怪獣の育成をヤプール人に頼まれたけどその目的がウルトラマンゼロを倒すとか無理ゲー過ぎる 作:多趣味の男
お久し振りです。
難産でしたがやっと書けました。
ルパーツ星人は地球を狙うキール星人が仕向けた刺客から地球を救う為に尽力した。
その功績から人類はルパーツ星人の地球への移民を認めた。
そうして、人類とルパーツ星人は友好的な関係がずっと続いていくと思っていた。
だが、その願いは簡単に潰えてしまった。
ルパーツ星人の母星がキール星人により壊滅させられ生き残りを乗せた宇宙船が地球を目指していた。
その連絡を受けた人類の代表達は悩んだ。
何故ならその宇宙船には地球に関する座標や重要都市のデータが残っていたからだ。
この世界にウルトラマンがいなかったこともあり人類のみでキール星人と戦わざるを得ない事実に尻込みした人類は地球に到達する前にその宇宙船をミサイルで破壊した。
地球にいたルパーツ星人にはキール星人からの攻撃で撃墜されたと嘘をついて.....そうして人類は束の間の平和を手に入れる筈だったが突如、地球に怪獣が出現し全てを破壊していった。
そこで現れたのがグレイドだった。
彼はルパーツ星人に人類が犯した真実を伝えると尋ねてきた。
「私と共に来ないか?
他人の星を慈しめる君達の様な誇り高い種族には愚かな人類との共存等もったいない。」
その言葉を聞いたルパーツ星人は人類を見捨てると決めた。
それからその地球がどうなったかは知らない。
だが、ルパーツ星人はそれ以降、人類を憎みグレイドの配下となってのだった。
「そんな事が.....」
「俺にとって人類は俺の母星を見捨てた裏切り者だ。」
「でもそれは君のいた地球での話だろう?」
「何も変わらないさ。
どんな場所でも人間はいつも醜く愚かだ。」
ジェンのその言葉を物間は否定できなかった。
それは物間の人生その物が醜い人間の本性に晒されてきたからだった。
故にジェンの言葉を否定出来なかった。
そんな物間を見たジェンは立ち上がるとその場を後にしようとする。
「まだ動いたら危険だ!」
「お前達に見守られる位なら死を選ぶ!
俺は俺のやり方でここから抜け出してやる。」
そう言ったジェンは一本のインジェクターを物間に投げ渡した。
「これは?」
「俺の捕獲した怪獣である"デマーガ"が入っている。
これで助けられた借りはチャラだ。」
そう言うとジェンはその場を後にするのだった。
それを見ている物間にリベルジュは尋ねる。
「追わなくて良かったのか?」
「きっと、今の彼には僕の言葉は届かないですよ。
醜い裏切り者である人間の言葉は......」
「物間.....」
「でもチャンスはあります。
嫌われててもずっとじゃない。
だから今はこの世界から無事に脱出する手段を考えましょう。」
「.....そうだな。」
「そう言えばリベルジュさん。
このデッカーの世界に来たのも貴方の力なのならもう一度力を使えば戻れるんじゃないですか?」
「そう上手くはいかん。
さっきも言ったがこの世界は物間のいる世界と同じ時間が流れている。
だからこそ、この世界で行動を起こせば物間のいる世界にも当然弊害が出てくる。」
「弊害?」
「例えば...."世界の常識の統合"。
怪獣の存在しない筈の君の世界に怪獣やウルトラマンが現れるかもしれない。」
「!?」
「同一時間軸の移動はそれだけのリスクを伴うのだ。
だが、この一件は陛下も分かっておられる。
きっと対策を講じてくれる筈だ。」
「つまりそれまでの間、僕達はなるべくこの世界の歴史を壊さない様にしないと行けない訳ですね。」
「そうだ。」
リベルジュの言葉を聞くと物間は先ず何をするべきか考える。
(暫くこのデッカーの世界にいるのなら色々と準備が必要だ。
隠れられる拠点や食糧も....)
「じゃあ、当面の目標はアジトと食糧の調達ですね。
でもどうすれば.....」
そう言って悩んでいるとリベルジュが呆けた声で言ってきた。
「食糧もアジトも問題ないぞ?」
「は?」
そう言うとリベルジュは壁に亀裂を入れてそこに手を突っ込んだ。
「我々ヤプール人は開く異次元の波長を調整することで独自の空間を生成出来る。
そしてその空間をある程度、"記憶"させられるのだ。」
「記憶ってどう言うことですか?」
「物間にも分かる様に言うならばセーブしたゲームデータをロードする感じだ。
物間が私の部屋で
そう言うとリベルジュは亀裂から1つの古びた鍵を取り出し物間へ渡す。
「この鍵を壁に刺せば私の作り出した空間へ繋がる。」
そう言われた物間は早速、壁に鍵を差し込んだ。
すると、鍵の刺さった壁が変化し木目調の扉に変わった。
開けて中を開くとそこには物間の住んでいる部屋と全く変わらない空間が出来ていた。
「.....凄っ。」
「作った部屋のサイズも小さいから私の負担も微々たるものだ。
....あぁ、それとここに"コイツ"も用意しておいた。
これで食糧も問題ないだろう?」
リベルジュがそう言って指を指した方向を見るとそこにはお茶の準備をしているエプロン姿のロボブースカが現れた。
ロボブースカは二人を見ると笑顔で話しかけてくる。
「あっ!物間君にリベルジュだぁ。
お帰りなさい。
丁度、お茶が出来たから座って座って!」
喜ぶブースカに背中を押された二人は部屋に入っていくのだった。
「ふーん♪ふんふふーん♪ふふふーふーふん♪」
陽気に唄を口ずさみながらウォルスは目の前でパソコンを打つ女性を見つめる。
その女性はウォルスに目を向けると言った。
「さっきからずっとその鼻歌を歌ってるけど何なのかしらそれは?」
「これ?
