炭売り剣士の鬼退治   作:暁海斗

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原作の流れを見事にぶち壊してオリジナルの展開になりました


新たな剣士

 

カナエさん達が討鬼伝に合流して数週間後・・・

 

慎吾

「炭治郎、新しい任務が来ています。那田蜘蛛山と言う山で大勢の行方不明者が出ているそうです」

 

「至急現地に赴き、原因の調査をお願いします。鬼の仕業だった場合は、早急に鬼の討伐をお願いします」

 

炭治郎

「分かりました。今から那田蜘蛛山に向かいます」

 

慎吾

「任務には先日入門した胡蝶姉妹を同行させます。秋月流の現場の空気を感じてもらう為と、自分だけの新しい型を作る為のキッカケになれば良いと思っています」

 

「それに、新たに家族になる若い男女の親睦を深める意味合いも持っています。良い報告を待っていますよ」

 

炭治郎

「え~っと・・・とりあえず行ってきます」

 

 

慎吾は、カナエたちの元にハヤブサを飛ばした・・・

 

 

 

カナエ

「当主様からの伝令かしら?」

 

しのぶ

「なんて書いてあるの?」

 

カナエ

「炭治郎君が、那田蜘蛛山へ任務の為に行くから、私達3人も同行しなさいって伝令ね」

 

カナヲ

「お弁当用意した方が良いのかな?」

 

カナエ

「おにぎりの方がかさ張らないから、急いで用意しましょう」

 

しのぶ

「中に入れる具は如何するの?今用意できるのは・・・昆布の佃煮・梅干し・おかか・生姜の佃煮・梅じゃこおにぎりが用意できるけど」

 

カナエ

「全部用意しましょう。出来たおにぎりは、笹の葉で包んでおきましょう」

 

カナヲ

「炭治郎が来るまでに用意しないと・・・」

 

 

それから30分後・・・

 

 

炭治郎

「カナエさん、しのぶさん、カナヲ、これから那田蜘蛛山へ任務で行きますけど、準備は出来てますか?」

 

カナエ

「今用意出来た所よ♪」

 

しのぶ

「私達も、刀は持って行った方が良いわよね」

 

カナヲ

「お弁当の用意も出来たよ」

 

炭治郎

「お弁当用意してくれたんだね。いつも出先で買う事が多かったから嬉しいな♪」

 

カナエ

「炭治郎君の笑顔って破壊力凄いわね・・・」

 

しのぶ

「ホントね・・・ドキッと来ちゃうわ」

 

カナヲ

「笑顔・・・私も笑えるようにならないと」

 

炭治郎

「早速ですけど、任務に出立します。那田蜘蛛山までの道は雪丸とハクが案内してくれます」

 

「道中、寄りたい場所が有れば遠慮なく言ってくださいね」

 

「カナエさん達は、剃は使えるようになりましたか?」

 

カナエ

「まだ、炭治郎君みたいに高速で移動出来ないけど、最低限の動きは出来るようにはなったわ」

 

しのぶ

「私は、明日香さんに教わって太鼓判を貰ったわ」

 

カナヲ

「私も大丈夫」

 

炭治郎

「なら、早速行きましょう。適度に休憩を挟んでいきますんで安心してくださいね」

 

「行きます・・・剃!」

 

カナエ

「分かったわ・・・剃!!」

 

しのぶ

「カナヲ、私達も行くわよ・・・剃!」

 

カナヲ

「・・・剃!」

 

 

 

道中・・・

 

炭治郎

「丁度お茶屋さんが有るので、少し休憩を挟みましょう。お金は俺が出しますんで好きなの頼んで良いですよ」

 

カナエ

「それは申し訳ないんだけど・・・」

 

しのぶ

「自分の分は出すわよ」

 

カナヲ

「・・・お金持ってない・・・」

 

炭治郎

「最近、鬼討伐の特別報酬と鬼舞辻の情報を集めた報酬で、金額が可笑しい位に増えているんで払わせてください」

 

「そうじゃないと、俺って物欲が無いんでお金が貯まる一方なんですよ。なので気にしないでください」

 

カナエ

「・・・ちなみに炭治郎君の貯金額って幾らなの?」

 

炭治郎

「先日通帳を確認したら、5000円有りました」

 

※大正時代の5000円は、現代の価値に換算すると・・・おおよそ1500万円です

 

カナエ

「5000円⁉」

 

しのぶ

「大金じゃない⁉」

 

「姉さん、炭治郎君と結婚するのは相当の玉の輿じゃない!」

 

カナヲ

「炭治郎って何歳なの?」

 

炭治郎

「俺?16歳だよ」

 

カナエ

「16歳でその金額の貯金があるのは異常よ・・・」

 

炭治郎

「これでも家族に半分以上渡してるんですよ?」

 

しのぶ

「単純にその倍の貯金があると言う訳ね・・・鬼殺隊では有り得ない収入ね」

 

カナヲ

「炭治郎って凄いんだね」

 

炭治郎

「討鬼伝は、御国直属の公認の鬼討伐組織ですからね。条件も待遇も破格なんですよ」

 

「無条件で最低のお給料は30円は貰えます。そこに鬼を何体討伐したかの歩合給が加算させます」

 

「俺の場合は、少し条件が違うんですけどね」

 

カナエ

「どう条件が違うの?」

 

炭治郎

「俺は、日の呼吸を父さん以外に使える唯一の剣士です。元々秋月流が探していた事もあってか、少し良い条件で雇われている感じです」

 

「家族の安全も保障されてますし、帯刀していても警察と同じ身分なので捕まる事も無いんで安心して行動できます」

 

「この好条件は鬼殺隊には無いと思いますよ」

 

しのぶ

「確かに鬼殺隊では、色々と制限があったものね」

 

カナエ

「帯刀してると、容赦なく警察の検問には引っ掛かるし、堂々と行動できなかったから」

 

「それに階級制度が有るせいで、隊士達が実力の見合わない任務に派遣されて命を落とす事は日常茶飯事になっていたわね・・・」

 

しのぶ

「何人の死を目の前で見て来たか・・・誰かが亡くなる度に心が苦しかったわ」

 

カナヲ

「お墓も沢山あったね・・・中には誰も眠っていない名前だけのお墓も有った・・・」

 

炭治郎

「非公認組織だと色々と制限が有ると思います・・・けど、鬼の情報もしっかり確認できていない状態で実力不足の隊士を派遣するのは間違っています」

 

「秋月流は、討鬼伝に入隊する時は師匠達から免許皆伝の称号を賜る事が最低条件です。その称号が無い限り討鬼伝には入隊できません」

 

