転生したら刃王剣十聖刃でした《一時完結》   作:不死身の機動歩兵隊

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作者
「お待たせしました。第3話です。それと遅れましたが、お気に入り登録者50人を突破しました。ありがとうございます!」

フラン
「皆、ありがとう!」

刃王剣十聖刃
「まさかたった2話だけでここまでいくとは思わなかったぜ。本当にありがとう!これからも俺とフランの活躍を読んでってくれ!」

作者
「そして、デザスト復活&お帰りーーーッ!!!!」


第3話「曲者魔法鍛冶師と雷の剣士」

‐ワンダーワールド‐

 

タッセル

「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕は今、黒猫の少女フランと伝説の聖剣、刃王剣十聖刃へ転生した主人公の活躍に大注目中!十聖刃と協力して無事に試験を合格して冒険者になったフラン。

1人と1本は宿を探して防具を見に行こうとした時、ある人物に十聖刃の正体を見破られちゃった!ここからどうなっちゃうの!?」

 

‐現実世界‐

 

ネルさんに後を任せた俺達は宿を探そうとギルドを出たが、俺はある問題に気付いた。フランの格好である。マントにぼろ布、この身形では何処の宿も泊めてはくれないだろう。

 

刃王剣十聖刃

『まだ日が高いし、宿屋の前に装備を先に買っておくか。』

 

フラン

「ん・・・そろそろ防具欲しい。」

 

???

「防具が欲しいなら・・・儂の店がいいぞお嬢ちゃん。やっと追い付いたわい・・・」

 

予定を変更した俺達は装備類を扱う店を探そうとした時、フランの右肩にポンッと手を置き、息を切らしながら声を掛けたドワーフの爺さんがいた。鍛冶師っぽいけど、何者だ?

 

フラン

「誰?」

 

ガルス

「儂の名はガルス。しがないただの魔法鍛冶師じゃよ。丁度いい品があるんじゃ。さっきギルドに武具納品した帰りにお嬢ちゃんの立ち回りを見てな。あんたみたいな実力者なら安く譲っていいと思ったんだ。いつもでもそのなり(・・)じゃ辛かろう。」

 

確かに悪くない話だ。俺もフランの今の格好を如何にかしたいと思っていたしな。悪意とかを感じないから恐らく大丈夫だろが、一応身元確認はさせてもらうぜ。

 


名称:ガルス  年齢:82歳

種族:ドワーフ

職業:魔法鍛冶師

状態:平常

 

〈レベル:33〉

HP:260 MP:273 腕力:152 体力:100 敏捷:56 知力:120 魔力:148 器用:95

 

〈スキル〉

解体:Lv2、火炎耐性:Lv7、鍛冶:LvMax、鍛冶魔術:Lv9、鑑定:Lv7、採掘:Lv3、裁縫:Lv5、槌技:Lv2、槌術:Lv7、毒耐性:Lv2、皮革:Lv4、火魔術:Lv9、不眠不休:Lv6、魔法鍛冶:Lv7、目利き:Lv9、火神の加護、気力操作

 

〈エクストラスキル〉

神眼

 

〈称号〉

放浪の鍛冶師、クランゼル王国名誉鍛冶師、鍛冶王

 

〈装備〉

魔鋼の鍛冶槌、火蜥蜴の革服、鳳凰樹のサンダル、体力回復の腕輪


 

oh・・・スキルと称号がとんでもないな!それに国が公認した名誉ある鍛冶師か。これは装備に期待が出来そうだ。

 

刃王剣十聖刃

『フラン、この人は信用できる。ありがたく申し出を受けよう。』

 

フラン

「『ん、分かった。』分かった、行く。」

 

ガルス

「ワハハハハ!では、こっちだ。」

 

俺達はガルスさんの案内で店へと向かう間、周辺から凄まじい数の粘着的な視線が飛んで来る。何だ?