僕の星で有名な歌だよ。
光の戦士の活躍を讃える歌.....」
「そうなのね....その歌がよっぽど好きなのね?」
女性の問いにウォルスは答える。
「いや、大嫌いだよ。」
「では何で嫌いな歌を口ずさむのかしら?」
「嫌いだからこそこれを歌うと思い出すんだよ。
奴等に与えられた憎しみや痛みをね......
それを忘れないように心に刻み付ける為に歌ってる。
それだけだよ。
.....そんな事よりそっちはどうなの"マキ博士"?」
ウォルスに尋ねられた女性は笑顔で答える。
「貴方から提供して貰った怪獣のサンプルのお陰で私のネオメガスは更に進化できるわ。」
「そりゃ、良かった。
"怪獣の脅威とそれによる恐怖を支配制御する為に怪獣の力を利用し、各国や企業へ対怪獣や侵略者に対する怪獣兵器として利用させる"って言う貴女の要望に答える為にも頑張ったからねぇ.....」
「でも、良かったのかしら?
私の願いは貴方の様な宇宙人を排除する事にある。
その私の手助けをするメリットが分からないわ。」
「メリットねぇ....僕は絶望が見たいんだよ。
......ウルトラマンの」
そう言うウォルスの瞳は酷く歪み濁っていた。
「この宇宙を守る正義の味方面している奴等に思い知らせてやりたいんだ。
お前達は単なる破壊者だってね。
....それにこの世界を守るのはこの世界の人間であるべきだ。
そうだろマキ博士?」
「.....そうね。
怪獣もウルトラマンも我々人類を容易く屠れる力を持つ危険な存在。
だからこそ、完全に制御できる兵器が必要なの。
私達、人類が安心してこの世界を生きていく為に」
「そうそう....あっ!
1つ言い忘れてた。
近々、この世界を危機に陥れた闇がもう一度目を覚ます。
この世界にまた現れた"ウルトラマントリガー"のせいでね。」
「!?」
「"テスト"にもってこいじゃないかな?
丁度、手頃な怪獣もいるしね。」
ウォルスはそう言いマキ博士の背後にいる"怪獣"を指差すのだった。
新生GUTS SLECTにある研究室でデータ入力している"アサカゲ・ユウイチロウ"は固まった身体を伸ばしながら時計を見つめると深夜になっていた。
「....もうこんな時間か。
やれやれ、これじゃあまた徹夜確定だな。」
そう言いながらアサカゲは立ち上がると研究室備え付けの冷蔵庫からドリンクを取り出すと中身を口に流し込んだ。
「....ふぅ。
やはりデータが足りない。
実地試験を行うにしても"ハイパーソーンレーザー"の有用性が分からなければ上層部も首を縦には振らないだろう。」
アサカゲは画面に表示された"DG計画001....テラフェイザー"を見つめる。
スフィアの驚異に対抗すると言う名目で開発が承認された巨大ロボット兵器。
開発は順調に進んでいたが問題となったテラフェイザーの動力源となる"TR粒子"を使った兵器である"TRメガバスター"だった。
「TR粒子は強力な反面、不安定な要素が多い。
それを解消できればテラフェイザーは完璧な魔神となれる。
その前段階がハイパーソーンレーザーの実働だが....ウルトラマンデッカーやはり貴様が邪魔をするか。」
「お困りのようですね?」
「誰だ!」
急に声をかけられたアサカゲはセレクトハイパーガンを構えて声を方向へ向けた。
そこにいたのは軍服に仮面を着けた異様な存在だったかその姿を見たアサカゲは一発でその正体を看破した。
「ヴァイロ星人がここに何の様だ?」
「ふふっ!流石は天下のGUTSSLECT.....いや、"バズド星人"の知識力とでも言いましょうか。」
「!?....貴様。」
自分の正体を見抜かれたアサカゲは目の前のヴァイロ星人を睨み付けるが当の本人は悪戯が成功した様に笑いながら両手をあげた。
「ふっふっふ!ご安心を....私は貴方の味方ですよ?
