転生したら刃王剣十聖刃でした《一時完結》   作:不死身の機動歩兵隊

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お待たせしました。それとお知らせです。アニメ第2期が始まる前に第1期の物語を完結させます。他の小説もあるので。


第8話「スパイダートラップ」

‐ワンダーワールド‐

 

タッセル

「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、Aランク冒険者のアマンダと試合をする事になったフランと刃王剣十聖刃。最初はフランの力だけで戦うけど、アマンダの圧倒的実力に苦戦するも、仮面ライダー剣斬に変身して最大の一撃を加えるも無念の敗退。

それでも自分より高ランクの相手に善戦していたのは事実。その敗北を糧に強くなれる証拠だよ!フランちゃん!そしていよいよ攻略済みダンジョンの『蜘蛛の巣』へ挑むけど、何だか嫌な予感がするわ。気を付けて2人共!」

 

‐現実世界‐

 

攻略済みダンジョンの『蜘蛛の巣』へ入ると中はゲームとかでよく見る通路(こうけい)とその先には崩れた石柱等が遮蔽物となって散乱する広間が広がっており、以前攻略したゴブリンダンジョンとの雰囲気が大分違う。あそこも成長すればここと同じ様になっていたかもな。

 

クルス

「この地下1層は石柱等の遮蔽物が多いフロアで蜘蛛型魔獣が潜む死角も多い。前衛パーティーの主な役割は進行方向の索敵と魔獣の駆逐になる。」

 

クラッド

「おう。油断すんなよ、お前等。」

 

ゲンネル

「任せてくだせえ兄貴ッ!」

 

バルツ

「気合なら十分ッ!だよな?ビクトル!」

 

ビクトル

「おうッ!竜の咆哮の実力、見せ付けてやりますよッ!」

 

ララ

「蜘蛛型魔獣か~嫌だ嫌だ。」

 

ルベリー

「近寄りたくないですよね~」

 

ドゥポ

「蟲なんか怖がる冒険者がいるか?」

 

フリーオン

「はいはい。集中して後方の警戒、お願いしますよッ!」

 

クラッドのパーティーは元気だな。そして後衛にはフリーオンのパーティーが務めている。その間に俺達とアマンダにクルス達が中衛の布陣で次の階層を目指して進んで行く。

 

アマンダ

「『蜘蛛の巣』・・・思い出すわ~私が駆け出しの頃、ここは賑わってたのよね。我先に攻略せんッ!って冒険者達がごった返してて・・・でもその反面命を落とす冒険者も多くてね。その中には子供の親である人達も少なくなかったわ。お陰で拠点になっていたアレッサに孤児が増えて・・・私が孤児院を開いたのもそれが始まりね。」

 

周囲を見回たすアマンダは懐かしみながらそう話す。成程、それでアレッサの孤児院が誕生したのか。

 

フラン

「アマンダは強かったから稼げた?」

 

アマンダ

「全然よぉ。当時弱っちかったから全然稼げなくて街の人達に大変お世話になったわ・・・大変だったけど今となっては良い思い出ね。」

 

クラッド

「昔話はそこまでだぜ、来やがったッ!」

 

ルベリー

「後方からも来ましたッ!」

 

ララ

「蜘蛛型魔獣、会敵ッ!」

 

アイゼール

「おっと、横からもだ。」

 

リグ

「囲まれましたね。」

 

前衛のクラッド達が武器を構えてそう言うと前方、後方、左右から複数の蜘蛛型魔獣がこちらを包囲包囲する様に現れた。さて、どんな相手か鑑定だッ!

 


種族名:トラップ・スパイダー

種族:妖蟲・魔獣

 

〈レベル:6〉

HP:35 MP:15 腕力:19 敏捷:41

 

〈スキル〉

鋭敏聴覚:Lv2、跳躍:Lv1、毒噴射:Lv1、投げ縄:Lv2、罠感知:Lv2、罠作成:Lv1、赤外線視覚、脱皮、毒生成、毒牙


 

毒持ちか、まあ蟲型なら定番だな。

 

クラッド

「フン、トラップ・スパイダーか。どうって事はねぇ、蹴散らしてやんぜ虫けら共ッ!行くぜェエェ竜の咆哮ォッ!!」

 

ゲンネル・バルツ・ビクトル

「おりゃああッ!!」

 

