持って行きな!」
炭治郎
「おにぎり♪ありがとうございます!」
雪丸
「腹ごしらえは済んだようだな。医院が開く時間だ。そろそろ行こう」
炭治郎
「その鬼のお医者さんはどんな人なんだろう・・・優しい人だと良いんだけど」
雪丸
「安心しろ。とても優しい女性だ」
炭治郎
「なら良いけど・・・」
その時、炭治郎の家に来た鬼の始祖と同じ匂いがした・・・
「この匂い・・・あの時の⁉」
炭治郎が人混みをかき分けていくと・・・
炭治郎
「見つけたぞ・・・鬼舞辻無惨!!」
無惨
「はて・・・君は何を言っているのかな?」
子供
「お父さん、どうかしたの?」
妻
「アナタ、知り合いですか?」
無惨
「如何やら誰かと勘違いしているみたいだ」
炭治郎
「(コイツ・・・人間のフリをして生きているのか!)」
無惨
「では、私達はこれで失礼しますよ」
炭治郎
「覚えていろ・・・俺達は必ずお前の首を取ってみせる!!怯えながら待っていろ!このクソ野郎!」
無惨は、通りすがりの男性の首を引っ搔いた・・・
炭治郎
「⁉」
男性
「グァアアア!!」
女性
「アナタ⁉急に如何したんですか⁉」
炭治郎
「いけない!!落ち着いてください!!」
女性
「アナタ!!」
警察
「道を開けなさい!!」
「そいつは我々が確保する!」
炭治郎
「駄目だ!!この人はまだ誰も傷つけていない!!今はこの人を押させるのに手を貸してください!」
警察
「良いから退きなさい!!」
炭治郎
「俺は、この人に誰も傷つけさせたくないんだ!!良いから邪魔をしないでくれ!!」
???
「アナタは、鬼になったモノにも人と言う言葉を使ってくれるのですね・・・そして助けようとしてくれている・・・なら、私もチカラを貸しましょう」
「血気術・・・惑血・視覚夢幻の香」
急に、辺りの不思議な文様が包み込んだ・・・」
炭治郎
「この匂い・・・鬼の匂い⁉」
珠世
「私の名は珠世・・・鬼でありながら医者でもあり、鬼舞辻無惨を抹殺したいとも思っています」
炭治郎
「女性の医者で善良な鬼で討鬼伝に協力してくれている方は、アナタですか?」
珠世
「そのお話は後ほど・・・今はそちらの男性の治療が先決です。私に着いて来てください」
炭治郎
「分かりました」
無惨
「クソッ・・・さっきの子供の顔を見た途端・・・縁壱にやられた傷が痛みだした」
「それに奴に額の痣は奴に似ている・・・早めに始末しなければ!」
無惨が手を叩くと、影から二体の鬼が出てきた・・・
無惨
「額に痣のある餓鬼を殺せ!!直ちにだ!」
鬼達
「畏まりました」
雪丸
「炭治郎、何処に行っていたんだ。見失って探すのに少々苦労したぞ」
炭治郎
「鬼舞辻無惨が居たんだ・・・」
雪丸
「浅草にか?」
炭治郎
「あのドブが腐ったような匂いを間違える筈がない。人間のフリをして溶け込んでた・・・でも、あの病的に白い顔までは誤魔化せていなかった」
雪丸
「それが本当なら、情報の共有が必要だな。俺は御大将の元まで行ってくる」
「出来れば、鬼舞辻無惨がどんな風に変装をしていたかを文に書いてくれ」
炭治郎
「分かったよ。俺はこれから珠世さんに着いて行くから」
「病院に居ると思うから、終わったらそこで合流しよう」
雪丸
「了解した」
雪丸は、俺が書いた文を持って飛んでいった・・・
珠世
「中にどうぞ」
炭治郎
「お邪魔します」
愈史郎
「珠世様、おかえりなさい」
「そいつが今日来る予定の剣士ですか?」
珠世
「そうです。この子は愈史郎です」
「コチラの男性を地下牢に連れて行きましょう」
愈史郎
「はい!」
珠世
「先ほどのお話の続きですが、私は確かに討鬼伝に協力しています。鬼舞辻を殺すために」
炭治郎
「自己紹介が遅れました・・・竈門炭治郎です」