「厳しい修行をやり遂げる事で、初めて剣士として認められます。でも、その厳しい修行のお陰で討鬼伝では結成以来鬼に殺されてしまった剣士は居ません」

 

「上弦の鬼相手でも、必ず生き残って帰ってきます。その代わり、剣士を引退する方達は何人かはいらっしゃいますけどね」

 

カナエ

「上弦の鬼相手に・・・」

 

しのぶ

「やっぱり秋月流の剣術のお陰なの?」

 

炭治郎

「それも有ります。でも、主な理由は決して諦めずに生きようとする強い精神力かもしれませんね」

 

「秋月流の剣士は、みんな人それぞれ独自の我流の型を持っています。その我流の技には鬼に決して負けない強い覚悟のようなモノが宿っているんだと思いますよ」

 

しのぶ

「覚悟・・・」

 

カナヲ

「我流の型は他の剣術を組み合わせて考えるの?」

 

炭治郎

「人によるかな・・・俺は、隠れ里に済むギンガの森の剣士の人達に教わったギンガ星獣流の剣術を基本にして我流の技を考えたんだ」

 

「我流の技に正解は無いよ。自分自身が納得する技が出来るまで練習するしかないからね」

 

カナエ

「・・・私、もっと修行を頑張るわ!」

 

しのぶ

「私もよ!」

 

カナヲ

「私も負けない」

 

店主

「いらっしゃい。ご注文は何にしますか?」

 

炭治郎

「三種の団子と緑茶のセットを4つ。それと草餅を8個お願いします」

 

店主

「畏まりました。少々お待ちください」

 

カナエ

「草餅は何で8個なの?」

 

炭治郎

「俺が4個食べて、カナエさん達に1個ずつで8個です」

 

しのぶ

「そんなに食べて大丈夫なの?」

 

炭治郎

「剣士は体が資本ですから。お腹いっぱいの少し手前まで食べて、しっかり動けるようにしておかないといけませんから」

 

カナヲ

「ご飯にも気をつけた方が良いのかな・・・」

 

炭治郎

「俺は、野菜は多めに食べる事を心がけてるかな・・・魚とお肉もバランスよく食べるのが一番だけど」

 

しのぶ

「今度、料理学の本を買って勉強しましょう」

 

店主

「お待たせしました。3種の団子と緑茶と草餅です」

 

炭治郎

「ありがとうございます。お代はこれで」

 

店主

「丁度いただきます」

 

炭治郎

「早速食べましょう」

 

カナエ

「いただきます」

 

しのぶ

「任務前なのに、のんびりした雰囲気で過ごすのは始めてね」

 

カナヲ

「いただきます」

 

 

4人でモキュモキュとお茶と和菓子を堪能中・・・

 

 

炭治郎

「ご主人、ご馳走様でした」

 

店主

「毎度ありがとうございます。もしこの先の那田蜘蛛山を通るならお気をつけてください」

 

「半年前から近くの村から何十人も行方不明者が出ているそうです・・・神隠しだと言われていますが、噂だと蜘蛛の化け物が出るそうです」

 

「山を迂回する事をお勧めしますよ」

 

炭治郎

「貴重な情報をありがとうございます。ご主人もお気をつけて」

 

カナエ

「お団子ご馳走様でした」

 

しのぶ

「お茶美味しかったです」

 

カナヲ

「ご馳走様でした」

 

店主

「・・・どうかお気をつけて」

 

 

 

道中・・・

 

カナエ

「炭治郎君、さっきの蜘蛛の化け物って・・・」

 

炭治郎

「ほぼ確実に鬼の仕業ですね。何十人も人を喰っているとなると十二鬼月の可能性が有ります」

 

しのぶ

「まさか上弦の鬼なの・・・」

 

炭治郎

「上弦の鬼ではないと思います。鬼が上弦になるには何百人と稀血の人を喰っている可能性が有るそうです」

 

「オマケに、上弦の鬼は滅多に人前には出てきません。例外はありますけど・・・」

 

カナエ

「私の時みたいな感じね・・・」

 

炭治郎

「その可能性を考慮すると・・・下弦の鬼の可能性が高いですね。下弦の鬼は、上弦の鬼になる為に稀血を求めています」

 

「その為に人里近くに出没するそうです。最悪、稀血じゃなくても人を大勢喰らえば鬼のチカラは増しますから」

 

「問題は、どんな血気術を使ってるのかが分からない事です」

 

カナエ

「蜘蛛の化け物って言ってたし、蜘蛛に関係する血気術なのかしら?」

 

しのぶ

「実際に見てみないと分からないわね」

 

カナヲ

「あれが那田蜘蛛山かな?」

 

雪丸

「目の前に見える山は、那田蜘蛛山の手前の山だ。この山を越えた先が那田蜘蛛山だ」

 

炭治郎

「この感じだと日が暮れるな・・・一気に剃で移動します」

 

みんな

「剃!!」

 

 

 

 

 

那田蜘蛛山の前・・・

 

???

「ギャアアア~!!!何だよ、この鬼ババは!!!」

 

炭治郎

「あ、あそこに居るのって・・・」

 

???

「炭治郎~!!助けてくれ~!!」

 

炭治郎

「全く・・・秋月流・雷の型・雷一掃!」

 

鬼ババ

「ギャアア!!」

 

炭治郎

「善逸・・・お前は何してるんだよ・・・」

 

善逸

「いきなりあの鬼ババに襲われて、戦おうと思ったら血気術で刀が抜けなくなったんだから仕方ないだろ!!」

 

炭治郎

「それってどんな血気術だったんだ?」

 

善逸

「蜘蛛みたいに糸を吐いて来たんだよ!!お陰で刀が抜けなくて死ぬとこだったよ!!」

 

炭治郎

「善逸だって免許皆伝の称号を貰ってるんだから、何とか出来るだろ」

 

善逸

「刀抜けないのに鬼の首を切れるか⁉」

 

炭治郎

「それもそうか。とりあえず怪我が無くて良かったよ」

 

「もう刀は抜けるのか?」

 

善逸

「お陰様でな。炭治郎はこれから任務か?」

 

炭治郎

「あぁ。カナエさん達と一緒にな」

 

善逸

「あんな綺麗な嫁さん貰ってるくせに、しのぶさんやカナヲちゃんと仲良くしやがって!!」

 

「俺にも出会いを寄越せ!!」

 

炭治郎

「お前は・・・もう少しは謙虚に生きろよ」

 

善逸

「うるせぇ!!モテ男の炭治郎に俺の気持ちが分かるか!!」

 

炭治郎

「ハァ~・・・善逸だってまともに任務に励んでいれば女の子から好感ぐらい持たれるだろうに・・・」

 

