アサルトリリィ×仮面ライダー story of グランエプレ 作:黒破リンク
アイドル衣装をみつけた4人。早速高嶺達を誘うも、答えは保留となってしまう。
それから数日たった頃……
数日後……
叶星「ええっと……次に報告があったのはこの辺りね。」
高嶺「廃墟、駅前、祭祀施設、そして次は公園。ここもヒュージ反応はなし。のんびりしてるわね。」
飛羽真「どうする?未だなんの手掛かりもないし。」
叶星「どうしよう高嶺ちゃん……。」
賢人「こうしてる間にも、正体不明のヒュージが暴れているかも。」
高嶺「落ち着いて、叶星。手掛かりがないならないで、いいこともあるんだから。」
叶星「え?」
高嶺「このまま手掛かりが見つからなければ、デートを続けることができるでしょう?」
叶星「もう……高嶺ちゃんったら。こんな時にまでそんな冗談、言わなくても……。」
高嶺「だって、またひとりで背負い込んでいるように見えたから……。周りが見えてないと、大切な手掛かりも見逃してしまうかもしれないわよ?」
叶星「あっ……うん……そうだね、高嶺ちゃん。ごめんね、気をつけるよ。」
高嶺「謝る必要は無いわ。その時は、私が叶星の目になればいいんだから。」
叶星「高嶺ちゃん……。」
高嶺「ふふっ……文化祭でアイドルリリィをする件も忘れちゃイヤよ?」
叶星「た、高嶺ちゃん……。流石にそれは今、関係ないんじゃ……。」
高嶺「あら、関係あるわよ。今後のモチベーションを保つ意味で……。」
飛羽真(どうする?賢人、アイドルリリィの件。)
賢人(僕らはアイドルって言っていいものなの?別の形で協力したいよね。)
飛羽真と賢人は、小声で話をしていた。
賢人(例えばほら、バンド…とか?)
飛羽真(あー、ありだね。大秦寺さんにも聞いてみよっか。)
飛羽真「てか高嶺、お前そう言って叶星のアイドル衣装見たいだけだろ。」
高嶺「ふふ、そうかもしれないわね?」
賢人「(飛羽真、君も高嶺がアイドル衣装着てる姿見たいって気持ち、隠しきれてないよ。)」
内心飛羽真も高嶺の衣装姿を見たいんだな、と察していた賢人。
高嶺「私、見たいもの。あの衣装に身を包んだ、可愛い可愛いアイドル叶星を。」
賢人「(直球で言ったね!?)」
叶星、賢人「「高嶺ちゃん(高嶺)の個人的な希望じゃないの……。(じゃんか……。)」」
2人は思わず呆れてしまう。
すると飛羽真は叶星に問いを投げかけた。
飛羽真「叶星も気になってんだろ?あの時の姫歌ちゃんの反応。」
姫歌『そっ、それはダメですっ!!あの衣装でステージに上がらないと!!』
高嶺「必死さが、いつもの比じゃなかった……。」
賢人「その後急にいつもの感じに戻ったけど、どこか不自然だった。」
叶星「うん……それは……。」
するとどこからか歌声が聴こえる。
飛羽真「ん?この声……。」
叶星「誰かが歌ってるみたいね。向こうの公園から聞こえてくるけど……。」
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比呂美「個人練習はもういいわね……。皆さん、次は合唱練習に移りましょう。」
ひたむきリリィ「はい、比呂美様。」
活発リリィ「わかりました。」
比呂美「あなたもいいかしら?土岐紅巴さん。」
紅巴「え、あ、はい……。だ、大丈夫です……。」
比呂美「そう……。では、いつもの練習曲を。よろしくお願いします、皆さん。」
声楽科生徒達「はい!」
声楽科の生徒たちは歌い始める。
紅巴「(はう〜、合唱は苦手です。わたしの歌声、皆さんにどう聞こえてるのでしょうか……姫歌ちゃんがいてくれれば、歌いやすいのですが……なんで練習に参加してないんでしょう)」
紅巴「〜〜〜♪」
比呂美は紅巴に話しかける。
比呂美「ちょっといいかしら?土岐紅巴さん。」
紅巴「は、はい!?」
比呂美「いつもより声が出ていないようだけど……体調でも悪い?」
