寂しがり屋の彼女は無感情の王女様だった!! 作:ブラックマッハ
夏だと言うのに雪が降ったのかのようなオーラを放つ女子がいた。彼女は、寂しがり屋だった。
そんな彼女は有名な子役で全くの無表情でもあった。まるで雪が解けない女子みたいに美しく輝いていた。誰も彼女の笑った表情を望まない。母親や家族でさえ求めない。逆にその人達は恐れていたのだ。芸術作品が乱れてしまうのではないかと。
それくらい輝いていた。もう他の人達にとって感情なんか捨てて欲しいと思うほど。
だが俺は違った。笑った姿を見たいなんて思ってしまう男だったのだ。
(一度でもいいから笑った顔が見たい)
これが望みだった。わざわざ七夕になると彼女の名前を書いて笑った顔が見たいと望んだ。
それなのに、それなのに願いは簡単に叶ってしまう
あれは、今から12年前の春で俺が小学生だった頃に、彼女は転校して俺の学校に転校してきた。俺の学校はセキュリティが緩い学校で、盗賊が入ったりする学校だ。
と思ったらあら不思議、ボディガードまでいるからアニメか何かかなと思った。そのその真ん中から堂々とかっこよく、無表情で歩く彼女に小学3年生のクラスが惚れてしまった。
「はじめまして……」
その後のセリフを何も言わない。周りが何か話せというより、この時間が続いて欲しいという気配を理解したのだ。だから彼女は、固まってしまった。そうだと俺は今でも思っている。
彼女は経験していたのだ。空気を読む事が出来る。だがこれでは話が進まない。でも彼女の輝きは抗う方法など誰もいない。ただ彼女を観察するしかなかった。同じ理由で先生も動かない。まるで動いてはいけないと分かるのだ。
ただただ俺は観察した。近くにいるのだから本当に、無表情だったのかを知りたかった。真剣に考えて、結論は出た。彼女は泣きそうだったと。
「バカな」
俺は空気を読まずその結論を認めたくなく叫んでしまう。何故彼女は泣いていたのか。それを知るのはまだ早かった。だが俺はそう感じたのだ。
彼女は今だと思いその場を立ち去る。
周りは「可愛い過ぎない」 「え、これてあの有名な子役だよね。」
やっと静かな学校から解放された。だが彼女は全然喜ぶすがたをしていない。まるで嫌がっている様にも感じた。褒められたにもまるで褒められた気がしない。そんな感じだった。
何故俺が顔を見れるのか?席が隣だと言うのだ。
「宜しくな」
そう声をかけても反応はせず無言で頷くだけだった。本当に笑わない少女で寂しく感じた。面白くなかったのだ。そして俺が思う芸術作品じゃないと思った。
まるでロボットが人間に憑依したような感じで、人生を諦めた感じがした。これこそが彼女 吹雪涙さんだった。