善逸

「任務頑張っても女なんて出来ねぇよ!!」

 

炭治郎

「あんまり騒ぐと慈悟朗さんに報告するぞ」

 

善逸

「それだけはご勘弁を!!爺ちゃん怒らせるとマジで怖いんだよ!!」

 

炭治郎

「なら真剣に任務に取り組めよ・・・そうすれば多少は善逸の事を見てくれる女性が居るかもしれないんだから」

 

善逸

「分かったよ・・・」

 

カナエ

「お話は終わったかしら?」

 

しのぶ

「さっきの鬼、蜘蛛みたいな顔した鬼ババだったわね」

 

カナヲ

「この山に居るのは蜘蛛の鬼で間違いなさそう」

 

炭治郎

「善逸、何か変わった事はあったか?」

 

善逸

「俺が那田蜘蛛山に入る前に、鬼殺隊の部隊が何人か入っていったよ」

 

「それと、伊之助が1人で山に入っていっちゃったよ」

 

炭治郎

「まぁ、伊之助なら一人でも大丈夫だろ・・・大丈夫かな?」

 

善逸

「鬼殺隊の隊士にケンカ売る光景が目に浮かぶよ」

 

炭治郎

「伊之助!!!!今スグに山から出て来れば天ぷらを好きなだけ奢ってやるぞ!!」

 

伊之助

「本当か!!炭治郎!」

 

炭治郎

「この任務中、俺達の言う事を聞くなら好きなだけ天ぷらを食べて良いよ」

 

「でも、その前に勝手に行動したことは琴葉さんに報告するからね」

 

伊之助

「母ちゃんには黙っていてくれ!!」

 

炭治郎

「なら、先走って行動するなよ。伊之助は下弦の鬼に負ける事はまず無いと思うけど、鬼殺隊の隊士と問題起こしかねないんだから」

 

伊之助

「悪かったよ・・・そう言えば山の中で鬼殺隊の連中が仲間内で斬りあってたぜ!」

 

「何人かは死んでたと思うぜ」

 

炭治郎

「マズイ!!鬼が行動を起こしてる!」

 

カナエ

「しのぶ、薬はどれ位ある」

 

しのぶ

「大量には持って来てないわよ。手当て出来ても10人位が限界ね」

 

カナヲ

「大丈夫。珠世さんから予備の薬を貰って来てある」

 

炭治郎

「善逸、伊之助、俺達3人が先に突入するぞ。もし変な音や空気が変わったら教えてくれよ」

 

善逸

「・・・今、何人かの音が消えた・・・急がないとマズいよ!」

 

炭治郎

「クソッ!!伊之助!さっき見た場所まで案内してくれ!」

 

伊之助

「おうよ!!」

 

炭治郎

「カナエさん達は、俺達の後に着いて来てください!」

 

カナエ

「分かったわ!」

 

しのぶ

「カナヲ、スグに薬を出せるようにしておいてね」

 

カナヲ

「うん」

 

みんな

「剃!!」

 

 

 

 

山中・・・

 

鬼殺隊隊士達

「体が勝手に・・・やめてくれ!」

 

「これ以上仲間を切らせないでくれ!!」

 

「骨が折れて・・・肺に刺さって・・・」

 

「ギャアア!!!腕が!!」

 

「もう殺してくれ・・・」

 

 

善逸

「この先で斬りあいの音がする!」

 

炭治郎

「伊之助!何か変な感じはしないか!!」

 

伊之助

「待ってろ!!獣の型・空間識覚!」

 

「・・・・蜘蛛だ!蜘蛛がそこら中に糸を飛ばしていやがる!」

 

炭治郎

「蜘蛛の糸で操ってるのか!!だったら糸を燃やし尽くすだけだ!」

 

「秋月流・炎の型・炎のたてがみ!」

 

善逸

「雷の型・遠雷!」

 

伊之助

「獣の型・円転旋牙!」

 

鬼殺隊隊士

「体が・・・」

 

「自由に動く・・・」

 

炭治郎

「伊之助!善逸!今のうちに鬼殺隊を山の外に連れ出すんだ!ココに居るとまた糸を繋がれて斬りあいになる!」

 

善逸

「分かった!」

 

伊之助

「天ぷらに蕎麦も追加だぞ!!」

 

炭治郎

「懐石料理でも満漢全席でも好きなだけ食わせてやるから急げ!!」

 

 

那田蜘蛛山 入口

 

カナエ

「これは酷いわね・・・何人かは剣士として再起不能まで来ているわね」

 

しのぶ

「応急処置で出来るのはココまでね」

 

カナヲ

「全身傷だらけ・・・酷い」

 

炭治郎

「・・・カナエさん、俺達はこの山に巣食ってる鬼を退治してきます」

 

「鬼殺隊士の処置をもう少し続けていてもらえますか・・・」

 

カナエ

「出来るだけの事はしてみるわ・・・でも、あまり期待はしないでね」

 

炭治郎

「全員助かれば良いんですけどね・・・」

 

善逸

「・・・・炭治郎、相当ブチ切れてるな・・・」

 

伊之助

「あんな炭治郎、初めて見たぜ・・・」

 

炭治郎

「善逸、伊之助、俺は山の裏手から攻めていく。善逸は西側・伊之助は南側。鬼を見つけ次第倒して行こう」

 

「もし、十二鬼月が居たらこの採血刀を刺して血を取ってくれ。珠世さんの研究に必要な事だから」

 

善逸

「これを刺せばいいんだな」

 

伊之助

「これを投げりゃいいんだろ」

 

炭治郎

「よし・・・悪鬼を倒すぞ!」

 

善逸・伊之助

「おぉ!!!」

 

 

 

炭治郎が居る方・・・

 

炭治郎

「人を利用する悪鬼は倒す・・・例えどんな鬼が相手でも」

 

蜘蛛鬼

「また鬼殺隊のガキが性懲りもなく・・・さっさと俺様の胃袋の中に収まりやがれ!」

 

シュン!!

 

炭治郎

「秋月流・居合・陽炎」

 

蜘蛛鬼

「俺の首がァ!!!!」

 

炭治郎

「悪鬼には慈悲は無い・・・精々自分の罪を数えて消えてゆけ」

 

スンスン

 

炭治郎

「鬼の匂いはまだするな・・・俺達で山に巣食っている鬼を全て駆逐してやる」

 

 

 

 

 

 

善逸が居る方・・・

 

善逸

「・・・鬼特有の嫌な音がするな・・・」

 

蜘蛛鬼

「今度は男かい?男は固くて不味いから、出来れば女の方が良いんだけどね~」

 

善逸

「コイツ・・・見た目だけじゃなくて、中身も腐っていやがる」

 

蜘蛛鬼

「面倒だけど食べちゃうよ!!」

 

バシュン!!

