転生したら刃王剣十聖刃でした《一時完結》   作:不死身の機動歩兵隊

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作者
「これで「転生したら刃王剣十聖刃でした」は一時完結ですッ!ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございますッ!暫しの別れですが、楽しみに待っててくださいッ!!」

フラン
「皆、またねッ!」

刃王剣十聖刃
「第2期の放送が始まるその時まで俺達の冒険の続きを楽しみにしてくれよッ!」

作者
「それと作者からの報告で、今年からハロワに行って部品組み立て工場への就職が決まりました。今以上に他シリーズの更新が遅れるかもしれませんが、書き続けていきたいと思ってます。悪しからず。」


第10話「旅立つ黒猫の剣士」

‐ワンダーワールド‐

 

タッセル

「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、トリックスター・スパイダーの改造罠でバラバラにされたフランと刃王剣十聖刃。互いに離れていても諦めず、刃王剣十聖刃はブレイブドラゴンを召喚してフランの居場所を解き止めて無事合流。

その際にアマンダに正体がバレるも、その秘密を黙ってくれた。そしてクラッドの仲間と共に集合場所で他の仲間達が来るのを待つが来る気配が無く、捜しに行こうと話す時、空間から純白の梟が現れたッ!果たしてこの梟の正体は一体?」

 

‐現実世界‐

 

クラッド

「クソがッ!ハァ、ハァ・・・何なんだよ、この広間はッ!?」

 

アイゼール

「すまねえクルスの旦那、俺が転移の罠を解除し損ねたせいでこんな部屋へ・・・」

 

クルス

「フッ・・・武器が無くなってないだけマシさ。反省は後で良い、ここを乗り切るのが先だッ!」

 

フラン達が謎の純白の梟と遭遇した頃、クルス達はテレポーターに嵌ってしまい、最初に遭難したフラン達と同様に魔獣の巣へと飛ばされてしまった。幸いなのは武器が無くなってない事で何とか押し寄せる魔獣の群れに如何にか戦えている。

 

クラッド

「乗り切るったって・・・ゲンネルは喰らっちまったし・・・」

 

ゲンネル

「うぅ・・・すまねぇ兄貴・・・」

 

クラッド

「別行動してたフリーオン達も何時の間にかあそこで餌にされる寸前だしよォ、大分ヤベェぞ!?この広間ッ!!」

 

仲間の1人を抱えながらクラッドは天井でぶら下がった状態で捕まっているフリーオン達を見てそう叫ぶ。

 

ドゥポ

「もうダメだ、生きたまま卵を産み付けられるッ!!」

 

ララ

「嫌な事言わないでッ!」

 

ルベリー

「誰か何とかしてくださいッ!ひっ!?」

 

捕まったフリーオンの仲間達が叫んでいると空腹の子蜘蛛が近付いて来る。

 

フリーオン

「水の精霊、ウローニェ!私の仲間を襲う魔獣共の妨害をしなさいッ!」

 

そこへフリーオンが召喚した水の精霊、ウローニェが捕食しようとする魔獣を吹き飛ばす。

 

フリーオン

「ハァ、ハァ・・・」

 

リグ

「不味いですね・・・もうじき魔力が・・・」

 

しかしクルスの仲間のリグを含めて魔力が底を突き始めており、まだ数多くいる魔獣にジワジワと迫られて捕食されるのも時間の問題であった。

 

クルス

「剣技、ダウン・ブレイクッ!!」

 

クルスが剣を振るい、地面を砕いて周りの魔獣を巻き込んで倒す。しかし数は大して減らなかった。

 

アイゼール

「旦那、毒消しも回復薬ももう残りがねえッ!」

 

クルス

「不味いな、このままでは・・・」

 

それでもギリギリ耐えてるクルス達の姿が見える場所で刃王剣十聖刃の攻撃で負傷したトリックスター・スパイダーが見ていた。トリックスター・スパイダーは早く回復したい為にクルス達に止めを刺そうと罠を発動させる。

 

ピンッ!

 

アイゼール

「罠の作動音ッ!?誰も踏んでねえのに作動してやがるッ!」

 

クラッド

「おいアレッ!?」

 

ゲンネル

「ちょっ、ヤバいッスよーッ!?」

 

アイゼールがそう知らせると同時に彼らがいる場所の斜め上から巨大な岩の大玉が転がって来た。もはや避ける余力も無く、岩の大玉がクルス達に迫る。クルス達は無駄であろうと迎撃の構えを取り、クラッドは仲間に覆い被さえり、眼を瞑って死を覚悟する。その時、突然岩の大玉が細切れになって助かる。それにクラッド達が驚いていると埃煙の中からブレイブに乗ったフラン達が飛び出して姿を現す。

 

フラン

「助けに来たッ!」

 

アマンダ

「間に合ったみたいね。」

 

そして運んで来たクラッドの仲間を彼の近くに降ろす。

 

クラッド

「バルツッ!ビクトルッ!」

 

バルツ

「クラッドの兄貴~~~ッ!!」

 

ビクトル

「ほい、毒消しッ!」

 

ゲンネル

「すまねえ。」

 

クルス

「アマンダ様ッ!」

 

アイゼール

「他の皆も無事だったかッ!」

 

仲間と再会できた事に喜ぶクラッド達。そこへ魔獣を警戒しながらクルス達が合流する。よし、これで全員合流出来たな。それじゃあ後はこの大広間の魔獣を殲滅するか。

 

ドゥポ

「食われるーーーッ!!」

 

ルベリー

「ひいーーーッ!?」

 

ララ

「助けてーーーッ!」

 

刃王剣十聖刃

『その前に捕まってる人達を助けてからだな。』

 

