怪獣の育成をヤプール人に頼まれたけどその目的がウルトラマンゼロを倒すとか無理ゲー過ぎる 作:多趣味の男
この顔も身体も....皆、嫌い。
私の事を変な目で見る男もそれで虐めてくる女も皆嫌い。
私は誰にも色目なんか使ってない...そう言っても親友だと思ってた女の子は信じてくれなかった。
「私の彼氏が変になったのは千鳥のせい!」
そう言われて....私は人間が化け物にしか見えなくなっていた。
何時しか、人との付き合いそのものも避けるようになって....暇になった時間を潰そうと見つけたのがウルトラマンと言う作品だった。
そこで私は運命的な出会いをした。
自分の意思や感情を持たないロボット怪獣....特に昭和頃のロボット怪獣はその考えが如実に出ていた。
その作品を見ている時だけは....私は安心できた。
だから、パラートと会った時.....
ロボット怪獣を操れると言われて...私は彼の話に乗った。
ロボット怪獣だけが存在する星を作って移住する。
そうすればもうあんな
同じバイト先の人である怪辻 物間さん。
彼の顔だけは怪物に見えなかった。
ベロクロンとキングジョーの戦いは優勢に進むかと思われたが時間が経過すればする程、キングジョーの動きはみるみる遅くなっていった。
(やっぱり....モンスギアで出すと消耗が激しい。)
怪獣と言う括りには色々とあるがその中でもロボット怪獣はかなり特殊なパラメーターとなっている。
NAME (キングジョー)
(POWER)S(STAMINA)D
(DEFENSE)S(ABILITY)C
【能力】分離、合体
この様に一見、強力な戦闘能力を持っている様に見えるが重要なのはスタミナである。
普通の怪獣ならスタミナは"体力"を表すがロボット怪獣の場合は"エネルギー残量"を表すのだ。
つまり、キングジョーはパワーとディフェンスは強いが
ベロクロンから放たれる数々の火器攻撃は全くダメージにはならないが動くにはそれだけエネルギーを使う。
もう、キングジョーには殆んどエネルギーが残っていなかった。
(このままじゃ、キングジョーが負けちゃう。
そうなったら、ベロクロンは物間さんの怪獣に向かう....それだけは絶対にダメ。)
私の事を始めて肯定してくれて人を傷つけさせるのだけは許せない。
千鳥は合成の終わった怪獣の入ったインジェクターを取り出すとモンスギアに装填する。
そして、キングジョーを元に戻すと言った。
「お願い"キングナース"。
私達を守って....」
その言葉を受けて放たれた新たな怪獣が地上へと顕現するのだった。
千鳥がキングジョーで戦っている頃、物間はバキシム相手に苦戦を強いられていた。
Rコッヴの放つ容赦ない攻撃がバキシムを襲うがバキシムはダメージを受けながらも全く怯むこと無く反撃を加えてくる。
「やっぱり、超獣って厄介だな。
ウルトラマンAがあんな容赦ない戦い方をするのも頷けるよ。」
異次元人ヤプールの生み出した超獣には痛みも恐怖も無い。
故にいくら攻撃を受けても怯まず恐怖を感じないのだ。
その狂気的な迄のウルトラマンAも苦戦を強いられていた。
だからこそ、一瞬で命を絶つ切断技を多用したのだろう。
それを知るからこそ打開策を物間は打てる。
「Rコッヴ!光斬だ!」
物間の声を聞いたRコッヴは右手の鎌にエネルギーを蓄積させるとそれをバキシムに向かって振り下ろした。
光の斬撃はバキシムの右手を捕らえると切断音と共に片腕を切り落とした。
「良し効いてる!
Rコッヴもう一発だ!」
命令を受けたRコッヴは光斬を発動しようと再度エネルギーをチャージするがそれをバキシムが見逃す筈はない。
残った左手から火炎放射を放ちRコッヴに攻撃したのだ。
チャージ中と言う事もあり動けなかったRコッヴは火炎攻撃をまともに受けてしまう。
ダメージで身体から火花を上げると地面に倒れるRコッヴ。
「あっ!?....不味い!