「あの、さっきの人はどうなりましたか?」
珠世
「あの方には申し訳ありませんが、両手と両足を拘束させた頂きました。奥様の方は鎮静剤で眠っています」
炭治郎
「そうですか・・・俺が余計な事をしなければあの人は鬼にならなかったのに」
珠世
「ですが、鬼舞辻が慌てていることは確かです。きっと想定外な事が起きているんでしょう」
「それにしても・・・アナタを見ていると、恩人の方を思い出しますね」
愈史郎
「茶だ。珠世さまを助けたという恩人の話は俺も興味があります」
珠世
「あの方は、無惨に唯一の天敵と言える人物でした・・・継国縁壱さん」
「その方が私も無惨の元から逃がしてくれたのです」
炭治郎
「縁壱さんを知っているんですか⁉」
珠世
「えぇ。あの方の事を忘れた事はありませんから」
炭治郎
「そうなんですね。実は、俺のご先祖様も縁壱さんとご縁があったそうです」
珠世
「縁壱さんと一体どんなご縁が?」
炭治郎
「何でも、鬼舞辻無惨を倒す旅の途中に何日か家に泊めてあげたそうです。その縁で日の呼吸を神楽の舞いとして受け継ぎました」
珠世
「あの日の呼吸を・・・これであの臆病者を屠る事が出来る!!」
愈史郎
「興奮している珠世さまも美しい!」
炭治郎
「それと、縁壱さんの親友だった秋月三左衛門さんが考案した秋月流剣術も習得しました。一応免許皆伝の称号を頂きました」
珠世
「三左衛門さんの剣術も・・・これで鬼舞辻を殺すための布石が揃いました」
炭治郎
「その布石とは何ですか?」
珠世
「鬼舞辻は、縁壱さんに体中を日の呼吸で切り刻まれて未だにダメージに苦しんでいます。そこを再び日の呼吸で切り刻めば鬼舞辻を限界まで消耗させる事が出来るでしょう」
「そこに更に秋月流剣術で切り刻む事で、さらに鬼舞辻を追い詰める事になります。その後、陽光で焼き殺す事で完全に殺す事が出来る筈です」
炭治郎
「珠世さんは、そこまで考えているんですね」
愈史郎
「珠世さまの悲願だからな・・・鬼舞辻無惨を殺す事は」
「ん・・・伏せろ!!!」
愈史郎さんに言われた通りに伏せると・・・毬が凄い勢いで飛んで来た
???
「アハハハッ!!何もない所から建物が現れたぞ!」
???
「巧妙に隠す血気術のようだ」
炭治郎
「鬼の襲撃⁉」
「珠世さん!愈史郎さん!外の鬼は俺が相手をします!!その間に先ほどの奥さんを安全な所に運んでください!」
珠世
「炭治郎さん!もし鬼の目に数字が書いている鬼でしたら完全に殺さないでください!血を取りたいので!」
炭治郎
「分かりました!」
朱紗丸
「鬼狩りが出てきおったぞ!」
矢琶羽
「まだガキではないか・・・こんなガキをあの方は恐れているのか?」
炭治郎
「鬼が二体・・・目に数字は無いな。なら倒して良いって事だよな」
朱紗丸
「こ奴は残酷に殺してやろうぞ!」
鬼は、毬を投げてきた・・・
炭治郎
「やけに毬の動きが不規則だな・・・血気術でも使ってるのか」
愈史郎
「気をつけろ!!首に数珠を付けてる鬼の血気術で不規則な動きになっている!!倒すなら奴から倒せ!」
「俺の血気術の目を貸してやる!」
炭治郎
「愈史郎さん、ありがとうございます!」
愈史郎さんが渡してくれたお札をおでこに貼ると・・・妙な矢印が見えた
炭治郎
「この矢印に気をつければ良いんだな」
矢琶羽
「その前に殺してやる!」
炭治郎
俺は、いつも行っているヒノカミ神楽の呼吸を更に深く行う・・・すると視界が透き通っていく
「透き通る世界・・・正しい呼吸と正しい動きが出来るようになると見えてくる世界」
「ココまで到達するまで苦労したなぁ・・・」
矢琶羽
「何をさっきからブツブツ言ってるんだ!!」
炭治郎
「剃!!」
矢琶羽
「何だ⁉急に消えたぞ!」