そして戦闘が始まり、クラッド達は左右から前方のトラップ・スパイダーの一組へ向かう。迎撃で放たれた糸を避けながら接近し、槍の間合いに入るとメンバーの3人が攻撃。その内の1匹をクラッドが弱らせてメンバーの2人が畳み掛け、もう1匹を抑えてるメンバーの所へ向かい止めを刺す。

 

クラッド

「楽勝だな。あんたらの出番は無いかもな。」

 

クルス

「確かに戦闘力はそれ程高くはないが、こいつ等が吐き出す糸はランクの割に強靭だ。絡め取られると身動きが取れなくなるぞ。」

 

クラッドの言葉に他のトラップ・スパイダーをメンバーと一緒に対処しながらクルスはそう答える。その間に樹海の目のメンバーの1人が捕まったが仲間の火魔術ですぐ助けられた。

 

フリーオン

「まあ、この糸は火に弱いので松明や火系魔術で燃やせばいいんですけどね。」

 

アイゼール

「実は素材としてはそこそこの値で取引されるんでさぁ。燃やすのは勿体無いですぜ。だからなるべく火気厳禁でいきやしょう。」

 

フリーオンとクルスの仲間の1人、アイゼールはそう答える頃には戦闘は終わった。確かに糸をよく見ればとても綺麗だ。前世で見たネット記事だと蜘蛛の糸は同じ太さの絹糸や軽量スチール()よりも強度があって伸び縮みし、紫外線にも強くて、抗菌性や耐熱性、耐久性までも備えている等と書いてあったな。研究と生産が難しくて実用化出来ない前世と違って異世界だと半永久的に取り放題で実用化も出来ている。これを地球の科学者達が知ったら喉から手が出る程欲しいだろうな。

 

クルス

「っと言う事だ。気を付けてくれフランさん。」

 

フラン

「ん、分かった。」

 

あれ?うちの子爆破魔認定されてるッ!?

 

‐蜘蛛の巣・地下2層‐

 

地下2層は木の根が張り巡らされた複雑な通路となっており、蜘蛛型以外の昆虫型魔獣が現れたりしたが問題なく順調に進んで行く。フランも戦闘に参加したけど特に目新しいスキルは無かった。

 

‐地下3層‐

 

地下3層は魔獣の数は少なく遭遇する事は無かったが罠が散りばめられており、それに引っ掛かった竜の咆哮は股間に鉄棒が直撃。樹海の目はワームの幼虫っぽい魔獣が頭の上から降ってきたり、四方八方から矢を撃たれたりした。この階層ではアイゼールが〈罠探知〉スキルで罠を解除しながら進んだ。あれ欲しいな。単独でダンジョンに潜る時に便利だ。

 

‐数時間後 地下4層‐

 

そして時間が経過し、地下4層へ辿り着いた俺達はそこで休憩して取っている。この層は魔獣が寄り付かない作りになってるそうで、セーフポイントと似た感じになっている。

 

クラッド

「何か・・・マジで余裕だな。こんなんでいいのか昇格試験?」

 

クルス

「この4層までは罠と敵は大した事はない。だが5層からはトラップ・スパイダーの数が増え群れ出す。囲まれると面倒だ。注意してくれ。」

 

アイゼール

「それに罠の数と種類も増えますぜ。中には猛毒ガス、落とし穴等、危険度が高い。特に強制転移のテレポーターは数件だが壁の中へ送られたという報告もある。また強制方向転移や強制装備解除等も変則的なパターンも報告されているでさぁ・・・」

 

クルス

「そういう訳で気を抜かないでくれ。小休憩後は5層へ突入する。それまでは準備と食事を済ましてくれ。」

 

クラッドの呟きにクルスがそう答え、そこへアイゼールが話を付け加える。マジか・・・この先からそんなエグイ罠が幾つも潜んでるのか。気を引き締め直さないとな。

 

フラン

「アマンダ。」

 

アマンダ

「何?」

 

フラン

「戦技とかスキルとか魔術の事を聞きたい。」

 

おお!フランが積極的にアマンダに質問をッ!!

