怪獣の育成をヤプール人に頼まれたけどその目的がウルトラマンゼロを倒すとか無理ゲー過ぎる   作:多趣味の男

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お久し振りです。
仮面ライダーの作品も一息ついて書きたい欲が復活したので投稿再開します。


第十四話 遂にモテ期到来か!?

グランデから話を聞き終えた物間の元にリベルジュが現れた。

「無事でなりよりだ。

今回は災難だったな。」

「そうですね。

想定外や聞いてないこと(主にリベルジュのせい)のオンパレードで正直かなり疲れました。」

 

「うっ!.....そう言えば面白い物を手に入れたとグランデから聞いているが」

 

(露骨に話を逸らしたな。)

「....これの事ですよね?」

物間はそう言うとウォルスから渡されたインジェクターを見せる。

 

「.....見たところ闇の力だな。」

「はい、グランデさんからの話を聞く限りウルトラマンティガで登場した闇の力だと思います。」

 

「その様だな。

これをどうするのか決めているのか?」

「正直悩んでます。

思い切ってRコッヴに合成しようかと思ってたんですが...」

 

そう告げた物間をリベルジュが止める。

「それは止めた方がいいな。

合成したとしてもゴルバやメルバの様なタイプの怪獣が産まれるだけだ。」

「どういう意味ですか?」

 

「もう少し先に説明しようと思ったが良いだろう。

このモンスギアが合成できるのは怪獣以外にもウイルスやエネルギーとの合成も出来る。

 

ここで重要なのは合成するエネルギーの"特徴"だ。」

「特徴?」

 

そう言うとリベルジュが空中に映像を投影する。

「先ずは怪獣に共生し特性を付与する個体。

カオスヘッダーやエボリュウ細胞が良い例だな。

本体の特徴を残しながら能力を手に入れている。

 

もう一つが怪獣を支配し姿、形を完全に変異させる個体だ。

この場合は例えどんな怪獣でも合成して変化するのは同じ個体となる。

その闇の力はこのタイプだ。」

「じゃあ、Rコッヴと合成しても変化する怪獣は一定なんですか?」

 

「そうなるな。

だから合成させるならコッヴを薦めるな。

因みに闇の力を持った怪獣と別の怪獣の合成ならばこの問題は無い。」

そう説明を受けた物間は考える。

 

(なら、闇の力を使うのはコッヴが良いな。

予めチャンドラーやRコッヴは一体しかいないし....)

 

「分かりました。

なら、コッヴと合成してみます。」

物間はモンスギアを操作し"闇の力"と"コッヴ"のインジェクターを装填した。

 

「装填された怪獣との合成を開始します。

合成終了は地球時間換算で6時間です。」

 

「今回の合成時間は短いんだな。」

「合成するエネルギーや怪獣の質が近い程、合成時間も短くなる。

まぁ、今回の場合は合成する闇のエネルギーが強いのが理由だがな。」

 

リベルジュの説明を受けてある程度、納得すると物間は話し始めた。

「あっ、俺これからバイト行かないといけないんですけど....まだ話忘れている事って無いですよね?」

「きゅ!?..急にどうしたのだ物間よ」

 

「いやぁ、今回の事もそうですけどグランデさんが話してくれなかったら僕は何も分からなかったんですよ?

それにロボブースカの事もです。

兎に角、リベルジュさんは説明が足りない。」

「うっ!.....でも私も色々と忙し」

 

「もし、こう言うことが続くのならグランデさんを通してベリアル陛下に進言します。

リベルジュさんが話忘れたせいで危険な目に遭いすぎてるって....」

「そそそ...それだけ勘弁してくれ!

只でさえその件でケイから叱られているのにベリアル陛下に伝わったら私は殺されてしまう!?」

 

必死な形相で告げたリベルジュを見て物間は言った。

「なら、今度から俺に伝える情報が出てきたら忘れる前にメモするかメールしてください。

このモンスギアなら出来るんでしょう?」

「わ.....分かった。

今後そうしよう。」

 

「なら良かったです。

そう言えばロボブースカはどうなったんですか?」

「あれは今、グランデの元でアップグレード中だ。

調整が終わったら君の元に送る。

グランデから日常生活でも問題なくロボブースカを動かせる様なシステムを搭載すると言われたよ。」

 

「やっぱりグランデさんって相当優秀ですよね?