炭治郎
俺は、カタナの柄に付けた鈴を軽く鳴らす・・・この鈴は、母さんと禰豆子がお守りにと渡してくれたものだ
「秋月流抜刀術・・・水の型・・・激流一刀!」
矢琶羽
「いつの間に後ろに⁉」
俺の激流一刀は、矢琶羽の両腕を切り飛ばす・・・
矢琶羽
「ギャアア!!」
「腕が再生しない⁉」
炭治郎
「試しに赫刀を使ってみたけど、これも鬼に効果絶大だな」
「これからは常に赫刀を発動させて戦おう。無惨を確実に殺すために」
矢琶羽
「傷口が焼けたように塞がってる⁉」
朱紗丸
「矢琶羽から離れるんじゃ!!」
炭治郎
「毬も血気術だよね・・・ヒノカミ神楽・陽華突!」
朱紗丸
「毬が溶けたじゃと⁉」
炭治郎
「秋月流抜刀術・・・風の型・・・疾風一陣!二連!」
矢琶羽
「ギャアア!」
朱紗丸
「ガッ!!」
炭治郎
「無事に討伐完了っと・・・雪丸が今居ないから今回はお給金は無しかな」
「珠世さん、愈史郎さん、終わりましたよ」
珠世
「縁壱さんと三左衛門さんが一緒に戦っているような立ち振る舞いでしたね・・・お2人の面影が見えました」
愈史郎
「お前・・・相当強いんだな・・・」
炭治郎
「目に数字は刻まれてはいなかったので、倒しました」
珠世
「そうでしたか・・・中々鬼舞辻の血が濃い鬼に遭遇するのは難しいですね」
炭治郎
「あの、珠世さん・・・俺、先日の夜に目に上弦の弐と刻まれていた鬼を倒しちゃったんですけど・・・」
珠世
「上弦の鬼を倒したんですか⁉」
炭治郎
「はい・・・案外弱かったので」
珠世
「信じられないわ・・・上弦の鬼は何百年も変わらない圧倒的な強さを誇っている鬼なのに・・・」
炭治郎
「油断してたのか、居合とヒノカミ神楽で倒しちゃいました」
珠世
「炭治郎さんにお願いがあります」
炭治郎
「はい、何でしょう」
珠世
「採血刀をお渡しするので、目に数字が刻まれている鬼に遭遇した時は血を採取してもらいたいのです」
炭治郎
「良いですよ。難しい事じゃなさそうなので」
愈史郎
「血を取ったら、この茶々丸に預けてくれ。珠世さまの所まで運んでくれる」
茶々丸
「ニャ~」
炭治郎
「これからよろしくな、茶々丸」
珠世
「私達は、拠点を変えます。場所が決まり次第茶々丸を通じてお教えしますね」
炭治郎
「分かりました。それでは俺はこれで失礼します。何かありましたら遠慮なく言ってくださいね」
珠世
「では切り火を・・・」
カンカンッ!
珠世
「炭治郎さん・・・ご武運を」
愈史郎
「在り合わせだが、薬も持って行け。珠世さまの薬は効くから持っておいて損は無い」
炭治郎
「では、行ってきます」
珠世と愈史郎は、炭治郎をしばらく見送っていると・・・炭治郎の後ろに縁壱と三左衛門が薄っすらと現れた・・・
縁壱と三左衛門は、珠世と愈史郎の方を向くと・・・優しく微笑んで消えていった・・・
珠世
「縁壱さん・・・三左衛門さん・・・」
愈史郎
「珠世さま・・・ようやくツキが周ってきましたね。炭治郎が現れた事は、ある意味運命かもしれませんね」
「鬼舞辻を滅ぼすために天が遣わした選ばれた剣士・・・2人の生まれ変わりとまでは言いませんが」
珠世
「えぇ・・・早急に鬼舞辻を殺す薬を完成させましょう」
炭治郎
「雪丸との合流場所を違う場所に変えないといけないんだけど・・・連絡が取れないんだよなぁ」
ハヤブサ
「キュイキュイ」
炭治郎
「君は・・・討鬼伝のハヤブサかな?」
ハヤブサ
「そうだよ。雪丸が戻ってくるまで僕が代わりだよ。雪丸には、行先は伝えてあるから大丈夫だよ」
炭治郎
「そっか。暫くの間よろしくね。名前は・・・羽が綺麗な白銅色をしてるからハクにしよう」
ハク
「りょうか~い」
炭治郎
「さて、宿に戻ろうかな」