 

善逸

「雷の型・霹靂一閃」

 

蜘蛛鬼

「え・・・」

 

善逸

「鬼は全部倒す・・・あのクソ野郎も地獄に叩き落としてやる・・・獪岳のクソ野郎を俺は許さねぇ」

 

「アイツのせいで、爺ちゃんは切腹しようとしたんだ・・・運良く雷蔵師匠が爺ちゃんを訪ねてくれなきゃ、爺ちゃんは死んでた・・・」

 

「鬼は全て倒す・・・絶対にだ」

 

 

 

 

伊之助が居る方・・・

 

伊之助

「フハハハッ!!!猪突猛進!猪突猛進!」

 

「鬼が居るなら出てきやがれ!!片っ端から伊之助様が首を刎ねてやるぜ!!」

 

蜘蛛鬼

「肉を寄越せ!!」

 

伊之助

「獣の型・喰い裂き!」

 

蜘蛛鬼

「ギャアア!!」

 

伊之助

「フハハハ!!この伊之助様に勝てると思ったか!!」

 

「鬼は殲滅だぁ!!まだまだ居るんだろうが!!さっさと出てきやがれ!!」

 

「猪突猛進!猪突猛進!」

 

 

 

 

 

 

炭治郎のいる方・・・

 

炭治郎鬼の匂いがするな

「コッチから濃い鬼の匂いがするな・・・十二鬼月の可能性が高いか・・・」

 

母蜘蛛

「どいつもこいつも役にたたない!!」

 

「こうなったら・・・とっておきを使うしか・・・」

 

炭治郎

「今日は、満月が出ていますね・・・鬼のお嬢さん」

 

母蜘蛛

「鬼殺隊がココまで来るなんて!!この際お前を操ってでも!」

 

炭治郎

「操る・・・お前が蜘蛛を使って鬼殺隊の隊士を操っていた鬼か!!」

 

「お前みたいな姑息な鬼は許せない!!その首を刎ね飛ばしてやる!」

 

母蜘蛛

「イヤ・・・もう踏みにじられるのはイヤ・・・首を差し出せば楽になれる・・・」

 

炭治郎

「・・・悲しみの匂いがする・・・何か事情がありそうだね」

 

母蜘蛛

「・・・私達は偽りの家族を演じているの・・・あの父親に成り代わっている鬼の家族ごっこに無理やり従わされてるの・・・」

 

「私も娘も累も・・・みんな、あのクソ野郎のせいで苦しめられてるのよ!!」

 

炭治郎

「・・・その鬼の所まで案内してください。俺がその鬼を滅殺します」

 

母蜘蛛

「・・・なら、事が終わったら私の首を刎ねてくれる?」

 

炭治郎

「アナタは確かに何人も人を喰ったかもしれない・・・でも、アナタはその罪の重さに必死に耐えている」

 

「アナタは悪鬼ではなく、立派な人です。俺は人の首を刎ねるつもりはありません・・・俺の知り合いの人が鬼でありながら、医者をしていらっしゃいます」

 

「珠世さんなら、アナタの鬼の呪いをきっと外してくれる筈です。娘さんと累と言う子も十分苦しんだ・・・もう自分を許してあげてください」

 

母蜘蛛

「あ・・あぁ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁあん!」

 

母蜘蛛は、炭治郎の言葉を聞いて・・・今まで必死に抑えていた感情が解放されたんだろう・・・涙を流しながら蹲っていた

 

炭治郎

「今は好きなだけ泣きましょう・・・泣くだけ泣いたら、この牢獄を作り出している悪鬼を滅ぼしましょう」

 

母蜘蛛

「・・・えぇ!」

 

善逸

「炭治郎~!!向こうから子供の悲鳴が聞こえてくるよ!」

 

伊之助

「炭治郎!コイツ、鬼なのに傷だらけで倒れてたぜ!」

 

母蜘蛛

「瑠奈!!しっかりしなさい!」

 

娘蜘蛛(瑠奈)

「・・・お母さん・・・累が、アイツに連れて行かれたわ・・・多分、子供の悲鳴は累の悲鳴よ・・・」

 

炭治郎

「・・・善逸、悲鳴はどっちの方から聞こえるんだ」

 

善逸

「南西の方角だよ!!林を越えた先の辺りだ!」

 

炭治郎

「伊之助!俺を思いっきり南西方向にぶん投げてくれ!!進路の調節は俺がやる!」

 

伊之助

「よっしゃあ!!!思いっきり行くぜ、炭治郎!」

 

「ぶっ飛べ!!!」

 

炭治郎

「ありがとう、伊之助!!」

 

「鬼は何処だ・・・見つけたぞ!自分勝手な妄想に他人を巻き込むクソ野郎!!」

 

「・・・僕もそろそろ死ねるのかな・・・父さん、母さん、もう少しでそっちに行けるよ・・・」

 

父蜘蛛

「お前の父親は俺だぁ!!」

 

炭治郎

「その薄汚い手を離せ!!二刀流!花の型!百花繚乱!」

 

ザシュ!!

 

父蜘蛛

「ガッ・・・」

 

「凄い・・・」

 

炭治郎

「君が累だね。お母さん達の所に行こう」

 

「うん」

 

 

 

母蜘蛛

「静かになったわね・・・」

 

瑠奈

「もしかして累は・・・」

 

善逸

「それは無いよ。炭治郎は、俺達剣士の中で五本の指に入る程の剣の達人だから」

 

伊之助

「炭治郎はスゲェんだぜ!!俺達が束になって掛かっても簡単に倒しちまうんだからよ!」

 

炭治郎

「お待たせ。この子が累と言う子ですね」

 

母蜘蛛

「累!酷い傷・・・鬼なのに何で傷が治らないのよ!」

 

「だって、僕人を食べた事無いから・・・」

 

瑠奈

「このままだと衰弱して累は・・・・」

 

炭治郎

「・・・試しに俺の血を飲んでみますか?」

 

「俺の血は稀血みたいなので、飲む程度ならそこまで鬼の本能は暴走しないと思いますけど」

 

善逸

「俺と伊之助も稀血だから、俺達の血も使えよ」

 

伊之助

「俺様の血が必要なら使え!!そんでもって、俺の子分になれ!」

 

母蜘蛛

「アナタ達・・・」

 

炭治郎

「さぁ、早く」

 

「・・・ありがとう」

 

累は、炭治郎が刀で斬った場所から血を少し舐めとった・・・

 

ドクンッ!!