 

フラン

「気にせず使ってるけど実はどういうモノかよく分かってないから。」

 

アマンダ

「早速頼ってくれるのね!すっごく嬉しいわ!じゃあギュウウってしていい?」

 

フラン

「ダメ。」

 

一応こう言う人モノだと俺達は割り切ってるけど、他の冒険者の認識やどう覚えるかを機会があったら聞いてみたかったから丁度いい。

 

アマンダ

「先ずは戦技ね。戦技は武神や闘神が編み出したという魔力を消費して発動する必殺技の事よ。私の鞭技とフランちゃんの剣技も戦技の1つ。」

 

フラン

「ん、修行法とか技の覚え方も知っておきたい。」

 

アマンダ

「戦技の覚え方はね、戦いや鍛練の中でその戦技に近い型、体内に流れる魔力の大きさ、バランスになった時に天啓の様に閃くのよ。フランちゃんもそうじゃなかった?」

 

フラン

「覚えてない。」

 

アマンダ

「あらぁ。」

 

そりゃそうだ。ある日突然剣技7まで使える様になったからな。

 

アマンダ

「型を教えてくれるその道のお師匠様がいると習得は早いかもしれないわね。」

 

フラン

「確かに師匠がいると色々と覚えるのが早いかもッ!」

 

結構ニュアンスが違うけどな。

 

アマンダ

「次はスキルね。スキルは鍛練によりそれを使うに能う力が備わった時、世界が私達の魂に与える神の技術と言われているわ。」

 

神々が世界のシステムに記録した技術の条件を満たす事でその人に授与されるのか。

 

アマンダ

「一般のスキルの他にユニークスキルや一部のエクストラスキルは魔獣のスキルみたいに神の気まぐれで与えられる事もあるみたいだし・・・私達が定義しきれれるモノばかりじゃないみたいね。一応言っておくけど戦闘技術、戦技、魔術もスキルの中の一系統よ。」

 

フラン

「それは何となく分かる。」

 

アマンダ

「最後は魔術ね。これは魔力操作で魔力を外に放出する技術よ。魔術には、土、水、火、風の基本属性があるわ。そして、それらの上位に、大地、大海、火炎、暴風ね。」

 

今の俺達は基本4属性に火炎魔術は習得してるな。

 

アマンダ

「魔術を覚えるには自分がどの属性に向いているかを知る必要があるわ。例えば水魔術であれば、毎日水に触れ、水に浸かり、水のイメージを身体と精神に溶かし込む。そして水と一体となって夢にまで出てくる様になると習得できる。向いていなければ幾らやってもダメみたいね。」

 

フラン

「成程。」

 

アマンダ

「土魔術であれば土に埋まったり、石を齧ったり、土料理のフルコースを食べたり。」

 

フラン・刃王剣十聖刃

「『キッツッ!?』」

 

ウッソだろ、前者は兎も角石を齧って土料理のフルコースを食べるって・・・何かの装置で調べる道具とかこの世界には無いのか?

 

フラン

「アマンダの風魔術は?」

 

アマンダ

「えっ・・・風?か、風は・・・つまんないわよ。」

 

風魔術の話になった時、アマンダは頬を指で掻き乍ら吃った。どうしたんだ?

 

フラン

「いい、聞きたい。」

 

アマンダ

「風を浴び続けたり・・・肌で一体感を感じる為に強風の中を駆け回ったりしたり・・・しなかったり・・・・・・全裸で・・・ボソッ

 

刃王剣十聖刃

『えええッ!?全裸でッ!!!???』

 

フラン

「ッ!分かった。今度から服脱いで風魔術使うッ!」

 

刃王剣十聖刃

『ウェイッ!?幾ら強くなりたいからってそれはアウトだよッ!!!』

 

アマンダ

「ちょ、ちょっと!フランちゃんは犯罪者(ロリコン)釣れちゃうから絶対人の目の無い所でね・・・あくまで一例よッ!!」

 

こうして俺とアマンダが説得したお陰でフランは思い止まってくれた。危なかった・・・アマンダの言った通り犯罪者(ロリコン)等を引き寄せるからな・・・

 

アマンダ

「後は複合属性魔術ね!これは2つの属性を伸ばせば身につく可能性があるわ。」

 

フラン

「ふくごう?」

 

アマンダ

「例えば水と土の属性で樹木魔術が出来るの。これはウチのギルマスやそこのフリーオンも使える属性魔術ね。ウッドエルフは生まれながらにして樹木魔術の才があるみたいだから、水と土魔術のレベルを上げなくても覚えてしまうらしいわ。」