フラン

「ん、やっちゃえブレイブッ!」

 

ブレイブ

「ガウッ!」

 

俺達とアマンダが降りた後、ブレイブは火炎魔術のフレア・ランスを連射して広範囲を攻撃する。それで捕まっていたフリーオン達が解放される。

 

フラン

「火使って良い?」

 

刃王剣十聖刃

『流石に解禁だろ。身の安全が第一優先だ。』

 

フラン

「オッケー!バースト・フレイムッ!!」

 

刃王剣十聖刃

『トライ・エクスプロージョンッ!!』

 

アマンダ

「火魔術は派手ね。ゲイル・ハザードッ!!」

 

そして俺達も攻撃に混ざり、魔獣共を焼き払いと爆破で。アマンダは風魔術で殲滅していく。

 

クルス

「流石だな。」

 

リグ

「我々も負けてられませんねッ!」

 

アイゼール

「応よッ!」

 

クラッド

「ドラゴンがッ!」

 

ゲンネル・バルツ・ビクトル

咆哮(ロア)すんぜえぇぇえェッ!!」

 

そしてクルスとクラッド達が立て直す時、俺達の目の前に現れた純白の梟がフリーオンの元へ行く。

 

純白の梟

「何とか、間に合った様だな。無事で何よりだ、フリーオン。」

 

フリーオン

「おお、タルゥアッ!助けを呼びに行かせた甲斐がありました。」

 

俺達が遭遇した純白の梟、タルゥアはフリーオンの精霊であった。彼の案内によってクルス達の所へ駆け付ける事が出来たのだ。

 

タルゥア

「しかしあの小娘・・・精神精霊かつお主の守護精霊たるわしを魔獣などとぬかしおって。」

 

フリーオン

「そ、それは苦労を掛けた様で・・・人語を話せる知性の高い精霊は貴方しか居なかったのですよ・・・」

 

タルゥア

「ふん、助けに来たのだから遊んでおらんでお主も戦え。」

 

刃王剣十聖刃

(えっと、何かすんません・・・)

 

フラン

「師匠、あそこッ!」

 

トリックスター・スパイダー

「ッ!?」

 

フリーオンとタルゥアの会話を聞いて申し訳なさを感じているとフランが何かを見付けて指を指す。その場所を見ると俺の攻撃で負傷したトリックスター・スパイダーがいた。救助を優先にしてたからちゃんと姿を見てなかったが、アラクネみたいな奴だな。しかしこんな所にいたのか。ならやる事は1つ。

 

フラン

「借りを返すッ!」

 

刃王剣十聖刃

『ああ、今度は絶対に逃がさんッ!フランをボコったこの恨み・・・完全に仕留めてレア魔石を喰らってやる(いただく)ぜッ!!』

 

トリックスター・スパイダー

「グウゥッ!」

 

俺達に気付いたトリックスター・スパイダーは配下に何かを命じると自身の主に向けて糸を放つ。それを操ると同時に盾にして防御を固めた。時間稼ぎかッ!

 

フラン

「また逃げる気ッ!」

 

刃王剣十聖刃

『だが逆に言えば、追い詰められて余力が無い証拠だッ!』

 

フリーオン

「我が心精タルゥアッ!皆に鼓舞を!その後は魔獣に混乱ばらまいて下さいッ!」

 

タルゥア

「心得たッ!」

 

パァ・・・

 

ドゥポ

「うほ~ッ!」

 

ララ

「待ってましたッ!」

 

ルベリー

「暖かい。」

 

ゲンネル・バルツ・ビクトル

「滾って来たーーーッ!!」

 

クラッド

「勝つ気しかしねえッ!」

 

クルス

「群れは我々が引き受けるッ!フランさんはトリックスター・スパイダーに集中をッ!!行くぞッ!!!」

 

フリーオンの頼みにタルゥアがそう答えると光が降り注ぎ、それを浴びた俺達やクルス達に力を漲らせ、逆に魔獣達は混乱し、一部が同士討ちを始める。そこへクルス達は攻撃を仕掛け、俺達が集中して戦える様に露払いしてくれた。

 

刃王剣十聖刃

『よっしゃ行くぞッ!フランッ!!』

 

フラン

「んッ!」

 

フラン・刃王剣十聖刃

「『フレア・ブラストッ!』」

 

ドガアァァァーーーンッ!!!

 

トリックスター・スパイダー

「グウゥゥゥッ!!??」

 

フレア・ブラストで糸の盾を燃やし、ブレイブに乗って一気に距離を詰める。しかしトリックスター・スパイダーは殺られるものかと言わんばかりに周囲の配下を集め、接近する俺達を包み込む。

 

刃王剣十聖刃

『肉の盾かッ!往生際が悪いなッ!!』

 

フラン

「師匠、逃げられるッ!」

 

刃王剣十聖刃

『(仕方ない、アレを使うかッ!)同時に行くぞッ!!』

 

フラン

「うんッ!」

 

フラン・刃王剣十聖刃

「『雷鳴魔術、スタン・ボルトッ!』」

 

トリックスター・スパイダーの討伐を優先し、依頼達成まで使用禁止にしていた雷鳴魔術で肉盾の魔獣を吹き飛ばす。そして逃走中のトリックスター・スパイダーに直撃する。

 

トリックスター・スパイダー

「~~~~~~ッ!!!???」

 

そして身体が麻痺したのか、トリックスター・スパイダーは蜘蛛の巣から地面に落ちる。結構凄いな雷鳴魔術ッ!

