怪獣の育成をヤプール人に頼まれたけどその目的がウルトラマンゼロを倒すとか無理ゲー過ぎる 作:多趣味の男
ビルが建ち並ぶ夜のオフィス街に突如、"パワードテレスドン"が現れた。
W.I.N.Rはこれを迎撃する為、戦闘機"ストライクビートル"による攻撃を行うが全くダメージはなかった。
そして、ウルトラマンパワードであるカイは太陽の民に捕まってしまう。
その際、パワードに変身するアイテムである"フラッシュプリズム"を奪われてしまいなす術を無くしていた。
太陽の民は人類を地球を汚染する下等な存在として自分達こそが地球を支配するに相応しいと言い始め、カイと融合しているパワードの力を欲した。
パワードをエルドラの神と呼ぶ太陽の民はカイからパワードを解放する為、エセルテスに渡された装置を取り出した。
「これは?」
「これこそ、私達と同じ考えを持つ同志から渡された聖なる装置だ。
愚かな人類であるお前の肉体に縛り付けられているエルドラの神を解放する力を備えている。」
「何だって!?」
「お前から神を解放し私達はテレスドンと共にこの地球を支配するのだ!」
「外で暴れている怪獣はお前達の仕業か!」
「知ったところでもう遅い!さぁ、神よこの愚かな肉体から解放される時です!」
太陽の民のリーダーは意気揚々と装置を起動する。
起動された装置から球体の結晶が現れるとそこから眩い光のエネルギーが一気に放出された。
余りの眩さにカイは目を瞑る。
しかし、太陽の民の反応は逆だった。
「ぎゃあぁぁぁぁ!」
「ぐぁぁ!」
「あっ熱いぃぃ!」
方々から断末魔が上がり光が収まるとその声も消えていた。
目を開けたカイに広がっていたのは衣類だけ残して消滅してしまった太陽の民の姿だけだった。
何がなんだが分からないカイだが、外にいるテレスドンをほおっては置けない。
両手足を拘束していた枷を外すと奪われていたフラッシュプリズムを手により天に掲げた。
バシュ!と言う音と共にカイの身体は迸る光に包まれ地上まで上がっていく。
そして、暴れまわるテレスドンの目の前にウルトラマンパワードが現れるのだった。
エセルテスは結晶を使いその映像を見ていた。
「これでパワードが表に出てきた。
後はウォルスの仕事だな。」
「....それにしても最高の表情だったなぁ。
自分が騙されているなんて欠片も思わず自殺のスイッチを押すあの様は....何て滑稽で可笑しいことか!
あはははははは!!」
エセルテスは太陽の民が光に弱いことを知っていた。
あの装置にはウルトラマンを人間と分離する機能なんて備わっていない。
そもそも、あの融合はウルトラマンが自分の命を担保にして行う融合だ。
生半可な技術で分離など出来る訳が無い。
あの装置はウルトラマンが放つ光と同質のエネルギーを広範囲まで発生させる機能しかない。
恐らく、太陽の民が生活する全地域にあの光は届いただろう。
あの装置は起動するとその映像をエセルテスの持つ結晶型のデバイスに転送する機能があり彼はそれを使いその映像を見ていた。
光が発生した瞬間、太陽の民の変貌した顔と絶望の中死んでいくあの表情はとても素晴らしかった。
続きをゆっくりと見ていきたいがエセルテスは少しだけ我慢する
何故ならウルトラマンパワードが現れたからだ。
「
ここはゆっくりと見させて貰おうか。
ウォルスの生み出す絶望を.....」
テレスドンが夜のオフィス街に現れた光景を物間とロボブースカは少し離れた場所で野次馬と共に見ていた
「やっぱり、現れたか"パワードテレスドン"。」
「ビックリしたぁ...まさかこんなに早く次の怪獣が出るなんてね。」
二人がそう話していると空中を飛ぶストライクビートルが、テレスドンに攻撃を開始した。
放たれるミサイルや重火器がテレスドンに直撃するが全くダメージを与えられず街を破壊するテレスドンを止められない。
「あれだけの攻撃を受けてノーダメージなのか。」
「うん、あの屈強な身体の装甲が攻撃を完全に防いでいるみたいだね。
.....あっ、どうやら作戦を変えるみたいだよ。
照明の光をテレスドンに当てるみたいだね。」
ロボブースカは頭に指を当てながら物間に告げた。
「何でそんな事が分かるんだ?」
「うん?....あぁ、W.I.N.Rの通信に割り込んで声を聞いているんだ。
物間のスーツにも転送するね。」
そう言うと物間のヘルメット(擬装効果発動中)に通信が入り声が聞こえてくる。
『良し!奴の目に光を叩き込んでや...何だあれ!?