俺が、宿に戻ろうと歩き出すと・・・
カナエ
「ちょっと待って!!」
炭治郎
「待ってと言われて待つ人は居ませんよ!剃!」
カナエ
「しのぶ!彼を止めて!」
しのぶ
「ちょっと待ちなさい!」
炭治郎
「申し訳ありませんが、任務が有るのでごめんなさい!」
しのぶ
「ウソでしょ⁉もうあんな所まで!」
炭治郎
「どなたか存じませんが、追いかけて来るならそれ相応に抵抗させてもらいますよ?」
俺は、カタナを少しだけ抜いて牽制する・・・
カナエ
「ちょっと待って・・・この前助けて貰った・・・胡蝶カナエよ」
炭治郎
「胡蝶カナエ?誰です、その人」
カナエ
「えぇ⁉」
しのぶ
「姉さん・・・ちゃんと自分の名前教えたの?」
カナエ
「あ・・・」
しのぶ
「この姉は・・・先日は、姉さんを助けて貰ってありがとうございます。胡蝶カナエの妹の胡蝶しのぶです」
炭治郎
「これはご丁寧に・・・竈門炭治郎です」
しのぶ
「それと、コッチの子は栗花落カナヲよ」
炭治郎
「それで、俺に何か用ですか?」
しのぶ
「姉さんを助けて貰ったお礼に、何かお返しをしたいんです」
炭治郎
「お礼は結構です。俺は自分の仕事を全うしているだけなので」
カナエ
「それだと私の気が収まらないのよ!」
しのぶ
「せめてお礼にお食事でも・・・」
炭治郎
「結構です。見返りが欲しくて人助けをしている訳ではないので」
カナエ
「炭治郎君が思いのほか頑固で話が進まないわ・・・」
しのぶ
「では、鬼殺隊の本部に案内しますので来てください。お持て成ししますので」
炭治郎
「ハク・・・鬼殺隊って縁壱さんを追放した組織だよね」
ハク
「そうだよ~。討鬼伝より歴史は有るけど、あんまり強くないのが特徴かな~」
「呼吸剣術を使うけど、日の呼吸から分岐した派生形の呼吸剣術だから上弦の鬼には歯が立たないの」
「それに、秋月流の剣士と違って呼吸剣術に頼らないと戦えないの。秋月流のみんなは全集中の呼吸を使わなくても結構強いんだよ~」
炭治郎
「そう・・・鬼殺隊と遭遇するのはあんまり良くないの?」
ハク
「コッチは、縁壱さんの一件で鬼殺隊の事はある程度知ってるけど・・・鬼殺隊は討鬼伝の事を知らないと思うの。だからあんまり仲良くしちゃダメ~」
炭治郎
「なるほど・・・そういう訳なのでお断りします」
カナエ
「どうしてもダメ?」
炭治郎
「駄目です」
ハク
「そこに隠れてるカラス~!出てこないと食べちゃうぞ~!!」
カラス
「カァ~!カァ~!胡蝶カナエ・胡蝶しのぶ、その剣士を鬼殺隊本部に連れて来い~!」
炭治郎
「ハク・・・あのカラスを追っ払って来てくれる?」
ハク
「任せて~!食べちゃうぞ!」
カラス
「ギャアア~!!」
炭治郎
「俺と敵対したいのなら、本気で戦いますよ。覚悟はありますか?」
カナエ
「ちょっと待って!!私は炭治郎君にお礼がしたいだけで」
???
「お館様に言われて付いて来れば・・・そいつを鬼殺隊本部に連れて来いダァ?こんなガキになに手こずってんだか」
カナエ
「何でココに不死川君がいるの⁉」
不死川
「お館様からの命令だァ・・・抵抗するならボコボコにして連れて行けばいいだろうが!!」
炭治郎
「鬼殺隊は馬鹿ばかりなのか・・・ハァ、こんな事に慎吾さんから頂いたカタナ抜きたくないのに」
不死川
「ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇ!!」
炭治郎
「秋月流・・・陸の型・・・刃崩し!」
バキンッ!!
不死川
「俺の刀が⁉」
炭治郎
「これが今のアンタの実力だ。調子に乗って慢心してるからこうなるんだよ」
「と言う訳で、無抵抗の相手にカタナ向ける愚かさを知れ馬鹿野郎!!」
ドガンッ!!
