転生したら刃王剣十聖刃でした《一時完結》 作:不死身の機動歩兵隊
‐ワンダーワールド‐
タッセル
「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、ゴブリンダンジョンへ挑んだ刃王剣十聖剣とフランはセイバーになって立ちはだかるゴブリンの群れを倒しながら奥へと突き進んでいく。
そしてセイバー達はダンジョンの奥にあった部屋でダンジョンコアと思わしき物を背にした強大な魔力を持つ悪魔が待ち受けていたッ!一体どうなっちゃうのッ!?」
‐現実世界‐
俺達が強大な魔力を感じた部屋へ突入すると如何にも悪魔な男がいた。強大な魔力はアイツで間違いないなッ!鑑定ッ!
種族名:
種族:魔獣・悪魔
〈レベル:30〉
HP:1900 MP:2409 腕力:720 敏捷:775 知力:882 器用:658
〈スキル〉
穴掘り:Lv3、暗黒魔術*1:Lv4、威圧:Lv4、運搬:Lv2、恐慌*2:Lv4、剣技:Lv5、剣術:Lv5、状態異常耐性:Lv7、土魔術:Lv7、登攀:Lv1、毒魔術:Lv7、魔力障壁*3:Lv6、闇魔術:LvMax、料理:Lv1、暗黒強化、暗黒無効、暗視、自動魔力回復、支配無効、皮膚硬化、魔力小上昇、腕力小上昇
〈エクストラスキル〉
スキルテイカー*4:Lv6
〈称号〉
悪魔伯爵
〈装備〉
魔影鋼の長剣*5
説明:ダンジョンマスターによってのみ召喚される、ダンジョン固有種。混沌の神の眷属であり、その戦闘力は非常に高い。最低脅威度はCであるが、Sに到達する個体の存在も確認されている。召喚時、元となる個体にダンジョンマスターが能力を付与するため、その能力は千差万別。魔石位置:心臓。
オイオイオイ上位悪魔だってッ!?まだ生まれて間もないダンジョンに脅威度Bの存在が出てきていいもんじゃないだろッ!しかも厄介なスキルや武器も持ってるしッ!!
火炎剣烈火
『フラン、相手は脅威度Bだ。気を抜いたら瞬殺されるぞッ!』
セイバー
「んッ!」
グレーターデーモン
「よぉ、ビビってんのか?変わった鎧姿だが手加減はしねぇぜ。この部屋に来れたって事はそれなりに強い筈だからなぁ。」
今までの戦闘で俺の魔力はほぼ満タンだ。スキルも魔術も使い放題だが、それでも勝機は低い。幹部級の怪人程ではないとは言え圧倒的だ。いつでも戦略的撤退ができるよう、転移の羽は常に準備しておこう。
???
「おい、悪魔ッ!何やってる!さっさとそいつを片付けるギョッ!」
グレーターデーモン
「・・・チッ!」
うん?よく見ると部屋の向こうに、ゴブリンがいるな。でも普通のゴブリンと違って流暢に言葉を喋ってるな。鑑定ッ!
種族名:レアゴブリン
種族:邪人
〈レベル:11〉
HP:25 MP:131 腕力:12 体力:12 敏捷:13 知力:44 魔力:13 器用:7
〈スキル〉
穴掘り:Lv2、眷属召喚:Lv5、棍棒術:LV2、心話:Lv2、調教:Lv2、覇気:Lv1
〈称号〉
ダンジョンマスター
〈装備〉
樫の棍棒、革のローブ、身代りの腕輪
え、えぇ・・・あっちがダンジョンマスター?じゃあ、壁の窪みで輝いてるのはダンジョンコアで間違いないな。そんでここがダンジョンの最奥なのも確定だな。でもアイツ、
ダンジョンマスター
「おい、貴様・・・よくも人間の分際で我がゴブリン帝国の精鋭達を葬ってくれたな!人間共の街を征服する計画がやり直しではないかッ!まあ貴様を殺した後に次のキングを召喚するまでギョ・・・このダンジョンの
グレーターデーモン
「おい!ちょっと黙ってろ雑魚マスター・・・殺すぞッ!!」
ダンジョンマスター
「ギョホ・・・この悪魔何でずっと反抗的・・・?」
グレーターデーモン
「俺には支配は効かねぇからな。好きに戦わせてもらうぜぇ。」
手を突き出して魔力弾を撃ちだしたグレーターデーモンにダンジョンマスターはそう呟く。〈支配無効〉スキルの効果か。そしてグレーターデーモンはそう言って、剣を引き抜いた。
火炎剣烈火
『来るぞッ!』
セイバー
「んッ!」
グレーターデーモン
「さァ、
ちょッ!?魔法スキルが高いくせに突っ込んで来るのかよッ!?