紅巴「い、いえ、その……体調は大丈夫です……。」
比呂美「そう……。じゃあ、定盛さんが来ていないせいかしら?」
紅巴は図星を突かれ、動揺する。
紅巴「──っ!?それは……。」
比呂美「人前で歌うのが苦手なのはわかるけど、合唱なのだからもっと自信持って参加して欲しいわね。せっかく素敵な歌声を持っているのに……。」
紅巴「そ、そんな。私の歌なんて……。」
比呂美「……………………。それじゃ、練習を再開しましょう。もう一度、頭から。」
声楽科生徒「はい!」
比呂美「1、2、3、4!」
声楽科の生徒たちはまた歌い始める。
そこに高嶺達4人は見に来ていた。
高嶺「こんなところで声楽科の生徒が練習をしていたのね。素敵な歌声……。」
叶星「そうね。聞いてるだけで、心が安らぐわ……。」
飛羽真「惜しいけど、平和なひとときは終わりって訳か。」
叶星「えっ?」
声楽科の生徒「きゃぁぁぁぁっ!!」
空からヒュージが降りてきていた。
ひたむきリリィ「そ、空からヒュージが……!!いつの間にっ!?」
活発リリィ「何なの、あのヒュージ!?みんな、CHARM構えて!」
比呂美「はぁっ…………!まさか……また現れるなんて……!」
比呂美「(あいつもいるんだ……どこかに!)」
比呂美「くっ……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……。」
紅巴「きゃぁぁぁっ!!」
比呂美「紅巴さんっ!?」
ヒュージの攻撃を防ぐも押されていく紅巴。
紅巴「うぅっ!!」
ヒュージに攻撃を仕掛ける紅巴。
紅巴「くっ!!」
CHARMから弾を放つもヒュージには避けられ、攻撃される。
紅巴「はぁっ、はぁっ、はぁ……。」
紅巴「(……最悪です。こんなに強いヒュージが相手だなんて……。やっぱり声楽科の練習にはひとりで参加しないほうが良かったのかもしれません……合唱も上手くいかないし、問題が起きてもわたしじゃ解決できないし……姫歌ちゃんがここにいたら、きっと弱音も吐かずに立ち向かって行くんでしょうけど、わたしには……)」
そう考えていた時にヒュージからの攻撃に被弾してしまう紅巴。
紅巴「きゃぁっ!?うぅ……。」
紅巴「(誰か──叶星様、高嶺様、灯莉ちゃん、姫歌ちゃん、飛羽真様、賢人様っ!)」
ヒュージに対して、叶星、高嶺、飛羽真、賢人の4人は攻撃を仕掛ける。その攻撃を受け、ヒュージは爆散する。
飛羽真「大丈夫、紅巴ちゃん?」
紅巴「あぁっ……先輩方!」
賢人「怪我はない?」
紅巴「は、はい、かすり傷ですから。このくらい平気です。それより、先輩方が駆けつけてくれて、わたしはとても……。」
賢人「あれ、紅巴ちゃんのこの感じ……。」
紅巴「あぁ、息のあった連撃。先輩方の表情は勝利を確信しています。それは互いを信頼していることの表れであり、その尊い絆が産まれるまで、先輩方は何度も思いをぶつけ合って……。はぁぁぁぁぁ〜!たまりませんっ!!」
叶星「良かった。紅巴ちゃんはいつも通りね。」
高嶺「安心するにはまだ早いわよ、叶星。」
まだ残るヒュージを前に、5人は戦闘態勢に戻る。
叶星「──っ!紅巴ちゃん、行くわよ!」
紅巴「あ、はいっ!」
5人はヒュージへ駆ける。
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紅巴「はぁ、はぁ……なんとかなりましたぁ。」
ひたむきリリィ「いえ、何体か逃げられたわ。動ける人はヒュージを追跡しましょう!声楽科の力を見せるのよ!」
活発リリィ「街の方に逃げられたら厄介だね。うん、行こう!」
紅巴「あ、あの、わたしは……。」
ひたむきリリィ「紅巴さんはこの場に残って、引き続き警戒をお願いできるかしら?」
活発リリィ「私たちの方は任せて。紅巴さんを見習ってがんばるから!それじゃ!」
そう言って、リリィたちは街の方へ駆けていった。