起きるんだRコッヴ!」
Rコッヴは痛みから復帰に時間がかかるが超獣であるバキシムには痛みなど無い。
残った左手と口を開けてRコッヴに向けて総攻撃を行おうとする。
間に合わない!.....そう思った瞬間、突如吹き飛んできたベロクロンがバキシムと激突しRコッヴは救われた。
「助かったぁ....でも一体何が?」
物間が吹き飛んできたベロクロンの方へ目を向けるとそこには見たことの無いロボット怪獣が立っていた。
キングジョーの肉体を持ちながら頭は金属で出来た龍の形をしており金色の長い尻尾を持っていた。
「あんな怪獣....見たこと無い。」
そう言っていると千鳥が説明してくれた。
「あれは"キングナース"
私が作った合成怪獣です。」
「ナース...ってことはあれって"宇宙竜ナース"とキングジョーが合成されてるのか?」
「はい、強い怪獣なんですがあんまり長くは活動できないので早く決着をつけます。
キングナース、モードチェンジ!」
「モードチェンジ?」
物間の疑問を他所にキングナースは変形を始めていく。
身体が分離すると両手足が変化し地面を掴む爪が増えると四本足の形態となる。
頭を繋ぐ首は伸びキングジョーの腰についていた特徴的な円柱のパーツが伸びると背中に乗り砲頭へと形を変えた。
「あええ!?変わったぁ!!」
「キングナース!二体の怪獣にトドメを!」
命令を受けたキングナースの口と背中の砲にエネルギーがチャージされるとベロクロン達に向かって3つの砲が一斉に放たれた。
金色の3つのエネルギーは敵に向かいながら螺旋を描き一つの巨大なビームに変わると二体の怪獣を飲み込む。
そのビームは周りの地面を抉り溶かし赤熱させる。
ビームが晴れる頃にはベロクロンとバキシムは放たれたビームにより跡形もなく消滅してしまった。
攻撃を終えたキングナースは千鳥のモンスギアへと戻っていく。
「ありがとう...キングナース。」
戦いの終わりを感じた物間もRコッヴをモンスギアに戻した。
一瞬で決着がついた店長は事態を理解できない顔で見つめている。
「そんな....俺の...怪獣が.....この...クソガァァァ!」
千鳥に向かって拳を振るおうとする店長だったがその攻撃は空間を越えてやってきたリベルジュとパラートによって阻止される。
「よっと!.....これ以上ダサイ事しないでくれるかな?」
「パラート!」
「二人とも無事で良かった。」
「リベルジュ...一体どうやって?」
物間の問いにパラートが答える。
「二人のモンスギアのエネルギーが途絶えて追ってきたんだよ。
まぁ、リベルジュもいたしこの空間を見つけるのも難しくなかったから良かったよ。
あっ!
俺の名前はパラート。
千鳥ちゃんのサポーターだよ。
これから宜しくねっと!」
パラートはそう言いながら店長に赤いガスを嗅がせると一瞬の内に店長は意識を失った。
「いやぁ、ごめんね。
今回の件は完全に俺達の責任だわ。
....まさか、この世界の人間にインジェクターを渡して二人を襲わせるなんて...時空湾曲が恐ろしくないのかな?」
「もしくはそれが狙いなのかもな。」
「時空湾曲がかい?
まぁ、詳しいことはコイツから聞いてみるとして先ずは二人の安全を確保しないとね。」
「そうだな。
物間と千鳥....これから君達を陛下がおられる城へと案内する。」
「陛下の....ってことはまさか会えるってことですか?」
「まぁね。
特例中の特例だよ。
それだけ、陛下も今回の件には気を揉んでるって事.....と言うことでこれから君達を陛下のいる城に転移させるね!