 

フラン

「ギルマスとフリーオン、地味に凄い。」

 

フランがそう言うと聞こえてたのかフリーオンは小さくズッコケた。何かすまない。それから他の組み合わせもあり、水と風で氷雪、水と火で生命、風と火で雷鳴、風と土で砂塵、火と土で溶鉄の複合属性魔術を教えてもらった。それと2属性以上の才能がある人は種族以外でも稀だとアマンダは言う。通りで注目されて目立つ訳だ。4属性と闇まで使える事は黙っておこう。

 

アマンダ

「そして光の派生属性、浄化と幻影の魔術。闇の派生、毒と死霊の魔術とかもあるわ。」

 

フラン

「・・・毒や死霊の魔術を使うのは悪い奴?」

 

アマンダ

「そう言う訳では無いわ。まあ一般人からしたらイメージが黒そうなのは認めるけど、あくまで技術の1つよ。知り合いに遣り手の死霊魔術師がいるけど・・・いつでもフハハハとか高笑いしてて怪しいし不審者なんだけど、あれは確かに・・・ちょっと誤解されやすいわね。でも悪人では無いわよ。不審者ってだけで。」

 

アマンダも大概だけどな。それでも彼女に不審者呼ばわりされる何てどんな奴だ?

 

アマンダ

「後は特殊属性ね。回復、補助、召喚、契約、時空、月光、精霊、鍛冶の魔術や他にも色々あるみたい。」

 

回復、補助、召喚の魔術は持ってて、精霊魔術はギルマスとフリーオン。鍛冶魔術はガルスさんが使ってた奴だな。

 

フラン

「凄い多い・・・」ウーン

 

アマンダ

「そうね~覚えきれないわよね~私が知ってるのはこれ位だけど、世界を見れば他にも沢山の魔術属性があるみたいよ。魔獣しか使えない魔術もあるらしいし。」

 

フラン

「そうなの?」

 

アマンダ

「そもそも魔獣は日常的に魔力を使って活動しているから魔力や魔術の使い方が上手なんですって。さっき言った魔力操作スキルが無いみたいだし、だから魔術の才能は魔獣の方があるのよ。複合属性や光闇属性を使う個体も魔獣なら結構いるしね。」

 

俺は魔石を吸収して簡単にスキルをゲットできるけど、人間からしたらレアなモノばかりなのか。

 

アマンダ

「取り敢えずこんな所ね。フランちゃんなら何でも教えてあげるからまた何かあったら聞いてね。」

 

フラン

「ん、ありがとう。」

 

‐数分後‐

 

フラン

『師匠。』

 

刃王剣十聖刃

『何だ?』

 

アマンダの説明が終わって数分、各々が5層へ向かう準備を進めているとフランが俺を呼ぶ。どうしたんだ?

 

フラン

『ビリビリ!』

 

刃王剣十聖刃

『へ?』

 

フラン

『雷鳴属性覚えたいッ!』

 

刃王剣十聖刃

『待て待て!さっきまで複合属性を知らなかったのに、いきなり使える様になったら不自然だろ。それに雷鳴なら黄雷があるだろ。』

 

フラン

『えー、でも雷鳴属性覚えれば黄雷がもっと強くなるッ!』

 

刃王剣十聖刃

『そう言われてもな(確かに相性が良い雷鳴属性が使える様になれば黄雷は強くなる。でもだからって)・・・』

 

フラン

『・・・ダメ?』ウルウル

 

刃王剣十聖刃

『・・・・・・』

 

結局、フランのウルウル顔に根負けした俺は風魔術をカンストして雷鳴魔術やその過程で風術師の称号と暴風魔術も手に入れた。

 

刃王剣十聖刃

『それじゃあ一応スキル共有にセットしとくぞ。』

 

フラン

『やったー!ビリビリゲットッ!』

 

刃王剣十聖刃

『でも使うのはこの依頼を終わらせ「雷鳴魔術、スーターン・・・」

ってコラッ!!早速使おうとするなッ!!!