 

商人A

「ガルスさんの品物売ってもらえるのかッ!?」

 

商人B

「く~ッ!あんな子供に勿体無いだろうッ!」

 

などと商人風の男達の声が聞こえた。ガルスさん、結構有名人なんだな。まぁ国が公認した鍛冶師だから当然か。

 

フラン

「?」

 

ガルス

「ああ、気にするな。儂の武具を転売しようっていう不届き者共だ。あんな奴らには売らんと決めとる。」

 

異世界(ここ)でもいるんだな。転売ヤーって・・・

 

フラン

「私は良いの?」

 

ガルス

「儂は、儂の武具をこれぞと見込んだ冒険者にしか売らん。お前さんは合格だ。」

 

刃王剣十聖刃

『(頑固職人か、嫌いじゃないな。)良い人に見込まれて良かったな!フラン!』

 

フラン

『ん!』

 

‐数分後 ガルスの店‐

 

そんで俺達はガルスさんの店に入ると、どれも高性能な装備に出迎えられた。そんでここにも俺より攻撃力が高けぇ武器が置いてあった。畜生、悔しく何かねぇッ!

 

フラン

『師匠、お待たせ。』

 

お!フランが装備を付け終えた様だな。おぉーッ!!更衣室からドレスアーマーを纏ったフランが出てくる。とても可愛くよく似合っていた。因みに全身の装備はこんな感じだ。

 


名称:ミスリルの耳輪・猫族用

防御力:10 耐久値:100/100

効果:魔術耐性小付与

 

名称:炎角牛の改造胸当て

防御力:88 耐久値:330/330

効果:火炎耐性小付与

 

名称:麻痺爪猫の改造篭手

防御力:39 耐久値:160/160

効果:衝撃耐性小付与、麻痺耐性小付与

 

名称:毒劣飛竜のブーツ

防御力:52 耐久値:200/200

効果:毒耐性小付与


 

合計防御力は189。ギルマス達の装備に比べたら大分弱いが、他の冒険者達と比べれば良い装備だろう。

 

フラン

「予想以上にぴったり。」

 

ガルス

「多少のサイズは自動調整する魔法を付与してあるからな。どうじゃ?いい品だろ。客に頼まれて小柄な種族用に作ったんだが、受け取る前にダンジョンでおっ死んじまった・・・宙に浮いていた品だ。使ってやってくれ。後金で良いって行っちまってな。」

 

成程。買い手が死んでずっとこの装備は倉庫で眠ってた訳か。でも安く譲ると言っていたが、今の懐事情じゃな・・・

 

フラン

「生活費を抜いて出せても予算は15万ゴルド位・・・足りる?」

 

ガルス

「ハハハ本来なら結構足りないが・・・それでいいぜ。」

 

フラン

「ほんとに?」

 

ガルス

「ああ。」

 

刃王剣十聖刃

『(ガルスさん・・・)良かったな。フラン!』

 

フラン

「おおお・・・フランは、初めて防具を手に入れたッ!」

 

テッテレ~~~ッ!

 

ガルス

「・・・だが1つ頼みがある。」

 

そう喜んでいた時、ガルスさんがそう言う。それにフランは首を傾げ、俺は頭に?が浮かぶ。そしてガルスさんは俺達が驚愕する台詞を言う。

 

ガルス

「お前さんのその・・・インテリジェンス・ウェポンと話をさせてくれんか?」

 

フラン

「ッ!?」

 

その言葉を聞いたフランはガルスさんから距離を取る。何故バレたんだッ!?〈鑑定遮断〉がある以上、情報漏れは有り得ない。どうやって俺の正体を見破ったんだ・・・あッ!!?俺は身元確認で見たガルスさんのある情報を思い出した。

 

ガルス

「儂の目は特別でな。スキル〈神眼〉が宿っておるのだ。スキル〈鑑定遮断〉を持っているようだが、儂の〈神眼〉は誤魔化せねぇ・・・特に武具に関しちゃあな。」

 

やっぱりそのエクストラスキルが原因だったかッ!