あの怪獣、急に目からシャッターみたいなのが出て来て照明の光を無効化しやがったぞ。』
『不味いわ。
これじゃあ作戦が....』
『リック!地下から強いエネルギー反応を確認。
地上に現れるわ!』
そんな話をしているとウルトラマンパワードが光に包まれながら地上へと降り立った。
『よっしゃあ!ウルトラマンが現れたのならこっちのもんだぜ!』
『油断するなリック!
各隊、ウルトラマンを援護して怪獣を撃滅しろ。』
『オーケイ、ラッセル隊長!』
W.I.N.Rのメンバーはウルトラマンパワードが人類の味方だと理解している。
故に彼が現れた瞬間から協力してテレスドンに向かっていったのだ。
パワードの拳が振るわれるが強固なテレスドンの装甲はその攻撃を耐えて反撃を受けてしまう。
『おいおい!パワードの攻撃すら耐えるのかよ。
どうすれば良いんだ?』
『やっぱりあの目を潰すしかない。
リック、マグネシウム閃光弾であの怪獣の目を潰すわよ。』
『OK....ん?何だビルに異変が起きてるぞ。』
その言葉を聞いて物間もビルに目を向ける。
テレスドンとパワードが戦っている周囲のビルの電気がけたたましく点滅し始めた。
テレスドンは眩しさから目を塞ぐ。
それを好機と捕らえたパワードがテレスドンの目を潰そうと攻撃を放とうとするが突如、発生した雷がパワードを撃ち抜き吹き飛ばされてしまう
「ギャアオゥゥゥ!」
凄まじい咆哮と共にその怪獣は現れた。
パワードが取り逃がしたレットキングが彼等の前に急に現れたのだ。
それを見たW.I.N.Rと物間は驚愕する。
『何故、レッドキングが!?
彼等はギアナ高地に生息している筈なのに!?』
「レッドキング?どうしてあの怪獣がここに!?
こんなの元の話の流れと違う。」
そう言って驚いているがレッドキングが起こした行動が更に物間を混乱させた。
レッドキングの身体が急に"帯電"するとビルや街の電気施設が放電し初めてそのエネルギーを吸収し始めたのだ。
まるで"電気を食べている"様に満足気な顔をしながらレッドキングが電気を吸収していく。
周りの光が完全に消えて暗闇に包まれるとレッドキングの身体が変化し始める。
両手と頭部に巨大な角が出現すると電気を放電させ始める。
「あのレッドキング電気を....操っているのか?
あり得ない!そんな能力をレッドキングが持っている筈がない!
こんなレッドキングを"僕は知らない"。」
動揺する物間だったが状況は勝手に進んでいった。
身体の変異が終わったレッドキングはパワードへと向かっていく。
レッドキングは放電しながらその豪腕でパワードを殴り付けていく。
吹き飛ばされたパワードをテレスドンが見逃すこと無く追撃を加えた。
「二体ともパワードを倒そうとしている。
まずいこのままじゃ!?」
ストライクビートルもパワードが危ないと思ったのかレッドキングに向けてミサイルを発射した。
しかし、そのミサイルは見当違いの方向へ飛び、地面に激闘し爆発した。
「ミサイルが当たらない?
これってミサイルの照準を狂わされたのか。
ロボブースカ!これってどう言うことなんだ?
これがこの世界での正史なのか?」
物間はそう尋ねるがロボブースカはワタワタしながらこたえる。
「あんなこと僕の知っている歴史とも違うよ!?
ここではテレスドンしか現れない筈なのに....
それにあのレッドキングも僕の知ってる能力を持っている個体じゃない!
あわわわ!もしこのままパワードが負けちゃったら"時空湾曲"が起きちゃうよ!」
「時空湾曲?」
「元の歴史から外れた行動や選択をするとそれがズレとなって未来に影響を及ぼす。
バタフライエフェクトとも呼ばれている行為で時空転移を行っている僕達に取ってもただでは済まない事が起こる危険性がある。
下手したら物間の生きている世界にも影響が....」
「えっ!?じゃあ、どうする?