グレーターデーモン
「おらぁッ!」
セイバー
「ハァッ!」
ギィィン! ガキィッ!
グレーターデーモン
「おぉ?剣ごとブチ折る気でいたんだがな。
セイバー
「そんな剣には負けないッ!」
火炎剣烈火
『気を付けろフラン!あの武器はドナドの戦斧よりも強いぞッ!』
奴の攻撃を受け止めた際に分かったが、既に魔力を纏わせた魔影鋼の長剣の攻撃力は1000を超えていた。こっちも魔力を500程纏ってなければ折られていただろうな。武器を弾き飛ばそうにも影戻りのスキルですぐに手元に戻っちまう。
キン! ギィン! ガキンッ! ギンッ! ガキン!
グレーターデーモン
「チッ、上手く捌きやがる。剣術スキルは高いみてぇだなぁ。じゃあ、これならどうだ?」
セイバー
「ッ!?消え―――ぐッ・・・!?」
数回撃ち合ってる時、奴の姿が陽炎の様に一瞬で消えたと思ったら突然背後から現れてフランの背に斬撃が入ると同時に火花が飛び散る。フランのHPは多少減った程度だが、もし変身前の状態だったらと思うとゾッとする。普通の武器に毛が生えた程度ではないとは言え、仮面ライダー相手にダメージを与えられるのかよッ!
火炎剣烈火
『フラン!大丈夫か?』
セイバー
「大、丈夫ッ!ごめん、油断した。」
火炎剣烈火
『(幾ら防御力があっても衝撃までは無理か。)いや、油断云々の問題じゃない。完全に死角からの奇襲だ。一体何のスキルだ?』
グレーターデーモン
「へぇ、変わった鎧だが防御力もあるみてぇだな。さぁどんどんいくぜ?」
グレーターデーモンはそう言って笑いながらまた姿が突然消え、背後から斬りつけられるがフランは俺を背後に振って完全に防ぐ。
セイバー
「ん!」
グレーターデーモン
「もう受けるかよ!良い反射神経だなッ!」
打ち合う中で俺は奴の情報をもう一度思い出す。鑑定時に奴のスキルに瞬間移動系の能力はなかった。なら暗黒か闇の魔術のどちらか両方かもしれん。
グレーターデーモン
「おうらッ!」
セイバー
「ハッ!」
カリバーの様な転移ではない。それに魔力や気配は必ず空中ではなく地面から感じる。なら奴はフランの影を経由して転移しているのかッ!タネさえ分かれば、対処可能だッ!
火炎剣烈火
『フラン、影だッ!奴はお前の影から現れてるッ!!』
セイバー
「ッ!」
フランはその場から高く飛んで奴が出て来た瞬間にインタングルガントから鋼鉄を上回る硬さの外皮を持つ土豆を高速射出する。
グレーターデーモン
「ヒャハー―――ガッ!?」
セイバー
「調子に乗りすぎッ!」
土豆には振動牙と魔毒牙を纏わせてある!これで―――ツ!?