 

「これは・・・体が熱い・・・」

 

炭治郎

「念の為に、鬼の食人衝動を抑える薬を使います。苦しくはならないと思うんで安心してください」

 

俺は、珠世さんから貰っていた鬼の食人衝動を抑える薬を累の腕に注射器で投与した・・・

 

「・・・本当だ。苦しくないよ」

 

善逸

「傷も消えたみたいだし、とりあえず安心だね」

 

伊之助

「ガハハハッ!!伊之助様が居ればこれ位朝飯前だぜ!」

 

炭治郎

「もうこの山に用は無いので、立ち去りましょう」

 

母蜘蛛

「これから何処に行けば良いの」

 

炭治郎

「俺達が所属している討鬼伝の研究所ですかね。珠世さんと愈史郎さんと朱雀さんと言う鬼のお医者さん達が鬼を殺す薬を研究しています」

 

「そのお手伝いをしてあげてください。それにクソワカメ頭の鬼の呪いも解ける筈なので」

 

瑠奈

「この鬼のチカラを無くせるの?」

 

炭治郎

「そこはまだ研究段階だと言っていました。でも、鬼の食人衝動を無くして、血を飲むだけで生きて行けるようには出来るそうなので大丈夫だと思います」

 

母蜘蛛

「・・・分かったわ。そこまで連れて行って」

 

炭治郎

「分かりました。では、行きましょう」

 

 

 

 

カナエ

「おかえり。何とか全員の命は助かったわ」

 

しのぶ

「残念だけど、何人かは剣士としては再起不能よ」

 

カナヲ

「治らなかった・・・」

 

母蜘蛛

「・・・私のせいです・・・どうか私の首を」

 

鬼殺隊士

「・・・お前のせいで俺達はこの有り様だ!!その首を差し出せ!!」

 

炭治郎

「この人達は、俺達の保護下に入った。簡単に手出しできると思うなよ」

 

鬼殺隊士

「同じ鬼殺隊のくせに俺達の邪魔をするのか!!」

 

善逸

「俺達が鬼殺隊?冗談だろ。誰があのクズ野郎が居た鬼殺隊に入るか」

 

伊之助

「俺達は、鬼殺隊なんかじゃねえ!!お前達みたいな弱っちい奴らと一緒にするんじゃねえ!」

 

炭治郎

「コラ、口が悪いぞ伊之助。もっと柔らかく言いなさい」

 

善逸

「炭治郎も割と酷いこと言ってるぞ」

 

カナエ

「私達のお仕事は終わったし、戻りましょう」

 

しのぶ

「そうしましょう。任務は終わったんだし」

 

カナヲ

「お腹空いた・・・」

 

鬼殺隊隊士

「待て!!話は終わってないぞ!!」

 

炭治郎

「アナタ達と話す事はありません。悪鬼と良い鬼との区別もつかない人達なんて興味無いんで」

 

善逸

「うわ~、炭治郎って辛辣な事言うんだ」

 

伊之助

「流石炭治郎だぜ!」

 

カナエ

「そちらの鬼の皆さんも行きましょう。日が昇る前に何処かに避難しないと」

 

炭治郎

「善逸は累を・伊之助は娘さんを・俺はお母さんを背負っていくから急いで行くぞ」

 

善逸

「分かったよ」

 

伊之助

「おう!」

 

カナエ

「私達も行くわよ」

 

しのぶ

「えぇ」

 

カナヲ

「お腹空いた・・・」」

 

炭治郎

「後で、好きな物を奢ってあげるから行くよ!」

 

みんな

「剃!!」

 

 

 

 

宿・・・

 

炭治郎

「フゥ・・・とりあえず、今日はココで一泊しましょう」

 

善逸

「鬼殺隊と関わると、良い事無いよなぁ」

 

伊之助

「炭治郎!!約束の天ぷらと蕎麦を食いに行くぞ!!」

 

炭治郎

「今日じゃなきゃダメか?」

 

伊之助

「今日だ!」

 

女将

「近くに、天ぷらと御蕎麦の美味しいお店が有りますよ。ココから近くなので良かったら行ってみてください」

 

炭治郎

「ありがとうございます」

 

カナエ

「私としのぶはお留守番してるわ。お土産お願いね♪」

 

しのぶ

「お土産はそばがきでお願いしますね」

 

母蜘蛛

「私達は、食べられないから要らないわ」

 

瑠奈

「こういう時、食べられないのが残念ね」

 

「僕も食べたいけど・・・気持ちだけ貰っておくよ」

 

炭治郎

「今度、珠世さんと朱雀さんにお願いして、鬼でも食事が出来ないか聞いてみるよ」

 

「伊之助、善逸、カナヲ、行こう」

 

 

 

 

近くの御蕎麦屋・・・

 

炭治郎

「今日は、俺が奢るから好きなだけ食べて良いぞ」

 

伊之助

「俺は、天ぷらと蕎麦だ!!」

 

善逸

「俺は、カレー南蛮にするよ」

 

カナヲ

「私は、きつね蕎麦にしようかな」

 

店主

「いらっしゃい。ご注文はお決まりで?」

 

炭治郎

「掛け蕎麦1つ・カレー南蛮1つ・ざる蕎麦を・・・とりあえず3人前と天ぷらの盛り合わせを5人前・きつね蕎麦を1つお願いします」

 

「それと、お土産で天ぷらとそばがきをお願いします」

 

店主

「畏まりました。少々お待ちください」

 

炭治郎

「足りなかったら追加して良いよ」

 

伊之助

「天ぷらを腹一杯食っていいなんて夢みたいだぜ!帰ったら、母ちゃんに自慢してやるぜ!」

 

善逸

「あんまり言うと、琴葉さんが機嫌悪くなるぞ」

 

炭治郎

「帰る時に、綺麗な花を摘んで渡してあげような」

 

伊之助

「おう!」

 

カナヲ

「こうやって見てると、3人って兄弟みたいだね」

 

「炭治郎が長男で、善逸が次男で、伊之助が末っ子って感じがする」

 

伊之助

「俺達は、同じ釜の飯を食った仲間だからな!兄弟みたいなもんだぜ!」

 

善逸

「確かに言えてるかも。俺達は、師事した師匠は違うけど、歳は大体同じだから義兄弟みたいな感じかな」

 

カナヲ

「私もお兄ちゃんが欲しいな・・・あ、でも炭治郎がカナエ姉さんと結婚するから私のお義兄ちゃんになるから良いんだ」

 

善逸

「炭治郎~!!お前だけあんな美人と結婚だなんてズルいぞチクショー!!」

 

炭治郎

「その話は昨日もしただろ!!善逸は、もう少し女性に対して紳士的に接しろよ。そうじゃないといつまで経っても変わらないぞ」

 

