あれから数日がたち
秋葉名戸学園との試合当日になった
ちなみにメイド喫茶に行ったことを聞いたのだが
確かにそこに秋葉名戸学園サッカー部の部員たちがいたらしい
しかし、サッカーの練習そっちのけでゲームや漫画かき、ロボットアニメを見たり鉄道模型を作っている奴までいたのだという
そういう事もあって練習には身が入らなかった
で、俺たちはまさに秋葉名戸学園のグラウンドに来ているのだが
「というわけでわが校での対外試合ではマネージャーは全てメイド服着用となっております!」
「だ、誰がそんなこと決めたのよ!!」
秋葉名戸学園のマネージャ―から中々なルールを説明される
ちなみに決めたのはあちらの監督で隅っこの方でスイカを食っている太った男性だ
どうやらマネージャーや監督はメイド喫茶に行ったときに店内にいた人たちらしい
「絶対いやよ!誰がそんな服着るもんですか!!」
雷門はかたくなに拒み続ける
まあ、あいつお嬢様だからプライドが許さないのだろう
でも、着替えられるのも時間の問題だろう
なぜなら、木野と音無が案外ノリノリでメイド服を着てるからだ
雷門もそれを見て青ざめておりそのすきを突かれてメイド服に着替えさせられていた。ついでに猫耳のカチューシャまでつけられて3人そろって写真を撮られまくる始末
雷門はすっかり魂が抜かれた状態になっていた
ちなみにこの時俺は相手の選手たちを見ていたのだがとても準決勝まで勝ち上がってきた学校とは思えない
うちのマネージャーの撮影会をしているアフロと猫耳もだが残りのメンツもアップなどせずにゲームをしたりしている
「ホントにどうやって尾刈斗中に勝ったんだ?」
俺はそんな光景に御影専農中や尾刈斗中とはまた違った不気味さを感じていた
試合開始が近づき俺たちはいつも通り自分たちでスタメン決めを行っていた
ちなみに豪炎寺も通院後こちらに来ていて松葉杖の状態
「それじゃあ、天野のとこには宍戸に入ってもらって後は・・・」
「はいよ!俺ね」
豪炎寺の穴には土門が立候補する。まあ、妥当だろうけど
しかし
「ここは、切り札の出番という事でしょう!」
「目金!?」
「この前のメイド喫茶で彼らのサッカーがどういうものかが理解できました。僕が必ず勝利に導きましょう!」
珍しく目金がやる気になっている。ここで豪炎寺と土門が
「いいんじゃないか?目金で」
「そうね!やる気マンマンみたいだし!!」
「よし!じゃあ今日は目金がFWだ!頼むぞ!!」
「えええーー!?」
円堂の決断に残りのメンバーは反対の声を上げる。まあ、帝国戦で敵前逃亡を決めたことがまだ皆の頭に残っているのだろう。この試合でそんなことをするとは思わないが目金の評価が高くないことは明白だった
しかし円堂は
「目金のやる気は本物だ。俺には分かる!本気でやる気になってる奴がここ一番で必ず頼りになるんだ!!」
「ふふふ・・・大船に乗ったつもりでいてください」
泥船の間違いではないだろうか。円堂はああいったけど正直不安は残る。
まあ、万が一の時には土門もいることだし大丈夫か
というわけで両校のスタメンが決まる
雷門中
FW 目金 染岡
MF 松野 少林寺 半田 宍戸
DF 風丸 壁山 影野 栗松
GK 円堂
雷門中は帝国戦の時のようなフォーメーション
対して
秋葉名戸学園
FW 自作派 明井戸 漫画 芸夢 御良
MF 呂簿 無敵 野部流
DF 筋路 仮沢
GK 相戸留
秋葉名戸学園はなんと5トップ。攻撃型にしてもこれはやりすぎだろう
不気味さは感じていたが考えすぎだったのだろうか
「やってきました!!フットボールフロンティア地区予選準決勝!御影専農中に大金星をおさめた雷門中の次なる相手はこれまた強豪、尾刈斗中に勝利し勢いに乗るダークホース秋葉名戸学園!雷門中は前回の試合で負傷した豪炎寺と天野を欠いた状態での試合となりますが勝利することはできるのか!?実況は私、角馬桂太がお送りします!!」