 

アナウンス

〈スタン・ボルト。ダメージは軽微ですが、麻痺効果あり。〉

 

刃王剣十聖刃

『成程、スタンさせてから火魔術で一気に削るとかの攻撃の幅が広がるな!帰ったら練習だなッ!』

 

フラン

「ビリビリ最高ッ!」

 

そして構え直したフランはトリックスター・スパイダーに接近する。

 

‐アマンダside‐

 

アマンダ

「嘘・・・もう雷鳴魔術をッ!?また強くなってる。」

 

話を聞いて知ってはいたけど、こんなにも早く使える様になるなんて・・・魔獣共を蹴散らしながら雷鳴魔術を使うフランちゃんの姿とそれを実現する師匠を見て私は驚く。

 

トリックスター・スパイダー

「グウゥッ!」

 

ピンッ!ピンッ!ピンッ!ピンッ!

 

ドゴオォォォーーーッ!

 

ブレイブ

「ガウッ!?」

 

刃王剣十聖刃

『どわッ!?』

 

フラン

「うわッ!?」

 

アマンダ

「フランちゃんッ!?」

 

トリックスター・スパイダーが糸を弾くと地面が吹き飛び、岩等がフランちゃん達に当たって吹き飛ぶ。その姿を見た時、私が昔保護していたフランちゃんと同じ2人の黒猫族、キナンとフラメアの姿が浮かび上がる。私は冒険者になりたがる2人に戦い方を教えなかった。教えれば戦いに身を置き、命を縮める事になると思ったから・・・2人に生きて欲しかったから・・・だけど、守るつもりが2人を・・・悔やみきれない思いに私は鞭の柄を強く握る。

 

刃王剣十聖刃

『このまま押し切ってレア魔石をゲットだッ!』

 

フラン

「うんッ!」

 

すぐに立ち上がってトリックスター・スパイダーに向かっていくフランちゃん達。もう、死なせるもんですか・・・あの子達が残した忘れ形見をッ!

 

ヒュウゥゥゥ・・・

 

フラン

「?」

 

刃王剣十聖刃

『何だ?風・・・それに魔力を感じる。まさかッ!』

 

アマンダ

「暴風魔術、ウィンド・ボルテッカーッ!!!」

 

フランちゃんは、私が守るッ!!

 

‐アマンダside END‐

 

トリックスター・スパイダーを倒そうと向かっていた時、アマンダが放った暴風魔術で跡形も無く吹き飛ばした。ま、魔石は・・・

 

アナウンス

〈魔石ごと消滅しました。〉

 

刃王剣十聖刃

『デスヨネーーーッ!』

 

アマンダ

「フランちゃーんッ!大丈・・・あ、あれ?」

 

フラン

「むー・・・」

 

刃王剣十聖刃

『えっとアマンダさん・・・出来れば俺の成長とフランの為にレア魔石は残してくれると嬉しかったです・・・』

 

フラン

「自分でやり返したかった・・・」

 

アマンダ

「もしかして私・・・やっちゃった・・・」

 

レア魔石の消滅に無い頭を抱える俺と、やり返しが出来なかった事にフランは不機嫌になる。とは言え、これで終わったな・・・俺を含めて誰が戦いが一段落したと思ったその時、トリックスター・スパイダーが倒された場所で1つの本が現れる。

 

クラッド

「何だありゃ、小せえ本?」

 

フリーオン

「あれは・・・まさかッ!?」

 

タルゥア

「気を付けよフリーオンッ!本の怪物が現れるぞッ!!」

 

現れた謎の本に首を傾げるクラッド。逆にフリーオンはその本の存在に気付き、守護精霊のタルゥアが警告する時、アルターライドブックが独りでに開く。

 

『スパイダー・パニック!その糸からは誰も逃れられない!』

 

スパイダー・パニックメギド

「グアァァァーーーッ!!!」

 

音声が鳴り止むと同時に周囲にある魔獣の残骸が1つに集まり、徐々に人の形を形成する。トリックスター・スパイダーをより人型にして禍々しい見た目のメギドとして復活し、咆哮を上げる。

 

クルス

「本の怪物だと、大昔に存在した怪物が何故ッ!?」

 

アイゼール

「それよりもあのバケモンを如何にかしないとヤバイですぜ。」

 

リグ

「さっきの咆哮でまた魔獣が集まって来てますッ!」

 

クルスの言う事もそうだが、さっきの咆哮で魔獣共がワラワラと出て来た。流石にこのままだと不味いな・・・

 

刃王剣十聖刃

『フラン、変身だッ!奴を倒せば魔獣共は止まるはずだッ!!』

 

フラン

「うんッ!」

 

ドライバーに納められた俺は火炎剣烈火へ変化し、フランがブレイブドラゴンを取り出そうとした時、ライドブックホンダナーからブランクライドブックが飛び出す。それに反応する様にブレイブが光球になってブランクワンダーランドブックに宿り、新たなワンダーライドブックが誕生する。

 

『ドラゴニックナイト!』

 

火炎剣烈火

『おおッ!?ドラゴニックナイトワンダーライドブックに変化したッ!』

 

フラン

「新しい力・・・師匠ッ!」

 

火炎剣烈火

『おうッ!使っちまえッ!!』

 

俺がそう言うとフランは新たな力を開く。

 

『ドでかい竜をド派手に乗りこなす、ド級の騎士のドラマチックバトル・・・』

 

音声が鳴り終わった後、ワンダーライドブックを閉じて右スロットに装填。背後に巨大なドラゴニックナイトワンダーライドブックが現れ、フランが俺を抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

 

抜刀と同時にドラゴニックナイトワンダーライドブックが開くと左側にある2つのページ、ステンドエンクローザが開き、ドラゴニックナイトに記された王の鎧の力を一気に開放する。

 

フラン

「変身ッ!!」

 

『Don`t miss it!(The knight appears. When you side,)』

 