善逸

「俺だって、これでも頑張ってるんだよ!」

 

カナヲ

「善逸は、戦ってる時はカッコいいのに」

 

店主

「お待ちどうさま。掛け蕎麦・ざる蕎麦3人前・カレー南蛮・きつね蕎麦・天ぷら5人前ですよ」

 

炭治郎

「ありがとうございます」

 

店主

「ごゆっくりどうぞ」

 

みんな

「いただきます」

 

炭治郎

「伊之助、俺の分の天ぷら食べて良いぞ」

 

伊之助

「要らねえ!俺は2人前あれば良い!!自分の分は自分で食べろ!」

 

善逸

「あの伊之助が、断るなんて・・・意外だな」

 

炭治郎

「そうか。まだ食べるなら注文するんだぞ」

 

伊之助

「おう!」

 

善逸

「それにしても、鬼殺隊と会うなんて災難だな」

 

カナヲ

「討鬼伝の人達は、鬼殺隊が嫌いなの?」

 

炭治郎

「正直言って、嫌ってる人が多いと思うよ。秋月流の開祖の秋月三左衛門さんが継国縁壱さんと出会った事で秋月流が生まれたんだけど、縁壱さんは鬼殺隊から追い出された事を聞いた三左衛門さんが恩を仇で返す最低な組織だって思った事がキッカケなんだよ」

 

「それ以来、秋月流の剣士は鬼殺隊と一切関わらないようにしてきたんだけど・・・俺がカナエさんを助けた事で関わりが生まれたんだよ」

 

「俺がカナエさんを助けた事で、少し考えが変わったんだ。信頼できる人なら少しは話をしてみても良いんじゃないかってね」

 

「カナエさん・しのぶさん・カナヲは信頼できる人として討鬼伝に迎え入れたんだ。宇随さんは、鬼殺隊には内緒の協力者って立ち位置になるのかな」

 

カナヲ

「宇随さんが討鬼伝に協力してることが鬼殺隊にバレたら如何なるの?」

 

炭治郎

「う~ん・・・多分だけど、討鬼伝と繋がりを作ろうとして来ると思うよ。コッチとしては別に協力しなくても問題ないんだけどね」

 

善逸

「俺は、元兄弟子のクソ野郎が鬼になった事で師匠の爺ちゃんが切腹しかけたんだよ。そこに俺を鍛えてくれた雷蔵師匠が偶然爺ちゃんを訪ねてくれた事で事なきを得たんだけど・・・育てた剣士が鬼になった責任を師匠に切腹させて取らせる鬼殺隊が俺は嫌いだ」

 

伊之助

「俺は、母ちゃんを見捨てた鬼殺隊が嫌いだぜ!!アイツ等、母ちゃんが鬼に追われてる時に鬼に返り討ちにされたら、逃げちまったんだぜ!」

 

「その時、父ちゃんが助けてくれたんだ!」

 

カナヲ

「お父さん?」

 

炭治郎

「伊之助のお父さんは、秋月流の師範の中で五本の指に入る程の剣豪なんだよ。草薙一馬さんって言うんだ」

 

カナヲ

「あれ?伊之助と苗字が違うね」

 

炭治郎

「伊之助のお母さんの琴葉さんと一馬さんは再婚なんだよ。秋月流の剣士は、結婚した後は暫くは苗字は別々のままだから、伊之助の苗字は嘴平のままなんだよ」

 

カナヲ

「そういえば明日香さんも言ってたね。善逸の苗字は誰の苗字なの?」

 

善逸

「俺の苗字は、両親の苗字だけよ。でも、両親が病弱で生まれてスグに爺ちゃんに預けられたから、名乗るなら桑島善逸になるのかな」

 

「でも、爺ちゃんが両親から貰った苗字と名前は大事にしろって言われたからこのままなんだよ」

 

カナヲ

「私とは違うね・・・私は両親に捨てられたから・・・」

 

炭治郎

「カナヲ・・・過去は変えられないけど、未来は変えられるんだ。だから辛い過去を楽しい思い出で上書きするんだ」

 

「それに、俺達はもう家族みたいなモノでしょ」

 

善逸

「そうそう。同じ釜でご飯を食べれば家族同然なんだから」

 

伊之助

「カナコも俺の子分にしてやるぜ!!」

 

カナヲ

「みんなありがとう・・・後、私の名前はカナヲだから」

 

伊之助

「良し!!腹も膨れたし帰るぜ!!」

 

善逸

「ご馳走様でした。炭治郎、俺の分は自分で出すよ」

 

炭治郎

「良いよ。お金使う時が無いから払わせてくれ」

 

善逸

「炭治郎がそう言うなら・・・ご馳走になるよ」

 

カナヲ

「美味しかったね」

 

炭治郎

「ご主人、お会計お願いします」

 

店主

「全部で、2円になります」

 

大正時代の2円は、現在の価値で3500円位

 

炭治郎

「なら、2円丁度で」

 

店主

「丁度頂きます。それとコチラはお土産用の天ぷらとそばがきになります。早めにお召し上がりください」

 

炭治郎

「分かりました。お蕎麦と天ぷら美味しかったです」

 

店主

「またのお越しを」

 

 

 

 

宿

 

炭治郎

「今戻りました。カナエさん、しのぶさん、これお土産です」

 

カナエ

「炭治郎君、おかえりなさい。天ぷらを買って来てくれたのね♪」

 

しのぶ

「そばがきもありがとうございます♪早速頂きますね」

 

炭治郎

「俺達が見張りをやっているのでごゆっくりどうぞ」

 

善逸

「俺が屋根の上で見張るから、伊之助は入口を頼むよ」

 

伊之助

「伊之助様に任せろ!!」

 

炭治郎

「俺は、裏口に居るから。何かあったら呼んでくれよ」

 

俺達は、それぞれの持ち場に付いて見張りをしていたが・・・特に何もなかった

 

 

次の日・・・

 

炭治郎

「今日は、皆さんを俺達が所属している討鬼伝の本部迄お連れします」

 

「道中は、念の為に目隠しをさせて頂きます」

 

母蜘蛛

「何故目隠しを?」

 

炭治郎

「先日、珠世さんと朱雀さんから鬼舞辻無惨の能力の一部をお聞きしました」

 

「鬼舞辻は、他の鬼と視覚を共有する事が出来るそうです。それを考慮しての目隠しです」

 

「今僕達が見ている光景も見られてるの?」

 

炭治郎

「恐らく見られてるだろうね。ちょっとそのままで居てね」

 

「うん」

 

