転生したら刃王剣十聖刃でした《一時完結》   作:不死身の機動歩兵隊

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お待たせしました!第2話です!


第2話「水の剣士と鬼試験官」

‐ワンダーワールド‐

 

幻想的な世界を見渡せる場所にポツンと1軒の家があり、その家で1人の案内人がいた。

 

タッセル

「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。突然ですが、本って本当に凄いですよね!知らない知識や未知の体験がなっんでも書いてあるんです!おや?」

 

お決まりの挨拶を決めるタッセル。すると白い本が収納された本棚から1冊の本が光り出し、夜空の様な色に染まっていく。そして新たな物語が記載された本が誕生した。

 

タッセル

「如何やら僕も知らない新しい物語が生まれたみたいだ!早速見てみよう!」

 

タッセルは新たに誕生した本を取り出し、そのタイトルと物語を読む。

 

タッセル

「『転生したら刃王剣十聖刃でした』。突然の死を遂げた男は異世界で刃王剣十聖刃に転生!そして1人の黒猫の少女、フランと出会った。奇跡を超えた出会いを果たした1人と1本の剣は強さを求めて旅するッ!う~ん!これも面白そうだね!まだ生まれて間もないから白紙の部分が多いけど、これから始まる彼らの物語が楽しみだ♪」

 

‐現実世界‐

 

刃王剣十聖刃に転生した俺がフランと出会ってから3日目。俺は実戦を交えながらフランを鍛えてつつのサバイバル生活を送りながら東にある街を目指している。それと今現在の俺のステータスはこんな感じだ。

 


名称:刃王剣十聖刃

装備登録者:フラン

種族:インテリジェンス・ウェポン

 

攻撃力:400 保有魔力:1860/1860 耐久値:1460/1460 

魔力伝導率・A+

〈スキル〉

鑑定:Lv7、鑑定遮断、高速自己修復、自己進化〈ランク7・魔石値2109/2800・メモリ62・ポイント18〉、自己改変、念動、念動上昇、念話、攻撃力小上昇、装備者ステータス上昇(中)、装備者回復小上昇、保有魔力小上昇、メモリ中増加、魔獣知識、スキル共有、魔法使い、ライドブックホンダナー、属性剣:Lv3、聖剣召喚

 

〈セットスキル〉

剣術:Lv7、拳闘術:Lv3、剣技:Lv7、拳闘技:Lv1

 

回復速度上昇:Lv1、回避:Lv2、回避上昇:Lv1、脚力上昇:Lv2、瞬間再生:Lv1

 

回復魔術:Lv1、火炎魔術:Lv1、浄化魔術:Lv3、土魔術:Lv4、火魔術:LvMax、補助魔術:Lv3

 

危機察知:Lv1、警戒:Lv4、気配察知:Lv2、採取:Lv2、反響定位:Lv1、魔力感知:Lv3

 

隠密:Lv3、気配遮断:Lv3、逃走:Lv1、威嚇:Lv2、覇気:Lv1

 

火炎耐性:Lv1、恐怖耐性:Lv1、衝撃耐性:Lv1、状態異常耐性:Lv1、精神耐性:Lv1、毒耐性:Lv3、眠気耐性:Lv1、病気耐性:Lv3、物理攻撃耐性:Lv1、麻痺耐性:Lv2

 

解体:LvMax、投擲:LV3、料理:LvMax、空中跳躍:Lv2、鉱物学:Lv1、製薬術:Lv1、薬草学:Lv3、毒中呼吸:Lv1、分体創造:Lv1

 

気力操作、次元収納、振動牙、浮遊、分割思考、魔力操作、暗視、吸収強化、視覚強化、消化強化、鷹の目、聴覚強化、肺腑強化、敏捷力小上昇、魔力小上昇、味覚強化、腕力小上昇

 

〈メモリスキル〉

 

〈武器戦闘スキル〉

弓術:Lv1、曲剣術:Lv1、剣術:Lv7、拳闘術:Lv3、棍棒術:LV3、盾術:Lv3、杖術:Lv1、小斧術:Lv1、戦杖術:Lv1、戦槌術:Lv1、双剣術:Lv2、槍術:Lv4、槍斧術:L2、大剣術:Lv1、体術:Lv3、短弓術:Lv1、短剣術:Lv3、長弓術:Lv1、刀術:Lv1、闘爪術:Lv1、粘体術:Lv1、斧術:Lv3、鞭術:Lv1、棒術:Lv1、矛術:Lv1

 

〈戦技スキル〉

剣技:Lv7、拳闘技:Lv1、盾技:Lv1、戦槌技:Lv1、槍技:Lv2、槍斧技:L1、粘体技:Lv1

 

〈肉体操作スキル〉

回復速度上昇:Lv1、回避:Lv2、回避上昇:Lv1、脚力上昇:Lv2、硬化:Lv1、酸唾液:Lv1、柔軟:Lv1、瞬間再生:Lv1、瞬発:Lv1、脱皮:Lv1、軟化:Lv1

 

〈魔術スキル〉

回復魔術:Lv1、火炎魔術:Lv1、風魔術:Lv1、契約魔術:Lv7、眷属召喚:Lv1、浄化魔術:Lv3、誓約魔術:Lv1、土魔術:Lv4、火魔術:LvMax、補助魔術:Lv3、水魔術:Lv2

 

〈感覚探知スキル〉

足裏感覚:Lv1、危機察知:Lv1、気流視覚:LV1、警戒:Lv4、気配察知:Lv2、採取:Lv2、狩猟:Lv1、振動感知:LV1、電磁感知:Lv1、熱源探知:Lv1、反響定位:Lv1、魔力感知:Lv3

 

〈隠密隠蔽スキル〉

隠密:Lv3、擬態:Lv1、気配遮断:Lv3、消音飛行:Lv1、生存術:Lv1、逃走:Lv1、土中潜行:Lv1、夜陰紛れ:Lv1

 