『ドメタリックアーマー!(you have no grief and the flame is bright.)』

 

『ドハデニックブースター!(Ride on the dragon, fight.)』

 

『ドハクリョックライダー!(Dragonic knight.)』

 

『ドラゴニックナイト!すなわち、ド強い!』

 

全身が光り輝く白銀の甲冑を纏った騎士の様な外見へと変化。剛健で重厚感を感じさせ、左腕には専用武器としてドラゴニックブースターが装備した姿となる。

 

仮面ライダーセイバー

ドラゴニックナイト

 

へと変身する。その存在感にアマンダ達は驚き、スパイダー・パニックメギドは後退る。

 

セイバー

「物語の結末は私が決めるッ!」

 

スパイダー・パニックメギド

「グアァァァーーーッ!!!」

 

セイバーとスパイダー・パニックメギドが同時に動き、スパイダー・パニックメギドは糸で幾つもの岩を持ち上げて投げ飛ばしてくる。それをセイバーは斬り払いながら接近して一撃を与える。

 

スパイダー・パニックメギド

「グウッ!」

 

セイバー

「逃がさないッ!」

 

地上戦は不利だと悟ったのか、スパイダー・パニックメギドは天井に糸を飛ばして空中に逃げる。セイバーはドラゴニックナイトワンダーライドブックを操作。ブレイブを召喚と同時に騎乗して追い掛ける。

 

スパイダー・パニックメギド

「ギイィィィッ!!」

 

俺達の接近にスパイダー・パニックメギドは猛毒を含んだネットや岩等を投げてくる。だがそれはセイバーとブレイブの迎撃と回避で直撃する事は無かった。

 

セイバー

「ヤアッ!」

 

スパイダー・パニックメギド

「グアァァァーーーッ!!」

 

再び接近してセイバーが斬撃を放つと、スパイダー・パニックメギドは両腕を鎌状に変化させて防ぐ。そこから立体的な斬り合いが始まる。お互い接近したら斬り合い、離れたら遠距離攻撃を放つを繰り返す。

 

スパイダー・パニックメギド

「シャアァァァッ!!」

 

セイバー

「ッ!?蜘蛛がッ!」

 

するとスパイダー・パニックメギドが叫んだ直後、アマンダ達が地上で戦っている魔獣の群れとは違う別の群れが現れて俺達を襲う。

 

火炎剣烈火

『妨害して何かをするつもりかもしれない!気を付けろッ!』

 

セイバー

「うん!フレア・バーストッ!」

 

火炎剣烈火

『ファイヤー・ジャベリンッ!』

 

ブレイブ

「ガウッ!」

 

襲い掛かる群れを火魔術と火炎魔術で殲滅し、スパイダー・パニックメギドの方を見ると、猛毒が染みついた糸で瓦礫を絡めて作った巨大な球状の塊をこっちに向けて投げ飛ばす。今からじゃあ間に合わない・・・ならッ!

 

火炎剣烈火

『アレごと奴をブッた斬るぞッ!フランッ!!』

 

セイバー

「ん、これで決めるッ!!」

 

俺をドライバーに戻した納刀状態から、トリガーを1回引いて抜刀して必殺技を発動する。

 

『ドラゴニック必殺読破!烈火抜刀!ドラゴニック必殺斬り!』

 

セイバー

神火龍破斬ッ!!!

 

スパイダー・パニックメギド

「グギャアァァァーーーッ!!!」

 

ブレイブと共に巨大な球状の塊へ突撃し、炎を纏わせた刀身で突破し、そのままスパイダー・パニックメギドをすれ違い様に斬り裂くと同時に爆発。核となっていたアルターライドブックも消滅。これで本当の戦いが終わった。

 

‐数分後 蜘蛛の巣・ダンジョンコアルーム‐

 

スパイダー・パニックメギドを撃破後、集まっていた魔獣の群れは散り散りとなってダンジョンの何処かへ退散。そして最奥に続く道をクルスの仲間が見付け、そこを通って行くとダンジョンコアルームに無事辿り着いた。そして中へ入るとそこには色とりどりの魔鉱石が大量にあった。

 

クラッド

「お宝の山じゃねーかッ!」

 

フリーオン

「これ程の純度の魔鉱石が・・・凄まじいですね。」

 

クルス

「皆、配られたアイテム袋に収納してくれ。後、このダンジョンがこれだけの素材を生み出す事実は機密だ。もし着服や他言すればギルドや国からも眼を付けられる事になる。」

 

やっぱり半永久無限資源生成機と化した攻略済みダンジョンは貴重なんだな。そして俺達が収集している間にクルス達とアマンダはコアの設定を調べると、トラップ・スパイダーしか召喚されない設定のままであった。

 

クルス

「ふむ・・・やはりあの災厄の本が原因か。」

 

アイゼール

「トリック・スパイダーがまだ所々に残ってる筈だが・・・殲滅するべきですかい?」

 

アマンダ

「うーん・・・魔力源が減り過ぎるのはダンジョン的に不味いし、ギルマスに判断を仰ぎましょう。」

 

クルス

「分かりました。」

 

ある程度収集した後、俺達は地上へ撤収する。

 

クラッド

「おい・・・」

 

フラン

「ん?」

 

クラッド

「その・・・仲間を助けてくれて、ありがとな。」

 

フラン

「うんん、構わない。」

 

その際にクラッドが仲間を助けてくれた礼をフランに言う。まぁ、先程の戦闘でフランの放った火魔術で髪が焼け野原になってるけど、触れないでおこう。

 

‐数時間後 街道‐

 

地上に戻り、問題も無く帰路に着いた際の途中休憩でブレイブを交えてアマンダともう一戦したが、一撃を与える事が出来なかった。因みにドラゴニックナイトを使って。Aランクの壁はデカいな・・・