あっ、でも誰かに連絡とかしときたいならして良いし予定があるならこっちで誤魔化しておくから教えてね。」
「えっと...僕は大丈夫です。」
「私も....」
「だよねぇ!知ってたw
それじゃあ、2名様を陛下の城へとご案ー内!」
パラートは陽気に指示すると物間達の身体は転移された。
それを見終わるとパラートの雰囲気が変わる。
「さて.....おい起きろ"下等生物"。」
パラートが乱雑に店長の目を覚まさせる。
「あ...ここ..は?..へぎょ!?」
パラートは目を覚ました店長の首を締め上げながら持ち上げる。
「俺ってさこれでも母国じゃ潜入工作員としてエリートだったんだよ。
だからさ....分かっちゃうんだよねぇ今回の一件が俺達を"挑発してる"ってのはさ。」
二人の消息が消えてからリベルジュとパラートが二人の居所を探していると二人のモンスギアの反応が急に復活したのだ。
「あのタイミングはさ....敵が"わざと妨害電波を止めないとおかしい状態"だった。
つまりは舐められたんだよ。
"こんな事も出来ないのか?"...ってな。
勿論、お前が利用されただけのゴミなのは重々理解はしている....だが俺達を侮ったツケは払って貰う。
幸いなことにお前はこの世界に生きてても害しか及ぼさない犯罪者なのは分かってるしな。
知ってるぞ?
お前、バイト先の女子更衣室に隠しカメラ仕掛けてるだろ?
俺が全部無効化したから何も映ってないけど流石にキモすぎるわ。
と言うことでお前には存分に味わって貰うぞ?
"メトロン星人流の尋問術"をさ。」
そう言って笑うパラートの顔を見た店長は恐怖で気絶しその光景をリベルジュは呆れた目で見つめるのだった。
目映い光から目を開けた物間達が最初に目にしたのは豪華な彩飾が施された廊下だった。
それも、サイズが人間用ではなく巨大な....それこそウルトラマンのサイズが通る様な廊下だった。
二人の姿もいつの間にか起動したヨラクのスーツに覆われていた。
「これは....凄いな。」
その光景に素直に驚いていると廊下から声が聞こえてくる。
『お前達がモンスギアの被験者だな?』
その声に物間は聞き覚えがあった。
「その声は....えっ、伏井出 ケイ!?」
『ほぉ....その名を知っているとはやはり我々の事を理解しているのは本当らしいな。
ベリアル様は玉座におられる。
連れていってやるからその台座に乗れ。』
そうして、物間達は指示された台座に乗ると宙に浮くと廊下の奥にある部屋へと連れていくのだった。
扉の前に来ると台座は停止する。
『さぁ、二人とも平伏しろ。
ベリアル様の御前だ。』
物間達は言われた通り平伏すると扉が開け放たれ二人は奥へと進んでいった。
中央の玉座に座る黒に赤のライン、そして鉤爪の付いた手を持つ。
ウルトラマンの中でも最強格と呼ばれるヴィラン。
"ウルトラマンベリアル"が玉座に雄々しく座っていた。
玉座の前で台座が停止するとケイが話す。
『ベリアル様、実験体が全員揃いました。』
「そうか....お前ら顔を上げろ。」
ベリアルの言葉を聞いて物間は顔を上げると周りには二人と同じ様にスーツを着た存在がいた。
「ここにいるお前達は...わ..んんっ!俺様が計画した計画の被験者達だ。
本来ならば顔を合わせることをするつもりはなかったが思わぬ邪魔者が現れたからなぁ。
余計なことをされる前に集まって貰った...と言う訳だ。」
ベリアルはそう言うと空中に画面を出現させる。
そこには怪獣と戦うウルトラマンゼロの映像が映っていた。
「知ってるとは思うが俺の狙いはウルトラマンゼロを倒す事だ。
その為にお前達には俺らじゃ想像もつかない新たな怪獣を産み出して欲しい。
その為にお前達をリベルジュの力で過去に飛ばした訳だが....事情が変わってきた。
お前達以外にも歴史に介入する輩が現れた。
コイツらの名前は正体はまだ解らねぇが厄介なことには変わりねぇ。
今後、何かトラブルが起こらねぇとも限らねぇ十分に注意してくれ。」
そこまでベリアルが話すと台座にいた一人の人物が手を上げてきた。
「一つ質問があるのですがよろしいですか陛下?」
「何だ?言ってみろ。」
「何故、ここに人間が紛れ込んでいるのですか?」
そう言ってその人物はヨラクのヘルメットを外す。
そこにあったの人間ではない異星人の顔だった。
「陛下、肝いりの実験に非力で下等な人間を使うなどそれこそ陛下の邪魔をしてしまうのではありませんか?」
『貴様....ベリアル様に意見するつもりか?』
「とんでもない!