グレーターデーモン
「ダァァァークネス・・・ブラスターーーッ!!」
放たれた攻撃をフランはツルを伸縮させてロープにして地面に放ち、空中で方向転換して緊急回避する。だが少し回避に遅れて右肩に掠める。すると右肩のブレイブドラゴンボールドが焼け焦げると同時に爆発する。
フラン
「ガーーーッ!!?」
刃王剣十聖刃
『フランッ!?』
あの野郎、ライダー怪人でもないのに強制変身解除させやがったッ!それと同時に刃王剣十聖刃へと戻った俺はフランの容態を見ると重傷程ではないにしろ掠っただけで大ダメージを受けた。もし直撃したら即死も有り得たかもしれない。俺はそう思いながら急いでフランを治癒する。
グレーターデーモン
「ヒャアハハハッ!あ?何だァ?ちと痒ィな。こりゃ毒かァ?俺の状態異常耐性をブチ抜く毒を与えてくるとはやるな!」
フラン
「効いてないッ!?」
王毒牙を超える魔毒牙が通じないのかよッ!?チクショウ、格上相手の戦法が潰されたッ!フランは俺を支えにして何とか立ち上がって構える。
フラン
「師匠、どうする?」
刃王剣十聖刃
『正直に言って分が悪い。まだ相手が俺達を舐めている間に突破口が見付からなければ転移の羽で撤退する。いいな?』
フラン
「ん!でも絶対勝つッ!」
刃王剣十聖刃
『そうだな。なら勝ったら俺の得意料理、カレーをご馳走してやる!だから絶対死ぬなよッ!』
フラン
「カレーッ!うんッ!!絶対死なないッ!!!」
グレーターデーモン
「オウオウ、張り切ってやがるがそんなんじゃ痛くねぇぞ。もっとマシなので来いよ。オラァッ!!」
変身解除された状態で再びの激しい剣戟が繰り広げられる。フラン達の戦いは変身解除前より激しさを増していくと同時に致命傷になる攻撃を捌きながら戦うフランに傷が増えていく。広間に打ち合わされる剣の音だけが響き続ける。やがてお互いに距離が開く。
グレーターデーモン
「悔しいが体捌きと剣術スキルはテメェの方が上の様だな・・・認めてやるよ。じゃあその剣術、奪うか。」
フラン
「奪う・・・?」
刃王剣十聖刃
『不味い!奴のエクストラスキルだッ!』
グレーターデーモン
「喰らいな。エクストラスキル、スキルテイカーッ!!」
グレーターデーモンが叫びながら、その手を突き出すと同時に何らかの魔力の気配が通過したのを感じた。クソッ!もっと早く伝えるべきだったッ!
グレーターデーモン
「エクストラスキル、スキルテイカーは狙ったスキルを奪って己の物にする・・・テメェの剣術スキルは頂いた。分かるか?テメェは俺と戦う力を失ったって訳だ!棒立ちのまま死ねッ!ヒャアハハハッ!」
フラン
「ッ!」
グレーターデーモンはそう言ってフランに接近し、その刃を振るう。
‐同時刻 合同パーティーside‐
ドナドロンド
「クソ!開かないッ!フラン!無事なのかッ!?返事をしろッ!!」
ドナドロンド達合同パーティーは最下層に到達し、フラン達が入ったダンジョンコアルーム前で立ち往生していた。ドナドロンドは中にいるであろうフランに扉を叩きながら声を掛けるが返事は返ってこない。
ドナドロンド
「この中にいるのはほぼ間違いないんだが・・・」
ドナドロンド達はあらゆる手段で開け様とするが扉はビクともしない。
‐同時刻 ダンジョンコアルーム内部‐
グレーターデーモンが振った刃をフランは
グレーターデーモン
「盗めなかった・・・だとッ!?」
刃王剣十聖刃
『フラン、スキルは無事なのか?』
フラン
「問題なく使える!」
もしかして奴はフランに共有してる俺の剣術スキルを奪おうとしてたのか?それなら奪う事は出来んわな。あっぶなッ!
ピカッ!
そんな中、奴の背後で何かが輝いた。直後、魔法陣からホブゴブリンが現れる。
ダンジョンマスター
「ギョギョギョ、苦戦している様だなグレーターデーモンよ。喜ぶがいい、我がゴブリン族最強ランクの精鋭を召喚したッ!尾の侵入者と後続の冒険者共を蹴散らしてアレッサの街を蹂躙するのだッ!!」
フラン
「アレッサッ!?」
ダンジョンマスターの仕業だった。ここで増援とは・・・場違いすぎるが邪魔に変わりない。っとどうするかと考えていた時、増援のホブゴブリンが突然爆発四散した。あるぇ?
