ASLのペット「ウォロロン」 作:50代子持ち、職業:ペット(+四皇)
今回はシリアス目
ある冬が訪れ始めた日のこと、三兄弟がいつもの1人100戦を終えひと休みしている際に出かけていたペットが帰って来た
このペットはとても強い龍だからか、何処かに自分の縄張りがあるらしくふらりと出掛けては疲れた顔をしてコルボ山に戻って来る
そんなに疲れるならもっと自由に生きればいいのにと思うが、彼にも祖父と同じ強い者らしく色々と大変なんだなと納得する
ならばと頑張って来たペットを労るべく、3人で彼の側に駆け寄り寒い中飛んできただろう体が少しでも暖まるように引っ付き、ダダンから盗んだ酒を渡してやる
…別に最近見かけなかった家族が帰って来て嬉しいとかではない
やたらとデカい図体で暖を取っていると、それまで少しボンヤリとしていたウォロロンがこちらを見つめ質問してきた
「なあお前ら…もしおれが悪い奴だったらどうする?」
「はァ??」
「えェェーーッ!!?ウォロロン悪い奴なのか!?」
「おいおいどうしたんだ一体」
「…例えばだ!もし、もしおれがとんでもない大悪党だったらどうするかって話だ」
ウォロロンが悪党…?自分たちのペットが悪いことをしている姿にピンとこないが、相手は真面目に質問している
ここまで真剣に聞いてきてるんだからこちらも答えなければ飼い主失格だろう
頭を使うのは得意ではないが頑張って考えてみるか
***
"飼い主"たちは未だうーん、と唸りながら悩んでいる
確かにコイツらの前では悪事を働いたことはないがここまで想像できないものだろうか。
正体を龍と勘違いしていたとしても、どうあがいても自分の姿や力は化け物の"ソレ"なのに
……そういえばコイツらは最初からずっと己のことを恐れなかったなとふと気づく
ーーーしばらくして、1人が顔を上げて正直よくわかんねーけど、と前置きし先程の質問に答える
「ウォロロンが悪いことしたらだろ?そしたらおれが叱ってやる!」
「ああ、確かにまずソレだな、盲点だったぜ」
「悪さしたペットに説教するのも飼い主の義務だもんな」
当たり前すぎて気付かなかった、と兄2人も頷く
頭の隅で何かが灯った気がするが無視して重ねて質問をする
「…それでも止まらなかったら?」
「止まらねェのかよ!まあウォロロン結構我儘だもんなーなら殴ってでも止めてやる!!」
「ウォロロン止めるの時間かかるかもしれないけどな。それでも飼い主はおれたちだからちゃんと最後まで面倒見るよ」
「しししっ!今はまだウォロロンの方が強ェもんな!けどおれたちもっと強くなるから大丈夫だぞ!!」
反省したら一緒に酒飲もうなー!そう笑顔で言ってのけた子どもたちが眩しく、太陽を直視したかのようだった
「ウォロロロロロ…そう、か、そうか…!!」
胸の内を満たす何かが溢れそうになって思わず手に持っていた酒を浴びるように顔へ傾けた
「うわっ、ウォロロン酒すげー溢してるぞ!」
「あーっ!せっかくダダンの所からくすねて来たのに勿体無ェ!」
「つーか酒臭ェよ!もっと丁寧に飲め!!」
「ウォロロロロロロロ!!すまねェ!ついやっちまった!あー目にも入っちまった痛ェ!」
***
あれから12年、今"四皇"カイドウの目の前に立つのはあの日約束した子どもたち
背は伸び子ども特有の丸みはなくなり面影はあれど随分精悍な顔つきの青年たちへ成長した
けれど、瞳の強さは過去と変わらず自分を真っ直ぐ見つめている
ゾワ、と身体を何かが駆け巡る
初めて知る(懐かしい)感覚に眉を顰ませるがふとその正体に思い至る
ーーーああ、これは
気付けば出てくるのは天をも震わす哄笑
一頻り笑い、金棒を構えれば相手も同じく構えを取る
後はもう言葉はいらない
ーーー今ここに
"鬼のカイドウ"の人生が
おかしい…コメディを書きたかったのにいつの間にかコイツらF〇teやってた
Q:カイドウさんを何だと思ってるんですか?
A:この作品ではペットでありヒロインです