 

アマンダ

「進化した黒猫族?」

 

フラン

「うん、知らない?」

 

アマンダ

「やっぱりフランちゃんも進化を目指しているの?」

 

フラン

「ん、その為に頑張ってる。」

 

模擬戦を終え、夕食を食べてる時にフランがアマンダにそう質問するが、聞いた事も無く、詳しくないと言う。

 

アマンダ

「でも知り合いだった黒猫族の子達も同じ事を言ってたわ。」

 

フラン

「ッ!その人達は?」

 

アマンダ

「会えない所へ行ってしまったわ・・・」

 

アマンダは悲しげな顔で夜空を見上げてそう言う。つまりその子達はこの世にいないと言う事か・・・

 

アマンダ

「・・・フランちゃん。応援はしてるけど、無理はしないでね。」

 

フラン

「・・・・・・」

 

この時のアマンダの眼には悔やみと悲しみが籠っていた。それだけ大切な子達なんだろうな。

 

‐翌日 アレッサ・ギルドマスターの執務室‐

 

そして昼前にはアレッサへ無事到着し、俺達は収集した魔鉱石を提出した後、ギルマスの部屋に足を運んだ。

 

クリムト

「全く貴女は本当に話題に事欠かない人ですね。今度は脅威度Bの従魔とは・・・まあ何はともあれ依頼達成ご苦労様でしたね。」

 

開口一番、ギルマスはフランとその肩に乗っている縮小系のスキルで小さくなったブレイブを見てそう言われた。まぁ、これまでの行動が普通の冒険者と比べてブッ飛んでるから仕方ないか。

 

フラン

「ん・・・でも失敗もしたし、余り活躍は出来なかった。」

 

クリムト

「しかしアマンダ君との模擬戦、テレポーターからの復帰、従魔召喚、仲間の救出。実力証明は充分でしょう。」

 

これで俺達へのやっかみとギルマスのロリコン疑惑が無くなって一件落着だな。そしてウルムットのダンジョンへの入場許可証も発行されて次の冒険に行けるな。それと職業変更も進められた。

 

クリムト

「ところで、何時アレッサをお発ちに?」

 

机から立ち上がったギルマスは窓の外を見ながらそう言う。まあ、ガルスさんが装備を完成させるまではアレッサに滞在するな。

 

フラン

「明日とか明後日とか。」

 

クリムト

「そうですか・・・寂しくなりますねぇ。」

 

フラン

「む、実はホッとしてる?」

 

クリムト

「ハハハ、バレましたか。でも寂しいのは事実です。」

 

フランがそう言うとギルマスは苦笑いした後、そう答える。何だかんだギルマスにもお世話になったからな。

 

フラン

「・・・ん。ギルマスさん、お世話になりました。」

 

フランがペコリと頭を下げたのを見て、ギルマスが目を丸くする。余程驚いたらしい。そして俺達は退室する。

 

‐冒険者ギルド・酒場‐

 

アマンダ

「じゃあ、カンパーイッ!」

 

フラン

「乾杯。」

 

ネル

「乾杯!」

 

ギルマスの部屋を出てから魔導戦士にクラスチェンジした後、フランは酒場にいた。同じ席にはアマンダと仕事を終えたネルの姿もある。フランがアレッサを出るという話を聞き、お別れ会兼ダンジョンお疲れ様会を開いてくれた。その際にアマンダもついて行くと言ったがネルさんに止められる。何でも契約で長期間アレッサを離れる事は出来ないそうだ。

 

ネル

「『蜘蛛の巣』の魔鉱石、凄かったでしょ。あの量の資源が定期的に生産されるもんだからこの国、クランゼル王国も国の管轄にしたいのよ。更にここって北の国境に近いじゃない?

そしてこの国と仲が悪い北のレイドス王国にも目を付けられてるからアレッサギルドにはそれを牽制出来るだけの戦力がありますって国に対して保証が要るの。

それを担えるのがAランクのアマンダしかいないからね。だからギルドの依頼以外ではアレッサ付近に居てくださいって、ギルドと契約しているの。」

 

成程な。政治的な問題をアレッサは抱えていて、軍隊を跳ね除ける確かな力が必要だからアマンダは離れる訳にはないか。

 

アマンダ

「私の他にもいるでしょぉぉ~変な死霊術師とかぁぁ~」

 

ネル

「だぁめッ!あの人はあくまで貴女の代理でしょ。」

 

アマンダ

「あーあ面倒な契約しちゃったなぁ・・・もーヤケ酒するぅッ!」

 

Aランクも大変だな・・・それから話はクラッド達、竜の咆哮が試験に落ちた話やドナドが女性に振られた話等、コロコロと変わる。その度に杯が進む。因みに状態異常耐性が高くても酒に酔えるそうで、神の慈悲らしい。そしてフランの旅立ちを聞いたエレベントや他の冒険者達も参加して賑やかな夜になった。

 

‐ギルドマスターの執務室‐

 

クリムト

「成程、報告書は読みました。覆面調査、ご苦労様でしたね。まさか最上位種(トリックスター・スパイダー)と本の怪物が現れるとは・・・」

 

フリーオン

「いやぁ、叔父上殿も人が悪い・・・私の実力なら大丈夫と言ってましたが、ハッキリ言って何度か死にかけましたよ。」

 

フラン達が酒場で盛り上がっている頃、クリムトはフリーオンと酒を交わし乍ら話していた。2人は叔父と甥の関係であると同時にフリーオンは『蜘蛛の巣』の実態調査とフランの正体を見極める為に昇格試験へ参加したギルドの覆面調査員であった。