言い方悪いですけどリベルジュさんよりも....」

「うっ!.....」

 

「"圧倒的"に」

「そっ....そこまで言うか?

まっ...まぁアイツは優秀だが私の様に次元移動を行える力はない。」

 

「つまり、リベルジュさんはそれだけしか取り柄がないと?」

「.....イジメはカッコ悪いぞ?」

 

「なら、今度から言われない様に気を付けてくださいね。

お願いしますよリベルジュさん。」

 

そう言うと物間は荷物を持ってバイトに向かうのだった。

 

 

 

 

バイト先であるコンビニに到着すると先輩とアルバイトの千鳥が働いていた。

「いやぁ...君は本っ当に働き者だねぇ。」

「........」

 

「君みたいな優秀な子が来てくれて僕は嬉しいよぉ。

それよりどう?今日暇ならこの後一緒にお茶でも...」

その続きを話そうとする先輩の前に大量の品物を入れた客が買い物かごを置いた。

 

「ごめんねこれ頼める?」

ホストの様な格好をし髪に"赤と青"のメッシュが入った青年が笑いながら先輩に言った。

チッ!.....少々お待ち下さい。」

 

分かりやすく不機嫌な顔をした先輩は俺を見つけると客を指差した。

(あぁ....俺がやれって事ね。)

俺は先輩に従い客の前に行くと接客を始めた。

そのまま裏へと帰って行った先輩を見て客のホストが俺に話しかける。

 

「感じ悪ぅ~....あの男、絶対モテないじゃん。

災難だったねお兄さん。」

「まぁ、馴れてるんで大丈夫です。

お客様こそ不機嫌にさせてすいません。」

 

「ん?...あぁ、俺なら大丈夫。

あんな"下等な人類"に何思われても毛ほども痛くないからさ。」

そう言った兄さんは俺のネームプレートを見て言った。

「物間....かぁ。

珍しい名前だね。」

「まぁ、あんまりいないですね。」

 

「だよねぇ....あぁ、次いでにタバコも良いかな?

65番のやつね。

それとレジ袋もよろしくね。」

「....これですね。

合計で9825円になります。」

 

物間にそう言われると青年は笑顔でお金を差し出した。

「ほい、これで丁度だよね?」

「はい、ありがとうございます。」

 

「こちらこそ....それじゃあね。」

そう言って客が帰っていくと千鳥が物間に話し掛けてきた。

 

「お疲れ様です物間さん。」

「え?.....あぁ、お疲れ様です千鳥さん。」

 

あっちから話し掛けられると思っても見なかったからか物間は驚いてしまう。

 

「あの....来る時にバックについてたアクセサリーって...」

それを言われて物間は自分の失策に気付く。

(ヤバっ!?持ってくるバック間違えた。)

 

物間は特撮に理解の無い人から弄られたりバカにされたりするのを防ぐためバイト先では偽装用の"真面目バック"(無地のバック)を携帯していたのだが、リベルジュとの会話に気を取られて何時も使っているバックを持ってきてしまったのだ。

 

「あの...えっと....これはね...」

物間が困った様に言い淀んでいると千鳥から予想外の言葉が帰って来た。

「それって、ウルトラセブンの隊員バッチですよね?

しかも、限定品の」

「え?何で知ってるの?

.....もしかして千鳥さんって!?」

 

「.....はい。

所謂、特撮オタク....です。」

「...えぇぇぇ嘘ぉ!?本当に?」

 

驚くべき事実に物間はバイト先でありながら絶叫してしまう。

その声に千鳥は驚きびくつく。

 

「!?.....大きい声出さないで下さい。」

「あっ、ごっごめん。」

 

少しだけ冷静になった物間は千鳥に尋ねる。

「その....千鳥さんはどのシリーズのウルトラマンを推してるんだ?」

「....余り、ウルトラマンを見てないので分からないですが強いて言えばウルトラマンセブンだと思います。」

 

「その口ぶりだとウルトラマン以外の推しか。

どんな怪獣?.....それとも宇宙人?」

「それは.....」

 

そんな話をしていると店に客が入ってきて二人は真面目にバイトに勤しむ。

バイトの終わりの時間が別々のためそのまま続きを話す事が出来ずに物間は残念に思っていると千鳥からダイレクトメールが来た。

 

 

【今日はお疲れさまでした。

明日、もし空いていたら渋谷でやっている"怪獣博覧会"を見に行きませんか? 千鳥】

 

 

「くぁwせdrftgyふじこlp.....」

 

帰宅中の道で発狂する物間を道行く人は奇妙な目で見つめているが本人はそれを気にする余裕はない。

(どどどどうしよう。

これってあれだよね?