紅巴「あ……。」
紅巴「(見習うもなにも、わたしは助けてもらっただけで……)」
高嶺「………………。」
飛羽真「……。」
叶星「高嶺ちゃん、飛羽真くん、賢人くん、周辺に被害はないみたいよ。ひとまずお疲れ様。」
高嶺「叶星……。」
飛羽真「『お疲れ様』……ね。まだまだこれからって顔してっけど?」
叶星「うん……。やっぱり2人にはお見通しね。」
賢人「今戦ったヒュージについてなんだけど……」
高嶺「そうね……。東京にはエリアディフェンスがあるから、ケイブの発生をだいぶ抑えられてはいるけど、上級を飛んで移動してるから、ケイブ反応もなしに突然現れたのでしょうね。」
飛羽真「それにココ最近、ヒュージに襲われたリリィが増えていたわけだが………。」
賢人「おそらく、その元凶だね。」
叶星「ようやく手掛かりが……。」
すると、紅巴が話に入ってくる。
紅巴「あの、叶星様。」
叶星「あ、紅巴ちゃん。私たちのことは気にせず、学校に戻っても平気よ。かすり傷といっても傷跡が残らないようにちゃんとケアした方がいいわ。」
紅巴「それは……わかりました。でも、なにかお役に立ちたくて……。」
叶星「そんな、無理しなくても……。」
高嶺「…………。」
飛羽真「叶星。ちゃんと話を聞いてあげな。」
高嶺「じゃあ、少しお話を聞かせてもらっていいかしら?」
叶星「飛羽真くん、高嶺ちゃん……?」
高嶺「いいじゃない、叶星。人の好意は素直に受け取るものよ。じゃないと……バチが当たるんだから……。」
叶星「え……なんでそんな含みのある言い方をするの?もう、わかったわよ……。」
高嶺「ふふふっ……。」
飛羽真(可愛い……。)
賢人「(飛羽真、心の声ダダ漏れだよ……。)」
叶星「それじゃあ、紅巴ちゃん。紅巴ちゃんはここで声楽科のみんなと歌の練習をしていたのよね?」
紅巴「はい……。文化祭の準備期間で、授業が午前中で終わってしまうため、声楽科で希望者を募って歌の練習をしていました。文化祭でなにか出し物をしようと、熱の入っている方もいらっしゃって……。」
高嶺「それで、紅巴さんも参加を?」
紅巴「あ、いえ……。わたしは、同じ声楽科の子の誘いを断り切れず……。姫歌ちゃんがいるならと思ったんですけど、この練習には参加していないようでして……。」
飛羽真「姫歌ちゃんが練習に来ていないのは、叶星との一件が関係あるからか?」
叶星「アイドルリリィの件?んー、そんなことはないと思うけど、そうだとしたら、私にも責任があるわね……。ごめんね、紅巴ちゃん。」
紅巴「え……?いえ……。」
賢人「それじゃあ、ここ含めて、特にヒュージとの関連性はなさそうだね。」
飛羽真「偶然なのか?飛んで疲れたから、羽休めのために地上に降りてきただけ…?」
高嶺「それなら飛んでゆくところに、なにか決まりがあるはずよ。餌だったり、温暖な気候を求めて移動したり……。」
叶星「んー、せめて出現場所になにか共通点があればよかったんだけど……。」
カサカサと音が鳴る。
高嶺「──あら?」
比呂美「はぁっ、はぁ……。」
叶星は比呂美に駆け寄る。
叶星「あのっ、大丈夫ですか?さっきの戦いでどこか怪我を……。」
比呂美「っ……ん……いえ。大丈夫……なんでもないわ……。」
紅巴「比呂美様?」
比呂美「………………。」
叶星「(本当に大丈夫かしら?なんだか様子がおかしい気がするけど……)」
通信機が鳴り響く。
叶星「きゃっ!?」
飛羽真「落ち着け、叶星。電話だ。」
叶星は電話を取り、話し始める。
叶星「あっ、はい、先生。どうしたんですか?はい……はい……。えっ、姫歌ちゃんが!?わ、わかりました。はい、すぐに戻ります………!」
高嶺「姫歌さんに何かあったの?」
叶星「詳細は分からないんだけど、姫歌ちゃんと灯莉ちゃんが問題を起こして寮に待機させられてるそうなの。それで、私も来るようにって……。」