その証拠にほら?これを付けている。」
ヴァイロ星人が取り出した機械にアサカゲは見覚えがあった。
「予め設定したホログラムを投影し指定した存在を隠す軍事兵器。
今、ここには"貴方が一人で仕事をしている映像"が流れています。
これで貴方の裏切りが外に漏れる心配ありません。」
そう言われたアサカゲは銃を下ろし尋ねる。
「何が望みだ?」
「貴方のお手伝いをしたく伺いました。
聞けばTR粒子の制御に手間取っているご様子で....」
「だが、それはハイパーソーンレーザーの試験を行えば解決する。」
「えぇ、ですが"完璧"ではない違いますか?」
その言葉にアサカゲの顔は曇る。
「確かに貴方のシステムならば普通の怪獣相手ならば十分に戦えるでしょう。
.....だが、ウルトラマンと戦うならば厳しいものになる。」
「貴様....何処まで知っている?」
「さぁ、何処までですかね?
復讐の為に態々過去に飛んだ事ですか?
それとも計画を覆されたデッカーへの恨みですか?
それか愛していた妻の命を奪わ..!?」
ズドン!
そこまで言うとアサカゲは下ろしていた銃を星人に向けて発射した。
放たれた弾丸はヴァイロ星人の頭部をとらえ一撃でその命を奪った。
アサカゲの表情には怒りの形相が浮かんでいる。
「黙れっ!お前に俺の何が分か...」
「眉間に一発とは....流石の腕前ですねぇ。」
「!?」
アサカゲが驚きながら目を向けるとそこには先程、命を奪ったヴァイロ星人が平然と立っていた。
「何故、生きている?
確かに頭に弾丸を撃った筈だ。」
「実は"とあるウルトラマン"のせいで私の体は少々面白い変化を遂げましてね。
今の私は"個"であり"集"であり"全"なのですよ。
さてと、話が脱線してしまいましたね。
私の目的は貴方の望みを手助けし完璧な状態に導くこと....その為の"素材"をお持ちしました。」
そう言ってヴァイロ星人は空中に映像を投影させるそこには"数体のロボット怪獣"が映る。
「これは......」
「貴方の望みに合う様に選んだ素材です。
これを使えば貴方の作りたい兵器の完成度はより高くなる。
それこそ、あのウルトラマンデッカーすら倒せるレベルのね。」
そして、ヴァイロ星人は懐から別の装置を取り出すとアサカゲに渡した。
「この装置に素材となる怪獣が保存されている場所が入っています。
これをどうするかは貴方の自由.....では私はこれで」
そう言って帰ろうとするヴァイロ星人をアサカゲが止める。
「待て....お前の名を聞いてないが」
「これは失礼しました。
名を名乗らないのは礼儀に反しますね。」
そう言うとヴァイロ星人は背を正しアサカゲを見つめ言った。
「私の名は"エセクテス"。
この世界に破滅と破壊を求めるしがない宇宙人です。」
それだけ言うとエクセテスはその場を後にした。
マナカ・ケンゴが新生GUTS SLECTに合流した頃.....
地底の奥底で蠢くエネルギー体が現れた。
その存在は地球に戻ってきた太古の光の巨人、ウルトラマントリガーの気配を感じ意識を取り戻す。
「......この.....気配........やはり............お前か...........マナカ・ケンゴォォォオ!!」
吹き出す感情に呼応し膨れ上がる闇のエネルギーにスフィアが取り付いていく。
「余計なことをするな。」と言うが如くスフィアはその存在に集まっていくと巨大な怪物へと姿を変えていく。
その姿は過去にこの地球を絶望の底に落とし掛けた闇の邪神その者だった。
スフィアが完全に邪神に同化するとその声は聞こえなくなり怪物の鳴き声へと変わる。
「!!!?!?!?!!!」
言葉にならない鳴き声を発する邪神を遠目から"エクセテス"は見つめる。
「素晴らしい....絶望の塊と呼ぶに相応しい最高の素材だ。
ウォルスが目をかけるのも頷ける。」
そう言うとエクセテスは懐から"二本のインジェクター"を取り出すとマスクを外し飲み込んだ。
その瞬間、エクセテスの肉体が痙攣し身体から怪獣の一部であろう突起物が飛び出す。
凄まじい痛みが身体を駆け抜けている筈なのにエクセテスは笑う。
「うぐっ!?.....あっはっは!!
この痛みっ!そうだ!これだよ!
この痛みが私が私だと知覚させてくれる。
ふふっ!ははっ!ひゃっはっはっは!?」
楽しげに笑うエクセテスに向けて邪神は触手を伸ばすと彼の身体を捕まえた。
「ふふっ!私のエネルギーがそんなに欲しいか?
良いだろう!さぁ、喰らえ!
私を喰らい力に変えこの世界に絶望を!苦しみを!
私に見せてくれ....あはは!あひゃひゃ!?」
狂った様に笑うエクセテスが邪神に吸収されると邪神の身体から凄まじいエネルギーが溢れ大量の触手が地底に張り巡らされる。
触手が地底に満ちると地表へと伸び上がりそれが地上へと姿を現した。
地上に姿を現した触手から闇の霧が溢れ出し地上の世界を闇へと塗り替えていくのだった.....
物間は丁度、6話と7話の間くらいのデッカー世界に現れています。
そして、物間やウォルス、エクセテスが介入したことでデッカーの世界にも変化が訪れます。