デートって奴だよね?

それとも共通の趣味を持ったオタ活か?

てか、それ抜きにしても女の人と出掛けたことなんて無いしどうすれば良いんだぁぁぁぁ!!)

 

何とか心を落ち着かせるとメールの返信を行った。

 

【勿論良いよ。

楽しみにしてる。

物間】

 

メールの返信が終わる頃には自宅に戻っていた物間は即効で部屋のクローゼットを開けると中から服を全て引っ張り出した。

 

「ででデートってどんな格好したら良いんだ!?

怪獣博覧会だからやっぱり怪獣のロゴ入りTシャツか?

いや、それで千鳥さんが変な目で見られたら申し訳ないし....そうだ!

こういう時こそネットの力だ!

えっと....デート、男、服......!?

 

こんな明らかにモテを狙ってる服みたいなの着れるかぁ!!

お.....落ち着けこういう時こそ冷静になるんだ。

すぅーはぁーすぅーはぁー....良し少し気分転換をしよう。

 

そろそろモンスギアでの合成も終わっているだろうしね。」

 

そう言って物間はモンスギアを取り出すと液晶を確認した。

そこにはコッヴと闇の因子が掛け合わされた事で産まれた新たな怪獣がいた。

 

NAME (ガルラ)

(POWER)B(STAMINA)C

(DEFENSE)S(ABILITY)A+

【能力】 闇の因子(ガタノゾーア)

火炎攻撃

 

「へぇ、意外だなてっきりゴルザやメルバになると思っていたのに.....」

"超古代怪獣 ガルラ"はウルトラマンティガに登場した怪獣だ。

本編でもそこまで印象が無かったからか気付かれないがガルラはゴルザやメルバと同じく超古代の闇の怪獣であった。

 

「能力にある闇の因子にガタノゾーアって書いてあるからもしかしたら闇の因子も持っている怪獣によって能力が違うのかも知れないなぁ。」

 

物間はモンスギアを操作し能力欄にある闇の因子をタップした。

すると、画面に説明が表示される。

 

 

【闇の因子(ガタノゾーア)】

邪神ガタノゾーアの持つ闇のエネルギー。

合成された怪獣の身体を強固な生体装甲で覆われる。

因子の力が巨大な為、本体が現れた場合、怪獣の所有権を奪われる危険性がある。

 

「へぇ、つまりは邪神ガタノゾーアが現れたらこの怪獣を操られてしまう可能性があるのか。

でも、そのデメリットを無視してでも強力なステータスだな。

ディフェンスがSなら大抵の攻撃になら耐えられそうだし火炎攻撃も持ってるって凄いな。」

 

「うーん、でも何かまだ出来そうだなぁ。

.....あっ!?そうだ!

あの怪獣と合成してみよう!」

 

物間はインジェクターを操作し自分の思い描いた考えを実現させる為、合成を始める。

 

「合成を開始します。

合成完了まで残り一週間です。」

 

「これで良しと!後は完成を待つだけだな.....!?

デートの服....どうしよう?」

こうして物間の地獄のような服選びが徹夜で行われるのだった。

 

 

 

 

物間へメールを送った千鳥はスマホを閉じる。

何時もよりも機嫌の良さそうな顔を見た赤と青のメッシュが入ったホスト風の男性が尋ねる。

 

「あれ?千鳥ちゃん機嫌良さそうじゃん。

何かあった?」

「今日、バイト先にいた人覚えてる?

あの人がね....ウルトラマン関係のアイテム持ってたんだ。」

 

「へぇ、てことは千鳥ちゃんにも遂に春が来るって感じ?

良いね良いねぇ!