 

ガルス

「ふむ・・・神剣とまではいかないが、かなり強え剣だ。『嘘だッ!俺より攻撃力が高い武器があるじゃないかッ!!』お?喋ってくれたな。そりゃ〈念話〉か。まあ安心しろ、何かしようってんじゃねえんだ。鍛冶師としての興味ってだけだ。」

 

フラン

「ガルス、悪い人じゃない。」

 

刃王剣十聖刃

『(そうだな。)分かった、話をするよ。』

 

ガルス

「ありがとよう。で、お前さんの性能を見るに、儂の剣なんざ必要なさそうだが?」

 

刃王剣十聖刃

『でもガルスさんの剣の方が強いですよ。そこの剣とか。』

 

そう言って俺は壁に掛けられた1つの剣を見てそう言う。

 

ガルス

「そりゃあ、攻撃力だけ見りゃそうだがよ。そうか、魔力伝導率の事がよく分かってねーのか?」

 

刃王剣十聖刃・フラン

『「魔力伝導率?」』

 

あー、そう言えば自分を鑑定した時にそんな項目もあったわ。

 

ガルス

「魔法の武器特有の性質でな。魔力は刃に纏わせて切れ味や破壊力を増すんだ。ミスリル製の武器で魔力伝導率はC-・・・伝導効率約70%と言われているが、A+っつったら伝導効率250%・・・魔力100纏わせたら攻撃力+250だぞ。」

 

刃王剣十聖刃

『マジでッ!?』

 

ガルス

「マジだ。」

 

今の俺が本気を出せば、魔力1000は余裕だ。なら攻撃力+2500以上を発揮できるって事かッ!

 

刃王剣十聖刃

『ウオォォォーーーッ!!俺は強かったぞッ!!!』

 

ガルス

「間違いなくお前さんは魔剣の域にある。自信持て!」

 

刃王剣十聖刃

『教えてくれてありがとう、ガルスさん!フラン、俺は強いらしいぞッ!』

 

フラン

「だから最初から言ってる。師匠は凄い剣!」

 

刃王剣十聖刃

『~~~ッ!フラン・・・!』

 

フラン

「師匠・・・!」

 

俺とフランは抱きしめ合う。ホントこの子は天使じゃ!

 

ガルス

「ふむ・・・これ以上は分からんな。ところでお前さん、誰に作られた何て剣だ?」

 

刃王剣十聖刃

『製作者は分からないけど、名前は刃王剣十聖刃だ。』

 

ガルス

「な、何じゃとッ!!?」

 

俺はフランから離れてそう言うと、椅子に座っていたガルスさんは驚愕して立ち上がる。

 

刃王剣十聖刃

『ど、どうしたんだ?』

 

ガルス

「どうしたも何も、まさか伝説の聖剣を見る事ができるなんて思ってもみなかったわいッ!」

 

フラン

「伝説の聖剣?」

 

刃王剣十聖刃

『ガルスさん、知っている事を話してくれないか。』

 

ガルス

「遥か大昔の事だ。丁度文明が築かれてきた時代に異界から本の怪物共が攻めてきた。当時の者達は戦ったが、全く歯が立たずに追い詰められていった。」

 

本の怪物?まさかメギドがこの異世界に攻めて来たのかッ!?

 

ガルス

「そんな時、本の怪物共を追って現れた13本の聖剣(・・・・・・)を持つ異界の剣士達によって本の怪物共は倒されたが、最後の戦いで剣士は1人を残して他は死んじまった。その最後の1人が持っていたのが、刃王剣十聖刃(お前さん)だ。」

 

そうだったのか・・・刃王剣十聖刃(俺の身体)は異世界からやって来た剣士の物だったのか。あれ?でも聖剣は俺と黄雷が変化した聖剣を抜いて11本の筈だ。残りの1本は一体・・・

 

フラン

「その生き残った剣士は、師匠とその後どうなったの?」

 

ガルス

「仲間の聖剣を刃王剣十聖刃で1つにし、この世界を旅したそうじゃ。すまんが、それ以上は儂でも分からんな。ただ、お前さんと同じ聖剣にも意思があると聞く。恐らく異界の神級鍛冶師が作ったかもしれん。」

 

刃王剣十聖刃

『神級鍛冶師?』

 

ガルス

「ああ・・・天を裂き、地を割ると言われる超絶兵器、神剣を作ると言う伝説級の鍛冶師じゃ。この世界では過去5人しか確認されておらん。」

 