おなじみ角馬の実況で両校のスタメンがフィールドに入っていく。
俺は豪炎寺と土門、マネージャーの3人と共にベンチに座る。なんか新鮮だな
「天野・・・この試合どう見る?」
豪炎寺が真面目な顔で聞いてくる
「どうもこうも・・あんなフォーメーションだから序盤で一気に得点を狙ってくるんじゃないか?後は一点を守り切る感じで」
しかし、あいつらの体力がそこまであるとは思えない
どういう試合をするのだろうか
審判のホイッスルで試合開始となる
「発進!!ハイパーサッカーボール!!」
えっ!?ただパスしてるだけじゃん
「来たな悪の軍団め!!お前たちに地球は渡さん!!」
はあ!?ただのキープなんだけど
その後何も起こらずに前半が終了する
まさかあのフォーメーションで攻めてこないなんて誰も思わないだろう
「クソ!!なんで取れないんだよ!!」
「あいつらの妙なペースにはまってしまったんだ」
染岡や風丸が難しい顔で話し合っている
確かに傍から見ればなぜ取れないのか分からなかった。その位パスもドリブルも速くはない
「うーん・・・まったく攻めてこないとは。さすがの僕でも予想外でした」
「おいおい・・・お前相手のサッカーが理解できたんじゃなかったのか?」
そんなことを言っているうちに後半が開始する
すると秋葉名戸学園の選手たちは全員でこちらのゴールに向かってきた
「あいつら!!急にきやがった!!」
「前半は体力を温存したいたのか!!」
これにはこちら側も驚きを隠せない
無敵がボールを運びマックスに対する
「正義は必ず勝つ!!変身!!フェイクボール!!」
「なーにが変身だよ・・・・ってあれえ!?」
無敵はマックスとすれ違いマックスが奪ったと思ったボールはスイカと入れ替わってしまった
そしてあっという間にゴール前までボールが渡り芸夢が漫画の足をもち野球のように構える
「おらああ!!ど根性バット!!」
そのまま直立した漫画をフルスイングしゴール隅を狙ってシュートを放つ
円堂も反応できずにゴールを許してしまった
「なんとお!!!後半開始直後に怒涛の攻めを展開した秋葉名戸学園が一点を先制しました!!」
マジかよ・・・まさかこんな戦術で来るなんて
でも、まだ一点だ。逆転するチャンスはあるはずだ
試合再開後、秋葉名戸学園は全員で後ろに下がり守備をする
だがうちのメンバーはその程度では止まらない
染岡を中心に攻め上がりゴール前にたどり着いた
すると
「行くぞ皆!!五・里・霧・中!!」
漫画の号令の下3人がゴール前に集まり砂煙を上げる
ただの煙幕だろうがゴールは動かない。染岡なら大丈夫だろう
「ドラゴンクラッシュ!!」
染岡のシュートはゴールに一直線に進んだ。こちらから見てもど真ん中に向かったから大丈夫なはず
しかし、砂煙がはれるとゴール横で息を切らした相戸留とゴールの後ろに転がるボールが見えた
つまり外れたのか・・・でも、どうやって
その答えが分からないまま半田、マックス、染岡と次々にシュートを撃つが全てが外れてしまう
時間も残り少なくなってきた
「定刻通りー・・・秋葉名戸学園の勝利ー・・・勝利―」
「このまま逃げ切るぞ」
マズイ。まさかこんな展開になるとは思わなかった。でも、対策が分からないんじゃどうしようもない。これなら尾刈斗中の方がよっぽどマシだ。
しかし、こんな中でも目金だけは真剣に相手を見ていた
そして
「もしや!!」
そう言って砂煙の中に入っていった目金
砂煙がはれるとそこでは数人がかりでゴールを動かしているのを止める目金の姿が見えた
「ど、どうしてわかった」
「仮面ソイヤー、怪人砂ゴリラの煙幕作戦。あれを思い出したんですよ!五里霧中とはそれを参考にした技と見ました」
「そうだ!まさにその通りだ」
目金の指摘に無敵がポーズを決め応える。その悪びれない姿に目金が
「これが・・・こんなのが君たちの必殺技なんですか?」
「僕たちはどうしても勝たなくてはいけないんでね」
「だからって・・・こんな卑怯な手を!!」
