あの時から、もう一週間…ですか。
…時が経つのは早いですね。
まだ眠っている、
でも、こうやって寝顔を見るのも、いいですね。
「…か、ふぇ……行か…ぃで…」
「…私は、貴女を置いていきませんよ……この身、朽ち果てても…ずっと……」
…タキオンさんは、あの時からずっと悪夢を……
力になりたいのに、なれないのがもどかしい…
どうすれば貴女を救うことができる?
どうすれば、貴女は寝ている間も笑顔になれる?
「…カフェ、おはよう」
「…おはよう、ございます…今日も、悪夢に魘されてるようですが……大丈夫ですか…?」
「…カフェは…私を置いていかないよな?…私を一人…」
「…大丈夫です、私はあなたを置いていきません…この身朽ち果てようとも…朽ち果てても……永遠に」
「…そうか…そうだ、すまない…ちょっと体温計を取ってくれないか?」
「…風邪でもひきましたか?……確かここら辺に…あ、ありました、どうぞ」
「ありがとう……ん…38.6℃…風邪、か」
「…何、食べます?」
「…カフェの手料理なら、なんでも……なるべく、早く戻ってきてくれ…一人は、怖い」
「…はい、言われなくとも」
同じ空間を少しでも共有したいのを我慢しながら。
家庭科室に向かいます。
───────
「…どうぞ、朝ごはんです……消化に良いものを作ってきました」
「ありがとう、カフェ……重ね重ね申し訳ないが、今、腕に力が入らなくてね」
「……どんな食べさせ方が?」
「…普通にしてくれ、私は風邪をひいてるんだ……カフェにはうつしたくないんだ」
「…わかりました、じゃあ…きちんと冷やしますね」
「…ありがとう」
「…感謝されるほどでもないですよ、ふ~…ふ~…ん、大丈夫だと思います、はい、あ~ん」
「あ~…ん……んく…愛情、入ってるかい?」
「…勿論ですよ、貴女に贈るすべてに愛情が含まれてますから」
「…そうか…ありがとう、カフェ、一口食べたら自分で食べれそうだから…その、カフェは手をつないでてくれないか?」
「…食べ終わってから、です……そんなに量もありませんから、少しの我慢ですよ」
そう返すと、タキオンさんは少しムスッとした顔をしましたが、すぐに私の料理を食べ始めました。
愛する人が、私の手料理を食べる姿を見るのは、いつ見てもいいですね…
…すぐに、食べ終わっちゃいました。
早食いは、ダメですね…少し、お仕置きでもしましょうか。
「……んぐ…よし、カフェ…来てくれないか?」
「…いいですよ、その代わり、早食いをしたので少し罰を与えます」
「…?」
きょとんとした顔のタキオンさんは可愛いけど。
ここは心を鬼にします。
彼女がいつもよりかよわくなっているのをいいことに、私は彼女の体の上に重なりました。
きちんと、つぶさないように、苦しくないように…しています。
「…か、カフェ…?」
「……うるさい口ですね…」
何かを言ってるタキオンさんの口は私の口で塞いでしまいましょう。
……そうです、いいことを思いつきました。
「…ふぅ、少し紅茶を入れてきますね…砂糖はどのくらいが良いですか?」
「…?…え…?あ…その…いつもと同じ…で…」
──────
注いだ紅茶を、一口…
やっぱり。
「…甘い、です」
「…何を、するつもりだ?」
警戒するタキオンさんを横目に、甘い紅茶を少し、口に含んで…
タキオンさんの、唇をこじ開けます。
「…!?…!」
タキオンさんの動揺、とても可愛い…
私にだけ見える表情…私にだけ見せる表情…
砂糖がたっぷりと入った紅茶をすべてタキオンさんの口にすべて移して。
顔を離すと、光に反射する銀の色が繋がって…私とタキオンさんを繋ぐ糸。
「…早食い、次もこうします」
「……事前に、言ってほしかったねぇ……少し、眠くなってきたね…カフェ、横に…」
「…私も、眠いですね…いいですよ……一緒に寝ましょう」
制服に着替えてる私と、フリルのパジャマを着ている彼女。
…くすぐったいです…フリル……手を、強く握って…体を…抱き締めて…
愛する人を…もっと、ずっと……近くで…感じていたいから……