グレーターデーモン
「黙ってろ雑魚・・・殺すぞ。」
ダンジョンマスター
「ギョォォォッ!?」
召喚されたと同時に増援はグレーターデーモンの闇魔術、ブラック・ボムで天に召され、怒りと屈辱にプルプル震えるダンジョンマスターが少し哀れに思えてきたな。
グレーターデーモン
「そろそろ
フラン
「ッ!」
グレーターデーモン
「だからよぉ、さっさと死ねやッ!ダークネス・ボルテッカーッ!!」
角を肥大化させ、そこから暗黒魔術が放たれた。巨大な暗黒の渦がドリルの様に地面を削りながら、フランに迫るが今度は完全回避に成功する。本来の
威力は高いが、幸いその攻撃は単調で戦闘経験がまだ浅かった少し前のフランだ。ダンジョンマスターに生み出されたばかりの状態で経験不足なのだろうが、それでも奴の方が強い。
刃王剣十聖刃
『フラン。撤退するなら今のうちだが、お前はどうしたい?』
フラン
「今の私の力じゃかなわないと思う。でもアイツがアレッサの街に来たら、お店やギルドが壊されてたくさんの人が死ぬかもしれない・・・それはとても困る。だから力を貸して、師匠ッ!」
刃王剣十聖刃
『フッ、そう言うと思ったよ。なら現段階での最高の力で戦ってやろうじゃないかッ!!!来い!ブレイブドラゴン、ライオン戦記、ランプドアランジーナッ!!!』
『ブレイブドラゴン!』
『ライオン戦記!』
『ランプドアランジーナ!』
呼び出したコイツ等を念動で聖剣ソードライバーにセットする。正直練習すらしてない派生3冊を使用させたくないが、形振り構ってる暇はないッ!そして火炎剣烈火になった俺をフランは一度納めて抜刀する。
フラン
「変身ッ!」
『烈火抜刀!三冊の本が重なりし時、聖なる剣に力がみなぎる!ワンダーライダー!』
ブレイブドラゴン、ライオンセンキ、ランプドアランジーナがフランを包み込み、光が弾ける。火、水、雷の3つの力を宿したセイバーの新たな姿。
ドラゴン
ライオンランプドアランジーナ
へと変身する。これにグレーターデーモンやダンジョンマスターも眼を見開いて驚く。
セイバー
「物語の結末は私が決める!」
グレーターデーモン
「ホォ、最初の姿よりも強そうじゃねぇか。だが勝つのは俺だッ!!ダーク・スピアッ!ダークネスブラスターッ!!」
セイバー
「ヤァッ!!」
放たれた暗黒魔術を斬り裂き、時には回避して奴の至近距離に入って何度も打ち合う。しかしこっちの攻撃は決定打にならない。幾ら2冊コンボ形態を凌ぐ3冊でも練習せずにぶっつけ本番で変身したフランに掛かる負担はデカい。
フランがマインドダウンする前に俺は攻略法を考えねばならない。何せ地力が違いすぎる上に攻撃は必殺一撃。次第にフランも余裕が無くなって口数も減っていく。非常に不味い、思い出せ!何か攻略法があるはずだッ!
グレーターデーモン
「ブラック・ボム!!ダークネス・ボルテッカーッ!!」
セイバー
「む!」
ダンジョンマスター
「うわぁッ!?」
するとグレーターデーモンは広範囲魔法で周囲と天井へ無差別攻撃を行う。落石や爆発をフランが回避する間にも潜在的疲労が蓄積していく。これはヤバイ!思い出せ俺ッ!何か、何かあるはずだろッ!!