刃王剣十聖刃

『へー、そんな鍛冶師がいるのか。それなら俺も神剣の類なのか?』

 

ガルス

「その割にはちと性能不足じゃ。因みに儂が過去に運良く見れた神剣は―――」

 


名称:炎剣・イグニス

攻撃力:1800 

魔力伝導率・SS

 

〈スキル〉

火炎魔術付与、神炎付与、他不明


 

刃王剣十聖刃

『oh・・・俺より強ぇ・・・でも教えてくれてありがとう。』

 

ガルス

「まぁ何かの縁じゃ、ちょくちょく顔を出してお前さんを鑑定や目利きさせてくれ。何か分かった時は教えてやるからよ。」

 

刃王剣十聖刃

『ありがとう。そうだ!バレたついでに、この素材何かに使えますか?』

 

俺は次元収納に入っているC、Dランクの魔獣の素材をその場で大量に出す。

 

ガルス

うおぉぉッ!?こりゃあ・・・C、Dランクの魔獣の素材じゃねえかよ!この素材がありゃ、お嬢ちゃんのもっと強い防具が作れるぜ?」

 

刃王剣十聖刃

『それはありがたいけど、懐が心もとないんだよな・・・』

 

ガルス

「なら相殺するってのはどうだ?」

 

刃王剣十聖刃

『えっ、良いんですか?』

 

ガルス

「これだけあれば赤字にはならんさ。ついでにお前さんの鞘も作ってやる。聖剣なんだからちゃんとした格好をしとけ。お前さん達は大層な冒険をしそうだからな。儂が魂を込めて作ってやりたいんじゃよ。」

 

その後、ガルスさんが言うには俺の鞘は3日後。フランの防具は1ヶ月前後まで掛かるそうだ。転売ヤーに見付からない様に裏口から出た。そして俺達はフランの肌着と服、ポーションや料理の食材を買い込んで宿へ向かった。

 

‐数十分後 宿屋‐

 

宿に着いた後、受付の人にギルドカードを見せた。ギルドカードは身分証明書になるらしく、特に問題なく泊まれた。指定された部屋は普通であったが悪くはなかった。

 

フラン

「師匠、ここで合ってる?」

 

刃王剣十聖刃

『ん?そうだぞ。』

 

フラン

「おおぉぉッ!すごーい部屋ッ!!」

 

フランは両拳を雄々しく天に突き上げ、雄叫びを上げてベットにダイブする。長い間奴隷生活を送っていたから無理もないか。

 

フラン

「師匠と出会ってからびっくりがたくさん。師匠に・・・助けられてほんとに良かった・・・」

 

起き上がったフランはそう言って俺を抱きしめる。フラン・・・

 

刃王剣十聖刃

『この先、こんな部屋いくらでも泊まれる様になるさ。勿論ご飯にも困らせないぞ。』

 

フラン

「ほんと?」

 

刃王剣十聖刃

『あぁ、フランが進化して一人前になるまで俺が保護者だ。覚悟しろよ(もしかしたら俺は、フランに出会う為にこの異世界へ転生したんだ)。』

 

フラン

「ん・・・分かった。」

 

その後、夕食を食べ終えたフランと強くなる為の作戦会議を話し合うが、疲労が溜まっていたフランは途中で寝てしまった。今日は色々あったからな。俺は念動で布団を掛ける際、フランは寝言を呟く。

 

フラン

「ん・・・つよく、なる・・・師匠と一緒に・・・」

 

刃王剣十聖刃

『そうだな、これから一緒に強くなっていこうな。』

 

俺は寝ているフランにそう言い、そっと頭を撫でた。

 

‐とある森の洞窟?‐

 

「ギャギョ・・・ッ!」

 

「ギャハ・・・ッ!」

 

刃王剣十聖刃が眠ったフランを見付けている頃、アレッサの街から離れた夜の森にある洞窟?の出入口から不気味な鳴き声が響く。

 

‐翌日 アレッサの街・近隣の森‐

 

