時過ぎて(大人悪魔ほむら×大人さやか短編集) 作:さんかく@
「まどか」
ママが呼んでる。私はツリ―の「お星さま」を持ったまま、台所へ行った。
「ママ、どうしたの?」
ママはにっこりと笑って私の頭を撫でてくれた。長い黒髪のとっても綺麗な私のママ。
「…ツリ―の飾り付けは終わりそう?」
「うん!このお星さまを付けたらね、「かんせい」するの!」
「そう…」
「うん!それでね……」
ツリ―のてっぺんにこのお星さまをのせたら「ばっちりかんせい」って「さやか」が言ってたってママに教えたら、ママはなんだか変な顔をした。怒ったのかな?
「ねえ、ママ、さやかは?」
「…すこしお遅くなるって、でも帰ってくるわよ」
「よかった!」
さやかはずっと私とママと一緒に住んでる「どうきょにん」で、「おまわりさん」だ。いつも仕事で遅くなって、時々ママとケンカするけど本当はとってもなかよし。
「遅くなりそうだから、さやかが帰ってくる前に、先に食事しましょうか?」
「ううん、三人で食事したいから…待ってる」
「まどかは優しいのね」
そう言って、ママは私を抱きしめて、ほっぺをくっつけた。
「くすぐったいよぉ」
「ほら、じっとして…」
ママは私をぎゅうって抱きしめて、離してくれない。なんだか恥ずかしい。
――ピンポーン
あれ、夜遅いのにお客さんかな?ママは立ち上がると玄関にむかって「どなたですか?」って聞いた。
『サンタです』
え、サンタ?本当に?私はびっくりしてママのスカートを掴んで後ろに隠れた。
「本当にサンタさんですか?」
ママがまた聞いた。
『はい、まどかちゃんにプレゼントを渡しに来ました』
「え、私に?」
私は思わず声を出した。だって、サンタさんが私にプレゼントを渡しにくるなんて…でもなんだかどこかで聞いたことのある声。
「それじゃあ、仕方ないわね、どうぞ」
ママは、はあ、とため息をついてドアを開けた。なんだか怒っているみたい、どうしたんだろ?
ガチャリ、とドアが開いて、赤い服の白いおひげのサンタさんが現れた。
「メリークリスマス!」
「わあ、サンタさんだ!」
でも、サンタさんって、蒼い髪だったっけ?ちょっと不思議に思ったけど、でも袋から大きなプレゼントを出してくれたから、やっぱりサンタさんだ。
「あら、私にはプレゼントは無いの?サンタさん?」
ママがサンタに聞いた。サンタさんはびっくりしたみたいで、なんだかワンちゃんみたいに困った声を出した。でも、なんだかママは楽しそうで。サンタさんは袋に手を入れてごそごそして、なんだかちっちゃな茶色いものを出した。
「はい、まどかちゃんのママにはこれを!」
ママの手に小さなクマのぬいぐるみ。あ、家にあるクマのぬいぐるみと一緒だ。ママはそれをじっと見て、動かなくなった。サンタさんもなぜか動かなくなって。
「……持ち運べるサイズもいいかなって…」
サンタさんがとっても小さな声でそう言ったら、ママはもっと小さな声で
「馬鹿ね…」って言った。
それから、私はびっくりした、だってママがサンタさんに抱きついたから。
「本当に、情けないサンタだわ…」
そう言って、
――ママがサンタにキスをした。
END
ぬいぐるみのクマは以前登場したクマです。
そしてこのまどかはなんらかの理由で子供に戻ったまどかなのか、それとも…
強めな幻覚ですが楽しんで頂ければ…!