 

クリムト

「まあまあ、恨むんだったらオーギュスト・アルサンドを恨みなさい。この件は間違いなくあの男の置き土産でしょうね。そして我がギルドが信用を置いていた冒険者の中にその男の部下が紛れ込んでたようです。

ダンジョンの蜘蛛に進化魔力薬の投与に厄災の本*1を埋め込んだ事を貴方がダンジョンに行ってる間に白状しましたよ。」

 

フリーオン

「進化魔力薬、これまた希少な物ですが・・・問題は厄災の本ですね。」

 

クリムト

「えぇ、遥か大昔にこの世界に現れた本の怪物のコアとなる本。それは異界より現れた13本の聖剣を持つ異界の剣士達によって倒された。しかし一部は休眠と活動停止した状態で今現在もこの世界の何処かで眠っている。過去数十年前にとある大国がその力を使って隣国へ戦争を仕掛けましたが、逆に蘇った本の怪物によって滅亡。

当時のSランク、Aランク冒険者達による討伐パーティーによって討伐されました。しかし死人は出なかったものの、大半の冒険者が重傷を負い、後遺症等で引退せざるを得ない結果となりました。その力を危険視した国々は発見された厄災の本を回収して厳重管理し、軍事利用禁止の条約が定められましたが・・・」

 

フリーオン

「一部の国や邪神を信仰する者達がその力を我が物にしようと裏で研究を行っていますからね。やはりレイドス王国の差し金ですかね。」

 

クリムト

「そう見ていいでしょう。アルサンド子爵はダンジョンの利権をギルドから奪う為、レイドスと内通していたでしょう。国に報告してレイドス王国に問いただしても恥も外聞も無いあの男を切り捨てて知らぬ存ぜぬでしょう。」

 

外交的問題にクリムトは手を頭に当てて溜息を吐く。その後に話を切り替える。

 

クリムト

「ではもう1つの案件、貴方の精霊はフランさんをどう見ましたか?」

 

フリーオン

「少々お待ちを。守護精霊タルゥア!答えてくれますか?」

 

フリーオンの差し出した腕に掴まる様に、守護精霊タルゥアが出現する。

 

タルゥア

「ふむ。久しぶりだな、クリムト。」

 

クリムト

「お久しぶりです、タルゥア。」

 

多くの守護精霊はエルフと相性の良い樹木・土・水の精霊が多いが、フリーオンのタルゥアは精神属性と言う特殊分類に入り、普通の精霊や同族より遥かに強力で邪悪な人間を見抜く力が非常に高いのである。

 

タルゥア

「我が見た所、あのフランと言う娘には邪悪な心は感じられんな。寧ろ、あれ程他者に対する悪意の少ない者は久しぶりに見た。外見からはそう見えんが様々な事にちょっとした好奇心を向けておったのと、よく己と対話していた様だが、何かを企んでいる感じでは無いな。」

 

クリムト

「ではレイドスからのスパイと言う線も無しですか。タルゥア、ありがとうございました。」

 

タルゥア

「うむ。」

 

フリーオン

「彼女の強さや成長速度は異常ですからね。敵だとしたらかなりの脅威ですよ。」

 

クリムト

「でも、もう疑うのは疲れました・・・精神精霊のお墨付きにアマンダの気に入りよう・・・釈然としませんが、ただの凄い黒猫族の子供と結論付けておきましょう。」

 

クリムトは天井を仰ぎ、少し笑みを零してそう言うのであった。

 

‐数日後 ガルスの店‐

 

フラン

「たのもー!」

 

刃王剣十聖刃

『ガルスさん、いますかー?』

 

ガルス

「お!来たな。中々のじゃじゃ馬だったが最高傑作ができたぞ!仲間にも手伝ってもらって、大分苦労したが良いものが出来た。早速奥で来て見てくれ。」

 

フラン

「ん。」

 

昇格試験を終えて数日。旅の準備を進めている俺達はガルスさんの店に来ていた。今日で丁度1ヶ月。フラン専用特注装備が完成する日だ。そして着替え終えたフランが更衣室から出てくる。

 

フラン

「おお~今度は黒い。」

 

ガルス

「その名も黒猫装束(シリーズ)ッ!喜べ!祝福されたネームドアイテムじゃぞッ!優れた武器防具は完成した瞬間、気まぐれな神の眼に止まり、名前が降りてくる事があるんじゃ。」

 


名称:黒猫の闘衣

防御力:100 耐久値:600/600

効果:快眠、消臭、浄化、精神異常耐性中付与

 

名称:黒猫の手袋

防御力:70 耐久値:600/600

効果:衝撃耐性中付与、腕力中上昇

 

名称:黒猫の軽靴

防御力:65 耐久値:600/600

効果:跳躍付与、敏捷中上昇

 

名称:黒猫の天耳輪

防御力:15 耐久値:300/300

効果:毒耐性中付与、騒音耐性大付与、属性耐性中付与

 

名称:黒猫の外套

防御力:85 耐久値:600/600

効果:耐寒付与、耐暑付与、装備自動修復

 

名称:黒猫の革帯

防御力:15 耐久値:300/300

効果:魔術耐性小付与、状態異常耐性小付与、アイテム袋能力小


 

鑑定で見るとガルスさんが作った新しい防具は防御力は勿論、効果も素晴らしい。

 

刃王剣十聖刃

『それにしても神様がネーミングしてくれるなんて凄いな。そう言えば、ブレイブの時にアマンダがそんな事を言ってたな。』

 

ガルス

「ネームドアイテムは優れた性能に加えて加護が付く。名前をくれた獣蟲の神に感謝しとけよ。」

 

フラン・刃王剣十聖刃

「ん、『ありがたや』。」

 