 

フランの頭に念動脳天チョップを叩き込んで魔術の使用を阻止する。全く、危うく見られる所だったよ。

 

‐地下5層‐

 

準備を整い終え、第5層へと進むと通路には大量のトラップ・スパイダーの群れが迫り来る。

 

フリーオン

「木の精霊ジュラン、召喚ッ!トラップ・スパイダーを拘束して下さい!私の仲間は巻き込まぬ様に。」

 

フリーオンがそう言うと木の根がトラップ・スパイダーの群れを絡め取る。それを見ながら俺達は攻撃を避けつつ倒していく。

 

刃王剣十聖刃

『へー、精霊魔術は詠唱じゃなくて直接お願いするんだな。』

 

フラン

「面白い。」

 

リグ

「流石に数が多いですね。」

 

クルス

「混戦に成りがちだ!集中を研ぎらせない様にッ!「刺されたッ!毒だッ!!」言った傍からッ!!!」

 

ビクトル

「ほい、毒消し!」

 

バルツ

「サンキューッ!」

 

アマンダ

「皆~頑張れ~!」

 

大量のトラップ・スパイダーの群れと混戦に成りつつも苦戦はせず、無事殲滅。罠もアイゼールが探知と解除をしてもらって引っ掛かる事無く6層への階段を目指す。

 

クルス

「皆、まだ余力はあるか?」

 

クラッド

「余裕だぜ!竜の咆哮をナメんなよ?」

 

フリーオン

「樹海の目も大丈夫です。」

 

クルス

「この先、ダンジョンコアのあるコアルームは6層最奥だ。そこで魔鉱石を回収後に脱出・・・それで試験と調査は終了となる。」

 

そして6層への階段を下りて俺達は最奥にあるコアルームを目指す。誰もが無事に終われると思っていた。だが6層に入った直後、トラブルが発生した。

 

‐地下6層‐

 

クラッド

「クソッ、雑魚蜘蛛のくせにッ!」

 

フリーオン

「精霊魔術で倒しきれないッ!?妙ですね・・・蜘蛛がタフになっている?」

 

5層で殲滅した群れより目に見えて生命力が高く、身体も一回り大きく体色も変わって急に強くなったトラップ・スパイダーが2倍近くの群れとなって現れた。クラッド達は苦戦しつつ、クルス達や俺達は難無く倒していくが数の力で徐々に押されていく。

 

ゲンネル

「うぅ・・・ダメだ・・・」

 

ドゥポ

「どうしたッ!?」

 

ゲンネル

「毒消しが効かねぇ・・・」

 

刃王剣十聖刃

『何ッ!?鑑定ッ!』

 

すると毒消しのポーションを飲んだ筈の竜の咆哮のメンバーの1人が膝を突いて槍を支えに頭を抱えていた。即座に鑑定すると猛毒状態だと分かった。

 

刃王剣十聖刃

『フラン!すぐに彼を回復魔術で解毒するんだッ!』

 

フラン

「ん、分かったッ!回復魔術、アンチ・ドート!!

 

ゲンネル

「天使・・・ッ!?どっ、毒が抜けた・・・す、すまねえ!」

 

フラン

「ん!」

 

それにしても最初に鑑定した時には弱い毒しか生成できなかった筈だ。何で急に強くなったんだ?調べた方が早いか。鑑定ッ!

 


種族名:トリック・スパイダー

種族:妖蟲・魔獣

 

〈レベル:10〉

HP:88 MP:36 腕力:39 敏捷:67

 

〈スキル〉

鋭敏聴覚:Lv4、再生:Lv1、跳躍:Lv1、毒噴射:Lv2、投げ縄:Lv3、罠感知:Lv4、罠作成:Lv3、混乱毒生成、混毒牙、赤外線視覚、脱皮、猛毒生成、猛毒牙

 

説明:トラップ・スパイダーの上位種。トラップ・スパイダーとの見分け方は体躯の大きさ、体色。


 

名称と説明を見て、驚愕の事実を知る。成程、上位種ならこの強さとタフ差は納得だ。

 

刃王剣十聖刃

『フラン、こいつらはトラップ・スパイダーの上位種だッ!すぐにクルス達にも伝えるんだッ!!』

 

フラン

「ん!上位種みたい。猛毒牙を使う、気を付けてッ!」

 

クルス

「上位種ッ!?トリック・スパイダーかッ!何故だ!?ギルドの設定ではトラップ・スパイダーしか定期召喚されない筈だぞ。攻略済みダンジョンで普通は有り得ないが・・・進化したのか?」

