オーバーロードの モモンガが しょうぶをしかけてきた!   作:maximum

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──この小説を作ろうと思った経緯──

アインズ可哀想で好きだなぁ、ギラティナ格好良くて好きだなぁ
→2人(?)並べたら格好良さそうやん
→我絵心ない
→じゃあ書くか(文才もない)

こんな思いつきの小説に付き合って下さりありがとうございます。
ポケモンSVやりたい。


はじめてのぽけもんばとる

 

 心胆を寒からしめる咆哮。

 死の騎士(デス・ナイト)が轟かせ、目の前の小鳥に突っ込んでいったことにより新たな弊害が発生した。

 

 

(あいつ何叫びながら突っ込んでるのぉぉぉぉ!? お陰で他の個体のヘイトまで買ってるじゃねえかァッ!)

 

 

 どうやらここは群れの縄張りだったようで死の騎士の雄叫びは宣戦布告と見なされ、先鋒隊としてアインズに5、6匹が突撃してきた。仕方なくもう一体死の騎士を作り、先程の個体と共にヘイト管理をさせている。

 ユグドラシルよりもはるかに自由度の高いその振る舞いにアインズは困惑した。叫ぶのはゲーム時代からあったことなのでそれはただアインズが不幸であっただけだが、まさか盾役が守るべき対象を離れて積極的に戦いに行くなどとは想定もしていなかった。今後はマスクデータまで調べなければならないと思うと頭が痛い。

 眼前で繰り広げられた戦闘に頭を切り替える。〈生命の精髄(ライフ・エッセンス)〉で小鳥を1匹ずつ見ていくが、どれも10レベルにも満たない個体ばかりだ。

 しかし、1つ気になる点がある。

 

 

(攻撃手段が体当たりと啄くだけなのに、何故体力があんなにも削れている?)

 

 

 それは、死の騎士の体力が思ったよりも──それでも微々たるものだが──減っている事だ。

 死の騎士(デス・ナイト)のレベルは35なのに対して、小鳥のレベルは10未満。もしかしたらギラティナの推論が通ってステータスはレベル以上のものであり、かつ攻撃特化な種族であるのかもしれないが、それにしても変だ。レベル差が開けば開くほど下位の者が上位にダメージを与えにくくなるはずであったが、今は機能していないのだろうか。攻撃が許されていないのでタワーシールドで追い払うような仕草をしているその片割れは、今も啄まれてその体力を奪われていた。

 

 

(というか何で上空から勢いつけた体当たりよりも啄まれることの方がダメージ量多いんだよ。体当たりだって体より翼ぶつけられた方が痛いし、殴打と刺突の耐性はどうなってるんだ? っと、そうだ)

 

 

 アインズはギラティナに〈完全不可知化(パーフェクト・アンノウアブル)〉をかける。これでギラティナの方へ注意がいくことも無いだろう。

 

 

「ギラティナ。翼があるしお前は飛べるのだろ? だから……そうだな、あの辺まで行ってこちらを見ていてくれ。あと、くれぐれも攻撃行動をとるんじゃないぞ」

 

 

 アインズが指さしたのは〈核爆発(ニュークリアブラスト)〉でもなければ戦闘に巻き込まれない上空。敵の能力は把握出来たし、わざわざ〈核爆発〉を使う必要も無いのでその辺りでいいだろう。名を呼ばれ何故かビクッと体を震わせたギラティナは何度もブンブンと頷き、即座に上昇する。

 

 

「さあ、始めるぞ──鏖殺だ」

 

 

 確実に勝てる戦い、そして仲間と共に高めた能力を使えるという高揚感がアインズの体を駆け巡る。駆除の始まりだ。

 

 〈心臓掌握(グラスプ・ハート)

 

 アインズの得意とする死霊系第九位階魔法。使い慣れたそれはアインズの掌に柔らかな感触を覚えさせ──握り潰す。1匹が1個になった。

 刹那、静寂がその場を支配し、鳥たちが怒り狂う。同胞を弑した外敵を滅ぼさなければ、仲間を守らなければ。

 そんな願いは超越者(オーバーロード)には届かない。

 

 〈負の爆裂(ネガティブバースト)

 

 生を受けた者は一人残らず地に沈み、大地へ還り忘れたモノ達は傷を癒した。

 想定通りの結果が──否。

 

 

(1匹しか、死んでいない……?)

 

 

 〈心臓掌握(グラスプ・ハート)〉で仕留めた個体以外が、生きている。〈生命の精髄(ライフ・エッセンス)〉を通して伝わってくる情報はまたもやアインズを悩ませた。

 

 

「どうなっているんだ……死の騎士(デス・ナイト)、まだ生きている個体を切り殺せ」

 

 

 起き上がる気配が一向にない鳥に、容赦なく剣が突き立てられる。体を貫かれ、風通しが良くなり……絶命した。

 残りの10匹も同じように突き刺され、同じように死んでいった。

 

 

「ふむ、これは──おっと」

 

 

 〈敵感知(センス・エネミー)〉が反応している。自分の世界に入ろうとしたアインズは再び戦闘の構えをとる。頭には先程思いついた仮説を残して、残りのキャパシティはこれからの戦いに割くこととした。

 死の騎士たちを自分の近くに引き寄せ、今度こそ盾としての役目を果たさせる。

 

 

「結構多いな。30……40、か?」

 

 

 仲間を失った群れは束となってアインズに迫っていた。どの個体も例外なく目がギラついている。その姿はあの時のツヴェークに似ていたが、1つ違うのは顔だ。激情を剥き出しにしたそれは、憤怒の魔将(イビルロード・ラース)ですら叶わないほどの活力に満ちている。これがデータとリアルの違いか。実力差を、下すべき判断を曇らせ、死へその身を擲つほど──愚かなまでに、生きている。