こういう人間の可愛らしいところも大好きだよ。」

「からかわないでよ"パラート"。

別にそんなつもりじゃないし相手にも迷惑だよ。

私はただ共通の趣味を持つ友達が欲しいだけ.....」

 

「またまたぁ.....人間嫌いな千鳥ちゃんがそんな笑顔になってるなんて相当、楽しみな癖してさ。」

パラートはそう言って千鳥をからかう。

 

「そう言えば、千鳥ちゃん。

"新しく手に入れた怪獣"の調子はどう?」

「うーん、まだ分からない。

でも、原作でも結構強かったから"キングジョー"と合成してみようと思う。」

 

「あー、そう言えば千鳥ちゃんペダン星人の奴と仲良くなってたけどまさか、キングジョー貰えたのか?」

「うん....何かキングジョーの話で盛り上がってたら"二体貰"えた。」

 

「二体も!?相変わらず天然たらしだね千鳥ちゃんは.....

異星人からプレゼント貰えるって相当じゃん。」

(そう言えば最近、千鳥ちゃんのファンが増えてるってグランデが教えてくれてたな。

千鳥ちゃんが貰ったキングジョーもその関連だな。)

 

パラートはそう分析すると千鳥に言った。

「それにしてもこの前の次元移動は大変だったよね。

いきなり別怪獣が現れちゃった訳だし....迷惑かけちゃってごめんね千鳥ちゃん。」

「それは良いんだけど...本当に大丈夫なの?」

 

「こっちは問題ないよ。

問題の対処は終わったし...ただ暫くは次元移動による怪獣の捕獲は難しいかもね。

でも、陛下も何もしない訳が無いしきっと何か考えてるさ。

と言う訳で暫くは此方からも指示無いし物間くんとのデートを楽しみなよ千鳥ちゃん。」

 

「だから別にそんなんじゃ!」

 

千鳥は弁解しようとするがその頃にはパラートは姿を消していた。

 

千鳥の前から消えたパラートはスマホを操作して隠してあるゲートを開くと中に入った。

ヤプール人の空間移動を参考にして作られたパラートのセーフハウスであり中心には畳とちゃぶ台が置かれている。

 

パラートは擬態装置を解除してメトロン星人の姿に戻ると上司である伏井出 ケイに連絡を取る。

 

「パラートか....報告を」

「うぃっす!

千鳥ちゃんの周りに怪しい存在は確認出来ませんでした。

次元移動で俺達を襲ってきた"軍服姿の異星人"についても同様です。」

 

「そうか、やはり一筋縄では行かないか。

リベルジュの力を使わず次元移動を行いモンスギアを複製できる敵だ。

引き続き警戒するのが良いだろう。」

「そうっすね。

次元湾曲のトラブルは解決できたんですか?」

 

「あぁ、ベリアル様の手を煩わせてしまったが何とかなった。

だが、次元湾曲の影響で歪んだ次元が脆くなっている今度、同じ様な事態が起きたら終息させるのは難しいだろう。

その前にベリアル様に楯突いた敵を見つけなければ.....」

「宛はあるんですか?」

 

「先ず、ウルトラマンはあり得ない。

敵対している異星人の組織の線も捨てきれないが自分の世界すら破壊しかねない暴挙に出るとは考えづらい。」

「"宇宙規模の心中"になるってグランデも言ってましたしね。」

 

「そうだ。

故に今後、奴等と接触した場合、身柄を手に入れて貰いたい。

目的や正体を知りたい。」

「了解っすケイ様!

リベルジュとグランデの二人と協力してやってみますよ。」

 

「頼むぞ....それにしてもその言葉づかいは何とかならないのかパラート?

私は気にしないが仮にもベリアル様の下に就くものとして最低限の礼節は備えておくべきだろう。」

「えー....一応、公の場ではちゃんとするんですから許してくださいよ。

グランデみたい無愛想でも無いしリベルジュみたいなうっかりミスしないから許してくださいよケイ様。」

 

「.....まぁ良い。

では引き続き頼むぞ。」

ケイがそう言って連絡を切るとパラートは後ろにある冷蔵庫からメトロン茶を取り出すと口をつけた。

 

「ふぅ!...それにしても物間君だっけ?

彼、リベルジュの担当になったって聞いてたからどんな不幸に会ってるかと思ったけど案外なんとかなってるんだねぇ。

人間って俺が思ってるより頑丈なのかも.....」

 

そんな事を考えながらパラートはメトロン茶を飲み続けるのだった。

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