不死川
「ガハッ・・・」
炭治郎の渾身の拳が不死川の鳩尾にめり込んで・・・吹き飛んだ
炭治郎
「この馬鹿お任せしますね」
ハク
「カラス追っ払ってきた~」
炭治郎
「ご苦労様。宿に帰って休もうか」
「俺は、今回の一件で鬼殺隊を信用しません。これ以上付き纏うならそれ相応に対応しますので」
カナエ
「お願いだから話だけでも聞いて!私達は付いて来てるなんて知らなかったの!」
しのぶ
「これは本当よ!!私達3人で出てきたのよ!」
「お館様にだって言ってないのよ!」
炭治郎
「・・・嘘は言ってないみたいですね。とりあえずこの先に俺が宿泊している宿が有ります」
「そこで詳しい話は聞きます。ハク、カラスや鬼殺隊の隊員が付いてきたら教えてくれないか」
「もしまだ付いて来るなら、一気に剃で追っ手を撒いて行くから」
ハク
「分かった~」
宿・・・
炭治郎
「それで、話の続きですけど・・・お礼は要りません。俺は国の為に鬼を倒しているだけなので」
カナエ
「炭治郎君は鬼殺隊じゃないのよね?」
炭治郎
「俺の師匠のご先祖様と俺のご先祖様が大変お世話になった大恩人を追放する鬼殺隊に入る訳ないじゃないですか」
「例え破格の条件提示されても徹底的にお断りします」
しのぶ
「そのお世話になった大恩人は誰なのよ」
炭治郎
「教えて如何なるんですか?そのお館様と言う人が謝るんですか?」
「今更謝られても意味なんてありませんよ。ヒノカミ様は、鬼殺隊を追放された後も1人で鬼の始祖を追っていたんですから」
「道中師匠のご先祖様と俺のご先祖様と出会って色々あったみたいですけど」
「未だに鬼の始祖の情報も掴めていない鬼殺隊と馴れ合うつもりはありませんよ」
カナエ
「・・・もしかして鬼の始祖と会ったの?」
炭治郎
「話すつもりはありません。機密事項ですので」
しのぶ
「アナタが所属している部隊は何なの」
炭治郎
「教えられません。機密事項なので」
しのぶ
「機密事項ばかりじゃない!!」
炭治郎
「当たり前じゃないですか。折角掴んだ貴重な情報を他所の組織に話すなんて有り得ませんよ」
カナエ
「鬼殺隊は、今さっきの不死川くんの蛮行で炭治郎君の信頼を得る事はもう出来なくなってしまったという事ね」
炭治郎
「そういう事になりますね。まぁ、最初から信頼はしてないですけど」
「それに俺の師匠も鬼殺隊の事は信用してないと思いますよ。俺達より歴史あるのに情報掴むの遅いし、鬼の被害が大きくならないと動かないんですから」
カナエ
「それを言われると何も言い返せないわ・・・」
しのぶ
「確かに鬼殺隊はいつも後手に回っているけど・・・」
ハク
「カラスもう来ない~」
「鬼殺隊も来ないよ~」
炭治郎
「とりあえず今日は部屋を1つ手配してもらいますから、そっちに泊まってください」
「俺は、今日手に入れた情報を纏めたいので」
カナエ
「分かったわ・・・」
しのぶ
「お手数お掛けしてゴメンなさい・・・」
炭治郎
「ハァ・・・面倒な事になったなぁ。雪丸が戻ってきたら天皇陛下と師匠にお伺いを立ててみるか」
「それか、任務の場所を変えて貰えるようにお願いしてみるかな・・・」
それから1時間程して・・・今日手に入れた情報を分かりやすく纏めて終えた後は、ハクに巻物を渡して天皇陛下の元と師匠の元に運んでもらった
炭治郎
「今日のお仕事はこれで終わりっと。俺も寝ようかな・・・」
俺が寝ようとすると、襖からカナヲが顔をのぞかせていた・・・
炭治郎
「どうかしたの?」
カナヲ
「・・・・」
炭治郎
「お腹でも空いたの?おじさんから貰ったおにぎり有るけど食べるかい?」
カナヲは、俺も近くに歩み寄ってきた・・・・
炭治郎
「3個あるから、2個食べて良いよ」
カナヲ
「モグモグ・・・」
炭治郎
「俺に何か話したい事が有るの?」
カナヲは、コインを取り出して指で弾いた・・・
カナヲ
「私・・・自分で何も決められないから・・・このコインの裏表で決めてるの」
炭治郎
「カナヲは、心の声が凄く小さいんだね。なら今日から少しずつ変えていこう」