〈影響発揮スキル〉

威圧:Lv1、威嚇:Lv2、指揮:Lv1、士気高揚:Lv1、覇気:Lv1、咆哮:Lv1

 

〈耐性スキル〉

火炎耐性:Lv1、恐怖耐性:Lv1、衝撃耐性:Lv1、状態異常耐性:Lv1、精神耐性:Lv1、毒耐性:Lv3、眠気耐性:Lv1、病気耐性:Lv3、物理攻撃耐性:Lv1、麻痺耐性:Lv2

 

〈技能スキル〉

穴掘り:Lv3、運搬:Lv4、解体:LvMax、鍛冶:Lv1、歌唱:Lv1、曲芸:Lv1、細工:Lv1、裁縫:Lv1、掏摸:Lv1、跳躍:Lv1、投擲術:LV3、登攀:Lv1、土木:Lv1、腹這行動:Lv1、木工:Lv1、料理:LvMax、罠作成:Lv1

 

〈学芸スキル〉

鉱物学:Lv1、製薬術:Lv1、薬草学:Lv3

 

〈魔力能力スキル〉

吸収:Lv1、気流操作:Lv1、空気圧縮:Lv1、空気弾発射:Lv1、空中跳躍:Lv2、振動衝:Lv1、操糸:Lv1、挑発:Lv1、天候予測:Lv1、超音波撃:Lv1、毒中呼吸:Lv1、分体創造:Lv1、魔力吸収Lv1

 

〈特殊能力スキル〉

鱗再生、オークキラー、気力操作、幻影体、ゴブリンキラー、コボルトキラー、痺れ牙、次元収納、振動牙、浮遊、分割思考、魔力操作、魔糸生成、魔毒牙

 

〈常態スキル〉

暗視、鱗硬化、嗅覚強化、吸収強化、強酸粘体、甲殻強化、甲殻軽量化、視覚強化、消化強化、体毛強化、体毛硬化、鷹の目、聴覚強化、痛覚鈍化、肺腑強化、敏捷力小上昇、捕食、魔力小上昇、味覚強化、卵殻擬態、腕力小上昇

 

〈合成スキル〉

振動弾発射


 

この3日で色々とスキルや称号を入手した。多過ぎてパンクしそうだ。それにしてもフランは筋がいい。剣技や魔術スキルを少しコツを教えればすぐに使いこなしていく。そんでもって。

 

フラン

「師匠も汚れてる。」

 

ついさっきの戦闘で付着した血を洗い終わったフランが布で俺に付いた血を拭う。いやーマジでフランは優しい子だ。こんな可愛くて優しい子が装備者になってくれた事にマジ感謝だ!それに報いる為にも、俺の剣生に懸けて絶対フランを強くしてみせるッ!

 

フラン

「ッ!」

 

俺が改めて決心していると突然フランは走り出す。

 

刃王剣十聖刃

『ウォッ!?どうした、フラン?』

 

フラン

「・・・・・・」

 

刃王剣十聖刃

『何か言ってくれよ~ッ!!』

 

無言のまま突っ走るフラン。今いる森を抜けると俺達は街道に出た。すると少し離れた場所に1台の馬車がゴブリンに襲撃されていた。

 

刃王剣十聖刃

『(成程、フランはこの戦闘音を聞きつけたのか!)行くぞ!フランッ!!』

 

フラン

「うん!行くッ!」

 

気配を消して背後からのトリプル・スラストによる奇襲攻撃で3体を斬る。3連撃な分、威力が低いが、現状では問題ない。

 

商人

「た、助かった!」

 

ゴブリンs

「ギィイ!」

 

フラン

「うるさい。」

 

威嚇の声を上げるゴブリン達を全て斬り捨てるフラン。目視できる範囲のゴブリンを倒したその時!

 

ゴブリン×2

「ギャギャ!」

 

隠れていたゴブリン2匹がフランの背後から飛び掛かる。やらせるかよッ!

 

刃王剣十聖刃

『オーラブレードッ!』

 

ゴブリン2匹を無動作で魔力の刃を放つ剣技、オーラブレードで両断。こちらも威力は低いが、牽制や奇襲には丁度いい。

 

刃王剣十聖刃

『覚えておいて損はないぜ。フラン。』

 

フラン

「ん!」

 

全てのゴブリンを倒した後、馬車の商人がこちらへ来る。

 

商人

「ありがとう、お嬢ちゃん。助かったよ。お礼に馬車に乗っていくかい?アレッサの街へ向かっているんだ。」

 

フラン

「街!」

 

成程。馬車に乗せるついでにフランに護衛させる気だな。でも悪人って感じもしないし、ありがたく乗っかっておくか。情報提供の条件付きで。

 

刃王剣十聖刃

『それでいいか、フラン?』

 

フラン

「『ん、分かった。』街まで護衛してあげてもいいけど?」

 

商人

「いや参ったな、バレてたか。」

 

フラン

「そのかわり、色々教えて!それで護衛料はタダでもいい。」

 

ランデル

「はははは。面白いね。気に入った!乗ってくれよ。僕はランデル。君は?」

 

フラン

「フラン。」

 

ランデル

「じゃあ、道中よろしく頼むよ、フランさん。」

 

その後にゴブリンの角を回収し、ランデルの馬車に乗った俺達はその道中で色々と聞いた。普段の街道にはあれ程のゴブリンは現れないそうだ。数ヵ月程前から「魔狼の平原」で魔獣の動きが活発になり、街道まで出現する様になったとか。

 

フラン

「それってどういう場所?」

 

ランデル

「ここから東にあるA級魔境さ。あそこで強い魔獣同志の縄張り争いでもあったのか、そのせいで周りに暮らしてる魔獣達が街道の方まで追いやられたみたいでね。」

 