フランが朝食を食べ終えた後、俺達は初の依頼(クエスト)を受けにギルドへ向かった。張り切って依頼を受けたはいいが、ランクG冒険者の依頼は薬草収集などの地味なものが大半を占めていた。

討伐系はゴブリン3匹の討伐などの簡単なものだけであった。今はフランと一緒に収集系の依頼を消化している。

 

刃王剣十聖刃

『これがポーションの原料になるヒール草で、あっちの木の下に生えてるのが調理と調合すると基礎能力が一時的に向上するスタミナ茸。採取、薬草学、料理のスキルは知識的にも役立つな。なあフラン。』

 

フラン

「ん・・・とても為になる・・・(つまらん)」

 

そう言うフランの顔には物凄くつまらんと書いてある。フランにとっては退屈な依頼だが、こればかりは俺にもどうでも出来ん。高レベルの依頼を受けるにはランクを上げなければない。

故に収集系の依頼で数を熟して次のランクへ昇格しようと決めた。戦って強くなりたいフランにはすまんが、現状では我慢してもらうしかない。

 

キンッ・・・ガキ・・・ンッ!

 

俺がそう思った時、現在位置から離れた場所から剣戟音が聞こえた。フランもそれに気付き、シュンっとしていた耳が立つ。

 

刃王剣十聖刃

『戦闘音・・・誰かが戦っているのか?』

 

フラン

「ん・・・行くッ!」

 

戦闘音が聞こえた場所まで行くと、そこにはフランと同じ駆け出しの冒険者3人が上位種のホブゴブリン3匹を含んだ13匹のゴブリンの群れに包囲されていた。内1人は負傷しているのか、膝を付いている。全滅は時間の問題だな。

 

フラン

「助ける!」

 

その言葉と同時に俺を装備したフランは崖から飛び降りる。

 

‐数分前 駆け出し冒険者組side‐

 

戦士のクラーク、レンジャーのリリー、魔術師のユースタスの3人はゴブリン討伐で森へ訪れた。ユースタスの進言で奥へ足を延ばした直後、ゴブリン13匹の群れに遭遇。その際にゴブリンの先制攻撃でユースタスが負傷する。

 

ユースタス

「リリー・・・クラーク、俺を置いて逃げろ・・・」

 

クラーク

「諦めるな、ユースタス・・・ッ!」

 

リリー

「何でこの規模の群れがこんな所に!?3匹で良いのにッ!キャッ!」

 

負傷した仲間を守る為にクラークとリリーは奮闘するが、徐々に傷付いて追い詰められる。

 

ユースタス

(くそ・・・俺が奥まで足を延ばそうなんて言ったばかりに・・・死んでも、こいつらだけは逃がすッ・・・隙を作るから逃げてくれよ・・・!)

 

傷付く仲間を見て、自身の進言に後悔するユースタスはクラークとリリーを逃がそうと詠唱する。

 

ユースタス

「く、くらえ・・・俺の最後の魔術ッ!ファ「ファイア・アロー!!」あれ・・・!?」

 

決死の魔法を放つ瞬間、彼の背後からファイア・アローが放たれ、3匹のゴブリンに直撃する。

 

クラーク

「すごいじゃないか、ユースタス!!」

 

ユースタス

「い、いや・・・俺じゃ・・・ッ!?」

 

そう話していた時、彼らを飛び越えてゴブリンの前に立つ者がいた。それは夜空の様に輝く剣を待つ黒猫の少女だった。

 

‐駆け出し冒険者組side END‐

 

刃王剣十聖刃

『(良し、奇襲攻撃は成功だな!)残り10匹!やるぞフランッ!』

 

フラン

「師匠、燃えてる。」

 

刃王剣十聖刃

『ん?まぁ気合は昂ってるな。』

 

フラン

「違う、森が燃えてる。」

 

そう言ってフランが指さす方向の先には、先程放ったファイア・アローの1つが森に直撃して炎上していた。ヤッベッ!?アクア・クリエイトですぐに消火し、二次被害を防げた。

 

刃王剣十聖刃

『ふー、森で火魔術はダメだった。土魔術を使おう。フラン、やれるか?』

 

フラン

「やってみる!ストーン・バレットッ!」

 