私は事実も述べているのです。
人間は弱く愚かだ。
故に何度も異星人からの侵略を受けてきた。
ウルトラマンの庇護が無ければとっくに滅んでいる弱小種族ではありませんか?
それに奴等が我々を裏切っている可能性もある。
何たって愚かなのですから」
その言葉を聞き物間はその異星人に話し掛ける。
「僕達が陛下を裏切るって?
何を根拠に?」
「はっ!根拠など必要あるか?
お前らの様な下等な....」
「さっきから下等やら弱小やら他に貶す言葉は無いんですか?
ボキャ貧かましてる貴方に愚か等と言われたくないですね。」
「.....何だと?」
「そもそも、それだけ僕達を疑うのなら当然あるんでしょう?
僕達が裏切り者だと示す証拠が?
それを出してください。
まさか、それすらなく僕達を下等と蔑んでいたとは言いませんよね?」
「.......」
黙ってしまう異星人を見てケイが続けていった。
『そこの地球人の言う通りだ。
疑うのならそれに見合う証拠を出せ。
.....それと地球人を被験者に選ばれたのは陛下の意思だ。
次、その口で下らない言葉を吐いてみろ。
貴様の命は無い....下等生物で無いのなら一度で覚えたな?』
「.....承知致しました。」
争いが収まったのを確認するとベリアルが話し始める。
「では、今後の方針について話す。
と言ってもお前達はこれまでと同じ様に怪獣を捕獲し新たな怪獣を産み出せ。
そこにトラブルが起きたらその都度、サポーターに報告し協力しろ。
以上だ。」
そう言うとベリアルは玉座から立ち上がり部屋を後にするのだった。
『細やかだがお前達の歓迎をかねたパーティを用意した。
そこで互いについて理解を深めると良い。』
ケイはそう伝えるとベリアルについていった。
「ちっ!」
分かりやすく舌打ちした異星人はヘルメットをつけるとその場を後にする。
すると、千鳥が後ろから話し掛けてきた。
「行っちゃいましたね。
すいません....本当なら私も助けなきゃいけないのに」
「あぁ、大丈夫。
ああいう輩の相手は
「そうですね。
私もベリアルには始めて会いましたし」
「だよねぇ。
それにしてもどうしよう。
パーティがあるって言われたけど行き方が解らないし.....」
「良ければ私が案内しようか?」
背後から聞こえた声に二人が振り向くとそこには特徴的な銀色の頭部と鱗の様な身体を持った異星人が立っていた。
驚く二人に異星人が話す。
「失礼。
私は"ザラブ星人"の"グレイド"。
君とさっき争っていた異星人のサポーターだよ。」
グレイドはそう言って瞳を怪しく光らせるのだった。
【今回の登場怪獣】
「キングナース」
千鳥が合成したロボット怪獣。
宇宙竜ナースとキングジョーを合成している。
長い首とどっしりとした胴体の為、見た目は一つ首のキン◯ギドラ。
モードチェンジにより四足歩行の状態に変わる。
必殺技は口と背中の砲台から放つ極太ビーム"デストロイカノン"。
能力は強いがその分、エネルギー消費が激しいのが欠点。
余談だがここで合成に使われたキングジョーはペダン星の作ったロボットの中でもハイエンドモデルと呼ばれる高性能機だった。
NAME (キングナース)...キングジョー+ナース
(POWER)A(STAMINA)C
(DEFENSE)SS(ABILITY)B
【能力】モードチェンジ、デストロイカノン