刃王剣十聖刃

(あ~・・・すまんランデル。それ間違いなく俺のせいだわ。ホントすまん。)

 

俺が心の中で謝罪している間にも話は続く。フランには予めに質問や気になった事も聞くように言ってある。

 

フラン

「なんで魔狼の平原って言うの?」

 

ランデル

「あの平原では大昔、フェンリルっていうS級の魔獣が死んだっていう伝説があってね。今でもフェンリルの魔力が平原の中心部に残っているらしくて、中心に行けばいくほど魔獣が弱くなるっていう、不思議なエリアみたいだよ。」

 

成程。それで外側へ行くほど敵が強かったのか。しかしS級の魔獣フェンリルか・・・あの場所に刃王剣十聖刃()があった理由と何か関係があるかもな。

 

フラン

「その平原の中心にあった剣の事は知ってる?」

 

ランデル

「平原の中心に剣?う~ん、知らないな。朽ちた遺跡に祭壇みたいなものがあるらしいけど・・・それがどういった由来の物か、色んな人が調べたみたいだけど不明なままらしいよ。」

 

刃王剣十聖刃

(そうか・・・何か分かると思ったが、そう簡単にはいかないか。残念だ。)

 

その後、魔狼の平原を囲い、魔力を吸収する特殊な森「枯渇の森」についても説明してくれた。あそこには絶ッッッ対に二度と入りたくねぇ・・・

 

ランデル

「しかし・・・フランさん。脅威度Gとは言え、あの数のゴブリンを駆逐する手際は凄かったなあ。僕もゴブリン1、2匹なら追っ払う自身はあるんだけどね。ランクE相当の冒険者と見たけど、どうだい?」

 

フラン

「脅威度?」

 

刃王剣十聖刃

『冒険者にランク?』

 

ランデル

「あれ・・・知らない?えっとね。」

 

そこから魔獣の危険度ごとにランク分けがされてる事や、危険な魔獣の討伐などの依頼を熟し、資金を稼ぐのが冒険者。その冒険者にもランクがあり、最高ランクのSから駆け出しのG級があると教わった。

 


‐魔獣の脅威度ランク‐

 

S

世界規模の危機、神話級魔獣。

フェンリル、神級ドラゴン

 

A

大陸の脅威。

悪魔王、王級ドラゴン、リッチ

 

B

国の危機。

中級悪魔、上級ドラゴン、王級巨人族

 

C

大都市の危機。

タイラント・サーベルタイガー、下級悪魔

 

D

町が危機。

レッサーヒュドラ、ブラスト・トータス

 

E

村の危機。

レッサーワイバーン、オーガ

 

F

小規模商隊が全滅する。

ツインヘッド・ベア、ウルフの群れ、ゴブリンの群れ

 

G

成人男性なら何とか撃退可能。

ゴブリン、牙ネズミ

 


 

‐冒険者ランク‐

 

S

神話級。世界に8人のみ

 

A

英雄、国に数人しかいない

 

B

冒険者でもトップクラス

 

C

そこそこベテラン

 

D

中堅

 

E

一応1人前

 

F

新人、見習い

 

G

駆け出し、仮免扱い


 

ランデル

「A級にはかの有名な『百剣の』フォールンド、『鬼子母神』アマンダとかね。」

 

フラン

「ほぇー、冒険者は憧れ。どうやったらなれるの?」

 

ランデル

「冒険者ギルドに登録すればランク認定してくれるよ。魔獣の素材もキチンと査定して買い取ってくれるしね。」

 

そこら辺はゲーム知識と変わらんな。だが路銀と生活費の稼ぎと魔石吸収もできるし、フランに美味い料理を振る舞う事もできるッ!

 

フラン

「ん。じゃあまずは冒険者になる!」

 

ランデル

「これから行く街にも大きな冒険者ギルドがあるから行ってみるといいよ。」

 

フラン

「ん!」

 

こうして街に着いた後の目標を立てた俺達は行き先のアレッサの街がどんな街かと想像するのであった。

 

‐2時間後‐

 

ランデル

「お、見えて来たね。あれがアレッサの街だ。」

 

遥か彼方の丘の上に壁が見えた。大分遠いが、ここからでも存在感を感じる程に結構デカい。ランデルの説明だと、この辺りでは1番大きい街らしく、住民の数は1万。冒険者ギルドがあるのも、この地域ではアレッサだけらしい。

 

‐更に2時間後 アレッサの街・街中‐

 

フラン

「街だーーーッ!!!」

 

アレッサの街に到着後、ランデルと別れた俺達。街に入る入場料は道中で倒したゴブリンの角や鹵獲品の武器を売って如何にか入れた。それとゴブリンの角は2本一組で20ゴルドと安かった。

後はランデルと別れる前に相場を聞くと、最低ランクの宿で、大体200ゴルド。定食の平均が50ゴルド、パンが1つ10ゴルド、安いナイフが300ゴルド、風呂屋は1回で20ゴルドだそうだ。

 

刃王剣十聖刃

『(入場料で300ゴルドを支払ったからカツカツだった所持金がスッカラカンだ。)早速教えてもらった冒険者ギルドを探すか。そんで登録したら持ってる素材を売って生活費をゲットだ!』

 

フラン

「ん!冒険者になる!」

 

ランデルに教えてもらった冒険者ギルドへの道を歩く道中で、俺はアレッサの街を見渡す。中世ヨーロッパ的な建物の数々。多種多様な種族が通りを歩いているファンタジーな光景を見ただけでハイテンションになってしまう。

その中で冒険者風の人達をチラホラと見かける。さすがギルドがある街なだけある。ステータスを確認すると、さすがに素のフランよりも弱い人はいない。ただ同レベルの人が結構いた。

 

刃王剣十聖刃

『さて、次は彼らの武器を鑑定してみるか。まぁ、刃王剣十聖刃()と同等な武器は流石に装備してないだろう。』

 

‐各冒険者の武器鑑定後‐

 

ウゾダ・・・ウゾダドンドコドーンッ!!!