「人は心が原動力なんだ。これからカナヲは自分の心に素直になってごらん」
「そうすれば少しずつ変わっていけると思うよ」
カナヲ
「こんな私でも変われるのかな・・・」
炭治郎
「変われるさ。自分が何をしたいのか、誰かに何をしてあげたいのかを少しずつ考えよう」
カナヲ
「うん・・・ありがとう、お兄ちゃん」
炭治郎
「俺の事は炭治郎で良いよ。お兄ちゃんか・・・妹と弟達に会いたくなってきたな」
カナヲ
「コッチにお布団挽いて寝ても良い?」
炭治郎
「良いけど・・・それはカナヲ自身が決めた事なんだね」
カナヲ
「うん」
炭治郎
「なら良いよ」
カナヲは、隣の部屋から自分が寝ていた布団を持ってきた・・・
カナヲ
「おやすみ、炭治郎」
炭治郎
「おやすみ」
次の日の朝・・・
しのぶ
「姉さん起きて!!カナヲが居ないわ⁉」
カナエ
「ウソ⁉まさか鬼に攫われたんじゃ⁉」
カナヲ
「朝からうるさい・・・折角ゆっくり寝てたのに」
しのぶ
「・・・カナヲが喋った⁉」
カナエ
「あら~♪お姉ちゃん嬉しいわ♪」
カナエ
「昨日、炭治郎にキッカケを貰った。これからは自分の心に従って生きていくことにした」
カナエ
「・・・炭治郎く~ん・・・カナヲに何をしたのかしら?」
炭治郎
「別に何もしてませんよ。ただ自分の心の声を聴くように言っただけです」
しのぶ
「ウソよ⁉私達が何度言っても変わらなかったのに!」
炭治郎
「カナヲ自身が変わろうとしてるんですから、優しく見守ってあげましょうよ」
カナエ
「細かい事は今は良いじゃない♪カナヲが心を開いた記念にお祝いしましょう♪」
炭治郎
「俺は任務が有りますので、これで失礼します」
カナエ
「事の当事者の炭治郎君が居ないと話にならないわ!」
雪丸
「今戻ったぞ、炭治郎」
ハク
「お待たせ~。ご当主様と御大将からのお手紙貰って来たよ~」
炭治郎
「雪丸、ハク、ありがとう。少し席を外しますね」
炭治郎
「何々・・・鬼殺隊との邂逅は予定していなかったけど、今一緒に居る鬼殺隊の隊士を信用できると判断したら一度討鬼伝の本部に連れて来て貰いたい」
「手紙に書いてあった蛮行を行う危険性が有る場合は、ほんの少しの情報だけを与えてその場から立ち去ってほしい」
「本来であれば、縁壱さんの一件で我々討鬼伝は、鬼殺隊の事を信用していない。だから情報も与えるつもりは無いけど、お礼をするために遠路はるばる浅草に炭治郎を探しに来るくらいだから少しは信用しても良いのかもしれない」
「この判断は、炭治郎に任せるよ。それと珠世さんと愈史郎くんを討鬼伝の本部にお迎えした事を伝えておくよ」
「2人を守ってくれてありがとう。この功績は素晴らしいものだから少しお給金を上げておくね。これからも炭治郎の働きに期待しているよ・・・討鬼伝代表、大正天皇」
炭治郎
「これが陛下の手紙の内容か・・・師匠の手紙は何が書いてあるんだろう」
「えっと・・・詳しい話は雪丸から聞いた。鬼舞辻の詳細な情報をよく手に入れてくれた」
「それと鬼殺隊の隊士を助けたそうだな。人を助けるのは良い事だからこれからも続けていけよ」
「雪丸の話によると、助けた隊士がお礼をしに来たそうだな。美人なら嫁にでも娶っておくのも一つの手だぞ?」
「我々剣士は、いつ死んでもおかしくない仕事をしているからな。炭治郎は長男だから、竈門家の跡取りの事も考えないとな」
「では、良縁の報告を楽しみにしているぞ・・・秋月彦十郎」
炭治郎
「・・・この手紙は見なかった事にしよう。カナエさん達は信用は出来ると思うんだけど・・・鬼殺隊のカラスが追ってくると思うんだよなぁ」
「雪丸とハクに空から監視して貰えば良いか・・・ハヤブサは、猛禽類で空の王者に近い鳥類だし・・・カラスも食べちゃうよね」
雪丸
「カラスはマズいから食わないぞ」
ハク
「カラスって何でも食べるから、あんまり美味しくないの~」
炭治郎
「そうなんだ・・・とりあえず、これから本部にカナエさん達連れて一度戻るよ」
「そこで今後の事をみんなで考えよう」
炭治郎
