『反逆の大盾』
反逆者レイムの盾。
王の双腕として知られたレイムとヴェルスタッドは、
しかしやがて反目しあい、レイムは反逆者と呼ばれた。
黒い鳥は死を告げるものとして忌み嫌われるが、
レイムはそれをあえて好んだという。
――古い言い伝えより。
むかしむかし、まだ世界が分かたれず、霧と恐ろしく大きな化け物に支配されていた頃。
とても大きな木が世界中にはえていたそうです。
木は、とてもおおきな者たちのなれの果てであると伝わっていますが、いまは木でしかありません。
化け物は翼と牙と頑丈な体を持っていました。
神様と、おおくの者たちが世界からあらわれました。
一人、光の神様。
一人、混沌の神様。
一人、死の神様。
一人、翼を持った魔術の神様。
神様たちは化け物を倒す為、考え事をしていました。
化け物たちは傲慢で、危険で、狂暴でした。
かよわき小さな人間たちは化け物の恐ろしさに慄いていました。
人間はとても弱く、小さく、なんの力も無かったからです。
鳥があらわれると言いました。鳥は、とても大きな体と三つの足をもっていました。
鳥は、神様の中でももっとも力の強い光の神様にこういったそうです。
わたしが様子を見てきましょう!
一度目は、戻ってきてしまいました。
二度目も戻ってきてしましました。
三度目戻ってきた鳥は、こう言いました。三本目の足に、木の枝を掴んでいました。
いまが、機会です、神様! わたしが、案内をしましょう!
神様たちが立ち上がって、霧を払い、化け物に戦いを挑みました。
神様たちはとても小さな人間たちのために世界に光を灯したそうです。
神様と鳥は話し合いをしました。
鳥は小さな人間を運ぶ仕事を仰せつかりました。
なぜかって? 人間は使命を持っていたそうです。
いまに伝わってはいませんが、人間にしかできない、特別なことだったそうです。
鳥は人間を運ぶうちに足の一本をどこかに落としてしまいました。
人間を運ぶうちに、体はだんだんと薄汚れていきました。
運ぶ人間はいつだって死んでしまう定めにありました。
まるで、鳥が選ぶ人間は死ぬ運命にあるようでした。
望もうが、望むまいが……まるで、火に誘われる蛾のように。
神様たちは去っていきました。
神様の血を受け継ぐものが都を作り後継者を名乗りましたが、彼もいつのまにか消えてしまいました。
それから、いつしか、鳥は死を運ぶ鳥として恐れられるようになりました。
その鳥はカラス――あるいは、レイヴンなどと呼ばれているそうです。
『薄汚れた羽』
薄汚れ、すり切れた鳥の羽。
とても大きなものであり、尋常な鳥の翼ではないことがわかる。
今もなお温かみを感じさせるが、特に寒さをしのげたりはしない。
鳥はどこまでも飛んでいける。
一切のしがらみも無く。
それが良いことなのかは誰にもわからないが。
『変形した頭蓋骨』
角と牙を備えた頭蓋骨。
一応被ることができるが、防御力に期待しない方がよさそうだ。
頭蓋骨の持ち主が人間であったことを示す証拠が残っているが、
人間ではなかったことを示す角と牙もある。
あるいは、人であり人で無くなったものの残骸なのか?