賢人「2人の身に何が……?」
叶星「っ……3人とも!私、行ってくる!」
紅巴「あのっ、それでしたらわたしもご一緒させてくださいっ!わたしも姫歌ちゃんたちが心配です!」
高嶺「叶星。当然、私も一緒に行かせてもらうわよ。」
飛羽真「俺たちも、な?」
叶星「でも、ヒュージの件は……。」
比呂美が叶星たちの会話に入ってくる。
比呂美「それなら私に任せて貰っていいわ。応援ならさっき呼んだから、あとは私たちで周辺を警戒します。」
叶星「ありがとうございます!」
比呂美「後、逃げたヒュージがどこかに潜んでいるとも限らないわ。帰り道はくれぐれも気をつけて。特に土岐紅巴さん……アナタは……。」
紅巴以外「「「「…………。」」」」
紅巴「……あっ、はい!わたし1年生ですからね。足を引っ張らないよう気をつけます。」
比呂美「グラン・エプレに幸運を……。」
そう言って、比呂美は去っていった。
叶星「それじゃあ、行きましょう。」
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寮……グラン・エプレ控え室
叶星「はぁ……はぁ……はぁ……。」
叶星達は息を切らしながら控え室に来ていた。
叶星「姫歌ちゃん!灯莉ちゃん!」
灯莉「あっ、かなほせんぱい!たかにゃんせんぱいととっきー、とーませんぱいに、けんけんせんぱいもいる〜☆」
姫歌「皆さん……。」
叶星「良かった。その様子だと、2人とも元気そうね。もう、怪我でもしてたらどうしようって心配したんだから……。」
灯莉「えへへー。かなほせんぱい、心配してくれてありがとー☆」
姫歌「すみません、叶星様……。」
姫歌は叶星に謝る。
叶星「ふふっ、大丈夫よ。怪我がないのが一番なんだから。」
??「では、一度落ち着いたところで本題に入りましょうか。メンバーも全員揃っていますし……。」
飛鳥「校長先生……!?」
校長「はい、ごきげんよう。」
叶星「し、失礼しました。グラン・エプレ隊長、今叶星。ただいま参りました。」
校長「いいんですよ、気にしなくても。私がいることは伝えずに連絡したのですから。」
すると校長先生は、本題に入ろうとする。
校長「本件については私の口から説明します。定盛姫歌さん、丹羽灯莉さん──よろしいですね?」
2人「「はい……。(はーい。)」」
校長「では……。」
そうして本題に入る校長。
校長「実は数日前から、2人は学校の許可を得ず、ライブ用のステージを作ろうとしていたんです。それ自体も問題ではあるのですが……。今朝、その作業中にステージが崩壊し、ちょっとした騒ぎになりました。幸い、怪我人は出なかったのですが……。」
聖児「それは……。」
飛鳥「不味いわね……。」
飛鳥「(姫歌、焦りすぎよ……。いくら手紙のことがあるとはいえ……。)」
叶星「校長先生。このたびはグラン・エプレのメンバーがご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。グラン・エプレの隊長として、私はいかなる処罰でもお受けいたします。」
侑利「叶星……。」
姫歌「ど、どうして叶星様が謝るんですか……!ステージを作ったのはあたしです!」
灯莉「それならぼくも……一緒につくってた……。」
飛鳥「叶星、ごめんなさい。私も止めるべきだったわ。」
叶星「原因を作ってしまったのはあなたたちかもしれない。でも、これはそういう問題じゃないの。」
高嶺「同じようなことが、戦いでも起きる可能性だってある。リーダーに責任がなければ、レギオンは成り立たないのよ。」
飛羽真「だから叶星は謝ってるってことだ。」
姫歌「そんな……。だったらひめかをグラン・エプレから除名してください。それで、処罰はあたしひとりに……。」
灯莉「定盛だけじゃないよ。ぼくも悪かったから、罰なら一緒にうける……。」
飛鳥「止めなかった私にも責任があるわ。私も罰は受けるつもりよ。」