「カナエさん、俺の所属している部隊の一番偉い方がカナエさん達を信用できるならお連れしてきて欲しいって言って来てるんですけど・・・如何します?」
カナエ
「御呼ばれしてるなら行きたいんだけど・・・蝶屋敷に戻らないとみんな心配するだろうから」
しのぶ
「アオイ達だけだと重症者が来た時に対応しきれないかもしれないから戻るわ」
カナヲ
「なら、私が着いて行く。私は蝶屋敷でお仕事無いから好都合」
カナエ
「お姉ちゃんは反対よ。カナヲ1人で行かせるなんて心配で夜も眠れないわ!」
しのぶ
「・・・折角カナヲが自分で決められるようになったから良いんじゃない。それに炭治郎君が一緒に居れば鬼に襲われても大丈夫だろうし」
カナエ
「・・・炭治郎君は、カナヲを襲ったりしないわよね?」
炭治郎
「襲いませんよ⁉」
カナエ
「今回は特別に許可するわ。カナヲは1人で帰ってこれる?」
カナヲ
「道は覚えてるから大丈夫」
カナエ
「炭治郎君、カナヲの事よろしくね」
炭治郎
「分かりました」
「カラスを追跡に使ったりしないでくださいね。もし使ったりしたら雪丸とハクが襲うと思いますから」
カナエ
「本部に戻ったらお館様に問い詰めておくわ」
炭治郎
「俺はもう行きますので、カナエさん達はゆっくりしていってくださいね」
「カナヲ、行こうか」
カナヲ
「うん」
炭治郎
「ココから結構歩くけど、もしあれなら迎え呼ぼうか?」
カナヲ
「出来るだけ歩きたい。今まで何も考えずに歩いてきたから、景色を見ながら歩きたい」
炭治郎
「そっか・・・無理そうなら言ってね」
カナヲ
「うん」
その頃、カナエたちは・・・鬼殺隊本部に戻っていた
カナエ
「しのぶ、お姉ちゃんこれからお館様の所に行ってくるわね」
しのぶ
「姉さん、お願いだから面倒事起こさないでよ・・・」
カナエ
「大丈夫よ。それと風柱が運び込まれてると思うけど、手当ては包帯ぐるぐる巻きにして転がしておいてね」
しのぶ
「もうやってあるから大丈夫よ」
不死川
「おい!!この包帯を解きやがれ!!」
カナエ
「あら~?炭治郎君にカタナを折られて、殴られただけで吹っ飛んだ風柱に発言権が有ると思ってるのかしら~?」
「私の命の恩人に狼藉を働いたことは決して許さないから・・・大人しく転がってなさい」
しのぶ
「アオイ、この人にはとても苦い薬を出しておいてね。それと食事は味無しのお粥で良いわ」
アオイ
「分かりました」
産屋敷家・・・
耀哉
「やぁ・・・体の調子は如何だい、カナエ」
カナエ
「お館様~私ちょっと言いたい事が有るんですけど~」
耀哉
「何かな」
カナエ
「何で、私としのぶの後を風柱に尾行させたんですか」
耀哉
「それに関しては申し訳ない事をしたと思っているよ。例の剣士と繋がりを作ろうと思ってね」
カナエ
「お館様の余計なお世話のせいで、私は誤解されかけましたけど如何責任を取るおつもりですか?」
耀哉
「今後は、なるべく穏便に事を進めようと思うんだ」
カナエ
「彼は鬼殺隊の事を信用していないと言っていました。彼が鬼殺隊に協力する事は今後無いと思います」
「それに鬼殺隊の柱を向かわせても勝てないので、彼に接触しようとするのは止めてください」
耀哉
「カナエは、彼の事を知っているのかい?」
カナエ
「それなりに話しましたから知っています。ですが、教えるつもりはありません」
「これ以上私から話せる事は有りませんので失礼します」
その頃、炭治郎たちは・・・
炭治郎
「迎え呼んで良かったでしょ?」
カナヲ
「あんなに遠いと思わなかった・・・」
炭治郎
「ココが俺が所属している部隊の本拠地だよ」
カナヲ
「・・・大きいね」
炭治郎
「国直属の部隊だからね。竈門炭治郎、只今戻りました」
慎吾
「おかえりなさい。そちらのお嬢さんが手紙に書いてあったカナヲさんですね」
カナヲ
「栗花落カナヲです」
慎吾
「中にどうぞ。お茶でも飲みながら話しましょう」
彦十郎
「炭治郎、戻ったか。その嬢ちゃんが炭治郎の嫁さんか?」
炭治郎
「違います!!」
彦十郎
「半分冗談だ。炭治郎が連れて来たという事は、信頼できるという事だな」
炭治郎