 

アイゼール

「猛毒持ちがこの数・・・Eランクパーティーにゃ荷が重いですぜッ!」

 

クルス

「クラッドとフリーオンのパーティーは下がれッ!そのまま5層まで引くッ!!」

 

クラッド

「冗談じゃねえ、ここまで来てッ!「ウワァァァァッ!!!」ッ!?バルツ、ビクトルッ!!!」

 

クラッドのメンバーが蜘蛛の糸で捕まるが、すぐに火炎魔術で救出される。

 

クルス

「アマンダ様とフランさん、退路の確保をッ!」

 

フラン

「んッ!」

 

アマンダ

「は~い♡よッ!」

 

俺達とアマンダが剣技と鞭技で蹴散らして数を減らすが、次から次へと湧いて出る。これじゃあ完全に包囲されちまうな。

 

刃王剣十聖刃

『フラン!仮面ライダーの力で打破するぞッ!』

 

フラン

「んッ!」

 

すると俺は音と光に包まれて弾けると音銃剣錫音(おんじゅうけんすずね)へと変化。フランはヘンゼルナッツとグレーテルをライドブックホンダナーから取り出して開く。

 

『とある森に迷い込んだ、小さな兄妹のおかしな冒険のお話・・・』

 

音声が鳴り終わり、ワンダーライドブックを閉じてスズネシェルフに装填。背後に巨大なヘンゼルナッツとグレーテルワンダーライドブックが現れる。そしてスズネトリガーを引く。

 

フラン

「変身ッ!」

 

『ヘンゼルナッツとグレーテル!銃剣撃弾!銃でGO!GO!否!剣で行くぞ!音銃剣錫音!錫音楽章!甘い魅惑の銃剣がおかしなリズムでビートを斬り刻む!』

 

空気を震わせて音響障壁を発生させる首元のソニックメイル。受けた攻撃を記憶しつつ、音に変えて発散するクッキーディバイダ等を身に付けた音の剣士。

 

仮面ライダースラッシュ

 

へと変身する。

 

スラッシュ

「私の剣は響きが違うッ!」

 

スラッシュは音銃剣錫音を乱れ斬りの如く振るうと同時に威力が上がったソニック・ウェイブを放ち、前方のトリック・スパイダーの群れを吹き飛ばして退路を切り開く。

 

クルス

「良しッ!一時退却だッ!!」

 

クルスの叫びと同時にクラッド達が退却していく。その時、天井から発する音をリズムバイザーが可視化して接近して来るトリック・スパイダーの存在に気付くと刀身を銃奏モードに変形させ、退却中のクラッド達の頭上から奇襲しようとしたトリック・スパイダーを撃ち抜く。そして追撃するトリック・スパイダーの群れを牽制しながら少しずつ後退する。

 

クルス

「このまま5層まで戻れば奴らも追ってこない筈だ!そこで陣形や作戦を練り直そうッ!」

 

ビクトル

「ウワァァッ!!こっちにも蜘蛛が・・・ッ!」

 

バルツ

「まっ、回り込まれたッ!」

 

すると回り込んで来たトリック・スパイダーの群れを見たクラッドのメンバー2人が反転して闇雲に走っていく。

 

アマンダ

「ッ!あの2人、混乱毒を貰ってるわね。待ちなさいッ!」

 

ビクトル

「そこの横道に逃げるんだぁぁッ!」

 

バルツ

「おおうッ!」

 

アイゼール

「おい!そっちの横道はまだ罠がッ!」

 

アマンダとアイゼールがそう叫ぶが混乱状態の2人の耳には届かず、後退中のフラン(スラッシュ)の姿が見えていないのかそのままの勢いで走っていく。

 

音銃剣錫音

『えッ!?何で引き返して―――フラン避けろッ!

 

スラッシュ

「ッ!」

 

だが俺の警告虚しく、スラッシュはクラッドのメンバー2人と激突し、そのまま3人共横道へ入ってしまう。

 

音銃剣錫音

『大丈夫か、フランッ!?』

 

スラッシュ

「うん、油断した。」

 

音銃剣錫音

『全く、コイツ等―――ッ!?』

 

俺が文句を言う前に床から魔力の流れを感じて視線を向けると魔法陣が浮かび上がっていた。おいおい!これってッ!?