聖児「俺もです。俺もしっかり説得しておけばこんなことにはならなかったんです。だから、俺も受けます。」
叶星「そんな悲しいこと言わないで、4人とも。みんな私の大切なグラン・エプレの仲間なのよ。みんながすることなら、私は笑顔で受け入れられる。どんなことでも、そこには理由があるって信じられるから……。だから私がこんな事言うのは似合わないかもしれないけど、今日くらいはリーダーらしいことをさせて……ね?」
4人「「「「叶星様……。(かなほせんぱい……。)(叶星……。)(叶星先輩……。)」」」」
叶星「校長先生。私的な発言、失礼しました。処罰をお願いします。」
校長「いいでしょう。それでは、まず今叶星さんですが……日頃の活躍を考慮して、貴方個人を罰することは致しません。当事者のおふたりも反省しているようですしね。」
叶星「え……。」
姫歌「はい!してます、してます、反省してます!イチゴショートが喉を通らなくなって、頑固なウエストが細くなるぐらい反省してますっ!」
灯莉「うん!してる、してる、めっちゃしてる!定盛のこと間違って『ひめか』って呼びそうになるくらい反省してるよっ!」
姫歌「正解だけど!?」
聖児「2人とも何言い出してるの!?いや反省はしてるみたいだし……。」
飛鳥「校長先生。申し訳ありません。上級生でありながら止めずにいました。この場で謝罪申しあげます。」
校長「ふふっ、いいのですよ。神庭は個性を育む学校なのですから。」
侑利、賢人、飛羽真「「「「(いいのかそれで……。)」」」」
叶星「あ、ありがとうございます。」
校長「ただステージのほうは、10人で協力して撤去してくださいね。これで本件は終了します。」
姫歌「……えっ。」
叶星「はい、承知しました。」
聖児「ステージ撤去……。」
叶星「それじゃあ、みんな。特に用事がなければ今からステージの撤去にむかいたいのだけど……いいかしら?」
高嶺「私は構わないけど……。」
紅巴「は、はい。でも、その……。」
姫歌「…………。」
飛羽真「まぁ、2人にとっては辛いよね……。」
叶星「えっ……姫歌ちゃん……?」
姫歌は手紙を思い返す。
『家族に、町の人に、神庭の仲間に。5人でみんなに笑顔を届ける──それが私たちの夢だったから』
姫歌「(ステージの撤去?そんなことをしたら、ライブはどうなるの?先輩たちはみんなで神庭のステージに立ちたかったんじゃないの……?)」
灯莉「定盛……。」
姫歌「(これ以上、叶星様に迷惑はかけたくない。けど、あたしが諦めたら、先輩たちと想いも消えちゃう……。全部、正直に話せば……。でも、それじゃあ……)」
姫歌「か、叶星様……あたしは……。」
全員「…………。」
沈黙が流れる中、高嶺が口を開く。
高嶺「校長先生、一つ相談があるのですが……。」
校長「なんでしょう?」
高嶺「このままステージを作らせていただけませんか?」
姫歌「(高嶺様!?)」
聖児「高嶺先輩……!?」
飛鳥「ちょっ…流石にそれは……!?」
校長は渋る。
叶星「高嶺ちゃん……。」
校長「貴方のことですから、何か考えがあってのことでしょう。どうぞ、話してみてください。」
高嶺「ありがとうございます。まぁ、すでに校長先生はご存知かと思いますが──神庭では、迫る文化祭に向けて着々と準備が進んでいます。それと同時に生徒たちからはステージを使用したいという要望が上がってきてまして……。であれば、このままステージを完成させた方が多くの生徒の希望に応えられるのではないでしょうか?」
校長「そうですね……。加えて演者と観客、双方にメリットはありますし、ステージがあった方がいいのは間違いないでしょうね……。では、安全面はどうしますか?」
高嶺「ステージの使用を希望する生徒を集めて、協力して作成するのがいいと思います。作業を分担させれば各々余裕が生まれ、姫歌さんや灯莉さんのように無茶をして、ステージを倒壊させることもないかと。」