 

最初に鑑定した上質の鋼のロングソードは俺の方が上だった。次に鑑定したミスリル合金のダガーからが問題だった・・・

 


名称:ミスリル合金のダガー

攻撃力:423 保有魔力:20 耐久値:700

魔力伝導率・D+

スキル:なし


 

俺、仮面ライダー相手でもダメージを与える事が可能な武器だよ。そこらのTHE・普通の武器じゃあ太刀打ちできない代物だよ。なのにどうして攻撃力が高いんだよ・・・その後も、尽く高い攻撃力を誇る武器が5人に1人の確率で視界に飛び込んでくる。

 

刃王剣十聖刃

『もしかして俺、同じ能力が備わっただけのレプリカなのか?ハ、ハハハハ・・・』

 

フラン

「う?どうしたの師匠。」

 

刃王剣十聖刃

『フラン、俺はもう駄目だ・・・』

 

俺はフランに説明した。そこらへんの武器にも劣る、駄剣であると。きっと気まぐれに制作された外見だけの成金ソードなのだと。説明を終えた俺はそう落ち込んでいると、フランは必冊ホルダーから俺を取り出して抱きしめてナデナデする。

 

刃王剣十聖刃

『フ、フランッ!?///

 

フラン

「師匠は駄剣じゃない。私を助けてくれた綺麗で凄い剣。それにスキルを使いこなす剣なんて他にない。」

 

うぅ・・・フラン、ええ娘や・・・♡そうだッ!例えレプリカだろうが駄剣だろうが関係ないッ!!今まで獲得したスキルでフランを支援すればいいじゃないかッ!!!こうして気持ちを切り替えた俺はフランと共に冒険者ギルドに向かう。

 

‐数分後 アレッサ冒険者ギルド‐

 

施設内は場末の酒場風の威圧感がある内装ではなく、小規模の高級ホテルの様に清潔な雰囲気があった。

 

(死ねばいいのに。)

 

ギルド内の提示版でどの依頼を受けるかを考える者、飲食スペースで酒と料理を飲食する者達がいる中、ギルドの受付カウンターでアレッサ冒険者ギルドの受付嬢、ネルは内心で辛辣な物言いをしていた。その理由は・・・

 

赤犬族

「聞こえてんだろ?おう?眼鏡さんよう。」

 

ネル

(死ねばいいのに。)

 

赤犬族

「チッ、あの女ふざけんな!安過ぎるだろッ!」

 

数分前、状態の悪い魔獣の素材を持ち込んできた赤犬族をリーダーとした傭兵上がりの一団からの陰口を受けていた。

 

ネル

(何が安過ぎるよ!逆よ逆ッ!「マジ解体雑過ぎだろクソが」って言ってやりたいわ。売れない素材の処理の手間も結構かかるのよ。無駄に仕事増やしてくれちゃって・・・ホント死ねばいいのに。)

 

そんな事を考えていると自然と黒い笑みに変わってる事にハッと気付くネル。

 

ネル

(ああいけない。笑顔笑顔!これでもアレッサ冒険者ギルドの栄えある受付嬢なんだから、笑顔をキープよッ!)

 

フラン

「たのもーッ!」

 

ネルがスイッチを切り替えた時、彼女の目の前に腰へ剣を携えた1人の黒猫族、フランが現れた。

 

ネル

「あら?どうしたのお嬢さん。道にでも迷った?ここは冒険者ギルドよ。」

 

フラン

「知ってる。冒険者になりたい。」

 

ネル

「・・・(たまにこういうケースもある。浮浪児が冒険者で一攫千金を夢見て・・・って。でも冒険者は危険な仕事・・・子供はほとんど生き残れないわ。)分かりました。でも登録は誰でも出来る訳ではなく、実戦形式の試験を受けていただきます。」

 

フラン

「ん。」

 

ネル

「・・・大怪我をなさっても、何があっても当ギルドは責任を負いませんが「ん。大丈夫。」(痛い目みないと分からない子パターンかぁ)・・・分かりました、ではこちらへ。」

 

そしてネルはフランをギルドの裏手にある訓練場へ案内する。この時、ネルは知らなかった。フランと刃王剣十聖刃の力を。

 

‐道中‐

 

フランが冒険者登録の試験を受ける前に他の冒険者達は絡んではこなかったが、あまり歓迎された雰囲気ではなかった。まぁ、こればかりはしゃーない。俺も彼らの立場なら、同じ思いを抱くよ。どう見ても普通12歳の少女が、しかもボロボロの格好で、剣1本しか持たない逃亡奴隷の娘が1人で冒険者登録に来る場所じゃない。これが武器防具も万全で幼い頃から鍛錬を積んだ風格がある子ならまだマシなのだろうな。

 

刃王剣十聖刃

『大丈夫か?フラン。』

 

フラン

「?」

 

刃王剣十聖刃

『いや、分かってないならいい。』

 

‐ギルド裏訓練場‐

 

道中で話を終えた俺達はギルドの裏手にある四方を壁に囲まれた広い訓練場に入った。訓練場は意外と本格的であった。

 

???

「お前が登録希望者か?」

 

すると訓練所に置かれた木箱に座る人物がいた。黒く棘のある全身鎧を着こみ、身長2mの厳つい鬼の大男であった。脇に立てかけてある巨大な戦斧が、その威圧感を更に倍増させる。

 

ドナドロンド

「俺は試験官の、ドナドロンドであるッ!!!」

 

ネル

(ああ・・流石鬼人族。ドナドロンドさん、今日も凄い威圧だわ。大抵の受験者はこの〈威圧〉スキルで逃げ出す。更に、まともに戦ったとしても新人冒険者では、まず勝てない熟練者。これは見込みの無い者を諦めさせる試験でもあるのよね・・・え?)