ダンジョンマスター
「ギョホォォォーーーッ!?」
あーーーッ!うるせぇッ!ダンジョンマスターの悲鳴が鬱陶しくて思い浮か・・・あれ?そう言えばグレーターデーモンの奴、何気にダンジョンマスターを巻き込まない様に攻撃してね?支配無効スキルでめちゃくちゃ反抗的な奴が何故?そう思った時、ダンジョン攻略前のドナドの会話が思い浮かぶ。
ドナドロンド
『ダンジョンマスターが死んだ場合、ダンジョンコアは休眠状態となりダンジョンは活動を停止する。コア破壊時と同様に、ダンジョンで召喚された生きている魔獣は消滅する様だ。』
火炎剣烈火
『そう言う事かッ!ファイア・アローッ!!』
グレーターデーモン
「ッ!?クソがッ!!」
俺が放った攻撃にグレーターデーモンは慌てた様子で転移を行い、ダンジョンマスターを庇った。
セイバー
「師匠ッ!」
火炎剣烈火
『あぁ、奴と俺達にとってダンジョンマスターは最大の弱点であり、勝利の鍵だッ!』
ありがとうドナド、攻略前に教えてもらった情報が役に立ったぜッ!いくら身代りの腕輪を装備しているとは言え、奴にとってピンチに変わりないッ!
火炎剣烈火
『いくぞ!フランッ!フレア・ブラストッ!!サンダー・ジャベリンッ!!!』
セイバー
「うんッ!狙うのはダンジョンマスターッ!ファイア・アローッ!アクア・アローッ!!」
グレーターデーモン
「3つの魔術を連発だと!?しかも無詠唱持ちかッ!?」
ボン、バン、ドゴォンッ!
断続的に放たれる魔術が、グレーターデーモンを包みこむ。
ダンジョンマスター
「ひぃぃぃッ!もっとちゃんと護るギョッ!」
グレーターデーモン
「ええい、喧しいぞ!ゴミマスターッ!!自衛スキルくらい持っとけやぁぁッ!」
ダンジョンマスター
「この身代わりの腕輪があるとは言え死ぬのは勘弁ギョッ!!」
グレーターデーモン
「雑魚がそんなの1000個持っても1000回瞬殺だボケッ!!」
爆炎に掠っただけでも、ダンジョンマスターは死にかねないからな。グレーターデーモンの行動は不可能。サンドバッグ状態でジリジリとHPと防御に回した魔力が減っていくが、予想以上に魔法防御力は高い。このままだと、こっちの魔力が尽きる方が早い!
火炎剣烈火
『フラン、このまま全力の一点突破で決めるぞッ!!!』
セイバー
「分かったッ!!!」
俺をドライバーに戻した納刀状態から、トリガーを1回引いて抜刀して必殺技を発動する。
『必殺読破!烈火抜刀!ドラゴン!ライオン!アランジーナ!3冊撃!ファ・ファ・ファ・ファイヤー!』
現れたブレイブドラゴンとライオンセンキにランプドアランジーナは光の粒子と化して刀身に纏わり、グレーターデーモンへ必殺の一撃を放つッ!
セイバー
「ハァァァーーーッ!!!」
グレーターデーモン
「させるかよッ!ダークネス・ボルテッカーッ!!」
グレーターデーモンは魔術で迎撃するがそれを真っ正面から斬り裂いて突破する。
グレーターデーモン
「何ィ!ガバッ!?」
驚愕するグレーターデーモンのがら空きの胴体に向かって突進。障壁をぶち抜いて俺の切先がその胸に深々と埋まる。だが既の所で空いていた左腕が俺を掴んで防ぐ。流石上位悪魔、タダではやられないかッ!
グレーターデーモン
「グオォォォッ!?この程度で―――『おい、グレーターデーモンさんよ。』ッ!?」
火炎剣烈火
『よくもまぁフランをボロボロにしてくれたよな?』
グレーターデーモン
「剣が喋っ・・・ッ!?」
火炎剣烈火
『礼はキッチリと返すぜ。だから大人しくフランの経験値になりなッ!!!』
全残存魔力を刀身に伝導ッ!喰らいな、俺達の最後の一撃だッ!!!!!