刃王剣十聖刃

『ストーン・アローッ!』

 

同時に2つの土魔術を放ち、ゴブリン3匹を撃破する。

 

フラン

「師匠の魔法すごい!」

 

結構前に獲得した〈魔法使い〉のスキルで威力は向上しているからな。フランに共有化できないのが残念だが、強請っても仕方ない。その間にもフランは接近してゴブリン2匹を斬り捨て、俺は高所にいるゴブリン・アーチャーをストーン・バレットで始末した。

 

アナウンス

〈フランのLvが4になりました。〉

 

刃王剣十聖刃

『久しぶりのアナウンスさん!』

 

フラン

「おぉ、ちょっとだけ強くなった気がする!」

 

そして残敵のゴブリンをストーン・バレットで数を減らし、フランのヘビィスラッシュで全て殲滅した。呆けている駆け出し冒険者3人組にフランは近付き、回復魔法を使う。

 

フラン

「サークル・ヒール。」

 

リリー

「サークル・ヒール!これLv7の中級魔法じゃない!」

 

フラン

『初めて回復魔術使ってみた!』

 

回復系のスキルLv上げて正解だったな。

 

ユースタス

「ありがとう、助かったよ。」

 

クラーク

「すごいなあんた・・・何者だい?」

 

フラン

「フラン。Gランク冒険者。」

 

その言葉を聞いた駆け出し冒険者3人組は心底驚いた。まぁあれだけの実力で自分達と同じランクとは思えんだろうしな。

 

フラン

「じゃ、バイバイ。」

 

クラーク

「ま、待ってください!ゴブリンの素材は仕留めた貴女の物です。」

 

フラン

『どうする?』

 

刃王剣十聖刃

『なら上位種の素材だけ貰ってくか。』

 

フラン

「ホブゴブリンだけ貰う。」

 

リリー

「え・・・ホブゴブリン!?確かによく見ればゴブリン・アーチャー、シーフ、ソルジャー・・・職業(クラス)持ちのゴブリンだわ。」

 

ユースタス

「ヤバいぞ・・・上位種が3匹もいるって事は、ゴブリン狂行軍(スタンピード)が起こる前兆だッ!!」

 

ゴブリン狂行軍・・・名前から察してモンスタースタンピードみたいなものか?

 

フラン

「ゴブリン狂行軍?」

 

リリー

「え、知らないの?上位種のホブゴブリンが複数いるって事は、長であるゴブリンキングと、下手をすればゴブリンクイーンもいる可能性が高いの。キングに率いられた群れは脅威度D・・・統率力が上がり、死亡個体も減り、上位種に進化する個体が増える。そうやって大きくなっていった群れにはいずれ女王が生まれるの。」

 

クラーク

「厄介なのは王と女王から生まれる個体は全てが上位種・・・そしてホブゴブリンとゴブリンの間に生まれる個体も上位種になる。ゴブリンの成長速度は早く、10日程で成体になると言われてる。だから急を要するだ。」

 

成程。魔狼の平原では強い魔獣がいたから群れの拡大が出来なかったのか。

 

ユースタス

「ホブゴブリンの脅威度は個体でF。キングに率いられる群れは脅威度C。そこまで行ったら手が付けられない。大繁殖で不足した食物と住処を求めて人間の領域(テリトリー)にゴブリンの大群が押し寄せる・・・これがゴブリン狂行軍(スタンピード)だ。」

 

リリー

「このままじゃ村がいくつも滅びる!」

 

ユースタス

「城壁があるとは言え、アレッサだってヤバいぞ!」

 

クラーク

「ギルドに知らせないと!取り急ぎ俺達はホブゴブリンの死体をギルドに運んで報告します!貴女はどうします?」

 

フラン

「私は『ピィーーーーーーッ!』ッ!?」

 

フラン達が話していた時、笛の音が鳴り響く。俺はその音源に向かってストーン・バレットを放つ。すると木の上から角笛を持ったゴブリンの死体が落ちてきた。

 

ユースタス

「まだいたのか!?」

 

リリー

「仲間を呼ばれた!?」

 