「はい。カナヲのお姉さん達も信頼できる方でしたが予定が合わず、カナヲだけお連れしました」
慎吾
「では、私達の大まかな説明をしましょう」
「我々討鬼伝は、戦国時代の中盤頃に結成された組織です。呼吸剣術を使えない代わりに秋月流の特殊な剣術を用いて鬼を討伐しています」
「非公認の鬼殺隊とは違い、正式に国公認の組織になっています。なので色々と便宜を図る事が出来ます」
「刀を帯刀していても警察に捕まる事は有りませんし、警察より高い地位の公安警察と同等の組織なので問題行動を起こさない限り自由に活動する事が出来ます」
カナヲ
「炭治郎は呼吸剣術を使っていましたけど・・・」
彦十郎
「炭治郎は特別だ。既に廃れてしまったと思われていた始まりの呼吸・・・日の呼吸を受け継ぐ剣士だ」
慎吾
「日の呼吸は、鬼に対して絶大な威力を発揮します。始まりの剣士が日の呼吸を使い鬼の始祖をあと一歩まで追い詰めた程に」
カナヲ
「姉さんが使っている花の呼吸は何なんですか?」
慎吾
「現在鬼殺隊が使っている呼吸剣術は、日の呼吸が使える剣士が居ない事を知った始まりの剣士が、他のモノが使えるように派生させた呼吸剣術です」
「我々が知っているのは、炎の呼吸・水の呼吸・風の呼吸・岩の呼吸・雷の呼吸の5つです」
「恐らくその花の呼吸は、更に派生した呼吸剣術だと思います。秋月流の剣術は全ての呼吸剣術の剣技を上手く組み込んで新しい技として独立させています」
「例え呼吸が使えなくても鬼を倒せる唯一無二の剣術です。日輪刀を使わなくても鬼を倒せます」
カナヲ
「私もその剣を学べますか?」
慎吾
「あまりオススメは出来ません。習得するのにかなりの時間を必要とします」
「それこそ年単位の時間が掛かる人もいます。早い人なら半年程で習得できる場合も有ります。炭治郎が半年で習得しました」
カナヲ
「私は今まで心を失っていました・・・そんな私を炭治郎の優しい光が照らしてくれました」
「やっと自分で考える事が出来るようになったなら、自分の道は自分で決めたいです」
「私に秋月流の剣を教えてください」
炭治郎
「カナエさんとしのぶさんには如何説明するの?」
カナヲ
「私の正直な気持ちを伝える。納得してくれるまで説明する」
炭治郎
「カナエさん達は、きっとカナヲを戦いの道には進めようとしないと思うよ。もし本当に剣士になるなら、最初はカナエさんの元で学ぶのが良いと思う」
「女性剣士にしか分からない事も有るだろうから。カナエさんに認められたらもう一度ココに来れば良いよ」
慎吾
「ご家族のご了承を得る事が出来れば、私達秋月流は栗花落カナヲを迎え入れましょう」
カナヲ
「私、頑張ります。姉さんの元で勉強してきます」
慎吾
「頑張ってください。炭治郎とは連絡が取れるようにハクをカナヲさんの専属に付けましょう」
ハク
「これからよろしくね~」
カナヲ
「よろしく」
慎吾
「では、今日の話はココまでにしましょう。明日馬車でお送りします」
カナヲ
「よろしくお願いします」
慎吾
「炭治郎、新しい任務が来ています。藤襲山と言う山で鬼が大量発生しているそうです」
「明日、出立して任務に当たってください」
炭治郎
「分かりました」
今日1日で、色々な事が有ったなぁ・・・明日からまた頑張ろう!
今回使った技の何となくの解説
秋月流 守式参の型 旋風
目にも止まらない高速の斬撃で辺り一帯のモノを細切れにする
特式 壱の型 龍の舞
日の呼吸の円舞に身をくねらせる龍の動きを合わせた技
特式 陸の型 鳳凰演舞
スーパーロボット大戦のソウルゲインの舞朱雀に水の呼吸の足さばきを組み込んだ技
特式 捌の型 天翔ける龍の咢
飛天御剣流の最終奥義、天翔ける龍の閃きに非常に似た高速の抜刀術
これらすべての技に日の呼吸の攻撃のエフェクトが入ります
居合剣術 炎一閃
疾風一陣
激流一刀
星獣戦隊ギンガマンに出てくる技の名前をお借りしました
神速雷の型 雷切 霹靂一閃のため動作無しバージョン
特式弐の型 神鎗(シンソウ) ブリーチの市松ギンの斬魄刀の名前を借りました
移動術 剃 ワンピースのあれです