怪獣の育成をヤプール人に頼まれたけどその目的がウルトラマンゼロを倒すとか無理ゲー過ぎる   作:多趣味の男

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第七話 クソつまらん日常

元の世界へリベルジュに強制的に戻された物間は家へと帰っていった。

家についても誰もいない。

両親は毎日喧嘩が絶えずそんな現実から逃げるように物間はウルトラマンと言う作品を見続けていた。

 

いつか、こんなヒーローが家族を助けてくれることを願って....だが現実はハッピーエンドを僕にはくれなかった。

両親は離婚し母方に引き取られたが僕の顔を見ると父親を思い出すらしく冷たく当たられた。

母さんが再婚すると僕は本当の意味で厄介者として扱われるようになった。

 

高校生になってもウルトラマンに現を抜かす息子が恥ずかしいと言ってはいるが本音は顔が見たくなかったのだろう。

だから、僕は一人暮らしを始めた。

再婚したお義父さんは僕を愛してくれており時折、お金や近況報告をかねた話し合いをするが血の繋がった母親とは家を出て以降、一切顔を会わせてなかった。

 

 

そんな僕を救ってくれたのがウルトラマンの世界だった。

理不尽や敵に打ちのめされながらも地球を守るために命を懸けて戦うウルトラマンに憧れ、何時しか敗れていく怪獣に目が行くようになった。

 

昨今のウルトラマンは特にそうだが怪獣や宇宙人をただの悪として描かずその選択に至った理由やバックボーンを解説してくれるから尚更、只の敵として見ることが出来なかった。

 

まぁ、昭和のウルトラマンにもそう言うエピソード....所謂、胸糞回があったりするのだが(帰りマンのムルチのエピソードとか特にそう。)

 

そうして僕はウルトラマンから怪獣へと推しを変更した。

そして、大怪獣バトルや外伝作品を貪るように見た結果、今の物間が出来上がったのだ。

 

物真はリベルジュから渡されたスーツの入ったネックレスとモンスギアを眺める。

(普通の人だったらどうするんだろう?

このモンスギアを渡されて怪獣を支配できるって言われたら.....)

 

きっと、今まで気に食わなかった者を殺そうとするのか?

それとも怪獣を利用して金儲けを企むのか?

 

 

僕はそのどちらの道も行かない。

楽しく自由に怪獣を作り愛でる...それが僕の目標だ。

 

物間はモンスギアを取り出すと画面を操作する。

合成まで一週間かかるためまだ怪獣に変化はない。

(僕が作り出すオリジナル怪獣....一体どうなるのかなぁ?)

期待に胸を膨らませながらその時が来るのを待つのであった。

 

一週間の間、物間はバイトをしつつヴァーサイトを使いコッヴの量産を行っていた。

そのお陰で1週間でコッヴを三体、アルビノコッヴを六体作ることが出来た。

そして、今日そこに新たな怪獣が仲間入りする。

画面を見るとそこに合成が完了した表示が現れる。

 

「....来た..来た来た来たァァァ!

物間は興奮冷めやらぬ中、合成が完了した怪獣を画面に表示させる。

その姿は見た目はコッヴのままだが両手が鎌だけから鎌が仕込み武器の様に腕についた五本の指が現れ、胸の水晶体を囲むようにレッドキング特有の蛇腹の皮膚が纏われていた。

そして頭の角も禍々しく巨大化している。

 

あまりのカッコよさから物間は息をするのを忘れてその怪獣を眺めてしまう。

「....イェェェェイーーー!僕の怪獣だァァ!

しかもカッコいい!素晴らしい!本編に出てても文句のないクオリティだよやったねぇ!」

 

そして、作り上げられた怪獣のステータスを確認する。

 

NAME (???)

 

(POWER)A(STAMINA)B

 

(DEFENSE)A(ABILITY)B

 

【能力】 光弾

 

流石はパワーキャラのレッドキングを合成しただけはありパワーがAまで強化されていた。

しかも、ディフェンスまでAに上がっている。

残念なのはアビリティに変化が無かった所だがまぁ、ここは仕方がないだろう。

 

さて次の問題はこの怪獣の名前だ。

うーん、悩ましい。

こういう場合名付けには三つのパターンがある。

 

一つ目は関連性のない新しい名前をつけること..