 

ドナドロンドの相変わらずの威圧に感じながらネルはフランの方を見る。そこには怯えた様子もなく、普段通りのフランの姿にネルは驚く。

 

刃王剣十聖刃

(うぉッ!!見た目もそうだが、叫んだだけでも凄い威圧感だ!それに〈威圧〉スキルを使ってる事は、既に戦いは始まっている感じだな。取り敢えず彼を鑑定だッ!)

 


名称:ドナドロンド  年齢:46歳

種族:鬼人

職業:大戦士

状態:平常

 

〈レベル:38〉

HP:346 MP:173 腕力:178 体力:163 敏捷:101 知力:90 魔力:81 器用:116

 

〈スキル〉

威圧:Lv4、運搬:Lv3、回復速度上昇:Lv5、危機察知:Lv4、教導:Lv4、気配察知:Lv3、再生:Lv4、瞬歩:Lv3、土魔術:Lv2、投擲:Lv5、毒耐性:Lv7、伐採:Lv4、斧技:Lv7、斧術:Lv8、咆哮:Lv3、起死回生、気力操作、筋肉鋼体、自動HP回復、腕力小上昇

 

〈称号〉

ギルド教官

 

〈装備〉

重錬鋼の大斧*1、黒鉄王亀の全身鎧、暴牙虎のマント、石竜の靴、身代りの腕輪


 

うん、めっちゃ強い。ステータスでは完敗だ。それに身体能力だけでレッサー・ワイバーンを上回り、スキルも多彩で、高レベル。武具も高ランク。これ一応初心者の試験だよな?

絶対あの人は初心者の試験じゃなくて、昇格試験の実機試験に登場する様な感じの人物だよ?まぁ何にせよ、やるだけやってみよう。勝たなくても、実力を見せれば問題ない筈だ。

 

ドナドロンド

「試験内容は簡単だ。俺と戦ってもらう。あまりにも簡単に敗北する様では、合格はやれん!そして俺は手加減が苦手だ・・・本気で行くぞッ!!」

 

刃王剣十聖刃

『(最初っからトップギアかッ!)フラン、準備はいいなッ!!』

 

フラン

「ん!」

 

そしてフランは俺を手に持って構え、ドナドロンドも重錬鋼の大斧を構える。

 

ネル

「登録試験、始めッ!!」

 

受付嬢の合図と同時にドナドロンドの姿が霞む。そしてフランはバックステップで後方へ飛ぶ。

 

ドゴァ!

 

ドナドロンド

「ほう、避けたか!」

 

刃王剣十聖刃

『っぶねーーーッ!』

 

あの巨体からは想像もできないスピードで、斧を振りかぶって地面を抉りやがった!傍から見てもとんでもない威力だッ!

 

ドナドロンド

「ヌンッ!」

 

フランが後方に着地した瞬間、ドナドロンドは踏み込んでフランの真横に接近された。

 

刃王剣十聖刃

『フランッ!』

 

フラン

「ッ!?」

 

ドナドロンド

「スラム・・・スラッシュッ!!」

 

ドナドロンドの技を避け、再度距離を取るフラン。ってか、今の一撃はマジでヤバイ、掠っただけでも大怪我だ!やり過ぎだろッ!?こんな試験、ホントに合格する人いるのか?

 

刃王剣十聖刃

『仕方ない、仮面ライダーの力を使うぞ!フランッ!』

 

フラン

「ん!」

 

初戦の時の様にフランは俺を聖剣ソードライバーに納めると同時に水に包まれてから弾けると、水勢剣流水(すいせいけんながれ)へ変化。ライドブックホンダナーからライオン戦記ワンダーライドブックが飛び出し、それをフランは手に取って開く。

 

『ライオン戦記!この蒼き鬣が新たに記す、気高き王者の戦いの歴史・・・』

 

音声が鳴り終わった後、ワンダーライドブックを閉じて中央のスロットに装填。背後に巨大なライオン戦記ワンダーライドブックが現れる。左手を腰裏に回し、脇部分に収まっている水勢剣流水()を抜刀する。

 

『流水抜刀!』

 

流水を抜刀するとスロットに装填したライオン戦記ワンダーライドブックが開くと、それに連動して巨大なライオン戦記ワンダーライドブックが開き、ライオンセンキが飛び出す。流水を回して右手を左腕前に。そして左指を後ろに添える。

 

フラン

「変身ッ!」

 

『ライオン戦記!』

 

横薙ぎに水刃をドナドロンドに放って牽制。ライオンセンキがフランを包み込み、水柱が上がる。やがて水柱が収まり、放たれた水刃がブレイズヘルムへ装着される。

 

『流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!』

 

ライオンセンキの百獣の王が持つ歴戦の経験則としなやかで高い運動能力を宿したブレスライオンを纏った水の剣士。

 

仮面ライダーブレイズ

 

へと変身した。剣が別の剣に変化したリ、フランの姿が変わった事に受付嬢とドナドロンドは目を見開いて驚いていた。こういった装備とかはなさそうだから驚くのも無理はない。

 

ブレイズ

「この水勢剣流水に誓う。貴方を倒し、私は冒険者になるッ!」

 

ドナドロンド

「なかなか面白い剣と鎧だな。そしてその威勢はよしッ!!ならばこの俺を倒し、それを証明してみせろッ!!!」

 

フランが決め台詞を言った後、再び振るわれる斧。しかし百獣の王が持つ歴戦の経験則と水勢剣流水によるしなやかな剣戟で受け流す。

 

ドナドロンド

「パワー・スイングッ!!」

 

再び放たれたドナドロンドの技。だがこれも受け流していく。

 

ブレイズ

「ハッ!」

 

ドナドロンド

「ほう、速いなッ!」

 

カウンターで斬撃をドナドロンドに与えるブレイズ。しかしあっさり斧で受け止められた。ノーブルソルトで俊敏性を強化されてるが、それでも相手の方が強いッ!