 アインズは右足を僅かに退きすぐに元に戻す。そして対象に右の掌を向け、告げる。

 

 

「〈龍雷(ドラゴン・ライトニング)〉」

 

 

 落ちる。

 

 

「〈魔法の矢(マジック・アロー)〉」

 

 

 墜ちる。

 

 

 

「〈真なる闇(トゥルー・ダーク)〉」

 

 

 堕ちていく。

 

 

 ─────────────────────────────────

 

 

 アインズが火の塊を放ち、ムックルが沈む。微かに息していたのもつかの間、アインズに指さされて喘ぐことすら許されなくなる。もうこれで19回目だ。墜ちる手段が変わるだけで、死に切れるまでアインズに狙われる。ギラティナは真下で行われている蹂躙に身を震わせていた。

 

 

───アインズ・ウール・ゴウンは異常だ。

 

 

 かつて、ギラティナの前には2人のニンゲンがいた。

 1人はアルセウスとの邂逅を願い、ギラティナと利害か一致したので共に行動した。たまに──最後に会った時も──アルセウスを連想させる憎たらしい格好をしていたが、どうやらあの神に心酔していたようなのでまあ許してやった。計画を立て、時間と空間の神を狂わせ、その時を手繰り寄せるのを待てば良い……良いはずだった。

 もう1人の、アルセウスのお気に入りのニンゲンが全てを台無しにした。まだポケモンとニンゲンの関わりも浅く、一方的に狙われる立場であるはずのニンゲンが6体も従わせ、協力者と──本気を出した自分すら、打ち破ってしまった。そんな屈辱に耐えられなかった。どんなポケモンも一撃で倒し、会う者全てを震え上がらせてきた自分を否定されたようで……

 脇目も振らず闇に逃げた。どこかの洞窟に着いた時、自分の姿が本来のものになっていたがそんな些細なことよりも、あのニンゲンがここまで追ってこないかどうかの方が重要だった。幸いにもそのニンゲンはもう二度とギラティナの前に立ちはだかることはなかったが。

 

 

 この経験からギラティナは学んだ、未知を恐れぬニンゲンの強かさと向上心は神話にも及び得るのだと。だからこそ、アインズもいずれはかの創造神にまで届き得る存在になると思った。ポケモンだって多様な見た目なのだから骨なのも些細なこと──そう考えたのが、間違いなのだろう。

 

 

 アインズ・ウール・ゴウンはギラティナの予想を遥かに上回る力を持っている。どんなポケモンだって体力の限界を超えた攻撃を受けても1度は耐えるはずだ。もちろん体が癒えるまで戦闘行為どころか歩くことすらままならないのだが、それでも生きていることに変わりない。それがギラティナの常識であった。

 しかしアインズは右手で何かを握り潰す仕草をする度、右手の人差し指で指を指す度、ムックルの命を奪う。耐えることなく、絶えていく。

 知らないわざの名前を呟く。炎を。雷を。闇を。光を。不可視の衝撃を。次元を引き裂く斬撃を。ギラティナの理解を超えた事象を操り、アインズはムックルを打破している。

 挙句、アインズは刺々しい鎧を2体も呼び出した。これもギラティナからすれば有り得ない。ここ数十年の間に、ポケモンは自身の体力を削って敵の注意を引きつける身代わりを作るわざを習得した。だが身代わりは在るだけであって、決してアインズの使い魔のように防御、攻撃を自律的にするのでは無い。しかもアインズの様子を見れば、代償は何も無いように思われる。使い魔も弱い訳では無く、ギラティナなら倒すことは可能だが複数体呼び出されたら痛手を負うであろう存在だ。

 巫山戯ている。こんな理を超越した者(オーバーロード)がいてたまるものか。

 

 

 いや違う。必要なのだ。神を斃すためにはニンゲンの力を上回る、常識を超えた理不尽なまでの存在が。アインズはギラティナを強くすると約束した。『強く』は何を基準として口にしたのか分からなかったが……アインズ基準で語っていたのなら、()()()()()()()()()()()()()()その先の次元まで連れて行ってくれるのではないのだろうか。

 

 

 アインズが腕を振っている。降りてこい、という意味だろう。

 アインズが着ているローブを風ではためかせないようにゆっくり降りる。アインズの希少性と力を理解した今、可能な限り不快に思われる行動を避けるよう動くのは当然のことであった。アインズの前に立ち、そこで初めて鎧の化け物が居なくなったことに気が付いた。

 

 

「とりあえず襲ってきたやつは全部始末した。ただ、あの鳥もポケモンだったらしいしこれから捕まえに行こうと思う。死の騎士(デス・ナイト)は飛べないから適当にその辺を守らせているが……まあ、大丈夫だろう。ギラティナも着いてきてくれ」

 

 

 とりあえずで動かれた結果、法則無視の異常事態となっていたのだがアインズはその自覚がないらしい。その辺りのズレはいつか直しておかないと苦労しそうだ、ギラティナがだが。

 アインズ曰く、致死量のダメージを受けた個体は生きてはいるもののボールを投げても中に入らなかったらしい。捕獲の際は気を付けねばなと何でもない事のように呟いていたが、アインズと会った時にもしかしたら殺されていたかもしれないと思うと身震いが止まらない。

 

 

「では行くぞ。お前に〈完全不可知化(パーフェクト・アンノウアブル)〉の効果が残っているうちにやらないと勿体無いしな」

 

 

 そうして新たな仲間、もとい被害者探しが始まった。

 

 

 

───まだ動いている死体を後にして。

 

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