ガルスさんに言われた通り、俺達は装備に名を与えてくれた獣蟲の神に両手を合わせて感謝する。そして俺は気になる事をガルスさんに聞く。

 

刃王剣十聖刃

『思えばガルスさん、腹部が丸出しなのは何でだ?(変な理由だったら許さんッ!)』

 

ガルス

「猫系の獣人族は薄着を好む奴が多いんじゃ。風や気配を肌で感じたい奴やちょっとした動きの阻害を嫌う奴が大半で、敏捷性が落ちるってな。」

 

刃王剣十聖刃

『そうなのか?』

 

フラン

「ん!ドレスアーマーよりすごーい楽♪」

 

刃王剣十聖刃

『でも狙われたら危なくないか?』

 

ガルス

「問題ない。そこで加護の出番って訳だ。おりゃよっとッ!」

 

ガィィィ・・・ン

 

するとガルスさんが突然ハンマーをフランの腹部に振りかざす。しかし小高い音が響くと同時に弾かれた。

 

ガルス

「この通り、多少の攻撃は弾いちまう。」

 

フラン

「本当だ、全然痛くない。」

 

ガルス

「そもそもこの加護を貫通する様な攻撃だったら重鎧でも着なけりゃどのみち致命傷だ。」

 

刃王剣十聖刃

『成程。だったら敏捷を行かした方が良いわな。』

 

そして黒猫の加護には全ステータスアップと即死無効効果が備わっており、黒猫族しか恩恵に預かれないフラン専用装備だとガルスさんが説明してくれた。即死無効は誰もが喉から手が出る程欲しい効果だ。本当にありがたい。

 

フラン

「嬉しい、ありがとうガルス、師匠も。」

 

フランに出会うまで倒した魔獣の素材がフラン専用装備に生まれ変わるか・・・何か、感賞深いな。

 

ガルス

「こっちこそ、久しぶりに楽しい仕事だったぜ。この機会をくれたお前さんらには感謝しとる。製作を手伝ってくれた知人も、泣いて喜んどった。ありがとうよ。ただ注意点が1つ。最高ランクの防具だけに高純度の魔水晶が要る・・・大雑把に言って前の防具より修理費が10倍程かかるのじゃ。」

 

最初の防具の10倍ッ!?マジでッ!?いやまぁ・・・素材とかもそうだけど当然の額だよな。

 

ガルス

「じゃが安心しろ、黒猫の外套に装備自動修復の力が宿っておる。時間は掛かるがちょっとボロついた位なら数日で修復するじゃろ。」

 

ガルスさんにそう言われて鑑定した時にそんな機能があった事を思い出す。確かにこれなら多少の損傷は大丈夫か。それと旅の行き先を話すとアレッサでやりたい事を大体済ませたガルスさんもウルムットへ移るそうで、一緒に行くかと言ったが。

 

ガルス

「お前達は海路じゃろ?儂らドワーフは元々山の民で殆ど泳げん。だから好んで船に乗る奴ぁ居らん。じゃから儂は陸路で行く事になる。向こうに着いたら捜してくれ。」

 

との事だ。へ~この世界のドワーフは金槌なのか。

 

刃王剣十聖刃

『分かった。ウルムットでまた会いましょう。』

 

フラン

「ん、約束ね。」

 

こうして装備を更新した俺達は宿に戻り、明日の旅立ちで更なる冒険にお互い夢を膨らませるのであった。

 

‐同日 アマンダside‐

 

アマンダ

「ほら起きて、キナンはもう起きてるわよ。」

 

黒猫族の女子

「んーん、うみゅ・・・」

 

私は闇奴隷商から助けた黒猫族の男女の1人、フラメアの鼻先をちょんとつつくとフラメアは眠たげに起き上がる。

 

アマンダ

「皆朝ご飯待ってるわよ。」

 

フラメア

「アマンダは―――」

 

フラメアの言葉を聞いた私はそれに小さく笑った所でぼんやりと意識が目覚める。

 

アマンダ

「ハァ・・・もう明日でフランちゃんの旅立つ日、かぁ・・・」

 

師匠が付いてくれているから大丈夫とは思うけど、以前フランちゃんに話した亡くなった同族の男女、キナンとフラメアの事を思い出す度に嫌な事が次々と頭に思い浮かぶ。それを拭う為に私は身支度をして買い物しに家である孤児院を出る。

 

‐1時間後 雑貨屋サーベタイガー‐

 

アマンダ

「ルーファス、元気にしている?」

 

ルーファス

「おお、アマンダ!ご無沙汰だ。どうかしたか?」

 

大分昔の卒院生でキナンとフラメアの同期生でもあるルーファスのお店に足を運んでそう挨拶する。

 

アマンダ

「お客、ちゃんと来てる?」

 

ルーファス

「失礼だな・・・さっき剣を腰に差した黒猫族の女の子が香辛料や食器を沢山買い込んで行ったよ。」

 

アマンダ

「あら、それ多分フランちゃんね。」

 

ルーファス

「おや?知り合い?流石子供の守護者アマンダ先生。」

 

アマンダ

「うふふ。」

 

ルーファスの言葉に小さく笑みを零す。するとルーファスはしんみりとした顔をして同期生のキナンとフラメアの2人の事を思い出して口に出す。

 

ルーファス

「久々に黒猫族見たから問題児だったあいつらを思い出しちまってさ、よく「抜け出して冒険者になるッ!」って無茶な事してたなぁ・・・」

 

アマンダ

「孤児院を飛び出した2人は一度だけある報告をしに戻ってきて、またすぐに冒険に出てそして・・・暫く日が経った時に風の噂で2人の死を知った。」

 