 

ブレイズ

「それでも、諦めないッ!!」

 

数回に渡る攻防で着実にドナドロンドへダメージを与えるブレイズ。

 

ドナドロンド

「剣術のレベルが高いな。だが温いッ!」

 

するとドナドロンドに与えた攻撃で出来た傷が塞がっていく。回復速度上昇と自動HP回復かッ!

 

ドナドロンド

「どんどん行くぞッ!!」

 

そう言って斧を振りかざし、衝撃波で攻撃する。それを回避したブレイズは反撃するが、防がれる。だが本命はこっちだッ!!

 

ドナドロンド

「ヌオッ!?水魔術だと!?」

 

胸部のブレスライオンからから激しい水流を放出。水流調整でドナドロンドを捕縛する。

 

水勢剣流水

『水魔術、バブルボムッ!』

 

ドナドロンド

「ヌオオォ・・・ッ!」

 

ネル

(嘘ッ!?無詠唱で連続魔法ッ!?しかもかなり高い高位の水魔術・・・ッ!!)

 

ブレイズ

「これで、決めるッ!!」

 

俺をドライバーに戻して納刀状態から、トリガーを2回引き、必殺技を発動する。

 

『必殺読破!ライオン一冊撃!ウォーター!』

 

爆発で身動きの取れないドナドロンドの周囲を取り囲むように3本の水柱を出現させ、三角飛びの要領で斬撃を与えながら足に水流を纏ったライダーキックを放つッ!

 

ブレイズ

レオ・カスケードッ!!

 

レオ・カスケードがドナドロンドに直撃し、その巨体は10メートル近く吹き飛んで訓練場の壁に半ばめり込む形で埋まった。それを確認したブレイズはライオン戦記ワンダーライドブックを聖剣ソードライバーから取り外して変身解除する。俺も刃王剣十聖刃に戻る。受付嬢はこの光景を見て開いた口が塞がっていない。

 

フラン

「ん・・・合格?」

 

するとフランの声が聞こえてるのか、瓦礫からドナドロンドの右腕が飛び出してサムズアップする。

 

ネル

「え!?えっと・・・合格、みたいです・・・」

 

‐数秒後 ギルド・最上階‐

 

ドナドロンド

「ハッハッハッ!いやー負けた負けたッ!まさかあそこまで強いとはなッ!」

 

???

「ドナドロンド君、笑い事ではないのですがね・・・ギルドが舐められない様に君に試験官を任せているんです・・・よ。」

 

ドナドロンド

「も、申し訳ない・・・」

 

試験終了後、フランはドナドロンドの案内で、このアレッサ冒険者ギルドの最上階にあるギルドマスターの部屋へと連れてこられていた。室内では一見ヒョロッとした金髪エルフの優男だが・・・

 


名称:クリムト  年齢:136歳

種族:ウッドエルフ

職業:大精霊使い

状態:平常

 

〈レベル:67〉

HP:180 MP:616 腕力:87 体力:89 敏捷:138 知力:259 魔力:333 器用:98

 

〈スキル〉

詠唱短縮:Lv7、鑑定:Lv5、弓術:Lv3、採取:Lv5、樹木魔術:Lv6、精霊魔術:Lv7、大地魔術:Lv6、調合:Lv5、土魔術:LvMax、毒耐性:Lv3、麻痺耐性:Lv4、水魔術:Lv5、薬草知識:Lv7、料理:Lv4、魔力操作、森の子供

 

〈ユニークスキル〉

精霊の恩寵

 

〈称号〉

ギルドマスター、アレッサの守護神、樹木術師、土術師

 

〈装備〉

老神桜樹の杖、分体創蛇の鱗服、若風竜翼の外套、月兎の跳靴、身代りの腕輪


 

中身はドナドロンドを超える実力者だった。魔術スキルがヤバ過ぎだ。それに精霊魔術とかは絶対レアそうだし、さすがギルマスだ。

 

フラン

「舐めてない。長引いたら負けると思った。だから最初から全力でいっただけ。」

 

クリムト

「ふむ・・・ではフランさん。僅か12歳の貴女はどこでこれ程の力をつけたんですか。どんな方に習ったのです?」

 

ゲンドウポーズで眉間に皺を寄せ、フランの底までを見透かそうとするかの様に、鋭い眼をする。

 

フラン

「黙秘。力も師匠も秘密。」

 

俺とフランの力は黙っておくか。余程信頼できる相手ではないと、弱点を晒す事になる。それに人の口には戸が立てられない。仮面ライダーの力を聞きつけて邪な連中が奪おうと殺到するしな。

 

クリムト

「はぁ・・・そうですか・・・では、〈鑑定〉ッ!」

 

フラン

「ぬ?」

 

クリムト

「無効・・・〈鑑定遮断〉スキルですか・・・」

 

用心の為に自己進化ポイントを使って取得しといて良かった~

 

フラン

「不合格にする?」

 

クリムト

「・・・しませんよ。腑に落ちない点はいくつかありますが、精霊が騒いでいませんし。」

 

フラン

「精霊?」

 

クリムト

「精霊は邪心や悪意に敏感なので、そういう者がいると騒がしくなります。だから貴女が悪意で自分の事を隠している訳では無い事は分かります。」

 

フラン

「おー」

 

改めてギルマスの実力は半端ねぇぜ。絶対に喧嘩売りたくない。そう思っていると、部屋のドアからノックがされた後、受付嬢がやって来た。

 

ネル

「ギルドマスター、準備が出来ました。」

 

クリムト

「ギルドカードを発行します。では皆さん行きましょう。」

 

‐小部屋‐

 

ギルマス自ら案内してくれたのは、カウンターの横にある小さな部屋だった。室内には水晶玉が安置された祭壇があった。

 