このまま、戦いを眺めているのは危険だよね?」
「危険も危険、相当危ないよ!あわわわ...」
慌てているロボブースカを見た物間が異常事態が起こっているのを理解するとモンスギアを手にする。
(状況はまだ分からないけどこのまま放置したら危険なのは確かだ....仕方ない。)
物間はロボブースカに向き直る。
「ロボブースカ、あのレッドキングを倒したら時空湾曲も収まるよね?
僕の怪獣であのレッドキングを止める。」
「止める?もしかして君の怪獣を出すつもり?」
「それしか方法がない。
時空湾曲がこれ以上、進めば僕の世界にも影響が出るのなら止めないと....」
「.....分かったよ物間君!
今は緊急事態だ。
あのレッドキングを止めないと君も僕も危険だ。
頼んだよ物間君!」
物間は群衆から一人離れ隠れるとスーツの擬態機能を解除する。
戦闘モードを起動すると物間は地面を蹴り上げてビルへ登っていく。
屋上まで登ると見渡しの良くなる。
「ここでならいける。
今の手持ちはRコッヴとコッヴ、そしてパワードチャンドラー。
それとアルビノコッヴが二体。
先ずは敵のスペックを確認しないと....」
物間はモンスギアを暴れるレッドキングに向けてビームを発射する。
そのビームに当たるとレッドキングのステータスが表示された。
NAME(繝代Ρ繝シ繝峨Ξ繝?ラ繧ュ繝ウ繧ー??)
分析不能
「何だこれヴァーサイトとも違う。
それに、分析不能?
何で何も分からないんだ?
今は考えている時間も惜しいか.....相手の能力が分からない以上、出し惜しみはしない。
行け"Rコッヴ"!」
物間はモンスギアを掲げるとインジェクター内で保管されていたRコッヴが巨大化しオフィス街へと降り立った。
(あの怪獣を蹴散らせ!)
物間の命令を受けたRコッヴはレッドキングに向かって突進すると鎌の付いた腕で殴り付けた。
殴られてパワードと距離が空いたのを見てRコッヴはパワードとレッドキングの間に入り込む。
Rコッヴとレッドキングが睨み会うのを見てパワードはテレスドンに身体を向ける。
誰一人、状況は読めないがそれでもRコッヴがパワードを攻撃していたレッドキングを相手にしようとしてるのは理解したW.I.N.Rも先にテレスドンを倒す方向で進むのだった。
「へぇ、あれが物間の育てた怪獣かぁ.....思ったよりも強そうで安心したよ。
雑魚同士の戦いなんて見ててもつまらないからね。
あれ、素体はコッヴかな?」
ウォルスがレッドキングとRコッヴの戦いを見つめながら呟く。
「うーんあのレッドキング、出力は高いけど長続きしないなぁ。
テレスドンと二人がかりでもパワードを仕留められないなんてさちょっと弱すぎだよね。
急増で作った合成怪獣だからな仕方ないと言えばそれまでだけど.....最後まで持つかなぁ...まぁダメになったらそれはそれで良いとするか。」
ウォルスは自分のモンスギアに目を向けた。
画面にはウォルスが召喚したレッドキングのステータスが表示されている。
NAME (パワードレッドキング"エボリュウ")
(POWER)S(STAMINA)E
(DEFENSE)A(ABILITY)B+
【能力】エボリュウ細胞
「さぁ物間、お遊びの時間だよ。
君は僕の用意した敵キャラに勝てるかな?
負けたら終わりだけど勝ったらクリアボーナスがあるから頑張ってね。」
ウォルスはそう言うと懐に入れていたインジェクターを手に取った。
中に入っているのはエネルギーでありそれは黒く淀んだ煙の様にインジェクター内を蠢いている。
常人がこのインジェクターを見続けたら精神に異常をきたしそうだがウォルスは平気な顔でインジェクターを転がしながらそのエネルギーを見つめる。
これはウォルスが手に入れたかった"本命の力"だ。
その過程で偶然手に入れたのが今、レッドキングに使っているエボリュウ細胞なのだ。
「勝つのはどっちかなぁ?
僕のレッドキングか物間のコッヴか。
あぁ、ワクワクしてきたぞ!
どうせなら建物も人もいっぱい壊してやろう。
寧ろ、それぐらいしないと失礼だろ?
この地球や宇宙を守る
一瞬、ウォルスの顔が憎しみで歪むが直ぐに笑顔に戻るとウォルスはレットギングに指示を与える。
(その命が尽きるまで暴れて壊し続けろ。)
命令が終わるとウォルスは笑顔で戦いの観戦に勤しむのだった。