炭治郎

「おい、クソワカメの鬼舞辻クソ野郎・・・コソコソ隠れてないで掛かってこいよ」

 

「臆病者のクソッタレ野郎には難しいか・・・・情けない奴」

 

善逸

「炭治郎、あんまり本当の事言うなよ・・・捻くれて面倒になるだけだぞ」

 

伊之助

「ビビッて外に出てこれない野郎なんざ、俺達の敵じゃねえぜ!!」

 

炭治郎

「まぁ、そう言う事で・・・一生怯えて暮らしてればいいさ・・・その内お前を見つけ出して地獄に叩き落としてやる」

 

「累、もう良いよ。お疲れ様」

 

「本当に見てるのかな・・・」

 

 

 

とある隠れ家・・・

 

無惨

「おのれ!!!この私を愚弄するか!!黒死牟は何処にいる⁉」

 

「今スグに私を愚弄した愚か者を始末して来い!!」

 

黒死牟

「御意」

 

移動中・・・

 

黒死牟

「面倒だな・・・私は何故鬼になる選択を選んでしまったのか・・・縁壱に劣等感を抱いていた所に付け込まれた事は認めるが」

 

「この呪いを外せないモノか・・・」

 

鳴女

「襖を繋ぎます・・・」

 

べベン!!

 

 

 

炭治郎

「・・・この匂い・・・強い鬼が来る!」

 

黒死牟

「お前が・・・まさか縁壱なのか・・・」

 

炭治郎

「・・・黒死牟・・・継国厳勝だな」

 

黒死牟

「・・・お前は、縁壱の生まれ変わりなのか・・・」

 

炭治郎

「俺は、竈門炭治郎・・・縁壱さんから託された日の呼吸を代々受け継ぐ剣士だ」

 

黒死牟

「日の呼吸を受け継いでいるのか・・・ならば、私の月の呼吸と日の呼吸・・・どちらが強いか勝負といこう」

 

炭治郎

「・・・分かった」

 

黒死牟

「上弦の壱・・・黒死牟、参る」

 

炭治郎

「討鬼伝所属・秋月流剣士・竈門炭治郎・・・参る!」

 

黒死牟

「月の呼吸・伍ノ型・月魄災禍」

 

炭治郎

「ヒノカミ神楽・炎舞!」

 

黒死牟

「ほぉ・・・腕の立つ剣士のようだな」

 

善逸

「伊之助!俺達も行くぞ!」

 

伊之助

「おう!」

 

炭治郎

「来るな!!これは、俺と黒死牟の真剣勝負なんだ・・・決着がつくまで手は出さないでくれ」

 

善逸

「・・・分かったよ、炭治郎」

 

伊之助

「炭治郎が死にそうになったら乱入するからな!!」

 

黒死牟

「続けるぞ・・・月の呼吸・拾漆ノ型・月影の舞い」

 

炭治郎

「ヒノカミ神楽・円環!」

 

この時、炭治郎は黒死牟の月の呼吸の剣技の全てを自分の脳裏に焼き付けていた・・・

 

炭治郎

「月の呼吸の剣技を全て模倣するんだ・・・そうすれば黒死牟の技が予測できるようになる筈だ!」

 

「何が何でも見切ってみせる!」

 

黒死牟

「ほぉ・・・私の剣技を盗もうとしているのか・・・面白い。全て模倣できるならやってみせろ」

 

炭治郎は、剣技の模倣をしながら新たな剣の型を作ろうとしていた・・・

 

炭治郎

「可笑しい・・・何でヒノカミ神楽と所々の動きが似ているんだ?」

 

「もしかして、月の呼吸も日の呼吸から派生した呼吸剣術なのか!!それなら月の呼吸も神楽の舞いに変えれば良い!」

 

 

炭治郎の中で、歯車がカチッと嚙み合った・・・すると、頭の中に新たな神楽の舞いが生まれた・・・

 

 

炭治郎

「ツキヨミ神楽・・・月龍輪尾」

 

黒死牟

「今のは・・・私の月の呼吸の剣技・・・まさか、この短時間で模倣されたというのか!」

 

炭治郎

「日の呼吸と似ている所が有って助かったよ・・・もうお前の剣技は俺には通用しないぞ」

 

黒死牟

「では、これは如何だ・・・月の呼吸・玖ノ型・降り月 連面」

 

炭治郎

「ツキヨミ神楽・降り月・連面」

 

黒死牟

「間違いなく私の使う月の呼吸・・・縁壱、お前が日の呼吸を託した剣士は、私の月の呼吸を受け継ぐ事が出来る剣士だったぞ」

 

 

黒死牟が、そう呟くと・・・炭治郎の背後に縁壱の幽霊が現れた・・・

 

 

縁壱

「兄上・・・私は、兄上と共に仲の良い兄弟として暮らしたかったです」

 

黒死牟

「縁壱・・・」

 

 

「私は、兄上を見下したり、蔑んだことなど一度も有りませんでした。共に鬼舞辻無惨を倒す事が出来ればと思っておりました」

 

「ですが、兄上は鬼になってしまいました・・・最後は、決別という結果になってしまいましたが・・・来世では、再び兄弟として暮らしたいと思っています」

 

黒死牟

「すまなかった・・・縁壱」

 

「私の心が弱いばかりに・・・お前を苦しめてしまった」

 

縁壱

「今からでも選択を変える事は出来ます・・・無惨と決別し、炭吉の子孫の炭治郎たちと共に戦ってください」

 

黒死牟

「縁壱が私を許してくれるというのなら、私も再び鬼狩りの柱として立ち上がろうぞ」

 

それを聞いた縁壱の幽霊は、優しく微笑むと・・・キラキラと光りながら消えていった・・・

 

 

黒死牟

「竈門炭治郎と言ったな・・・お前に私の月の呼吸を正式に託す」

 

「そして、私は鬼と決別し・・・お前達に協力しよう」

 

炭治郎

「・・・え?」

 

厳勝

「今日から私は、黒死牟ではなく継国厳勝を再び名乗ろう。元鬼殺隊・月柱・継国厳勝・・・ココに復活する」

 

善逸

「コレって万々歳の結果じゃない?」

 

伊之助

「最強の鬼を仲間にするなんてスゲェじゃねえか!!」

 

炭治郎

「とりあえず、本部に珠世さんと朱雀さんと言う鬼のお医者さんがいらっしゃいますんで、お2人を交えて話し合いましょう」

 

「その前に、珠世さんから預かっていた鬼のチカラを一時的に阻害する薬を使います。累たちにも使うからコッチに来てくれ」

 

 

俺は、累たち家族と厳勝さんに薬を使った・・・すると、累たちの見た目が鬼では無くなり、人にしか見えなくなった

 