 

アマンダ

「テレポーターッ!フランちゃんッ!!」

 

スラッシュ

「師匠ッ!」

 

音銃剣錫音

『大丈夫だ、俺に掴まってろッ!壁の中でもない限り俺が何とかするッ!!』

 

そして光に包まれて一瞬で収まると俺を手に握っていた筈のスラッシュの姿が掻き消え、他2人の武器にフランに持たせた護身用の武器と共に床へ落ちて金属音が空虚に響き渡る。嘘だろ・・・

 

音銃剣錫音・アマンダ

『「フラン(ちゃん)ッ!!!」』

 

アイゼール

「テレポーターと武器解除の複合罠だとッ!?そんな高位の罠、攻略済みダンジョンである筈がねえ・・・」

 

クラッド

「クソッ、仲間が消えちまったッ!」

 

クルス

「チィッ!一旦蜘蛛共を始末するぞ!皆気張れッ!」

 

それからトリック・スパイダーの追撃部隊を殲滅した後、アマンダが俺を持ち、残りはクラッドのメンバーの武器を回収する。

 

クルス

「アイゼール、転移先は分かるか?」

 

アイゼール

「ギルドの地図には近くの小部屋に設定されてる筈ですぜ。」

 

アマンダ

「急ぎましょう。」

 

場所を特定したアマンダ達はすぐにギルドが設定した転移先の小部屋へと急ぐ。

 

‐小部屋‐

 

アマンダ

「フランちゃんッ!」

 

クラッド

「バルツッ!ビクトルッ!」

 

2人がドアを開けて小部屋の中へ入るが、そこにフランとクラッドのメンバーの姿はいなかった。

 

アマンダ

「居ない・・・ッ!」

 

クラッド

「クッ・・・!」

 

フリーオン

「転移先が変更されたと言う事ですか・・・」

 

アイゼール

「ダンジョンマスターも居ないのに有り得ないですぜ、そんな事・・・」

 

アマンダ

「いいえ、1つ可能性があるわ。」

 

何か心当たりがあるアマンダの言葉にクルス達はザワつく。何が原因なのか分かるのかッ!?

 

‐??? フランside‐

 

スラッシュ

「ん、んん・・・師匠・・・?ハッ!師匠ッ!!」

 

テレポーターの光に包まれて気絶した私は目覚めると握っていた筈の師匠が無く、起き上がって周りを見る。けどいたのはクラッドの仲間だけだった。

 

バルツ

「ウワァァ!奥にでけぇ何かがッ!?」

 

ビクトル

「なっ、何だありゃあッ!?」

 

すると2人が向いている奥の方に眼を向けるとそこに大きな蜘蛛がいた。すると蜘蛛の頭からピキピキと音がなると人の上半身が浮かび上がり、そのまま生え出る。

 

‐6層・小部屋‐

 

クルス

「アマンダ様、可能性とは?」

 

アマンダ

「ええ、〈罠作成〉と〈罠改造〉のスキルを持つ魔獣の存在・・・トリック・スパイダーの上位種、トリックスター・スパイダーよッ!」

 

成程、それがこの異常事態の原因かッ!すぐに手持ちの探知系スキル〈反響定位〉〈気配察知〉〈熱源探知〉で調べるが場所を特定できない。

 

音銃剣錫音

『クソッ!何処だ・・・何処にいるんだフランッ!?』

 

‐フランside‐

 

トリックスター・スパイダー

「ブハハハ、グハハハッ!」

 

人の上半身が生えた蜘蛛の魔獣が私達を嘲笑う様に叫ぶ。それにその魔獣の背後をよく見たら小さい大量のトラップ・スパイダーもいる。武器・・・無い。師匠と離れた・・・待っとけって言われた護身用の武器も無い。

 

スラッシュ

「師匠がいなきゃスキルも魔術も使えない・・・」

 

仮面ライダーの姿でもあの数の魔獣を相手に出来ない。あの時のみたいに変身が解けて確実にやられる・・・

 

スラッシュ

「師匠・・・」

 

トリックスター・スパイダー

「ブハハハ、グハハハッ!」

 

絶望的な状況に人の上半身が生えた魔獣の叫び声が今いる部屋の中で木霊する。

 

第8話END




次回「召喚、ブレイブドラゴンッ!」
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