フラン

「行って。」

 

クラーク

「えッ!?でも貴女は・・・」

 

フラン

「ちょっとここで頑張ってみる。」

 

そう話してる間にもゴブリンの鳴き声が聞こえてくる。駆け出し冒険者3人組はホブゴブリンを1匹を持って撤退。それと同時に森の奥から多数のゴブリンが現れる。

 

刃王剣十聖刃

『やるのか?』

 

フラン

「ん、修行したい。たくさん戦うのは望むところ。それに巣があるなら突き止めないと。」

 

刃王剣十聖刃

『そうだな。それに巣の場所を特定すれば他の冒険者達が攻略する際に捜索する手間が省けるし、被害や損耗を最小限に抑えれる。ならゴブリンが来た方向を辿って行くぞッ!』

 

フラン

「うんッ!」

 

‐2時間後‐

 

フラン

「ダブル・スラッシュッ!」

 

ゴブリンA

「ギャハゲ!」

 

ゴブリンB

「ギョア!?」

 

アナウンス

〈フランのLvが12になりました。〉

 

ゴブリンと交戦して2時間は過ぎた。フランのレベルが上がっていくのは良いが、どんだけいるんだッ!?大繁殖しているのは確実だが、もう100匹以上は倒したぞッ!?そう愚痴っている間にもゴブリンは物量戦でフランに襲い掛かる。フランは手数でそれに対処するが。

 

フラン

「ハッ、ハッ・・・!」

 

刃王剣十聖刃

『(今は何とか戦えてはいるが、フランの体力が限界だ!)フラン!撤退だッ!このままだと―――ッ!』

 

すると周囲を囲むゴブリン達が木々の隙間を縫って無数の礫をフランに投擲する。

 

刃王剣十聖刃

『ファイア・ウォールッ!連中、段々と連携する様になってきやがった!そろそろ壁が消える!構えろッ!』

 

ゴブリン×4

「ゴルラァッ!」

 

フラン

「ヘビー・スラッシュッ!」

 

フランが俺を構え、炎の壁が消えた瞬間に襲い掛かるゴブリン4匹を葬った直後。

 

フラン

「あぅッ!」

 

刃王剣十聖刃

『フランッ!?この野郎!オーラ・ブレードッ!』

 

高所の真横からゴブリン・アーチャーの矢が放たれ、フランの左腕を掠めて真っ赤な血が舞う。俺はオーラ・ブレードでゴブリン・アーチャーを始末してフランの傷を見る。大した事ではないが、ミドル・ヒールで治癒する。

 

刃王剣十聖刃

『大丈夫か、フランッ!』

 

フラン

「ん・・・まだ、いけるッ!」

 

刃王剣十聖刃

『もう体力と精神が限界じゃないか!このままだとお前はッ!』

 

フラン

「それでも、逃げない!」

 

そう言ってフランは迫り来るゴブリンの軍勢を斬り裂く。もうガルスさんの装備が半壊寸前だ。本当にこのままだとフランはッ!

 

フラン

「今の私は弱い・・・借り物の力を・・・・単純にぶつけてるだけ。師匠に借りた力・・・ちゃんと使いこなせる様になりたい・・・ッ!」

 

刃王剣十聖刃

『・・・ッ!』

 

フラン

「その為に・・・私自身も、場数踏んで・・・強くなる・・・ッ!」

 

フランがそう言った時、俺は突然雷に包まれて弾けると、雷鳴剣黄雷(らいめいけんいかずち)へ変化した。黄雷がフランの理想を貫く覚悟()に答えたのか・・・なら師匠の俺も答えてやらないとなッ!!!