飛羽真「(いざとなりゃ刃王剣でなんとかできるし……。)」
校長「なるほど……。」
姫歌、灯莉「「………。」」
高嶺「あとは責任者として私と叶星が現場を監督しますので、ステージ作りの続行をお願い出来ないでしょうか?」
校長「それでも何かしらの問題は起きると思いますし、その時は今回のように済みません。姫歌さんはそれでもステージを作りたいのですか?」
姫歌「えっ!?えっと、あたしは……その……。」
しばらく姫歌は悩み……
姫歌「リリィはみんな、死と隣り合わせの中、日々ヒュージと戦っています。だからこそ、文化祭みたいな行事を楽しみにしてる人はいると思いますし、誰だって笑いながら生きたいと思うんです。そんなリリィたちを最高のステージに連れていきたい……。アイドルリリィなら、みんなに笑顔を届けられるんですっ!!つまり、あたしは……えっと……。」
校長「十分です。定盛姫歌さん。今ので、貴方の気持ちは伝わりました。……ですのでステージの方は、プロの方々にお願いしましょう。」
姫歌「え、それって……。」
校長「万が一、何か起きれば責任を取るのは学校側も同じです。ですので、ステージが安全に利用できるよう、しかるべき業者に依頼して文化祭のステージを設営します。」
姫歌「い、いいんですかっ!?プロに頼むならひめかたち、すっごく立派なステージに立てそうですけど……。」
校長「えぇ、その分費用は掛かりますし、決して安い金額ではないでしょう。ですから文化祭本番は、貴方たち10人でしっかり盛り上げてください。」
グラン・エプレ「はい!」
叶星、紅巴「……え?」
校長「姫歌さんが目指すアイドルリリィ、期待してます。」
姫歌「はい!ありがとうございます!!グラン・エプレのみんなで最高のライブにしますっ!校長先生も、見に来てくださいね!」
校長「ふふっ、楽しみにしています。さて、私はこれから業者の手配を進めます。貴方たちは気にせず、自分たちがすべきことを成してください。ではここで失礼します。」
そう言って校長は控え室から去っていった。
姫歌「や……やったわ!校長先生から直々に許可が降りるなんて……!これは、正統派ヒロインのみに許された土壇場の逆転劇ね!高嶺様、叶星様、ありがとうございますっ!」
高嶺「ふふっ、いいのよ。これで可愛いアイドル叶星を見られるのだから。」
叶星「えっと……この流れだと、やっぱり私も参加なのよね……?」
侑利「諦めよう、叶星。」
叶星「あはは…。」
姫歌「校長先生直々のお願いですからっ!グラン・エプレで最高のライブを届けましょー!」
灯莉「届けよ〜☆」
賢人「高嶺、こうなることわかってて提案したでしょ?」
高嶺「さぁ、どうかしらね?ふふふっ……。」
飛羽真「油断も隙もないな……高嶺は。」
叶星「でも、信じるって言った以上、私も自分の言葉に責任を持たないとね……。」
姫歌「あ、ところで叶星様、衣装の件ですけど、セクシー路線について相談が……。」
叶星「(この話にも理由があるのよね、きっと……)」
紅巴「……………。」
紅巴「(無理ですよ、姫歌ちゃん……人前で歌うなんて……わたしには……)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
姫歌「さてさてさて!学校の許可も降りたことですし、ここはさっそく──文化祭に向けて練習を始めましょう
!」
灯莉「お〜☆」
叶星「あっ、そうだわ。私たち、他の先生に報告することがあるから、練習の参加は明日からになるかも。」
賢人「そういえば調査任務の途中だったね。一度情報整理しよう。」
姫歌「そうですか……。なら仕方ないですね!じゃあ、今日はひめかと灯莉と紅巴、聖児と飛鳥様と侑利様の6人で練習します!」
灯莉「りょーかーい☆」
紅巴「あ、えっと……。」