グレーターデーモン
「バカな・・・くおぉ・・・俺のッ、俺の魔力が・・・抜け・・・ガァァアあぁァァああッ!!」
フラン
「ハァ、ハァ・・・ハァ・・・」
グレーターデーモンを貫いて胸に大穴を開けて魔石を完璧に断ち割ると魔石が俺の刀身に吸収され、枯渇した魔力が全回復する。グレーターデーモンは断末魔の叫びを上げてそのまま倒れ伏した。それと同時に変身が解けたフランは刃王剣十聖刃に戻った俺を支えにして大量の汗を流しながら肩で息をする。
ダンジョンマスター
(ギョホオォォォッ!?バカなバカなァギョホォッ!グ、グレーターデーモンがあんなよく分からない小娘に倒されるなんてギョォ・・・そんな事がッ!まだ、まだゴブリン帝国は終わらんギョホッ!丁度溜まったゴッデスポイントで―――)
ザッシュッ!
ダンジョンマスター
「ギョホオォォォーーーッ!?」
フラン
「ハァ、ハァ、ダンジョンマスターッ!覚悟ッ!」
増援を召喚しようとするダンジョンマスターの両脚を斬り落とし、行動を阻止する。
ダンジョンマスター
「私を殺すつもりかッ!?む、無駄ギョッ!この身代わりの腕輪が『ザッシュッ!』ギャホォオオォッ!?」
ダンジョンマスターは右腕に填めた身代わりの腕輪を見せて言い切る前にフランが斬り落し、貴重なアイテムを俺が回収する間にダンジョンマスターは昇天。それと同時に一瞬だけ部屋が揺れるとダンジョンコアが数秒点滅すると光を失う。ダンジョンが活動停止したのか。
フラン
「ダンジョン制覇ッ!!」
フランが拳を突き上げ、勝利のポーズをしている。格上に勝利した事が嬉しいみたいだな。
ゴゴゴ
お、どうやら扉の封印が解除されたみたいだな。
ドナドロンド
「フランッ!」
ドワーフの冒険者
「おーい嬢ちゃん!!無事かッ!?」
フラン
「ドナド、みん・・・な・・・」
ドタッ
えぇッ!?フランッ!?緊張の糸が切れたフランは意識を手放して気絶する。突然倒れた事にドナド達の慌てて傍に駆け寄る。
‐数時間後‐
ゴブリンダンジョン攻略後、俺達はアレッサへの帰途に就いていた。冒険者達の顔には深い疲労とそれ以上の喜びが浮かんでいる。あの攻略戦で戦死者は10名程の被害が出た。だが今回の魔獣災害の規模で考えるとその程度で済んだ事は寧ろ幸運らしい。
そんで3冊コンボ形態の負担と潜在的疲労で気絶したフランは後方支援の冒険者達に看病を受けた後、ドナドが労いの言葉を送った後に頭を鷲掴みされて単独行動の件でこってりと眼から生気が失せるまで説教を喰らった。
刃王剣十聖刃
『なぁ、フラン。そろそろ機嫌を直してくれよ。』
フラン
『師匠は怒られなかった。ずるい。』
刃王剣十聖刃
『でも俺の存在は知られる訳にはいかないんだ。カレー作るから許してくれ。』
フラン
『じゃあ、お肉いっぱいにして。』
刃王剣十聖刃
『分かった。肉マシマシで作ってやるッ!』
フラン
『やったッ!』
俺がそう言うとどんよりしていたフランの顔はパッと明るくなる。機嫌が直って良かった。そんじゃ街にたどり着く前に、戦果確認とスキルのレベル上げの話をするか。それとアレの事も伝えないとな。
刃王剣十聖刃
『フラン。今回の攻略戦でレベルが30に上がった事で新しい聖剣が3つも解放されたぜ!』
フラン
『本当ッ!?』
刃王剣十聖刃
『あぁ、フランが気絶した後にアナウンスさんのお知らせでな。この話は宿に戻ってからにしよう。それで自己進化ポイントが結構溜まったから、フランはどのスキルのレベルを上げたい?』
フラン
『剣技と剣術。』
刃王剣十聖刃
『だよな。』
今回の戦闘で魔術は格上に効き辛い事が分かった。けど逆に剣であれば不利な局面も対応できる。高い魔力伝導率と魔力保有量を誇る、俺であればこそだが。
刃王剣十聖刃
『それじゃ一気にレベルMaxにするか。よっと。』
アナウンス
〈剣技と剣術LvMaxになりました。剣聖技Lv1、剣聖術Lv1がスキルに追加されます。〉
おぉ!上位スキルが追加されたな。さて次はやっぱコレだよな。
対象の持つ、レア度1以下、かつLv1のスキルを1つ選択し、50%の確率で奪う。同一対象に1度のみ使用可能。スキル再使用には1日必要。射程はスキルレベル×1メートル。
刃王剣十聖刃
『スキルテイカー・・・これのレベルも上げるか?魔石の無い人間相手にも使えるが。』
フラン
『ん、師匠なら上手く使える。相手のスキルを封じれるかも。』
刃王剣十聖刃
『分かった。そんじゃ上げるな。』
そんでレベル2へ上げると確率が+10%に上がった。これ、レベルMaxにしたらもっと確率が上がるのかッ!?ならやるしかねぇッ!!!