 

二つ目は合成に使った怪獣の特徴を名前に入れることだ。

レッドキングなら"どくろ怪獣"なので"スカルコッヴ"という名前も悪くなさそうだ。

 

三つ目は略称をつける手段だ。

超コッヴ(スーパーコッヴ)みたいな感じだ。

 

うーん、どうしようか。

これから怪獣を作ることを考えたらオリジナルよりも特徴を加えた名前の方が良いのだろうが.....

こういう時に円谷プロは色んな方法で名前をつけていった。

怪獣を作った人の名前を文字ったり、神話の話から選んだりとそのセンスの高さに脱帽する。

 

思いっきり悩んでいると部屋の中の空間にヒビが入る。

そしてヒビの中からリベルジュが現れるのだった。

「ファッ!」

「ほぅ、新たな怪獣が生まれたのか。

これがレッドキングとコッヴの合成個体か。

ん?名前が付いてないぞ?

それでは呼びづらいだろう....仕方ない私が"代わり"に名前を付けてやろう。

 

「あっ!ちょ!」

物間の制止も空しくリベルジュにより名前がつけられた。

良し、この怪獣の名前は"Rコッヴ"だ。

いやぁ我ながら良いネーミングセンスだ。

「........」

 

あっ、因みにRの意味は私の名であるリベルジュか....

野郎ぶっ殺しゃぁぁぁ!

ファッ!へっ?

 

「僕の楽しみをよくも奪ってくれたなぁぁ!

歯ぁくいしばれぇぇぇ!」

うぼぁぁぁ!

 

物間の感情の高ぶりによりスーツが強制起動した拳がリベルジュの顔へと突き刺さる。

なっ....何故殴るんだ!

「黙れっ!怪獣ファンの楽しみを奪った罪は重いんだァァ!」

物間はリベルジュのいる異空間へと突撃するとそのままリベルジュの襟首を掴みかかる。

「もう、我慢の限界だ....カルカスの一件ぐらいならまだ許せた...だがこれはダメだ。

怪獣ファンの造り出した怪獣の名付けを奪う行為など許されん!」

 

....えっと、ごめんね。

謝って済んだら警察もウルトラマンも要らないんじゃぁぁぁ!

す....すまなかった!

そんなにも大切なことだとは思わなかったんだ。

だっ....だがこれからも沢山の怪獣を合成できるんだ...いっ....一体位気にすることはないだろう?

 

ブチッ!

リベルジュの失言が物間の心から道徳心を完全に奪った。

「.....流石はヤプール人、原作と同じくやることが悪辣ですね。」

え?いや.....はい?

 

「仕方がありませんねこの手だけは使いたくなかったんですが....」

そう言うと物真はスーツのヘルメットを操作し外すとサイケデリックに包まれた空間が視界に入る。

それにより物間の視界は疲弊し吐き気を感じてくる。

その行動に何をするのか感じ取ったリベルジュは分かりやすく焦りだす。

ままま待ちたまえ物間よ!

私が悪かった...だからここでゲロを吐くのは止めてくれ!

やっと臭いが取れたんだ!もうこの部屋を汚したくないんだぁぁぁ!

 

その言葉と動きを無視するように物間は遠くの目線をしながら口を開けてリベルジュを睨む。

「よく見ておけ....これが本当の.....」

 

 

ウルトラ水流じゃゃい!

物間の口から光線のように一直線にゲロが発射される。

そしてその体制のまま身体を回転させる。

それによって起こる推力に身を任せていく。

高速で回転しながら吐かれたゲロは放射状に広がっていく...

 

止めろぉぉぉ!止め...止めてぇぇぇ!

リベルジュの絶叫が異空間に木霊するのだった。




新たに手に入れた怪獣

Rコッヴ

レッドキングとコッヴを合成したことで生まれた怪獣。
コッヴの弱点であるパワーと防御力が強化されている。
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