「勝てばいいのだよ!勝てば!!」
漫画と野部流も悪びれるそぶりもなく、それに対し目金の目には今まで見せたことが無いほどの怒りが満ちていた
雷門中のスローイングで試合再開となる
「僕にボールをください!!」
半田がボールを渡す選手を探していると目金が叫ぶ
半田は最初嫌がったが目金の目を見て
「分かった!頼むぞ目金!!」
目金は半田からボールを受け取ると相手ゴールに駆け出す
「止める!!変身・・・・」
「正々堂々戦う・・・・それがヒーローでしょう!!」
「うっ・・・」
無敵が止めに入るが目金は
「ボールをすり替えるなんて卑怯な行為はヒーローのやることじゃありません!!」
無敵はフェイクボールの体制に入っていたが目金の言葉に集中力を切らし転んでしまう
続いて呂簿がスライディングをかけるが
「変形中や合体中に攻撃するなどロボットマニアとしては失格です!!」
その言葉に呂簿も力尽きる
いや・・・それはサッカーに関係ないだろ・・・
「行かせるか!!」
「止めるんだ!!」
漫画と野部流が目金を止めようとする
しかし、目金はより怒気を含んだ声で
「漫画萌先生、野部流来人先生。僕は悲しい!あなた方の描くシルキーナナに僕は幾度となく勇気をもらいました。しかし、あなた方がそんなに卑怯なことをする人たちだったとは・・・・シルキーナナに謝りなさい!!!」
漫画と野部流は放心状態となり突破される
もはやテクニックもクソもないね・・・ホントにサッカーかこれ?
「まだだ!五里霧中だ!!」
芸夢を中心に五里霧中の準備に入ると
「まだそんなことをするんですか!?」
「これが・・・オタクの必殺技だ!!」
「あなたたちなどオタクではありません!!」
「何!?」
「オタクとは一つのことに真摯に向き合い極めたもの・・・ルールを破ってまで勝とうとするような卑怯なあなた方はオタクではありません!!」
この言葉に五里霧中をしていた選手たちは意気消沈
残るは相戸留だけになりゴールの横に待機する
そこで目金は染岡にパスを出し
「染岡君・・・ドラゴンクラッシュを!!」
「だけど!」
「僕に考えがあります」
そう言って前に駆け出す。いったい何をするつもりか分からないが
染岡はシュート体勢に入り
「ドラゴンクラッシュ!!」
「ゴールずらし!!」
染岡がシュートを放つが相戸留が体当たりでゴールをずらす
また外れると思った瞬間だった
「うあああ!!!」
叫びながらシュートの軌道上に飛んだのは目金。そしてヘディングでシュートの軌道をずらしゴールにねじ込んだのだ
「こ、これぞ・・・メガネクラッシュ・・・」
そう言ってメガネは仰向けに倒れる
そして担架で運ばれる時秋葉名戸学園の選手たちも集まってきて
「君はどうしてそんなことを・・・」
「僕は君たちに大切なことを思い出して欲しかったんですよ・・・同じオタクとして。サッカーも悪くないですよ」
「ごめん・・・でも、君のおかげで気づけたよ。僕たち、もう卑怯なことはやめるよ」
「残された時間、我々も全力で挑もうではないか!!」
秋葉名戸学園の選手たちも目金の決死のプレイに心を入れ替えたようだった
そして俺たちは残りの時間、全力で戦いそして
「ドラゴンクラッシュ!!」
染岡のシュートで逆転。決勝進出を決めたのだった
試合後、意気消沈する秋葉名戸学園の選手たちの元に回復した目金が駆け寄る
どうやらあいつらは大会優勝の副賞でもらえるアメリカ遠征を利用してあっちでしか買えないアニメグッズを買ってきたかったらしい。それを聞いた目金が自分がその夢を引き継ぐという事を約束して目金は秋葉名戸学園の選手たちと友好を結んでいた
それを見て円堂が
「目金ってすげえやつだったんだな!!」
「いや・・そうはならんやろ」
円堂の横で冷静にツッコむ俺だったが。豪炎寺や風丸も頷いてくれたため俺がおかしくないことが分かり安心する
何がともあれこれで決勝進出だ。待ってろよ!!帝国!!