対象の持つ、レア度10以下、かつLv10以下のスキルを1つ選択し、100%の確率で奪う。同一対象に1度のみ使用可能。スキル再使用には18日必要。射程はスキルレベル×1メートル。
惜しみなくポイントを使ったけど後悔はないッ!確率100%の必中はドデカいぜッ!クールタイムは長いけど。それをフランに伝えると悪い顔をする。
フラン
『ドナドから奪う?』
刃王剣十聖刃
『コラコラ、怒られたからって仲間に使うのは無しだよ。う~ん何処かに珍しいスキル持ちの嫌な相手とかいないかな?』
そんな事を思いながら俺達はアレッサへ帰投してギルドまでたどり着いた。この時の俺は自分の言った珍しいスキル持ちの嫌な相手が現れるとは思いもしなかった。
‐冒険者ギルド・ギルドマスターの執務室‐
無事アレッサへ到着した後、ギルマスに呼ばれた俺達は部屋へと入る。
クリムト
「報告は受けています。お待ちしていましたよ、フランさん。」
フラン
「ん。」
クリムト
「まずはお礼を。まさかあの程度のダンジョンに脅威度Bの魔獣がいるとは・・・正直、抜け駆けされると困りますが、貴女がグレーターデーモンを倒さねば多数の死者が出ていたでしょう。なので今回は不問とします。」
軽い礼からだけど、眼は全然笑ってない。ドナドと違って油断できないんだよこの人。未だに俺達を疑っているし。とは言え様々な事を天秤にかけた結果で一応お咎めなしになって良かった。
クリムト
「後はグレーターデーモンの死体を受理しました。死体をギルド預かりにしてくれた事は大変感謝します。破壊されてるとは言え、かなりの高ランクの素材・・・独占すれば各所で避難の声が上がるでしょう。で、魔石はどうなりましたか?」
あーやっぱり聞きますよね。
クリムト
「あれだけの個体の魔石は凄まじく有用・・・国も欲するレベルです。そう言った物は必ず各所で「魔石はどうなったのか?」、「何故然るべき機関に収めないのか?」との声が上がります。」
流石に国家レベルの物になるとだんまり無理か・・・
フラン
「ん、倒した時に消滅・・・消えた。」
クリムト
「本当に?」
フラン
「ん、本当。」
俺が吸収して消えたから嘘は言ってないし、一応問題ないよな?
クリムト
「・・・ハァ、その様な事例は今まで報告が無いのですがね・・・でもまぁ精霊もザワついていませんし、悪意無しと言う事で今回は眼を瞑ります。」
その言葉にホッとして安心したその時だった。
???
「いいや!!待ちたまえッ!」
部屋の扉を勢いよく開け、騎士の格好をしたチョビ髭を生やした小太りおっさんが突然乱入してきた。
チョビ髭小太りおっさん
「小娘。貴様、嘘を付いているなッ!いくら隠そうとしても無駄な事、聡明な私には分かるのだよ。ホホホッ!」
フラン
「・・・・・・」
刃王剣十聖刃
『マジで何だこのおっさん・・・』
何か面倒くさくなってきたぞ・・・大丈夫かこれ?
第5話END
次回「玄武激怒」