姫歌「紅巴……?」
灯莉「一日で振り付けをマスターして、せんぱいたちをびっくりさせてあげるねっ☆」
飛鳥「妹ながら恐ろしいこと言ってるわ……。」
灯莉「ほら、見て見て!いち、に、さん、し、くるっと……ターン☆」
飛羽真「ステップとターンができてるのか。明日は灯莉ちゃんに教わることになるのかな。」
灯莉「えっへん☆ダンスはせんぱいたちのせんぱいだよ!」
高嶺「ふふっ、明日の練習が楽しみね。」
紅巴「…………。」
紅巴の異変に気づいた姫歌は紅巴に話しかける
姫歌「ね、ねぇ紅巴……。」
紅巴「きゃ……!?」
姫歌「ご、ごめん、急に話しかけて……。元気がないみたいだから、気になって……。」
紅巴「いえ、それは……。」
姫歌「……誘うの遅くなってごめん。紅巴が人前で目立つの苦手だってわかってたからアイドルリリィは嫌がられると思って……。だから紅巴のことは、先輩達に約束を取り付けてから誘うつもりだったの……。ほら、紅巴、先輩達のこと好きだから…。」
紅巴「そ、それは、間違いませんけど……。」
姫歌「紅巴……改めてお願いするわ。ひめかと一緒にステージに立って!」
紅巴「っ……。」
姫歌「紅巴はひめかのライバルだから……。紅巴の歌声に負けないよう、ずっと頑張ってきた。紅巴以上に頼もしい人はいない……。だから、隣にいてくれればどんな困難だって乗り越えられる!どんなステージだって凛として前を向けるわ!一緒に、笑顔のあふれる最高のステージを作りましょう!」
紅巴「姫歌ちゃん……。」
姫歌「あ、ダンスは難しいかもしれないけど安心して!そっちは振り付けの方を調整しましょう。」
紅巴「え、えっと……はい……。」
賢人「じゃあ、僕たちはこの辺で……。行こう、叶星。」
叶星「みんな、頑張ってね。」
そう言って4人は先生たちの所へ向かっていった。
灯莉「よーし、がんばるぞ〜☆」
飛鳥「それで姫歌、ステージで歌う曲は?決めてあるの?」
姫歌「それだったら心配いらないわ。これまで姫歌が作詞作曲を手掛けた歌なら、ちゃんとデータで保存してあるから。ライブで使う曲の目処は既についてるけど歌詞はこの機会にブラッシュアップしたいわね。」
聖児「姫歌さん、曲作れるんだ……」
姫歌「なんか前もどこか同じ反応してなかった……?まぁ、この機会にひめかが作曲できること覚えておいてよね。」
灯莉「はーい☆じゃあ早速定盛の寝室に行こー!トレジャーハント開始☆」
姫歌「それ、人の寝室をめちゃくちゃにするつもりでしょ!?待ちなさいよ、灯莉!」
聖児「あはは……。」
飛鳥「変わらずね…。」
姫歌「くっ……ごめん、紅巴!一度部屋に寄ってから練習に行くから、先に外で待ってて!必ず行くからっ!灯莉!待ちなさーーーい!!」
紅巴「あ、その……。」
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紅巴「はぁー……。」
紅巴「(このままでは人前に出て、ライブをすることになってしまいます……姫歌ちゃんの気持ちは嬉しいけど、私にアイドルリリィなんて務まるわけありません)」
弱気になっていく紅巴。
紅巴「……いったい、どうすれば……。」
??「ねぇ、ちょっといいかしら。」
紅巴「あ、あなたは…。」
比呂美「お話したいことがあって。」
紅巴「比呂美様……。」
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倒壊したステージ前……
墨斗「匂うなぁ……欲望と願いが入り交じる、暗く明るい匂いだ……。」
渚「ねぇ君、そこで何をしているのかな?」
大牙「ここは立ち入り禁止です。すぐに立ち去って貰いたい。」
墨斗は口調を元に戻し……
墨斗「そうですか。すぐにどきますよ。」
……To be continued
最後の墨斗くん、一体どこのデザストなんだ……。
次回「第3話:復讐の歌」