ネル

「この水晶に触れて下さい。貴女の魔力の波長を登録します。」

 

刃王剣十聖刃

(異世界版指紋認証だな。)

 

そう思ってる間、受付嬢の指示に従って水晶に振れるフラン。

 

ネル

「あとは職業の選択ですね」

 

フラン

「職業?」

 

ネル

技能(スキル)と同じく、「世界に登録された(ことわり)」ですね。求める力の道を様々な能力や成長に恩恵を受けられます。フランさんの選べる職業は・・・えッ?」

 

クリムト

「どうしましたかネル君?」

 

ネル

「戦士、剣士、拳士、魔剣士、瞬剣士、魔術師、火炎術師、白術師、召喚術師、魔獣使い、隠密師、薬師、解体師、料理人・・・適性業が多過ぎます。」

 

ヤッベ、共有スキルに色々セットし過ぎたか?

 

クリムト

「これはなんて出鱈目な・・・まぁ今更ですね。ドナドロンド君との戦いの様子からして納得せざるを得ませんし・・・」

 

ふぅ~、如何やら大丈夫そうだな。多分。

 

ネル

「えっと・・・ではどの職になさいます?」

 

刃王剣十聖刃

『フランはどれがいい?』

 

フラン

『魔剣士かっこいい。』

 

刃王剣十聖刃

『いいんじゃないか。腕力と魔力の成長値、剣技、魔術の威力等に恩恵があるし。』

 

フラン

「魔剣士にする。」

 

ネル

「了解しました。職業は後で変えられますが、恩恵の変動、低下、職業固有スキルの変化などがありますのでご了承を・・・登録完了。これがギルドカードです。」

 

フランの名前と、登録したアレッサギルドの名前、職業、Gという冒険者ランクの記載がある青銅色のカードが配布された。

 

フラン

「おぉ・・・冒険者になったッ!」

 

ドナドロンド

「強い奴は大歓迎だぜ!フラン嬢ちゃんよッ!」

 

フラン

「ん!」

 

ドナドロンドのサムズアップにガッツポーズで答えるフラン。

 

クリムト

「一定期間ランクに応じた依頼(クエスト)を受けないと、降格、除名もありますのでしっかり働いてくださいね。」

 

そしてギルマスとドナドロンドはまだ残っている自身の仕事をしに部屋へ戻る。

 

ネル

「早速依頼を受けますか?」

 

俺とフランが小部屋を出ると、一緒に小部屋を出た受付嬢のネルさんにそう言われて素材を売る事を思い出したよ。所持金が無いから宿にも泊まれねぇ。

 

フラン

「ゴブリンの角や買い取ってほしい素材もある。」

 

ネル

「素材買い取りですね。こちらのカウンターへどうぞ。」

 

フラン

「素材売らないと泊まるお金もない。」

 

ネル

「そ、そうですか。」

 

キリッ!っとした顔で答えるフランにネルさんは苦笑いする。

 

刃王剣十聖刃

『じゃ〈次元収納〉から出すぞ。フランはアイテム袋から出すフリをしてくれ。』

 

フラン

(ん。)

 

そんで道中で倒した下級、中級の魔獣の素材を全部出した。そしたらカウンターごとネルさんを埋めてしまった。ヤッベッ!?大丈夫かッ!?

 

ネル

「こ、これを全部ご自分で解体まで?」

 

フラン

「ん。」

 

ネル

「ふえー・・・しょ、少々お待ちください!手伝ってー後輩ちゃん~~~ッ!」

 

‐10分後‐

 

ネルさんを含めた3人の受付嬢が素材のチェックを終え、代金が入ってるであろう袋が出された。

 

ネル

「合計で195000ゴルドとなります。」

 

フラン

「おぉー、こんなお金初めて見た。」

 

こ、こんなに?正直3万ゴルドあればマシと思ってたのに・・・つか鑑定&査定スピードが早え・・・

 

ネル

「ちゃんとした適正な値をつけていますよ。脅威度Fの魔獣もいましたし、解体も丁寧で素材の状態も非常に良い物ばかりでした。」

 

フラン

「ありがとお姉さん。これで泊まれる。」

 

ネル

「ふふ、ネルって呼んでください。フランさん。」

 

フラン

「ん。ネル、ありがと。」

 

刃王剣十聖刃

『よし、資金確保完了!早速宿を探すか♪』

 

フラン

「ん♪」

 

フランが素材を売った代金を受け取って受付カウンターに背を向けてギルドを出ようとしたその時。

 

???

「くッせェ・・・くせェ盗人の匂いがするぜェ、黒猫ォ!その金はお前のモノじゃねェだろ?」

 

剣先をフランに向けて立ちはだかったのは、これぞTHE・チンピラ冒険者な奴が4人が目の前に現れた。

 

赤犬族

「おい黒猫・・・その金、不正で得たモノだろ?」

 

はぁ、不正だぁ?何言ってんだこいつ。

 

フラン

「違う。ちゃんと素材を売って稼いだもの!」

 

そう言ってフランは資金が入った袋をギュッと抱きしめる。

 

ネル

「そうですよ!それはフランさんの・・・」

 

受付カウンターから不正ではなく、正規であるとネルさんは言うが。

 

赤犬族

「くせェ・・・くせェぞ!」

 

フラン

「臭くない。今朝ちゃんと川で水浴びした。」

 

赤犬族

「いーやッ!!弱いクソ黒猫のニオイが臭くてたまんねんだよォ!