厳勝さんは、6つ有った目が無くなり・・・鬼になる前の顔に戻った・・・

 

厳勝

「この姿に戻るのは、何百年振りだろうか・・・」

 

母蜘蛛

「鬼にされる前の私に戻れたわ・・・」

 

瑠奈

「もう人を襲わなくて良いのかしら・・・」

 

「鬼じゃ無くなったんだね・・・」

 

炭治郎

「一時的だけどね。早めに珠世さん達と合流しないと!」

 

善逸

「幸い、本部の近くだし走っていこう」

 

伊之助

「爆裂猛進!!伊之助様を止められるもんなら止めてみやがれ!!」

 

カナヲ

「伊之助行っちゃったね・・・」

 

カナエ

「私達は、駆け足で行きましょう♪」

 

しのぶ

「剃使ったら、みんな着いて来れないもの」

 

炭治郎

「では、これから駆け足で討鬼伝本部を目指します。出発!」

 

 

 

討鬼伝 本部

 

慎吾

「これはまた・・・大物を連れてきましたね」

 

彦十郎

「炭治郎・・・お前さん、どんな神に愛されてるんじゃ・・・」

 

珠世

「まさか、上弦の壱の黒死牟を仲間にしてしまうなんて・・・」

 

愈史郎

「炭治郎・・・お前、本当に人間か?」

 

朱雀

「黒死牟を仲間にするとは・・・前代未聞だね」

 

明日香

「流石、私達の弟ね♪お姉ちゃんは鼻が高いわ♪」

 

大和

「流石炭治郎と言うところか。俺達には出来ない事を簡単にやってくれるな」

 

炭治郎

「とりあえず、厳勝さん達をお連れしました。珠世さん、朱雀さん、後はお願いしても良いですか?」

 

珠世

「えぇ。鬼の呪いを外す処置を始めましょう」

 

朱雀

「その後は、陽光の克服をしないと。青い彼岸花を見つけてこないとね」

 

炭治郎

「青い彼岸花ですか?」

 

朱雀

「そうさ。鬼が陽光を克服するには、青い彼岸花を使うのが一番簡単なのさ」

 

炭治郎

「青い彼岸花なら、俺達が住んでいた炭焼き小屋の裏の山に生えてましたよ。数本でしたけど」

 

朱雀

「本当かい⁉なら、急いで青い彼岸花の地下茎から採取しないといけないよ!」

 

珠世

「朱雀、何故地下茎から採取する必要が有るの?」

 

朱雀

「鬼舞辻の馬鹿も青い彼岸花を探しているからだよ!もしあいつが青い彼岸花を見つけて、取り込んでしまえば日の呼吸を以てしても殺す事は出来なくなる!」

 

「あの馬鹿が見つける前に、コッチで採取して厳密に保管する必要が有るんだよ」

 

炭治郎

「なら、俺が明日取ってきますよ。植木鉢を持って行かないといけないかな・・・」

 

朱雀

「なら、アタシも着いて行くよ。現物を見た方が本物か判断できるからね」

 

 

 

次の日・・・

 

朱雀

「アンタの家まではどれ位掛かるんだい?」

 

炭治郎

「そんなに遠くありませんよ。普通に歩いて2時間程で着きますよ」

 

朱雀

「なら、早速行こうかね」

 

葵枝

「炭治郎、もう行くの?」

 

炭治郎

「母さん、お腹が大きいんだから見送りは良いって言ったじゃないか」

 

葵枝

「息子の出立の時くらい見送らせてほしいの・・・気をつけてね」

 

炭治郎

「行ってきます」

 

カナエ

「お義母さんの事は、私達に任せてね♪」

 

禰豆子

「お兄ちゃん、必ず帰って来てね!」

 

しのぶ

「炭治郎君、ご家族を悲しませてはいけませんよ」

 

カナヲ

「留守番は任せてね」

 

厳勝

「上弦の鬼が攻めて来ても、私達が居れば大丈夫だろう。炭治郎の家族は皆で守ってみせるぞ」

 

「気をつけてね」

 

炭治郎

「・・・何か、随分と大所帯になって来たな・・・行ってきます」

 

 

移動中・・・

 

 

朱雀

「アンタのお父さん、縁壱さんにソックリだったよ・・・生き写しなんじゃないかと思ったよ」

 

炭治郎

「厳勝さんも似ているって言ってましたね。俺と父さんの額の痣もそうだけど、顔つきが似てるって言ってました」

 

朱雀

「やっぱり色んな繋がりを感じるよ・・・運命ってやつかね」

 

炭治郎

「この山の中に俺達が住んでた炭焼き小屋が有りますよ。青い彼岸花は、この裏山に生えてます」

 

朱雀

「早速採取に向かうかね」

 

 

裏山・・・

 

炭治郎

「ココです」

 

朱雀

「そうかい・・・ココは縁壱さん・うたさん・お腹のお子さんが眠ってる場所だね・・・私と秋月の初代当主が埋葬した場所だから間違いないよ」

 

炭治郎

「ココに縁壱さん御一家が眠っているんですね・・・コレが青い彼岸花です」

 

朱雀

「如何やら本物の青い彼岸花だね・・・あの馬鹿にバレない内に根っこから採取していくかね」

 

炭治郎

「俺も手伝いますよ」

 

俺と朱雀さんは、青い彼岸花を綺麗に根っこから採取して、鉢植えに移し替えた後・・・本部に戻った

 

 

 

討鬼伝 本部・・・

 

朱雀

「珠世、今から青い彼岸花を使って陽光克服薬を作るから手を貸しとくれ」

 

珠世

「分かったわ」

 

炭治郎

「そういえば、カナエさん先日宇随さんから珍しい薬学の文献を貰っていませんでした?」

 

カナエ

「この前から解読を頑張ってるんだけど、虫食いが多くて進まないの。宇随君も虫食いで読めないって言ってたけど、大事な所が欠けてるのよ」

 

朱雀

「それを見せてくれるかい?」

 

カナエ

「良いですよ」

 

朱雀

「・・・コイツは驚いたね・・・既に廃れた薬学の文献だよ。鬼を殺せる薬に、鬼を人間に戻せる薬の作り方も書いてあるけど・・・確かに虫食いが酷いねぇ」

 

珠世

「一度、虫干しした方が良いかもしれないわ」

 

朱雀

「なら、私の方でやっておくよ。その前に、陽光克服薬を作らないとね」

 

朱雀と珠世の両名は、青い彼岸花を使った陽光克服薬をその日の内に完成させ・・・厳勝達に投与し、見事に陽光を克服した人に協力する鬼達が誕生した

 

 

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