それからギルドの仕事の合間に2人の足跡を追ったけれど2人の形見は見付からず、自分の情けなさを呪うと同時に後悔の念に苛まれ続けた。ちゃんと戦い方を教えて2人の旅立ちを笑顔で見送ってあげれば良かったと何度も思った。でもどんなに考え、思ったとしても2人は永遠に帰ってこない・・・

 

アマンダ

「明日はそのフランちゃんの旅立ちを見送るの。また寄るわね。」

 

ルーファス

「ああ、また。」

 

亡くなった2人の事を話しながら買い物を終えた私はルーファスのお店を出た時、夢でフラメアが言ったあの言葉が胸に突き刺さるのを感じながら孤児院へと戻る。

 

‐翌日 アレッサ城門前‐

 

いよいよアレッサから旅立つ時が来た今日、城門前にはアマンダ、ネル、ドナド、ランデルや今までフランと関わった人達がその旅立ちを見送りに来ていた。

 

ネル

「ずっと受付してるから!フランちゃん戻ってきたら絶対顔を見せてね!」

 

フラン

「ん。」

 

ドナドロンド

「困った時は冒険者の心得百が条をだな「無理。」なッ!?

 

門番

「フランちゃん寂しくなるなぁ。おじさんの日々の楽しみが・・・」グスッ

 

ランデル

「またアレッサに来たらうちの店にも寄ってくれよ。」

 

エレベント

「嬢ちゃん、元気でなッ!」

 

クルス

「君に負けない様に、もっと鍛えるつもりだよ。」

 

アイゼール

「道中、罠には気を付けてくだせえよ。」

 

フラン

「ん、皆ありがとう!」

 

クラッド

「次は絶対俺が勝つからなッ!「それは絶対無理。」んだとッ!

 

フランとクラッドのやり取りに他の皆はドッと笑みが広がる。それにしてもフランに人との関わりの輪が出来て俺は凄く嬉しいッ!そしてフランはアマンダの方に顔を向ける。

 

フラン

「アマンダ。」

 

アマンダ

「ん?」

 

フラン

「もっと強くなって帰って来る。今度模擬戦する時は負けないッ!」

 

アマンダ

「楽しみだわ。ピンチになったら助けに行くから呼んでね!」

 

フラン

「ん、ありがとう。」

 

フランとの会話が終わるとアマンダは俺に近付いて小声で話す。

 

アマンダ

「師匠、フランちゃんをお願いね。」

 

刃王剣十聖刃

『勿論!任せてくれッ!』

 

アマンダ

「フランちゃんは1人じゃなかったのね。」

 

フラン

「ん、何時でも師匠と一緒。」

 

アマンダ

「フフ、羨ましいけど・・・でも、本当に良かった。」

 

フラン

「?・・・じゃ、行ってきまーすッ!」

 

そう言ってフランは待機してるブレイブの背に乗て、ゴーグルを取り出して頭に付ける。それにしても・・・

 

フラン

『どうしたの師匠?』

 

刃王剣十聖刃

『あぁ、遂にアマンダはフランにママって呼ばせられなかったな~って思ってな。』

 

フラン

『お母さんとアマンダは違う。』

 

刃王剣十聖刃

『まぁ、そうだよな。』

 

フラン

『でも・・・一度だけ。』

 

フランがそう言うとアマンダに振り返り、手を振ってこう言う。

 

フラン

「またね!ママンダ~ッ!!」

 

‐アマンダside‐

 

アマンダ

「ッ!」

 

フランちゃんがそう言った時、懐かしい思い出が頭の中を駆け巡る。

 

フラメア

「アマンダは皆のママンダだね。」

 

幼き日にフラメアが言った言葉が・・・

 

フラメア

「報告があるのアマンダ。」

 

キナン

「えっとこの子に、俺の名前と・・・」

 

フラメア

「私の名前から少しづつ取って、フランって名付けたの。祝ってくれる?」

 

2人の腕の中に抱かれてまだ小さいフランちゃんの姿が思い浮かぶ。そして目の前の光景に私は眼を大きく見開く。

 

アマンダ

(キナン、フラメア・・・ッ!?)

 

キナン・フラメア

「・・・・・・(コクリ)」

 

半透明な姿でフランちゃんを挟んで肩に手を置くキナンとフラメアの姿を見た。2人は私に笑顔で頷くと光となって風と共に消えると同時にフランちゃんはゴーグルを掛けて師匠とブレイブと一緒に空高く飛んでいく。

 

アマンダ

「(キナン、フラメア・・・貴方達はずっとフランちゃんの傍で見守っていたのね・・・)行ってらっしゃーいッ!フランちゃーーーんッ!!」

 

私は涙を流しながら手を振り、フランちゃん達を笑顔で見送った。

 

‐アマンダside END‐

 

アマンダ達に見送られた俺達は徐々に小さくなっていくアレッサを見た後、前を向いて上空から広がる光景を見て冒険心が高鳴る。

 

刃王剣十聖刃

『この先にどんな冒険が待っているんだろうな。』

 

フラン

「師匠とブレイブがいれば何でも大丈夫ッ!」

 

ブレイブ

「ガウッ!」

 

刃王剣十聖刃

『そうだな。じゃあ、このまま西にある港街ダーズを目指して行くかッ!』

 

フラン

「んッ!」

 

ブレイブ

「ギャオォォォーーーッ!」

 

こうして、刃王剣十聖刃に転生した俺と黒猫の少女フランと新しい仲間、ブレイブと一緒に未知と無限が広がる世界へと飛んでいく。

 

第10話END

*1
フラン達の世界でのアルターライドブックの呼称




次回「(アニメ第2期放送まで)タイトル未定」
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