翌朝は大雪だった。どうも関東でも雪らしく、俺の会社は休みになった。
朝6時に起きたところで、結局やることはただ一つだった。
「くらえ!ミリアル!」
「冷たいですアリアル!」
ミリアルとアリアルは雪合戦をしていた。することがこれな訳がないだろう。
「お前らも手伝えよ、この量あるんだから」
「マスター。こうやって遊ぶことで雪がすこしずつ減っていくんですよ」
「その分降ってきてるけどな」
アベルーニが家の中から出てきた。
「アベルーニは手伝いに来たのか」
「手伝わないとこいつらがずっと遊んでるからな」
アベルーニはスノーダンプを持ってきていた。助かる。少しは早く終わりそうだ。まだ朝も早かったが、アベルーニだけは起きていたらしい。
「マスター、おはよ~」
ささらが家の窓から顔だけを出して言った。
「おはよう、ささら。手伝う気にはなるか」
「ちょっとご飯食べてくるね~」
ささらはそう言って逃げて行った。なんでみんな雪寄せしたくないんだ。俺とアベルーニだけ凍え死ぬぞ。
「マスター、これどのくらいやるんだ」
「とりあえず車庫から車が出せるくらいは。あとは道路のところもある程度は」
周辺の住民たちが協力して除雪していく。山奥なのもあって、雪はかなりの量だ。
「結構な時間かかるな……誰か手伝えないのか」
「ミリアルとアリアルは無理だろ。そしたらまだ寝てるやつらか」
とは言ってもあとはつづみとセイカしかいないが。つづみなんて手伝うわけないもんなぁ。
「そうか……頑張るか、じゃあ」
アベルーニもわかっていたらしい。
7時、車庫周りの除雪をしていると、セイカがようやく起きてきた。
「マスター、手伝いに来たよ」
「お、ありがとな。セイカ」
「これで早く進むな!マスター!」
もう早く終わりにしたがっているアベルーニだった。それもそのはず。外の今の気温は-2℃。雪も降っているため、余計寒く感じる。
「さーて、全く手伝ってくれない奴の分もやりますか」
「あぁ……ミリアルとアリアルには後で言っておく」
アベルーニは呆れながら言った。
昼過ぎ、ようやく雪寄せが終わった俺たちを待っていたのは昼ご飯だった。今日の昼ご飯はチャーハンで、ささらとつづみが2人で作っていたらしい。相変わらずミリアルとアリアルは何もしていない。
「マスター!そこ座って!」
ささらは自分の隣に座らせようとする。
「ダメよ。マスターは私の隣に座るの」
今度はつづみが言う。
「じゃ、じゃあ、2人の間に座ろうかな……」
「えっ」
短く声を上げたのはセイカだった。セイカの隣には誰もいないのにチャーハンが置いてある。あっ
「……セイカの隣で食うわ」
「なら俺がその間に入ろうか」
アベルーニが言う。
「あぁ、そうしてやって──」
「ダメだアベルーニ!」
「ダメですアベルーニ!」
ミリアルとアリアルがアベルーニの腕を掴んだ。
「……分かったよ、ミリアル、アリアル」
男って大変なんだな、と熟々思う。
「マスター、あーん」
「え?あ、あーん……」
みんなが見てる中でこういうことを平気でやってくるようになったか。
「んふふ~、ふふーん♪」
セイカはご機嫌だった。まぁ、だったらいいか。