 

少しイラッとしたフランは抗議するが、相手はそう言って話を続ける。

 

赤犬族

「こいつら黒猫族は獣人族の中でも最弱の一族だ。どんなに努力しても強くなれない宿命の雑魚(ザコ)なんだよ。そんな奴らがあんなに魔獣を狩れるワケねェだろッ!」

 

そう言ってチンピラ冒険者共は嫌らしい笑みで笑う。ハァ~、クッソ腹立つな・・・フランは・・・黒猫族はこんな扱いにずっと耐えてたのか・・・

 

フラン

「黒猫族をバカにしたな。」

 

刃王剣十聖刃

(oh・・・俺以上にブチ切れてご立腹である。)

 

赤犬族

「ハァ?雑魚がナニガンつけてんだコラ、あ?」

 

フラン

『師匠コイツ斬っていい?』

 

刃王剣十聖刃

『ま、待て!早まるなッ!流石にギルド内で抜刀するのはアウトだッ!』

 

俺がフランを止めてる間、チンピラ冒険者のリーダーはネルさんの方へ声を上げる。

 

赤犬族

「フン。オイ、受付の嬢ちゃんよ・・・俺達もさっきツインヘッド・ベアの死体売ったよな。同じもの売ったのに俺達のは大分安かったぞ?これって依怙贔屓の不正じゃねぇのか?」

 

チンピラ冒険者のリーダーはそう言って受付カウンターに腕を置いてそう言う。対してそれを聞いたネルさんは深い溜息をつく。

 

ネル

「全く違います。貴方達の撃ったツインヘッド・ベアは解体がとても雑で頭も1つ潰れてました(下手くそが、死ねばいいのに)。冒険者の方々は素材を高値で売る為に狩りの方法や美しい素材の解体の仕方を努力してます(ゴミ売りつけんな。死ねばいいのに)。自分達の無知を棚に上げて人に因縁をつける前に・・・貴方達もそういう事を学ぶべきです!冒険者舐めんなッ!死ねばいいのにッ!!

 

ちょッ!?ネルさん!?心の声が出ちゃってますよッ!!?

 

赤犬族

「アァ?・・・死?」

 

ネル

「?」

 

後輩

ね、ネル先輩ッ!内なる声が漏れてましたよ・・・

 

ネル

「・・・あッ!」

 

後輩の指摘にネルさんはハッと気付くが、相手さんは既に御冠だ。

 

赤犬族

「受付女ァーーーーーー、てめェッ!!」

 

ブチ切れたチンピラ冒険者のリーダーが手に持つ凶刃が受付カウンターのネルに襲い掛かる。

 

ガキィィッ!

 

しかしその凶刃は俺とフランで防いだ。

 

フラン

「ネルに手を出すのは許さないッ!」

 

赤犬族

「最弱雑魚獣人が、赤犬族の俺様に逆らうのかッ!?」

 

赤犬族の部下A

「俺達は元傭兵だぜ。」

 

赤犬族の部下B

「戦場じゃあ、テメェみてぇなガキを火焙りにして遊んだっけな?」

 

ハァ?アイツ何て言ったんだ?子供を火焙りだと?この腐れ外道がッ!!!

 

俺が行動を起こそうとしたその時、オーラブレードが放たれてチンピラ冒険者のリーダーの両足を切断する。

 

赤犬族

「へ・・・?ひ、ひぎゃああああ!足、俺の足がああああッ!!?」

 

あ、あれ?今のオーラブレードはまさか・・・

 

フラン

「言われた通り、剣は抜いてない。威力弱いと師匠が言ってたから〈振動牙〉重ねて強くした。」

 

剣抜かないの意味は違うが、やはりフランだったか。物覚えがいいとは思っていたが、工夫して応用まで・・・フラン、恐ろしい娘!

 

赤犬族の部下A

「この黒猫がッ!!」

 

赤犬族の部下B

「調子に乗りやがってッ!」

 

赤犬族の部下C

「バラバラに刻んで―――『ドガッ』グヘッ!?

 

残りのチンピラ冒険者は〈振動衝〉を使用したフランの攻撃によって内部を破壊され、秒殺される。これで当分は起きないだろう。

 

フラン

「勝てた!」

 

その光景を見ていた他の冒険者達は圧巻の声と拍手をする。

 

刃王剣十聖刃

『不可抗力だが、派手にやってしまったな・・・ネルさんの注意だけですむだろうか?』

 

フラン

「ん・・・」

 

俺達はそう不安に思いながら受付カウンターにいるネルさんの方を見ると。

 

ネル

「グッジョブよ♡♡フランちゃん♡助けてくれてありがとう♡」

 

ネルさんはスカッとした良い笑顔でグッジョブしていた。取り敢えず、除名は免れたな。

 

赤犬族

「グッジョブじゃねえよッ!あの黒猫を衛兵につきだしてくれェェ!」

 

ネル

「もう呼びにやりました♡傭兵崩れのチンピラ共が雑な熊の毛皮を売ってできたショボい金を山分けするのに仲間割れで騒ぎを起こし勝手に殺し合った・・・と通報しましたけど?」

 

赤犬族

「て、テメェ何でたらめを「犯しただの殺しただの、言ってる犯罪者と、アレッサ冒険者ギルドの受付嬢の私・・・衛兵さんはどっちの言葉を信じるかしらね?」ひぐッ!?

 

刃王剣十聖刃

『ふ、フラン。絶対にネルさんは敵に回しちゃダメだ、いいな?』

 

フラン

「う、うんッ!」

 

こうして俺達はネルさんを敵に回さない事を誓った後、ネルさんの計らいで俺達は後を任せて今度こそギルドを出た。

 

刃王剣十聖刃

『さて、宿を探したらフランの防具を見に行きますか!』

 

フラン

「防具!欲しいッ!」

 

この時、俺は気付かなかった。〈鑑定〉を凌駕したスキルで正体を見破られた事に。

 

???

「儂の神眼は誤魔化せんぞ。インテリジェンス・ウェポンッ!」

 

第2話END

*1
攻撃力:650 保有魔力:3 耐久値:650 魔力伝導率・E+ スキル:なし




次回「曲者魔法鍛冶師と雷の剣士」
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