 

雷鳴剣黄雷

『分かった!回復と背後は俺に任せろッ!目の前の連中は全部責任持ってブッタ斬れッ!!』

 

フラン

「ありがとう、師匠ッ!」

 

フランは俺を聖剣ソードライバーに納め、ランプドアランジーナワンダーライドブックをライドブックホンダナーから取り出して開く。

 

『とある異国の地に、古から伝わる不思議な力を持つランプがあった・・・』

 

音声が無い終わった後、ワンダーライドブックを閉じて左側のスロットに装填。背後に巨大なランプドアランジーナワンダーライドブックが現れる。そして脇部分に収まっている雷鳴剣黄雷()を抜刀する。

 

『黄雷抜刀!』

 

黄雷を抜刀するとスロットに装填したランプドアランジーナワンダーライドブックが開くと、それに連動して背後の巨大なランプドアランジーナワンダーライドブックが開き、ランプの魔人ランプドアランジーナが飛び出す。黄雷を振るい、左手を黄雷の後ろに手を添える。

 

フラン

「変身ッ!」

 

『ランプドアランジーナ!』

 

下から斬り上げる様に振り上げた雷刃が前方にいたゴブリン達を巻き込む。ランプドアランジーナがフランを包み込み、雷柱が上がる。やがて雷柱が収まり、放たれた雷刃がエスパーダヘルムへ装着される。

 

『黄雷一冊!ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!』

 

アラジンと魔法のランプに由来した変幻自在の能力と、ランプドアランジーナを召喚できる左肩のランプ、ランプドボールドを纏った雷の剣士。

 

仮面ライダーエスパーダ

 

へと変身した。突然姿が変わった事にゴブリン達は少し驚くが、構わず向かって来る。

 

エスパーダ

「私は私の思いを貫くッ!」

 

決め台詞を言った後、エスパーダは稲妻の如き瞬間移動でゴブリン達を擦れ違いざまに斬る。そして雷鳴の様に遅れて斬撃音が鳴る。

 

ゴブリンs

「ギャアッ!?」

 

エスパーダ

「次ッ!」

 

それから迫り来るゴブリンの大群を倒していくエスパーダ・・・いや、フランは飛び掛かってくるゴブリン2匹を斬り捨てる。

 

ゴブリンC

「ウオォォォッ!」

 

エスパーダ

「ぐッ!」

 

メイスを持ったゴブリンに攻撃されて後方に飛ばされるが、俺を使って上手く防ぐ。そして瞬間移動で接近し、両断。続いて7、10、16、21、29匹と斬り倒していく。

そしてランプドアランジーナワンダーライドブックのスイッチを操作。ランプドアランジーナを召喚し、更にゴブリンの数を減らしていく。

 

エスパーダ

「くぁぁッ!!」

 

ゴブリンs

「ギャアッ!!」

 

ゴブリンの攻撃で所々が傷付き、返り血で汚れながらもフランは戦い続けた。この子は弱いだけの子猫ではない。刃王剣十聖刃()を使いこなす剣士としての強さ。

そして目標の進化に至る自身の強さを求め、どれだけ傷付きボロボロになろうと理想を目指して突き進んでいく為に牙と爪を研ぐ、猛獣の子だッ!

 

‐数時間後‐

 

最初の戦闘からどれだけ経過したか、太陽は既に沈み掛けていた。それでも僅かに残ったゴブリン達は撤退する事なくエスパーダへ向かって来る。

 

エスパーダ

「これで、決めるッ!!」

 

俺をドライバーに戻して納刀状態から、トリガーを2回引き、必殺技を発動する。

 

『必殺読破!アランジーナ一冊撃!サンダー!』

 

エスパーダはランプドボールドを擦り、剣の雨を降らせてゴブリン達を捕縛。その間に足へ雷撃を纏い、その中心へ閃光の如き速さでライダーキックを放つッ!

 

エスパーダ

アランジーナ・ディアブローッ!!

 

その群れの中心にいたホブゴブリンにアランジーナ・ディアブローが直撃し、その爆発の余波で他のゴブリンも巻き込まれて絶命する。

 

アナウンス

〈フランのLvが15になりました。〉

 

フラン

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

 

刃王剣十聖刃

『本当によくやったよ、フランッ!!!』

 

アナウンスさんの声が聞こえると同時に変身が解け、夕陽の光が刃王剣十聖刃に戻った俺を支えにし、肩で大きく息をして辛うじて立つボロボロとなったフランの姿を照らす。

 

第3話END




次回「神の迷宮(ダンジョン)と、二冊の本を束ねる剣士」
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